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アークノアストライクジーク
アークノアの分裂した火の魂のクリーチャー。
その正義感はかなり強く、しかも決して諦めない不屈の魂の持ち主。 ファイアー・バードの森にて、アークノア達と別れ一度火文明に残った後、思いもよらない戦いを通して新たな力に目覚める。(参照) そして再び聖都市エレジェンドにてアークノア達と合流する。 シャイニングカリバーン
アークノアの分裂した水の魂のクリーチャー。
ブリトア王国にて最強の騎士龍として存在していたが、ギアキングドールとダークノアによってドラグハートに封印されてしまっていた。 今はアカシアに龍解させてもらうことで復活し、自分の故郷を救ってもらったことからアークノア達と協力して碧雷の帝王討伐に向かうことに。 セイヴァージャンヌ
アークノアの分裂した光の魂のクリーチャー。
かつてアークノア達と共に聖都市エレジェンドの危機を救うも、虚構魔獣によって殺されてしまい、アークノアに自身の魂を返還することで息絶える。 しかし再びアークノア達がこの聖都市エレジェンドに戻ってきたことで、その意志が戻りつつあった。 アカシア
ブリトア王国の騎士。剣魔の太刀という剣術と魔術を両立させる技を覚えた他、アークとしての力も覚醒させることで二刀流を扱うことができるように。
アークノア達と共に故郷であるブリトア王国を救った。そしてカリバーンと同じく碧雷の帝王討伐に向かう。 イヴァングローム
世界の全ての文明を侵略しようとし、超獣世界最大戦争を巻き起こした全ての元凶。
全ての四天王を倒したアークノア達の前に現れ、ついに直接対決を迎えることに アナザーバイオレンス
闇文明に混沌を巻き起こした災厄の化身。
かつて無沌世壊軍により復活させられ、アークノアやストライクジークを返り討ちにした絶望的な能力を持つ。 帝下兵竜軍により、不完全状態の時に回収され、ついに再び彼らと相対することに。 |
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決着!碧雷の帝王
ついに全ての力を解放し、真の姿を見せたイヴァン。奴は力を解放させた後、残った帝下兵竜軍と捕食禍龍達の力を全て吸収したのだ。
「全てを打ち滅ぼしてやる!」
彼の最後の切り札、《古代帝下装魂 ロストインペリアルダーク》を装備し、アークノア達に攻撃を開始する。
ドラゴン・メクレイドXという禁じられた力を使いこなし、龍のエネルギーを最大まで発揮しながら5体相手にも互角に立ち回っていた。鎧が破壊されたことで、防御力は落ちたものの、その攻撃性能は爆上がりし、痛みを顧みない狂気的な戦い方で戦場を再び支配した。
だがそれでもアークノア達は遅れを取らなかった。彼ら自身も今が最高の状態を迎えており、これ以上に奴を倒せる瞬間はなかった。
文字通り互角の戦いをし、全ての力がこの戦いに収束していった。
そんな状況をよく思わなかったイヴァンは、帝王メテオバーンを使用し、全ての力を無力にして一気に全員を叩き潰そうとした。
だがそれに合わせてアークノアは仲間の力を集めた最強の必殺技、《超王神羅 アークオールパニッシュメント》をイヴァンに向けて放つ。
5文明とは言わずとも、光、水、火、自然の力が全てアークノアに集結し、4つの柱となってイヴァンに襲いかかる。
帝王メテオバーンの一撃とアークオールパニッシュメントが激突する。再びアークノアとイヴァンの全力のぶつかり合いであった。
「二度も負けると思うなよ!!」
この瞬間、イヴァンはその帝王メテオバーンに帝下魔術を重ねがけし、威力を底上げしてきたのだ。
それにより帝王メテオバーンの威力がアークオールパニッシュメントを大きく上回り、押され始めたのだ。
しかしアークノアは1人ではない。彼には今仲間がいるのだ。セイヴァーの《聖域から放たれし贖罪の神槍》、カリバーンの《幻想月夜の女王騎士》、そしてジークの《ボルシャック・アーマー・クライシス》がアークオールパニッシュメントに重ねられた。
それにより再びそのエネルギーは帝王メテオバーンを上回る。
「バカな!?我の本気がッ!我の全力が....負けるだと!?」
「これはお前が起こした全ての因果だ。今の私1人だったらお前には勝てなかったかもしれない。だがお前の生み出した被害者が....犠牲者が....私達に力をくれた!
