2016年11月17日。
まげつけの製作に関わったというTZK氏が
Twitter
で以下のように呟いた。
『まげるつけるはし~る 俺☆デッドヒート』(本当にこんなタイトル)。
サクセスの全プログラマを動員する勢いの企画だったけど、そのUIが本当に、見事なまでにバランバラン。マニュアルを書くために参加したけど、まずUI統一に走り回った。
それもあって、サクセスでは多少そのあたりは改善したはず…
まげつけ、クルマ好きがちゃんと作りすぎたせいで常人には理解しがたいゲームになっちゃったんだよなぁ。
あの当時の自分の立ち位置として、まずUIの統一をなんとかするのとサンプルゲームをとにかく増やすこと、ツールのマニュアルとして取説を過不足なく書くこと、で手いっぱいだった。
パソコンのツールじゃなくてゲーム機のツクールなんだから、まずサンプルゲームをあそんで改造するのが第一歩だと考えていたが、サンプルゲームは味もそっけもないものが一つだけだった。
自分は当時企画課の課長だったんで無理言って企画課全員に一人一つサンプルを作ってもらった。
まげつけはパラメーターまわりがかなり複雑で、まともな挙動のクルマを作るのが難しいという欠点があった。
なんで、サンプルでとにかく普通のレースゲーム程度には走らせられる数値を組んでもらい、プレイヤーはそこから弄ってもらえばいい、という方針で進めた。
あと、なぜか結構本格的な
ADVツクール的なものも付いていて、そのサンプルにもならなきゃいけない。
こっちはとにかくバラエティを!ということでお互い好きなようにやる(ことでカブらないようにする)、という方針で進めた。
みんな自分のタイトルと掛け持ちだったし、よくやったほうだとは思う。
自分が作ったシナリオは、レースゲーム版「喪服のランデブー」みたいなやつ。※1
このネタなら誰ともカブらないしレースゲームとしてはかつてないパターンだろう、と(当時は)思っていた。
でも実際は、「レースゲームでサイコサスペンス風味」はあのレーシングラグーンがそうだったんだよね。当時は知らなかったけど。
まぁ、あれは自分が勉強不足というよりは、やっぱ当時のスクウェアが頭おかしかったんだと思う。
あー、いろいろ思い出してきた。ツールの操作方法を全部マニュアルに載せるかどうかで一悶着あったんだった。
マニュアルはページ数によって原価が変わるから、ページ数を増やすとそれはそのままメーカーの利益を圧迫する。だから会社としてはマニュアルは薄くしたい。
でもツクール、しかも家庭用ゲーム機となれば、ヘルプの説明を読みながら…なんてことは期待できない。
最低限のフローと操作はマニュアルに載せ、画面をいじりながら手元でマニュアルを確認する、というプレイスタイルを可能にしないと、と当時は思っていた。
いまは逆に、家庭用ゲームやPCゲームだったら紙マニュアルは最低限でいいとは思う。
そんでスマホで確認できるwebマニュアルを充実させるのがたぶん正しい。
電子化すれば常に更新できるし、検索も使える。
この呟きを見た本@wiki管理人の一人が話を伺ったところ、快く答えてくださった。
管:関係者さんですか!?まげつけは続編が出て欲しいくらいに好きなんです。
氏:プロジェクトのラストあたりに入ったので関係者としては末席でした。
まげつけは当時でもかなり冒険的な企画だったので、続編があるとしたらなにか特別な神風が吹くとかが必要そうです(笑
もうちょっとなんとかしたかったところはあったんですけどね。車の作り方のチュートリアル的なシナリオを入れるとか、マニュアルをもっと充実させて自動車工学的な部分をもっとガッツリ解説するとか。マニュアル担当の自分の力不足でした。
管:少し説明が足りないくらいにして自分でいじって発見する、みたいな感じのもいいと思いますよ!
氏:そうですね、そう言っていただけると当時の苦労も報われます。
いま思えば、あれこれ取っ付きの良さに苦心するよりも、逆張りしてマニアックさをアピールしたほうが製品寿命を延ばしたかも知れませんね。
これらの呟きから開発時の苦労が伺える。
様々な課題をクリアした開発者の皆様に感謝しつつまげつけライフを楽しもう!
尚、TZK氏は恐らく
俺☆デッドヒートの人達内の手塚 忠孝氏。
最終更新:2019年04月11日 00:42