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アークノアストライクジーク
アークノアの分裂した火の魂のクリーチャー。
その正義感はかなり強く、しかも決して諦めない不屈の魂の持ち主。 ファイアー・バードの森にて、アークノア達と別れ一度火文明に残った後、思いもよらない戦いを通して新たな力に目覚める。(参照) そして再び聖都市エレジェンドにてアークノア達と合流する。 シャイニングカリバーン
アークノアの分裂した水の魂のクリーチャー。
ブリトア王国にて最強の騎士龍として存在していたが、ギアキングドールとダークノアによってドラグハートに封印されてしまっていた。 今はアカシアに龍解させてもらうことで復活し、自分の故郷を救ってもらったことからアークノア達と協力して碧雷の帝王討伐に向かうことに。 セイヴァージャンヌ
アークノアの分裂した光の魂のクリーチャー。
かつてアークノア達と共に聖都市エレジェンドの危機を救うも、虚構魔獣によって殺されてしまい、アークノアに自身の魂を返還することで息絶える。 しかし再びアークノア達がこの聖都市エレジェンドに戻ってきたことで、その意志が戻りつつあった。 アカシア
ブリトア王国の騎士。剣魔の太刀という剣術と魔術を両立させる技を覚えた他、アークとしての力も覚醒させることで二刀流を扱うことができるように。
アークノア達と共に故郷であるブリトア王国を救った。そしてカリバーンと同じく碧雷の帝王討伐に向かう。 イヴァングローム
世界の全ての文明を侵略しようとし、超獣世界最大戦争を巻き起こした全ての元凶。
全ての四天王を倒したアークノア達の前に現れ、ついに直接対決を迎えることに アナザーバイオレンス
闇文明に混沌を巻き起こした災厄の化身。
かつて無沌世壊軍により復活させられ、アークノアやストライクジークを返り討ちにした絶望的な能力を持つ。 帝下兵竜軍により、不完全状態の時に回収され、ついに再び彼らと相対することに。 |
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逆襲の時
ここは自然文明のヴォルカ帝国。この帝国は長きにわたり自然文明を支配し続けていた。
奴らの総大将でもある碧雷の帝王とその配下の帝下兵竜軍により一瞬にして統一されたのだ。
そのため実質的に自然文明は奴らが全てを支配していると言ってもよい。しかしイヴァンはそれでも満足しておらず、他の文明...挙げ句の果てにはクリーチャー世界の外すらも自身の手に収めようと考えていた。
こうして巻き起こったのが超獣世界最大戦争である。奴が起こしたこの大戦により多くのクリーチャー達が命を落とし、多くのクリーチャー達の幸せな生活が奪われた。
だがそれもここまで、四天王を全て倒したことで彼らがここに現れる。
「敵襲!!敵襲!!」
ヴォルカ帝国内で警報が鳴り響く。すると全ての壁を打ち破り、外からアークノア達が現れた。
そして後ろからジーク、カリバーン、アカシアが現れ、目の前に現れる敵を次々薙ぎ倒して行った。
(アークノア様!このまま真っ直ぐ行けば、碧雷の帝王の城に着きます!)
「了解した。お前達!このまま突き進むぞ!!」
セイヴァーの光の導きにより、目的地を定めたアークノア達は妨害をものともせずに、己の道を突き進む。
これまで出会ったクリーチャー達の想い、別れたクリーチャー達の想い、そして消えてしまったマスティア達の想いが彼らの動力となっていた。
ついにアークノア達の逆襲が始まったのである。
対面
アークノア達は敵軍を意に介さず突き進む。しかしこの警報の仕業かどんどん帝下兵竜軍が集まってきており、どんどんと進撃を食い止められていった。
仕舞いには周りに敵だらけとなり、動きを封じられた。 それをまずいと感じたカリバーンは自らの技を使い、一瞬だが大きな隙を作った。
そしてアークノアとジークを先に向かわせたのである。
「ここは私達に任せろ」
「アークノアさんとジークさんはすぐに碧雷の帝王のもとへ!!」