お前の敗因は、お前の過去全てだ!」
「...ッ!!舐めるな!」
怒りに満ちたイヴァンは自身の全ての力をその帝王メテオバーンに注ぎ、さらなる勢いを加速させなんと威力を互角に持ち込んだのだ。
しかしそれすらもアークノアの予測通りであった。彼は最後に《Alternative-Ark-Noah-Break》を重ねて、ほんの少しを上回った。
「ここにいない仲間の力も...全てお前にぶつける!!トドメだ!イヴァングローム!!」
あらゆる力が混成されたアークオールパニッシュメントは帝王メテオバーンを打ち破り、さらにはイヴァンすらも呑み込み、ついに因縁の宿敵を撃破したのだ。
祝福
「バカな...我が.....このような.....ザマなど......」
アークノア達の最大の攻撃を喰らってもなお生き残っていたイヴァン。さすがこの帝国を束ねるだけあってしぶとく耐えていた。
しかしもはや瀕死の状態であり、勝負は決まったようなものだった。
「ふざけるなッ!!我はまだ諦めぬ!全宇宙の理想郷に到達する....その時までは!!」
「全宇宙の理想郷だと?」
マスティアやオルタがたびたび口にしていたその言葉が彼の口から出たことに疑問を感じたアークノア。しかしイヴァンはそれも構わず、最後の行動に打って出た。
「全ての地に眠る古代の超獣を復活させこの地を滅ぼし、強制的に全宇宙の理想郷を呼び出すまで!!」
「なんだと!?」
古代のクリーチャーを復活させるということはかつて滅びた脅威を蘇らせるのと同義。それはこの世界に混沌を巻き起こすこと他ならなかった。
奴の執念は凄まじく、鬼のような形相で最後の行動を起こそうとした。
しかしそれよりも先に動いたのは...いやある行動を起こしたのはイヴァンでもアークノアでも、ましてや他の4体でもない。
封じられていたアナザーであった。
「............寒イ」
ふと、一言だけ奴は言葉をこぼした。
しかしそれはここにいる誰もが聞いたこともない。奴の口から出た初めての言葉であった。
「あぁ....なんて寒イ.....ダ.....ロウ。ボク........コレ.........嫌いダ」
その瞬間であった。辺り一帯が突然炎に包まれた。黒い炎は一瞬にして奴を封じていた氷を溶かし、自由にさせた。
そしてアナザーは氷から解放されても何をするでもなくただ突っ立っているだけであった。 しかしその姿はまるで今までとは違う。
何か....新たな生命の誕生.....それを感じさせるような雰囲気を醸し出していた。
「まさか....完全なる成長を遂げようと!?」
イヴァンがそう漏らしたその時であった。
突如として《超次元ファイナル・ホール》が再び時空を歪める。しかしその穴は今までとは違い、アナザー自身を吸収し始めた。
まるで奴の暗黒の力を共有するかのように変化し、一瞬にしてファイナル・ホールは全く別の存在《消離のファイナル・ホール・コア》へとなったのだ。 終焉の導き
何が起きたのか理解できない一同。しかしこの状況は間違いなくかつてないほど恐ろしいことに向かっていることには気がついていた。
このとき最初に動いたのはイヴァンであった。奴はロストインペリアルダークを片手にアナザーを再び封印しようと試みた。 だが今のイヴァンはほぼほぼ瀕死状態である。成長の最中とも言える今のアナザーには全く敵わなかった。
「ボクは....キミが嫌イ。....でも、キミのその力は.....ボクの好みダ」
その瞬間、アナザーの身体から噴出された闇の煙がイヴァンの身体を包み込んだ。彼は帝王メテオバーンでその煙を打ち払おうとしたが、アナザーの持つ変幻自在の闇の魔力を前には無力であった。
そしてその闇の煙に包まれたイヴァンは《消離のイヴァングローム》という存在に変わり果てたのだ。 誰よりも強く誰よりも上の存在になろうとしたイヴァンは皮肉にもアナザーの手によって奴の傀儡となってしまったのだ。
このときカリバーンはアナザーの身に起こる異変に気がついた。同じ超次元の力を操るものとして、そのうちに秘められた危険な変化を感じ取ったのだろう。
「お前達!今のアナザーはまずい!すぐにあいつを倒すんだ!!」
