606 名無しさん@ピンキー sage 2008/07/05(土) 18:59:46 ID:i9G0dcS1
13話まで見てミハシェリもありじゃね? と思ったのでちょっと書いてみた
ミハシェリでエロなし
13話まで見てミハシェリもありじゃね? と思ったのでちょっと書いてみた
ミハシェリでエロなし
607 いたずら妖精 sage 2008/07/05(土) 19:01:17 ID:i9G0dcS1
いたずら妖精
いたずら妖精
学校の屋上で空を眺めていたシェリルは大きく溜め息を吐いた。
慰問コンサートが体調不良で失敗に終わってからというもの、彼女の芸能運は下降の一途を辿っていた。
それでも十二分に売れっ子の彼女が、こんなふうに時間を食いつぶしている暇はないのだが、不調時のモチベーションの維持は大変なものだった。
気の抜けた顔でフェンスに寄りかかる彼女に、銀河の妖精の面影は見受けられない。
「ふぅ……」と、もう一つ大きな溜め息を吐く。
「なんだ、そんな辛気臭い顔をして」
振り向くと、学生服のミハエルが笑っていた。
シェリルは人物を確認するなり、また力なくフェンスに肘を乗せた。ミハエルとは学校やプライベートでなんだかんだと付き合いがあった。もう肩肘を張る相手ではなくなっていた。
「見てわからない? 屋上で黄昏てるの」
「それは見りゃわかる。俺は元気出せって言いたいの」
「元気付けてくれてるの?」
シェリルはいかにも意外というふうにわざとらしく目を開いてミハエルを見た。完全に演技が入っている。傷心中の妖精さんはちょっとひねくれていた。
「おいおい、俺をどんなヤツだと思ってたんだ」
「超女ったらしのいけ好かないキザ眼鏡」
「ヒデーな。わりとマジで傷ついたぞ」
場を繕うように眼鏡をかけ直して空を見るミハエル。少なからず傷ついたのは本当のようだ。その様子を見たシェリルはすかさず続けた。
「――というのは半分冗談で」
「半分かよ!」
「半分はそうだけど、それ以上に女にやさしくて友達思いのいいヤツよ」
シェリルはにっこりと笑顔を見せるとグッと親指を立てた。
それに乗ったミシェルも「そうだろう?」と親指を立てて、入道雲より真っ白な歯を光らせた。かなりの自信家である。
ひとしきり笑顔で見合った後、シェリルは両腕を空に向けて大きな背伸びをした。
「あー、なんか元気出てきた! ありがと」
シェリルは歩み寄って、ミハエルの頬にチュッと唇を当てた。
不意打ちを喰らった彼は、触れられた所に指先を当てて面白いほどうろたえた。シェリルはその反応に満足げに笑う。
「お、おいっ」
「なぁに? キスは初めて?」
「そうじゃないけど。これは――」
「私のキスなんだから、ありがたく受け取っときなさい」
けたけたと笑いながら上機嫌で屋上を去る彼女は、ミハエル以上の自信家だった。
慰問コンサートが体調不良で失敗に終わってからというもの、彼女の芸能運は下降の一途を辿っていた。
それでも十二分に売れっ子の彼女が、こんなふうに時間を食いつぶしている暇はないのだが、不調時のモチベーションの維持は大変なものだった。
気の抜けた顔でフェンスに寄りかかる彼女に、銀河の妖精の面影は見受けられない。
「ふぅ……」と、もう一つ大きな溜め息を吐く。
「なんだ、そんな辛気臭い顔をして」
振り向くと、学生服のミハエルが笑っていた。
シェリルは人物を確認するなり、また力なくフェンスに肘を乗せた。ミハエルとは学校やプライベートでなんだかんだと付き合いがあった。もう肩肘を張る相手ではなくなっていた。
「見てわからない? 屋上で黄昏てるの」
「それは見りゃわかる。俺は元気出せって言いたいの」
「元気付けてくれてるの?」
シェリルはいかにも意外というふうにわざとらしく目を開いてミハエルを見た。完全に演技が入っている。傷心中の妖精さんはちょっとひねくれていた。
「おいおい、俺をどんなヤツだと思ってたんだ」
「超女ったらしのいけ好かないキザ眼鏡」
「ヒデーな。わりとマジで傷ついたぞ」
場を繕うように眼鏡をかけ直して空を見るミハエル。少なからず傷ついたのは本当のようだ。その様子を見たシェリルはすかさず続けた。
「――というのは半分冗談で」
「半分かよ!」
「半分はそうだけど、それ以上に女にやさしくて友達思いのいいヤツよ」
シェリルはにっこりと笑顔を見せるとグッと親指を立てた。
それに乗ったミシェルも「そうだろう?」と親指を立てて、入道雲より真っ白な歯を光らせた。かなりの自信家である。
ひとしきり笑顔で見合った後、シェリルは両腕を空に向けて大きな背伸びをした。
「あー、なんか元気出てきた! ありがと」
シェリルは歩み寄って、ミハエルの頬にチュッと唇を当てた。
不意打ちを喰らった彼は、触れられた所に指先を当てて面白いほどうろたえた。シェリルはその反応に満足げに笑う。
「お、おいっ」
「なぁに? キスは初めて?」
「そうじゃないけど。これは――」
「私のキスなんだから、ありがたく受け取っときなさい」
けたけたと笑いながら上機嫌で屋上を去る彼女は、ミハエル以上の自信家だった。
終