こうして2人を残し、アークノアとジークは城へと向かった。途中、帝下兵竜軍が襲いかかってくるも、ジークは英雄ハイパー化、アークノアは《革命の法皇 セイヴァー・アークノア》となり襲い来る敵を返り討ちにしていった。
そうこうしているうちに2人は大きな扉を前にした。
その扉にはこれまで感じたこともないような邪悪なオーラが漂っていた。しかしここまで来て止まるわけもなく、彼はその扉を蹴破り中に侵入する。
扉の先は広い空間であった。まさに玉座と呼ばれる場所である。
そしてその空間の奥、その中央にはたった1体、あるドラゴンが居座っていた。
「ほぉ....やはり来たか。さすが、アーク軍の首領と英雄龍なだけはあるな」
アークノアは奴の姿を見て確信した。
奴こそが自身の分裂した最後の自然の魂...そしてこの超獣世界最大戦争を巻き起こした全ての元凶《進化の雷帝龍 イヴァングローム》であるということを。
邪悪なる戦いの幕開け
「忘れられし地平線、古代神秘の龍秘境、呪月島、天空終蟲神殿...。さまざまな場所を侵略し手に入れてきた戦力を全て倒し、よくここまで来たな」
「ずいぶんと余裕そうじゃねえか」
「追い詰められているのは貴様だ、碧雷の帝王!!」
ついに対面したアークノアとジーク。しかし奴は今まで仕向けてきた全ての戦力をアークノア達に打ち破られて方にも関わらず、恐ろしいほどに冷静な様子であった。
「追い詰められている?この我がか?...面白いことを言うではないか。侵略はこれからだと言うのに」
そう言うと奴は帝国の上空から見上げたものを彼らの前に映し出した。すると驚くべきことに、この帝国自体がまるで巨大な兵器のような形をしていたのだ。
《帝下最終兵器 ワールド・オブ・グローム》...それは彼専用の最終兵器であり、これが起動されればこのクリーチャー世界全てに終わりの雷鳴が鳴り響く恐るべき代物であった。
「奴らはあくまで情報収集、この世界が現状どうなっているかを調べるためのものであった。....が、どうやら大したことはないようだ。お前達以外はだ」
するとイヴァンはアークノアの方を見て、その目を細くした。
「我は全てを支配し頂点に君臨する帝王だ。だが貴様という存在がこの世にいるかぎり、我は貴様の分裂した魂の1つという事実が永劫に残り続ける。
....忌々しい限りだ。我より存在が上位の者など! よって、この世界の侵略は貴様らを全て始末してから行うと決めていた!!」
すると奴は己の力を解放し、身体中から邪悪な碧の雷を迸らせた。その雷は触れただけでも大きな傷跡を作り、一瞬にして王の広間をボロボロにしてしまうほどの威力を誇っていた。
間違いなく今まで出会った敵の中でも最も厄介かつ邪悪な存在と言えるものであった。
「...さすが私の分身だ。今までの敵とはまるで違うな」
「自画自賛か?...まあいいさ。じゃあ俺とお前の2人なら負けることはないな!!」
しかしアークノアとジークはそれにいっさい怯まない。彼らのこれまでの旅が彼ら自身を成長させ、大きな力と勇気を与えたのだ。
もはや恐れなどない。今なら誰にも負けない....そんな気持ちさえ漂っていた。 だが、それを...碧雷の帝王が分かっていないはずもなかった。
「貴様達はどうなら我をみくびっているらしい」
「...なんだと?」
「最初も言ったが、我に取って侵略計画の壁は貴様らだけだ。逆に言えば貴様らを倒してしまえばもはや侵略は成功したもの同然...。
この時、この瞬間に備えて....我が何も準備をしていないと思ったか?」
そのとき、奴は部下を複数体呼び寄せて、とある呪文を唱えた。その呪文はどこか聞き覚えのあるものであった。
しかしその曖昧な記憶は次に映し出された光景により、はっきりとした現実へと変わる。
突然何もない空間に、大きな穴が開いた。そしてその中に奴の呼んだ部下達が吸収されていく。
アークノア...そしてジークはそれが何か分かった。その穴は《超次元ファイナル・ホール》によって作られた超次元の穴であった。
それだけではない。その超次元の奥から感じる気配...あまりにドス黒いオーラは否応なしに最悪の感情を彼らの記憶に呼び戻す。 そして数秒後、その次元の奥からそのオーラを持つクリーチャーが現れる。