カリバーンの一言で再びアークノア達に緊張が走る。彼らはそれぞれの持つ最強の一撃を手に、アナザーに向かって駆け出した。
驚異的な成長を見せ、まだ見ぬ段階まで進もうとする奴に彼らは恐怖さえ感じていた。
アークノア達はアナザーに向かって破壊の一撃を放つ。イヴァンを撃破した時に撃ったものと全く同じものであった。
しかしあろうことか、その攻撃をアナザーではなく、ファイナル・ホール・コア自らが吸収しだしたのだ。超次元の穴がまるでクリーチャーのように勝手に動きだし、自律してアナザーを守ったのだ。
そしてその吸収した攻撃のエネルギーを闇のオーラに変換し、再びアナザーに与えたのだ。
闇が変色し、破壊の形が保たれる。
アナザーは《消離のアナザーバイオレンス》となり新たな闇の力を得たのだ。
決戦魔王
姿を変えたアナザーはすぐさまアークノア達に襲いかかる。イヴァンもまた追従するように彼らに攻撃を始めた。
前のような理不尽な力は無くなったものの、アナザーの意識が覚醒したことで魔王としての素質が完全に目覚め、捕食禍龍達を従えて戦況を完全に支配した。
超次元を操る力はもはや今までとは比べ物にならないほど強くなり、次元を超えた攻撃や次元を使った攻撃の回避などを頻繁に使うようになった。
それでもアークノア達は奴らの攻撃に喰らい付き、なんとか耐え凌いでいたのだ。しかしイヴァンと立場の逆転したアナザーはそんなしぶといアークノア達を意に介することもなく、自身の持つ謎の計画を軸にとあることをしようと考えていた。
アークノアはそんな様子に気がつき、何やら嫌な予感を感じた。アーク軍に捕食禍龍を任せ、アナザーに直接出向いたのだ。しかしアナザーはその行動に対して、3つの超次元を強制的に解放し中から次元によって変質した捕食禍龍達を大量に召喚したのだ。
さらにアナザーの今持つ力は相手の動きを封じる力...。迫り来るアークノアをその力も使って止めたのである。この一連の行動からアークノアの中で疑惑が確信へと変わる。
すぐさま他の4人にそのことを伝え、アナザーを止めるよう指示する。
それを聞いたジーク、カリバーン、セイヴァー、アカシアはいっせいにアナザーに飛びかかった。だがここで奴は《不可視の破滅》という攻撃によりセイヴァーとアカシアを撃ち落とした。 しかしまだジークとカリバーンが残っており、2人はそれぞれの最大の技を使ってアナザーを倒そうとした。だが今度はイヴァンがそこに割って入り、カリバーンの邪魔をしたのだ。イヴァンとカリバーンではカリバーンの方が攻撃力は上...のはずだった。アナザーの与えた消離の力により、イヴァンのパワーは4倍へと膨れ上がっており、彼女の力を大きく上回ったのだ。それにより力技で絡め取られたカリバーンもまた撃ち落とされた。
残ったジークはいなくなった3人の力も込めて、その剣をアナザーに振り下ろす。
しかし奴はそれを超次元の力を使って防いできたのだ。アークノアの動きを封じてからここに至るまでの行動全てが奴の想定通りであったのだ。赤子のように自律した意思がなかった時と比べ、やはり恐ろしいまでに成長を遂げていた。
「楽しクナイ....ね」
そう言うとつまらなさそうにアナザーはジークも撃ち落とそうとした。しかしこのとき、超次元の穴にヒビが入ったのだ。なんとアナザーの超次元の力がジークに押されていたのだ。
これはアナザーにも完全に想定外の話であった。それもそのはず、今のジークはこれまでの何百倍もの力に溢れていたからだ。自分自身の過去...故郷を破壊され、仲間を死なせた元凶を前に、彼の力は限界すら超えていた。
「舐めるなよ!殲滅の魔王!!」
瞬間、ジークの剣がアナザーの超次元の壁を完全に打ち砕き、アナザーに大きな傷跡をつけたのだ。
これは奴が覚醒してから与えた初めての大ダメージであった。 バイオレンス・覚醒リンク
ジークの攻撃はアナザーに確かなダメージを与えた。これによりアナザーの能力は一時的に解除され、アークノア達も解放される。彼らの中に希望の光が見えてきていた。
しかしこのときアナザーは微かに笑っていた。まるで全ての目標が達成されたかのように、奴は邪悪な笑みを浮かべていたのだ。
その瞬間、アナザーとイヴァン、そしてファイナル・ホール・コアが輝き出した。ファイナル・ホール・コアを中心として一つの光が彼ら全員を繋いだのだ。
そのときセイヴァーはその先にある最悪の未来を察知した。すぐさま光の防壁で自分達全員を守る。彼女の光の防壁が全員を包んだ瞬間、黒い光が視界の全てを支配した。
そしてその光が晴れた瞬間、彼らの目の前に広がっていたのは何もない荒地であった。 あったはずの帝国や城は一瞬にして消え去り、黒い地平線が見えていた。 そして目の前にいたのは、巨大な龍。もはや全ての闇を収束させたかのような災厄の存在《天地終焉 アナザーエンド・サイキック・ドラゴン》であった。
アナザー、イヴァン、ファイナル・ホール・コアによる
アークノア達に戦慄が走る。もしあれを喰らえばひとたまりもなかっただろう。
「世界が...闇が.......僕を祝福してくれている..........あぁ......これが僕の誕生.......ッ!」
アナザーは完全体となっていた。もはや喋り方に幼さは残っていない。殲滅の魔王は完全に復活したのだ。ファイナル・ホール・コアの力こそ彼の完全復活の最終素材であった。
瞬間、空が闇に染まる。まるで世界を食い尽くそうとするかのように、景色が崩壊していった。
「世界が.....終わる.........」
絶望した表情を浮かべるセイヴァー。彼女の神聖なる力がこの先に訪れる破滅を予感させていたのだ。
破滅の戦い
アナザーの完全なる覚醒に一同は戦慄していた。それでも止まっているわけにもいかず、彼らは覚悟を決めてアナザーに立ち向かった。
恐ろしい闇の力は常に膨張し続け、世界を呑み込もうとしている。1秒でも早く倒さなければ世界が終わりを迎えてしまう事態にまでなっていた。
しかしアナザーは
それを見たアカシアとセイヴァーはすぐさま守りの力を使い、仲間達を少しでも守ることに尽力した。アークノア、ジーク、カリバーンは連携して敵を撃ち破ることに全力をかけた。
だがアナザーの圧倒的なパワーを前には彼らの攻撃は全て無意味であり、世界の崩壊の危機を前に何も手出しできないような絶望的な状況が続いていた。
そんな中でアカシアはある行動を取る。それは《氷華水月・雪月花》を放つことで、奴の動きを封じ世界の崩壊を少しでも止めることであった。
今のアナザーを前に一か八かで彼はその技を放つ。すると意外なことに奴にはその技が通用したのだ。おかげで世界の崩壊は一時的に食い止められた。
しかしその瞬間、突如として大地が砕かれ、空を裂き、アカシアの身体を大きく刻んだのだ。
「なッッ!!」
「アカシア!!」
カリバーンがアカシアに駆け寄る。命に別状はないが、あまりに大きな傷が彼の身体に刻まれていた。しかしそれだけでは終わらなかった。その余波は他のクリーチャー達にも及びかけていたのだ。
「危ない!!」
セイヴァーが《再生の聖壁》を使ってその攻撃を防ごうとするも、それ以上に速い亀裂が彼らを襲い、彼女だけでなくアカシアに駆け寄ったカリバーン達全員に致命的なダメージを与えたのだ。
アナザーは全てを無に返す力を持っているが、同時に全てを許容せず、反射する性質を兼ね備えていた。どんなものであろうが破壊を介して周囲に大きな影響を与えるその技は、まさに殲滅の魔王に相応しいと言えた。
そしてアナザーは待ってましたと言わんばかりに、封じられていた動きを意図的に解除したのだ。奴は不定形のクリーチャーであるが故に、あらゆる形に変貌することもできた。そのため氷華水月・雪月花に対応する力も持っていたのだ。
「君たちではボクを倒せない.....どれだけ力を合わせようと、どれだけ強い思いで立ち向かおうと.....ボクに勝つことはできないんだ」
そう言うとアナザーはケヒャラケヒャラと笑った。まるで無邪気な子供のように、倒れ伏した彼らを笑っていたのだ。
だがそんな彼の死角を取って、2つの攻撃がアナザーに直撃した。一瞬だがよろけた彼は、攻撃の来た方向を見る。そこには大きな傷を負いながらもまだ戦いを続けようとするジークとアークノアの姿があった。 機構龍&英雄龍VS殲滅の魔王