その姿は、かつて自身らを絶望の底に追いやった....邪悪の化身であった。
瞬間、ジークの奥底からあのとき感じ、そして封じていたマグマのような怒りの心が溢れかえる。
「...殲滅の魔王ッッッ!!!!」
奴が解き放ったのは、かつて瘴気の怨霊殿にて、彼の仲間英雄軍を皆殺しにし敗走させた恐怖にして因縁の宿敵...《覚醒の殲滅龍 アナザーバイオレンス》であった。
進化する厄災
まさかの存在と再び対面したことに、アークノアは驚愕しジークは怒りに震えていた。
「さあ...たった2人で何ができるかな?」
するとアナザーバイオレンスは2体に攻撃を始めた。奴は決してイヴァンに従っているわけではなく、自由に己の本能に従って暴れていた。
圧倒的パワーを誇るアナザーは瞬く間にこの広間を完全に破壊し、天井を突き破って青空を仰いだ。
ジークとアークノアは奴の対応に追われるも、イヴァンが何もしないわけもなく、彼は帝王メテオバーンたる攻撃を使ってアークノア達に次元を超越した攻撃を喰らわせた。
イヴァンの力によって超次元の力を封じられたアークノアはドラグハートを使えずにいた。自身の強力な技の1つを封じられ、苦戦を強いられているかのように思われたが、彼にはまだあれが残っていた。
アークノアは2体の攻撃を回避するとGR召喚を使って大量に仲間を呼び出した。《アークリンク・ブレイズナイト》を筆頭としたGRクリーチャー共にアナザーとイヴァンに立ち向かう。
「面白い。やはり戦争とはこうでなくてはな」
するとイヴァンは再び帝王メテオバーンを使用する。しかし今度は次元攻撃ではなく、召喚術であった。奴もまた次々と帝下兵竜軍を呼び出し、アークノア達に立ち向かわせる。
戦いは苛烈化し、城はどんどんと崩壊していく。イヴァンのまるで自身の城が壊れることを意に介さない戦い方にはもはや狂気も感じさせられた。
奴にとっては最終的な支配という名の勝利以外、全ては不要であったのだ。
拮抗した戦いを繰り広げる中、ついにジークが動き出す。彼は自身の炎を最大限にまで高め、《ボルシャックジーク・ガチャレンジ・ドラゴン》へと進化した。そしてアーマード・W・メクレイドXにより2つの技を同時に放ち、アナザーに大きな一撃を与えた。
とはいえまだ微妙に耐え切っていたアナザー。ジークに向けて反撃を一撃を喰らわせようとした。しかしそれを予測していた彼は、技を溜めてアナザーが攻撃を放つよりも先に自身の最大の一撃をアナザーに放った。
「喰らえ!《ボルシャック・アーマー・クライシス》!!」
かつて火文明のメラバスチームにて仲間と共に放った究極の必殺技。それをここで出し惜しみすることなく使ったのだ。今度はアークノアとアーク軍の力を借りて放ったその技は、アナザーの反撃の技すら押し返し、120%の火力をぶつけたのだ。
仲間の怒りと悲しみを糧に放ったその技により、なんとアナザーの覚醒状態を一撃で解除したのだ。
(アークノア様!)
「分かっている!」
不完全状態となったアナザーはすぐにでも倒さなければ再び復活する。それを分かっていたアークノアは、セイヴァーと再び一つになり、光の力でそれを抹消しようと試みた。
しかしそこで違和感を覚えた。なぜだか奴が復活の時にする行動を起こさないのだ。以前ならば周りからエネルギーを吸ったり、手下を使ったりなどして、奴は自身の復活を妨害する敵を迎え撃ってきた。 だが今回はそのような行動をいっさい起こさない。まるで眠った赤子のように何もしないのだ。
何やら嫌な予感が隠しきれない。アークノアがそう感じた瞬間、イヴァンが彼の前に立ち塞がる。
「....ッ!」
「ふふふ....ずいぶんと焦っているようだ。よっぽど復活が怖いのだな。...だがそれも意味はない。なぜならば奴がしようとしているのは復活ではないからだ」
「なんだと!?」
「奴がしようとしていること....それは“進化”だ」
すると次の瞬間、アナザーの身体から激しい業火が吹き荒れた。周りのもの全てを焼き尽くすような勢いで身体が燃え盛ったのである。
「奴には我が力を与えたのだよ。それこそ進化の力...。奴は今まさに進化を遂げようとしている!」
するとその業火から奴が姿を現す。身体は真紅のように真っ赤になり、まるで地獄から帰還したかのような壮絶な見た目となったアナザー...《アナザーダークスター・サイキック・ドラゴン》がそこにはいたのだ。
剣から城へ
アカシアとカリバーンは共に迫り来る帝下兵竜軍と交戦していた。おおよそ別れてから数十分。そろそろ脱出し、自分達もアークノア達の元へ向かおうと考えてきたその時だった。
突然空から3本の槍が降り注ぎ、アカシア達を襲った。飛んできた方向を見ると《帝下将軍 ゲオルギアグローム》がそこにはいたのだ。
奴はこの帝国でもイヴァンに次いで2番目の実力を持つ強力なクリーチャー。暴れるアカシア達を倒しについにやってきたのだ。 その姿を見たカリバーンは力量を見定め、最初から本気でぶつかる。剣術と魔術の両方を使う剣魔の太刀により、ありとあらゆる攻撃技でゲオルギアと交戦する。
しかし彼女達のその技術は、3本の槍に対してものすごく相性が悪かったのだ。奴の3本の槍は天、地、海を一度に切り裂く強力な力を有しており、剣術と魔術の2つだけでは手数が足りなかった。
次第に追い詰められていくカリバーン。しかし彼女も魔術の応用を効かせ、手数を増やしていく。しかしそれ以上に周りの帝下兵竜軍が厄介であり、奴らのサポートもあってかゲオルギアはさらに力を手に入れていた。
そしてついに奴は超魂Xの力すらも装備し、カリバーン相手に巨大な斬撃閃を放った。カリバーンはそれに真正面から迎え撃つも、それは全ての妨害を貫通する技であることに彼女は直前に、直感で気がついた。
「アカシア!」
「!!」
「すみません。貴方には再び苦労をかけることになります。...しかし必ず私を解き放ってください」
瞬間、その斬撃が彼女を貫き、彼女はその姿を消してしまった。アカシアは一瞬絶望したものの、彼女は自身の持つ龍転生の力により何とか剣になって力を留めていた。
アカシアはすぐにその剣を掴み、彼女の言う解き放つ...つまり龍解を試そうとした。しかし、なぜだかいつまで経っても龍解しない。 見れば自身の持つ剣は《蒼華神剣 カリバーン》ではなく、似ているようで全く別の《蒼王神剣 クリアクリスト》になっていた。
アカシアは困惑するも、そんなことをいちいち気にしていられるほど今の状況はよくなかった。彼もまた剣魔の太刀を使って帝下兵竜軍と戦うも、依然としてゲオルギアが厄介であることに変わりはなかった。
3本の槍は今度はアカシアに狙いを定めて、その巨大な槍の雨を振り下ろす。
しかしそれはあまりに突然であった。彼は意識せずに戦い続けていたが、突然彼の持つクリアクリストが光出したのだ。まさかの龍解かと思い、彼はその剣を空に投げ飛ばす。
だがそこから変化したその姿は彼の予想に反したものであった。
龍解は確かにしたのだ。しかしクリーチャーではなかった。
その神剣から龍解したら先は《蒼王結晶城 ブリタニア・クリスト》というドラグハート・フォートレスだったのだ。
城から龍へ
ウエポンからまさかのフォートレスに龍解したカリバーンに、困惑するアカシア。しかしその原因があのファイアー・バードの森で《巨神天王龍スカモルディア・ヴィナズューラ》と戦ったことによると予測した。
奴のドラグハート・フォートレスとしての影響がなんらかの形でカリバーンの身に変化をもたらしたのかもしれない。しかし完全に当てが外れたアカシアは、目の前の帝下兵竜軍に対抗する力を失い絶体絶命の危機に直面する。
しかしここで、思わぬことが起きた。なんとフォートレス自体が帝下兵竜軍に攻撃を始めたのだ。
彼女の意思は消えてはおらず、むしろその姿を変えたことでさらなる力を蓄えていたのだ。
次々と雑魚クリーチャーを排除するなか、やはりゲオルギアだけはその攻撃に争い続けていた。
奴の放った3本の槍が、アカシアとブリタニア・クリストに襲いかかる。アカシアは己の持つ剣で対抗したものの、3本の槍の威力には叶うはずもなく突き飛ばされた。しかもこの時彼の持っていた剣が破壊されてしまったのだ。
完全に武器を失ったアカシアにもはや対抗する術は残されていない....かに思われた。