2人の姿を見たアナザーはニヤッと薄気味悪い笑顔を浮かべた。まるで最高のおもちゃを見つけた子供のように無邪気で無慈悲な様子を見せていた。
手始めに彼は紫の火球をアークノアとジーク目掛けて放った。ブラックホールを内蔵し、周りにあるもの全てを吸収しながら地中を抉り取るその一撃は本来であればかなり危険であるに違いなかった。しかし彼らはそれを真正面から受け止め、破壊したのだ。
「もうこれ以上テメェの好き勝手させるかよ!」
「セイヴァー、カリバーン、アカシア。お前達の回復する時間は私達が稼ぐ。それまでに万全の態勢に戻すんだ」
アークノアはそう3人に指示する。それに素直に従うことにした彼らはセイヴァーの光も含めてなるべく早く戦場に復帰できるよう回復に努めた。
アークノア、ジークとアナザーの激しい戦いが繰り広げられる。巨大な魔王相手に互角に渡り合う2体。これは《呪戒の霊園 瘴気の怨霊殿》での戦いが活かされていたのだ。 進化し強くなったと言っても根底は変わらない。アナザーの攻撃を2体はうまく見切っていたのだ。
アークノアはもう一度《超解放アークノア・フルバースト》を放った。その一撃はアナザーに致命傷を与えることはできなかったものの、戦いの流れを変えるには十分な力を見せた。
アークノアの超解放により、力を取り戻したアーク軍も再び立ち上がり、アナザーに立ち向かう。
そしてセイヴァー達も回復によって徐々に傷も癒えてきていたのだ。まさに絶望が希望に転じる瞬間とこのときは誰もがそう思えた。たった1体を除いて.....。
その瞬間であった。アナザーは謎の赤黒いオーラを身に纏った。それはアナザーの禍々しい技の中でも特筆して、恐ろしい見た目を誇る技と言えた。
アークノアやジークもそれに警戒する。2人は万全の防御を構えて、アナザーの攻撃に備えた。
しかしその一瞬の間であった。まるで瞬きをするほどたった一瞬の間に、天地海は突如として紅く染まり、ひび割れ崩壊したのだ。アナザーの纏ったオーラは《無情の亀裂》と呼ばれる呪いである。
その呪いは全ての攻撃に相手に一生治すことのできない傷を残す効果を付与できるものであった。
その状態で奴は《アナザー・エンド・ダークホール》をアークノア達ではなく、この世界に照準を定めて放ったのだ。その結果、世界は今まさに崩壊しようとしていた。そしてその影響はこの世界に存在するアークノア達にまで及ぶ。
彼らは万全の防御を構えていたが、世界という空間ごと狙った攻撃に巻き込まれることで全ての防御を無視した一撃を喰らった。それにより、ここにいるアナザー以外のほぼ全てのクリーチャーが消し飛ばされ、その命は世界の崩壊と共に砕け散ってしまった。
あまりに無慈悲で残酷で、畏怖すべき技。これこそ奴が殲滅の魔王と呼ばれる所以であった。
最期のハイパー化
そんな中、アカシアは目を覚ました。回復に努める最中で突然襲った激しい衝撃に彼は意識を失っていたのだ。何があったのかも理解できず目の前の光景を見る。.....そこには、身体の半分を消し飛ばされたカリバーンの姿があった。
「そんな.....カリバーン様.....」
「.........アカ....シア......」
彼女達は咄嗟にアカシアを守るために、光と水の結界を作り出したのだ。それは一時的だが彼を別空間に飛ばすことで、世界ごと破壊する攻撃から彼を守ったのだ。しかし同時に自身の守りを完全に守りを捨てたことから、あの技を直に喰らいセイヴァーとカリバーンは致命傷を受けてしまった。
アークノアのツインパクトの力で一時的に顕現していたセイヴァーは再び光の魂となって消滅し、カリバーンもまた消えかけていたのだ。
「.....あなたを.......守れただけでも...........よかっ.....た......。アカ.....シア........ブリトア王国を........頼み.....ます.......」
そう言い残すと、彼女もまた消滅し水の魂だけが残った。瞬間、アカシアから悲痛の叫びが溢れ出す。もはやここが戦場であることも忘れ、彼は泣き叫んだ。