これまでの旅の成果、努力、出会い...それら全てが彼の背中を後押ししていた。 死んでしまったマスティアのこと思い出すと何故だか心が苦しくなる。その原因となった帝国軍を彼は許せなかった。
だからこそ彼は自身の武器を失いながらも、その闘志まで失うことはなかった。例え素手であっても目の前の敵を倒さないという選択はなかったのだ。
「僕が...ここで負けるわけには行かないんだ!!」
その様子を見たゲオルギアはアカシアにトドメの3本槍を飛ばした。アカシアはそれを素手で迎え撃とうとした。
しかしただでさえ武器を破壊する威力を持つ槍を3本同時に喰らって無事に済むはずもない。激しい痛みを全身に感じながらも彼は耐え続ける。 そのときだった。まるでその諦めない心に呼応したのか、彼の両手を蒼の炎が覆い被したのだ。その炎はアカシアの全身を包み込み、その力は覚醒した。 《蒼剣龍覇 アカシアNEXUS》 彼は次の段階を迎えたのだ。
そして同時にブリタニア・クリストに変化が起きる。彼の覚醒に呼応するが如く、彼女もまたその全ての力を解放したのだ。
故郷の力の全てを背負い、結晶の如き美しさと強さを兼ね備えたカリバーン...《クリスタルカリバーン・ドラグハート・ドラゴン》が現れた。
ついに完全復活、さらには進化したカリバーンを前に彼らの形勢は逆転した。
ゲオルギアは3本の槍を放ってアカシア達を倒そうとする。しかしカリバーンの剣魔の太刀のさらに先...剣術と魔術をコンマ0秒すらずらさずに同時に放つことで刃をもう一つ生み出す伝説の技、双極剣魔の太刀により全ての槍を撃ち落としたのだ。
「アカシア!!」
カリバーンが声を上げ彼に合図を送る。アカシアは大きく飛び上がり、ゲオルギアに向かって降り落ちる。
奴はそれに対して、カリバーンを一度倒した全てを貫通する斬撃閃を放つ。 しかしあろうことか、彼はそれを素手で防いだのだ。
アカシアが遂げた進化はカリバーンとはまた別の方向であった。彼女が剣術と魔術を同時に放つことで、無からさらなる斬撃を生み出す3本の剣を武器とするなら、彼は両手を手刀のようにして扱いさらに同時に呪文を詠唱することで3つの攻撃を可能とする完全なる無刀流であった。
全ての妨害を超えて貫通するというなら、それを次元ごとねじ切ればいい。それによって斬撃閃を打ち破ったのだ。
「終わりだああああ!!」
そしてそのまま両手を剣のようにかざし、ゲオルギアを断ち切る。全てを崩壊させるほどの一撃を両手、魔術を組み合わせて放ったことにより、ついに奴を打ち倒したのだ。
6龍の集結
完全進化したアナザーはもはや別の存在へと変わったかのように動きがまるで違った。恐ろしいほど俊敏に動き、的確に相手の急所を突いてくる。その素早さはまるでスカーレットゼロに引けを取らないくらいであった。
ジークは先ほどのボルシャック・アーマー・クライシスを使った影響で、ハイパー化が解除されてしまい疲弊していた。しかしそれでも《フルアーマード・バーニング・ブレイブ》をクロスし、自分をできるだけ強化しながら彼も喰らい付いていた。
そうしているうちに彼らは少しずつだが、アナザーのスピードについていけるようになっていた。やはり聖都市での戦いを経て、彼らもまた成長していた。
しかし、そのタイミングでイヴァンは思わぬ行動に出る。
「チェンジだ。アナザーバイオレンス」
奴がそう言った途端、アナザーの身体には今度は黒い煙がまとわりついた。真っ暗で中が何も見えないほどの暗闇の煙からは、先ほどまでとは違い強い闇のオーラが感じられた。
すると中から現れたのはまるで違う姿に変わったアナザーバイオレンス《アナザーネオダーク・サイキック・ドラゴン》であった。
「見当違いだったようだな。我が奴に与えた進化の力は2つ。スター進化とG-NEO進化の力だ。今のアナザーはこの力を使い分けて戦うことができる。貴様らが片方に適応するのはなんの意味もなかったというわけよ」
するとアナザーはこの空間に暗闇を放つ。すると地面から大量の捕食禍龍や帝下兵竜軍を蘇らせた。本来のアナザーに近い能力だが、蘇生能力はさらに格段に進化していた。
(アークノア様!ここは私が代わります!)
「頼むセイヴァー!」
アークノアは光の力を持つセイヴァーと入れ替わり、迫り来る闇のクリーチャー達に対抗する。
ジークとセイヴァーは両者共に光の力を持っているため、相性としては悪くなかった。
しかし数が多すぎる。この数では無理矢理ゴリ押されれば負けかねない。
そんなときだった。後ろの方から蒼と碧の斬撃が飛んできて、帝下兵竜軍と捕食禍龍達を襲う。
ついにアカシアとカリバーンが追いついたのだ。 進化した2人の姿を見て、彼らは希望を見出した。
「待たせたな2人とも!」
「あれが...碧雷の帝王ですか!?...その横にいるのは」
アカシアは気がついていなかったが、同じ分裂した魂であるカリバーンには目の前の敵がアークノアの自然と闇の魂であることを見抜いていた。
ついに5文明の龍が全て出揃った。ジーク、カリバーン、セイヴァー、イヴァン、アナザー。 この様子を見てイヴァンは大きく笑った。
「フハハハハ!面白い!やはり今日が決着を着ける日に相応しいときた。もはや貴様らに容赦する必要もない。我も本気を出す時が来たようだ」
すると彼は超魂Xを装備する。すると今までにないようなオーラを纏い、この空間を全て支配したのだ。
無敵の帝王
超魂Xの力により、イヴァンはさらなる進化を遂げた。ただでさえ厄介な能力を持っていた彼は、その魂の力によりもはや誰にも手がつけられなくなりかけていた。
この自然文明の地にて発見された進化の奇石を研究し、彼ら帝国は超魂Xという存在を見つけだし、それを再現した。故に今この世界では彼らしかその能力を扱える者はおらず、対策方法も判明していない。
さらにはアナザーの存在もあり、セイヴァー達は数では勝っていたものの、イヴァン達相手に互角...もしくはそれ以上に厳しい状態であった。
しかし奴はこれでは終わらせなかった。確実にアークノア達を倒すという意思のもと、帝王メテオバーンによる召喚で大量のクリーチャーを呼び出した。しかもそのクリーチャーは帝下兵竜ではなく、この自然文明で故郷を侵略されたクリーチャー達が呼び出されていた。
圧倒的支配力で戦況を掌の上のように転がすイヴァンを前に、セイヴァー達も必殺技を使わざるを得なかった。
アカシアを中心に、セイヴァー、ジーク、カリバーンは集まり、例の必殺技を放つ体勢となった。 そして《アークトライバースト・水炎の聖なる槍》を解き放つ。水の破壊力、火の瞬発力、そして光の浄化力を力にイヴァンを打ち倒そうとした。
しかしそれを防いだのはアナザーであった。奴は闇の力でそのアークトライバーストを吸収したのである。火、水、光の力は奴の闇の前には無力であった。
さらにはそのエネルギーを糧にアナザーは時空の歪みを変形させ《殲滅と厄災の決断》を解き放つ。
あらゆる破壊と混沌の力が混じり合ったその攻撃は、地面を抉り、セイヴァー達の下へ真っ直ぐ跳んでゆく。セイヴァーはその攻撃が直感的にまずいと勘付き《再生の聖壁》を展開し、仲間を守ろうとする。
だがイヴァンがそれを許さず、ワールド・オブ・グロームの一部の力を解放し、この地の地盤を揺るがして聖壁の展開を邪魔した。
それにより聖壁は100%の力を発揮できず、殲滅と厄災の決断の介入を許し、セイヴァー達に致命的なダメージを与えた。
奇跡の双極
殲滅と厄災の決断をくらったセイヴァーもといアークノアの身体には大きな傷ができた。後もう少し威力を抑えきれていなかったら、その身体は真っ二つにされてもおかしくなかった。
それほどまでに致命傷を負ったアークノアの身体は当然まともに動くはずもない。
「くっ...!アカシア、カリバーン!俺は殲滅の魔王を相手にする。お前達2人は碧雷の帝王を相手にしてくれ!」
「無茶な!お前1人ではあいつを止めるのは無理だ!」
「そうですよジークさん!」
殲滅の魔王の力は碧雷の帝王の力とほぼ同じ、もしくはそれ以上に強力な力を有していた。
そんな相手にたった1人で挑むことは側から見ても無理をしていると言っても過言ではない。 しかし彼の思惑は別にあるようだ。
「俺は殲滅の魔王と戦ったことがある。もちろん今のあいつはそのときとはまるで違うし、なんなら強くなっている可能性はある。
お前達の言う通り、俺1人で倒すのは無理かもしれない」
「だったらなぜ!?」
「簡単だ。俺1人でも、“時間稼ぎならできる”」
「時間稼ぎ?」