しかしここには奴がまだ健在である。アナザーはその叫びを聞き、アカシアにトドメを刺そうとした。だがそれをギリギリで食いとめたのは、ボロボロな状態のジークであった。
「....やめ...ろ......お前の相手はオレだと.....言ったはずだろ.......」
そんな様子のジークをアナザーは冷たい眼差しで見ていた。もはや今の彼は目の前の死にかけの存在に、好奇心を揺さぶられることはなかった。
一撃で終わらせようとしたそのときだった。彼は《フルバーストハイパーモード》を使用したのだ。これはどんな状況でもハイパーモードに覚醒できる技であった。しかしそれにより覚醒した姿はいつものジークではない。 その姿はまさに炎の化身....いつか消えてしまうであろう儚き姿《ストライク・オーバー・ドラゴン》での顕現であった。
彼は1人で、アナザーに立ち向かった。その炎が激しく燃え上がる時、彼は様々な感情で溢れかえっていた。これまでの旅、仲間、戦い....まるで走馬灯のようにして彼の脳内を巡っていた。
重い一撃がアナザーに入る。しかしそれでも奴の歩みを止めるほどには至らなかった。
そんな中、彼はその力をさらに解放しようとした。
「ルピア.....エンペラー.......頼む......オレに力を貸してくれ.....」
彼は《ボルシャック・アーマー・クライシス》を放つ構えに入ったのだ。その技には先ほどまでの全ての感情が込められていた。
「....ッ!喰らえ!!殲滅の魔王ォォォォォォォォオオオオ!!!」
そう叫ぶと己の全てをその技に委ねた。大きな爆発が轟く。それによりボロボロのジークも一緒に吹き飛ばされた。煙が立ち込める。その一撃は地面に大きなクレーターのような穴を作り出していた。
しかしそこには立っていた。ジークの全てを賭けた想いすら無駄にするかのように、アナザーはピンピンとしていた。
「そん....な.......」
もはや彼に動く力は残されていなかった。そんな状態のジークを、アナザーはギョロリと見たのだ。
「邪魔だよ君。ボクの邪魔をしないでくれるかな」
瞬間、奴は自身の身体から火、闇、自然のエネルギーを放ち《支配欲と破壊欲の決断》を放った。
それは全く動けないジークに直撃し、彼を大きく燃やし、焦がし、崩壊させ、完全なる致命傷を与えたのだ。
しかしそれで終わらない。アナザーは再び《アナザー・エンド・ダークホール》を放とうとしていた。しかし今度はジークに直接照準を定めていたのだ。
「いいよ。まずはキミからだ」
そう言うとその一撃はジークに目掛けて放たれる。直撃した瞬間、その場に大きな黒い亀裂を作り出し、世界を....空間を......そして彼を切り裂いた。
約束と想い、不屈の意思は終わらない
アナザーの手により、最後の希望すら打ち砕かれた...そう思われたが、そこにジークの姿はなかった。
見渡すと、同じくギリギリの状態のアークノアがなんとかジークを攻撃の魔の手から救っていたのだ。だが彼自身ももはや戦えるような様子ではなく、ジークもほんのあと数分の命といった様子であり、結局希望なんてものはなかった。
「....クソッ!......オレは.....オレは......何もできないって言うのかよ....。あいつらが.....死んでもオレに託したってのに......なんて......ザマだよ...ッ!」
彼は悔しさで身体を震わせていた。あのとき死んだ仲間の想いがあるのに、それを成し遂げられない自分の弱さに怒りしか湧かなかった。今まで彼のことを後押ししてくれた力が今度は彼を追い詰めていたのだ。
アークノアもジークにかける言葉がなかった。このままでは世界はアナザーによって破壊され尽くされてしまう。
そうなれば今までの旅も、努力も....全てが無駄で終わってしまう。 なんとか状況を打開する策を考えようとするも、もうセイヴァーもカリバーンもいない。戦えるのは強いてアークノアとアカシアだけであった。さらには彼自身がもうツインパクトの力を使えるほど体力も残っておらず、アカシアは精神的に参ってしまっていた。
「あぁ.....世界が終わる。最高の瞬間が訪れる.....!大きな命....小さな命....!全てが消え去ってゆく!
なんて....なんて........幸せだぁ」
世界を破壊しようとするアナザーに理由などなかった。尊ぶべき理想も夢も存在せず、ただただ本能が破壊を追い求める生きる狂気であったのだ。
もはや世界が行く末を見ているしかない...そう誰もが諦めかけていた。
しかし...たった1人だけ....不屈の英雄たった1人だけが、まだ可能性を信じていた。
「....アークノア.....あのときの話...覚えているか?」
「あのときだと...?いつの話だ」
「オレ達が出会ったあの夜の話だ」
それはアークノアがジークに彼が自分の分裂した魂の一つであることを話し、戻りたいか戻りたくないかを尋ねた時の話である。
アークノアは突然そのときの話をした彼の内情を察した。
「...まさか、ジーク......」
「あぁ....オレはもう戦うことはできない.....。もはや腕一本すら動かない状況だ.......。だからアークノア.....オレを吸収して、お前が戦って欲しい。
.....こんな情けない英雄の最後の頼みを....どうか聞いてくれ......」
そうこぼす彼の目にはうすらと涙が滲んでいた。できれば彼も戦って死にたかったのかもしれない。だけど可能性を信じて諦めないとは、蛮勇に戦い続けることではないのを彼は分かっていた。
託された想いを次に託すのも諦めないことである。
「....分かったジーク。だけど、一つだけ違う」
「......なに?」
「戦うのは私だけではない。私と...お前だ」
そうアークノアは言った。それを聞いたジークは最後にそっと微笑み、その姿は火の魂へと変わった。
明るく輝くその魂をアークノアは自身の身体に吸収していった。
地平は闇で満たされている。何もない空間が彼らを孤独に晒していた。
そんな中でも英雄は立ち上がり続ける。守るべきもののために、その不屈の意思と想いは終わらない。
「....いくぞジーク。あのとき死んだ仲間達のとの約束は、今ここで果たす」
瞬間、その闇を撃ち抜くほどの激しい炎が空へ舞い上がった。その衝撃はアナザーも気がつき、彼は咄嗟に後ろを振り返った。
そこには闇を打ち払うほどの光で満ちた英雄《超天の英雄王 ジーク・アークノア》が立っていた。 最後の戦い 英雄王VS魔王
その激しい光の炎の力にアナザーは数千年ぶりの緊張感を感じていた。紛れもない自身とは正反対の存在、こちらが破壊の龍であれば、奴らは守護の龍であることを感じ取っていた。
アナザーは全ての闇の力を結集し、アークノアを本気で潰そうと動いた。彼の成長した精神がこの警戒心を呼び起こしていた。
しかし同時にアークノアは《禁じられし英雄王の紋章》を使い、己の力をさらに高めた。
全ての死者の力を操るアナザーに対し、不屈の炎の意思一本で渡り合うアークノア。
互いの全力がここにぶつかり合う。光と闇の激突は本来の激突以上に強い力を生み、辺りに激しい衝撃波も同時に放っていた。 今まで一方的であった魔王との戦いは、ここにきて初めて互角になったのである。
アークノアの高尚な魂とジークの不屈の正義はパズルのように合致しこれまでの合体以上に革新的な力を呼び起こしていたのだ。
まるで二人の意思が重なっているようであった。
....そんな戦いの様子を地上からアカシアは見ていた。自分にとって師匠とも大切なパートナーとも言えるカリバーンを失った彼は、戦いの意思が消沈していた。
しかしアークノアとジークの合体、そしてその炎を見ているうちに、彼の心の中にはカリバーンの最期の言葉が浮かんできていた。
彼女の故郷を任せるという言葉...。それは彼女が自分を信じてくれたからこそかけてくれた言葉に違いなかった。
だったらそんな自分が、戦いもしないでここで立ち止まっているわけにはいかなかった。
「カリバーン様、見ていてください。僕の....勇気を!」
伝説と英雄と覇皇の決断
アークノアとアナザーの戦いは苛烈を極める。全てにおいて圧倒的な強さを誇るアナザー相手に、アークノアは互角に戦いを繰り広げていた。
しかしその途中で、アナザーはあることに気がついた。それは彼らが2体で合体しているものの、まだ時間が浅いことで再び分断できる可能性があることであった。
再び分断してしまえば、もはやアークノア達に勝ち目はないと言ってもよかった。アナザーは《無情の亀裂》を体外に放ち、2人の魂を分断しようと試みる。