「アークノア達が復活するための時間稼ぎだ」
ジークの言った言葉にカリバーンとアカシアは驚き、イヴァンは鼻で笑った。
アークノアは瀕死の重症を負っており、その状態ではセイヴァーに交代することもままならない。仮に復活しても戦えるかどうかなど怪しいの一言であった。
「ついに足掻きの一手に入ったな英雄龍。みっともないことこの上ない」
「みっともない...か。確かにその通りだ碧雷の帝王。だがな、望むものを手に入れるために諦めないってのはそういう泥臭いことを言うんだぜ。
絶対に負けらない戦いに勝つために...たとえほんの一筋の希望しかないとしても、それを掴むために必死に足掻く。俺達はずっとそうやって戦い...そして勝ってきた。 帝国の奥で引きこもってる傲慢なお山の大将にはわからん感性か?」
「なんだと?」
ジークは立ち上がった。その目は燃え尽きていない。不屈の炎が彼には宿っていた。
「華々しい最期を準備するより、今を情けなくとも必死に生き続ける方が俺の好みで特技なんだよ!」
そう叫ぶとジークはアナザーに炎の剣を構えて突撃した。その姿を見たアカシアとカリバーンも、彼の意思を感じ取りイヴァンに向かって立ち向かった。
「...よかろう。ならばその意地汚い生き様を評し、その首は貴様らの故郷に掲げてやろう」
そう言うとイヴァンは全軍に残った3体のクリーチャーの殲滅命令を出した。
アーク軍はその軍団と交戦するも、圧倒的な戦力差を前にどんどん追い詰められていく。しかしそれでも彼らは諦めなかった。 ジークの言ったアークノアの復活という奇跡を待ち続けていたからだ。そんな希望に縋る彼らを嘲笑い蹴散らすかのように、イヴァンは容赦ない攻撃をジーク達に降り注ぐ。
ひとりひとり...どんどん仲間が倒れていく。死神の魔の手が彼らに少しずつ迫ってきていた。
しかし、そのとき...倒れるアークノアの傷から光が溢れ出した。大きな切り傷から放たれるその光は、セイヴァーを想起させるものであった。
アークノアは意識を失いつつも、外の状況を感じ取っていたのだ。
消えゆく命...絶望的な空気.....しかしそれでも燃え続ける不屈の炎。彼らの炎の原動力は、自身の復活にあることをアークノアは気がついた。
(アークノア様...その光は....アークノア様自身の光です!)
(そうか....これは私の.......)
今まで何度も危ない状況に直面してきた。それはきっと自分が力を失う前も同じだったはずだ。
しかしそれでも彼が立ち向かい勝ってこれたのは、仲間の力があったからだ。仲間が諦めなかったからこそ、仲間が彼を信じ続けたからこそ、アークノアは立ち上がり続けることができた。
----仲間がアークノアを信じるなら
アークノアもまた仲間を信じる----
彼らと一緒ならどんな苦境も絶望も乗り越えられる。
そのとき、アークノアにハイパーエナジーの力が覚醒した。みるみるうちに傷口が塞がってゆく。それが仲間の力.....。
すると今度は彼に全てを覆す王としての力を目覚めさせた。これはアークノア自身が仲間を導く力。
2つの力は同時に目覚め、彼に
そして深き眠りからついに目覚め、アークノアは《アークノア・ツインパクト・ドラゴン》と進化したのだ。
逆襲の時
ついに完全復活を遂げたアークノア。ツインパクトの力に覚醒したその力はまさに絶大だった。
2つの力を同時に操れるようになったアークノアは自身の分身を作り出した。そして、その分身にはセイヴァーの魂を宿したのだ。
これによりアークノアとセイヴァーは別々に行動することができるようになったのである。
だがそれでもイヴァンに勝つ手立てとしては勝算が薄かった。たとえ1体増えたところで相手と自分の戦力差は圧倒的。
捕食禍龍、帝下兵竜、そして自然文明の並み居る兵士達を前にしては例えアーク軍がいたとしても力不足であった。
だがそんな状況をアークノアが切り開いた。
「お前達の夢、希望、そして守りたいもの。それを全てしかと受け取った。
もうここからは奴らに遅れなど取らせるか。我々は今からここに逆転劇を起こすぞ!」
アークノアのその一言は《超解放アークノア・フルバースト》となって全てのクリーチャーに響いた。
ジーク達アークノア側のクリーチャーには希望となり、イヴァン達帝国側のクリーチャーには重い緊張感を与えた。そしてそれ以外の自然文明のクリーチャー達は....