しかしそこに割って入ったのはアカシアであった。アカシアの手によって、その技は封じられてしまった。
「アカシア!」
「僕も...戦います。カリバーン様の想いを....叶えるために!」
復活したアカシアも加わったことで、完全に形勢は逆転した。アナザーを少しずつ...少しずつだが追い詰めていったのだ。
その中で少しずつだがアナザーにも焦りが見えていた。彼自身も自分が追い詰められている自覚はあるのだろう。 だからこそ、ここで大きな手を打った。次アークノアやアカシアが近づいた瞬間、《アナザー・エンド・ダークホール》を0距離で放ち、一気に殲滅しようとした。
その目論見通り、アークノアとアカシアは同時にアナザーへ迫り来る。すかさずチャージしていたこの技を放とうとしたそのときであった。
「そう来ることは分かっていた。だからこちらも準備はしていた」
瞬間、アークノアは《奇跡の輝き エレジェンド・スパーク》を放ったのだ。本来であればたくさんのクリーチャーの力がなければ放つことができないこの技。
しかし消滅したセイヴァーの残した最後の光とジークに宿る正義の光がこれに宿り、今ここで最大級の力を放てるようになったのだ。 アナザーよりも先に放ったことで、アナザーのダークホールは不発に終わる。それ以上に光によって彼の身体は焼け焦がれていた。
「そんな....馬鹿な。あり得ない.....あり得ない.....ボクが...ボクが....こんなに苦しいなんて....ッ!!」
実態を持たず、殲滅という概念と同じであるアナザーは今まで痛みも苦しみも感じたことはなかった。しかし成長しすぎたことが今度は逆に仇となり、実態を手に入れてしまい、アークノア達の攻撃を喰らうようになってしまっていた。
アークノアとアカシアはトドメの一撃を放とうとする。アークノアは自身のハイパー・モードを解放し、さらに《禁じられし英雄王の紋章》をエネルギーに、最後の必殺技《伝説と英雄と覇皇の決断》が解放される。それによりアークノアの力は限界を超えた。
「トドメだ!殲滅の魔王!!」
燃え盛る炎はアナザーに向かって飛来する。まるで空から降り注ぐ贖罪の槍のようにして、アークノアはアナザー目掛けて飛びかかった。
「ボクが.....ボクが.........いちばん強くて偉いんだ!!」
アナザーも対抗し、闇の力を全て解き放とうとした。しかしそこで彼の身体の内から謎の反発が生じた。
その反発の正体は、彼によって吸収されたはずのイヴァンであった。
(大概にしろ小僧....貴様は我の力を使い過ぎた。帝王たる我の力をだ!.....全てを支配するこの我のことを完全に制御しきったと思っていたのか。その驕り.....万死に値するッ!!)
瞬間、アナザーからイヴァンの力が消滅した。そのときアナザーは再び《消離のアナザーバイオレンス》へと戻ってしまっていた。
完全に力を失し対抗する術をなくしたアナザー相手にもアークノアは容赦などしない。その光の力はアナザーの闇を切り裂き、全てを邪悪を打ち払ったのだ。
「そんなバカな.....ボクが......ボクが.......負ける.......なん.....て」
完全なる光にあてがわれたアナザーはその身体が塵となってバラバラになり、その闇の魂は空へと舞い上がった。
こうして、瘴気の怨霊殿から続いた因縁の戦いは多くの犠牲を出しながらもついに決着を迎えた。 戦争の終焉
地平線を支配していた闇が晴れ、再び世界が色を取り戻した。
アナザーが倒されたことで、崩壊しつつあった世界も元に戻っていった。
「...終わったんですね。本当に....」
「....あぁ」
たくさんの犠牲を出しながらも、彼らはついに目標を達成した。碧雷の帝王と殲滅の魔王の討伐をついに成し遂げる。
「終わったぞ散って行った部下達よ....それにセイヴァー、カリバーン、ジーク....そしてマスティア、オルタ....」
光が明るく降り注ぐ中でアークノアは横になって太陽を掴むような感覚を得ていた。
しかしそんな様子を見下ろす謎の存在がここにはまだいた。誰もその存在に気がついていない。
まだ1体...闇は残っていた。
同時にもうじきこの世界には再び訪れる。この世界を賭けた最後の戦いが。
彼らは気がついていない。
ここからが本当の戦いだということを.....
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