ついにアークノア軍とイヴァン軍が再激突する。数では少ないものの、アークノアの力により味方軍勢はどんどん勢いを取り戻していった。
セイヴァーが守り、カリバーンが応戦し、ジークが道を切り開く。 そしてアークノアは彼らの邪魔をさせないよう直接イヴァンと対面した。
「貴様....何度でも死にたいようだな」
超魂Xを装備したイヴァンと激しい激突を繰り広げるアークノア。パワーでは圧倒的にイヴァンが勝るも、アークノアの粘り強さとトリッキーな戦い方から、そんな相手とも互角に渡り合えていた。
しかしそのときある軍隊に異変が起こった。
なんと自然文明のクリーチャー達がイヴァンに離反したのである。
彼らは故郷を侵略され、帝国の恐怖に怯えるまま日々を過ごしてきた。しかしアークノア達が見せた不屈の心と、希望の光、自分達の誇り...それらが彼らの中にあった叛逆心を呼び覚まし、ついに自然文明のクリーチャー達もアークノア側についたのだ。
態勢は逆転。元から全ての自然文明のクリーチャーがいたことから、彼らが離反すれば戦力図は大きく覆る。まさに勝利の兆しがアークノア達に見えてきた。
イヴァンも流石に不味いと勘付き、アナザーに殲滅の指示を出した。しかしそれを防いだのはアカシアであった。
アカシアの放った《氷華水月・雪月花》は一時的にだがクリーチャーの動きを封じ込める力を持っていた。それはアナザーのようなサイキック・クリーチャーにも有効である。
アカシアによって氷漬けになったアナザーはしばらく使い物になりそうもなかった。
そして捕食禍龍と帝下兵竜軍はどんどんとアークノア達の軍勢に押されていく。
「小癪な....ッ!ならばもうこちらも出し惜しみなどするものか!」
イヴァンはそう言うとついに最終兵器を起動させた。ワールド・オブ・グロームが起動したことで、帝国全体が変形し始めた。
奴はこのタイミングで自然文明以外の全ての文明に豪雷を降り注ぎ、侵略と殲滅を開始しようとした。
しかしそこでアークノア、カリバーン、そして《ボルシャックジーク・ガチャレンジ・ドラゴン》となったジーク、《セイヴァーダルク・エグザイル・ドラゴン》となったセイヴァーがアークトライバーストを撃つ構えを見せた。
アナザーの動きを封じた今こそ、この技を最大に放つチャンスであった。全員が強化形態となり、己の出せる限界の力をその一撃に込めた。
「この地ごと全てを呑み込み、滅ぼせッ!!」
イヴァンがワールド・オブ・グロームを発射させたのと同時に、アークノア達もアークトライバーストを発動させた。
空中で巨大な弧を描き、ワールド・オブ・グロームと激突する。
大きな怒号をかき鳴らし、世界の空を破壊しようとせんばかりか勢いが全員に伝わっていた。 開闢の刻
ワールド・オブ・グロームとアークトライバーストの鍔迫り合いはずっと拮抗し続けていた。
しかし徐々にその勢力がアークトライバーストへと傾く。ワールド・オブ・グロームを発射するにはエネルギーがまだ不十分だったのだ。その状態で発射したため、不完全なままだったのである。
そしてそのまま勢いを完全に呑み込んだトライバーストは、この帝国全体に大きく降り注ぎ、最終兵器を完全に破壊したのだ。
「よっしゃあ!!」
「これで奴はもう他の文明を侵略することはできない!」
「ついに追い詰めたということですね」
帝下兵竜軍と捕食禍龍もアーク軍や自然文明のクリーチャー達に次々とやられていく。
そして4体の龍はイヴァンを前にする。
「どうした碧雷の帝王。これでもまだ追い詰められていない...と言うつもりか?」
「もしそう言うなら、今最高にみっともないのはテメェの方だぜイヴァングローム!」
沈黙の時間が過ぎる。
4体はイヴァンの出方を伺っていた。
「....やはり貴様らが、我にとって一番の障壁となる考えは間違っていなかったか。
ここまで追い詰められるとは......。追い詰められる...?この我がか? ......あまりに忌々しいッッッ!!!」
するとその時、イヴァンは自身の着ていた鎧を全て破壊し、その完全なる姿を現した。
鎧を着ていた時と比べ、いくらか小柄な印象に思える。しかし奴から滲み出る邪悪さと怒りが前以上に強くなり、そのオーラだけは今までの比ではないほど彼自身を覆い被せていた。
「全てを打ち滅ぼす!この世界にあるものは全て...我の物だッ!!」
イヴァンは《イヴァンルーラー・エボリューション・ドラゴン》となりついに最後の本気を見せてきた。
帝国軍との戦いはついに最終局面を迎える。 |