女主人日記

(投稿者:セルバンテス)


この作品は、マリー・ウィルソンが日記帳に書いている日記の一週間分を抜粋した作品です。


5月7日 月曜日

 今日も私は午前6時半前に起きて、皆の朝御飯の支度に取り掛かりました。
 その時間から10分経って上の階でエレアちゃんとノーラ、そして弟のレイが起き、ゲイツさんの部屋のドアをノックしました。彼の身体検査をするのでしょう。
 弟も含む4人のやり取りが私の居るキッチンまで聞こえます。
 ちょっと感情的で騒がしい辺りが4人とも子供っぽくて、私は時々それに笑ってしまいます。
 今日はエッグトーストにモカコーヒー、そして私も含めて皆の分のパンケーキ。一人2枚だから10枚って所です。
 私は支度が終わった後に皆を下に呼び、朝食は其処で済ませました。今日は平日なので弟は軍服でした。
 食べ終わった後でレイとノーラが車で基地に出勤し、エレアちゃんとゲイツさんだけが残りました。私は車で出かける二人を見送った後、開店に向けて掃除に取り掛かり、二人に買出しを頼みました。私の店は9時開店ですので、それまでは準備期間。
 開店の時間になった私はペンちゃんをバスケットごとドアの近くに置き、御客さんを待つだけです。エレアちゃんはゲイツさんの監視と言う仕事があるので、無理に手伝わせるわけには行きません。
 午前中は誰も来なかったのですが、御昼頃お客さんが来ました。
 中でも私が印象に残ったのはフランシスちゃんとパシノープちゃんとファニーちゃんの三人。
 その子達3人もメードだけど、傷を治す力をもっているとか。
 後は私目的で来た学生さんとか会社に勤めていらっしゃる人とかが殆ど。でも兵隊さんがたまに来るでしょうか。そんなこんなで今日は御昼頃盛り上がり、夜は静かになりました。
 午後の7時頃にライラちゃんがウェンディさんと一緒に来て、二人はミートソースのスパゲッティーを頼みました。それを平らげた後にライラちゃんはやっぱり大きな声でチョコレートパフェを頼み、私はそれを何時も通り心で笑いながら作り、それを彼女に差し出しました。
 二人が御金を払って店を出た後に静けさが戻り、今日も店は閉店時間になりました。
 ペンちゃんを中に戻し、今日は私とエレアちゃんとゲイツさんで夕食。後それからペンちゃんも。弟とノーラは今頃基地で食べているでしょう。
 二人はちゃんとしたものを食べているでしょうか……。
 時々心配でなりません。




5月8日 火曜日

 今日も6時半に起きて、私はみんなの朝御飯の支度に取り掛かりました。
 私とエレアちゃんとゲイツさんとペンちゃんで今日はベーコンエッグとバターロール、それから紅茶とやっぱりパンケーキ。
 それを済ませた後に食器を全て洗った後に、店の中を掃除し、開店準備。
 やがて今日も店が開き、エレアちゃんとゲイツさんは二人の好きなレコードを機器にセットして音楽を楽しんでいました。二人が近くのレコーディングショップで最近買ったものです。
 幸いにも凄く騒がしい曲ではなく、御客さんも居ませんので何とか安心しました。
 でもそれも束の間、エレアちゃんが機器を止めるのをゲイツさんは拒んで、そのまま流し続けたのです。
 流石の私も心配してゲイツさんの止めに入ったのですが、彼は「コイツは最近流行の曲だ。こうして流し続ければ客が増える。」と言いました。
 半分疑いながらもその言葉を信じ、レコード機器をそのままにしてみる事にしました。この時、「逆効果だ」と私はこの時思っていました。
 けれど、暫く経ってから10代か20代の方がこの曲につれられてなのか、私の店に食べに来てくれました。御客様は増えませんでしたけど、若い方が何人かレコードの曲に反応してくれました。中には店の前で踊りながら御金を払った人も居ましたけど。
 夕方になってからは違う曲をレコードにセットして、またお客様待ち。
 日が沈む寸前までは来ませんでしたが、その時間帯に飛行機のパイロットが10人くらい来ました。多分此処の飛行隊の人達でしょう。
 その方達は私にスパゲッティーのミートソースを頼みました。
 流石に私一人では全員分作るのにかなり時間がかかるからエレアちゃんに手伝ってもらいました。その子が私と一緒に作った物をパイロットの人達にあげたら、その人達はエレアちゃんの顔を見て何かを思い出したみたいです。
 エレアちゃんも後に彼等にお礼を言ってたようで、何だかお仕事の方で色々あったみたいです。夜は私と彼女、そしてパイロットの人達、それから後に階段を下りて来たゲイツさんで盛り上がりました。
 なんでもゲイツさん達が発見した物を持って飛行機で追われている所を彼等に助けられたらしくて、今日はその事で話をしていました。
 パイロットの人達が食器を平らげたのが9時頃、彼等が御金を払って店を出た後、エレアちゃんの手伝いで店の片付けが早く終わりました。
 因みにあの後、パイロットの人達を見て私はなくなった父の事を思い出しました。
 今日は昔の事が夢に出そうな気がします。



5月9日 水曜日

 この日の朝、私達3人とペンちゃんは何事も無く過ごしていました。
 今の所はお客様も居なく、暇な時間が出来たので私はエレアちゃんに御料理を教える事にしました。ゲイツさんは朝食を取った後にまた眠ってしまいましたので、多分大丈夫でしょう。
 今日教える一品はオニオングラタンスープ。エレアちゃんは頭が本当に良く、物覚えもいいのでパンケーキは勿論の事、先週教えたプディングももうマスターしているんです。
 エレアちゃん達の話によると、軍ではこんな事教えないみたいで、こんな事をするのは私のとこだけでしょう。
 この子が今でも私の教えたとおりにやるのを見ると、あの頃がもう遠い昔に思えてしまいます。二人が此処に下宿し始めて間もない頃に、力加減を良くする事も 考えて私はあの子達に一回も割る事無く食器を洗うように出来る修行をさせた事もありました。
 ノーラが一番大変で、二人がこれを成功させるのにその週の売り上げの半分以上を使ったのをまだ覚えています。
 その時は溜息を隠せなかったけど、今となっては少し笑いたくなる思い出です。
 そんなこんなで、料理を教えている最中にレイから電話がかかって来ました。如何やら、今日もこの子達の本当の仕事の日が来たみたいです。
 エレアちゃんは直にゲイツさんを起こし、軍に行く準備を整えました。私はエレアちゃんのメットを被る姿を日傘に似せたライフルを背中につける時の姿を見た時、弟も含む4人の無事を祈りました。
 そうしながらも、私は店の鍵を一旦閉め、二人を基地まで送りました。その後に店に残るのはやっぱり私とペンちゃんだけ。
 本当はちょっとだけ寂しいのだけど、今はペンちゃんが居るから大丈夫です。
 この日記を書いている今、レイ達は軍の飛行機の中か、何処かを探検しているのでしょう。
 ちゃんと御飯は食べているのでしょうか、お手製のお弁当4人分をエレアちゃんに渡したから大丈夫でしょうけど……
 お弁当と言えば、楼蘭皇国から来たメードさん。確か名前は渇朱と言うのでしょうか。
 その方が “レーション”って言うちょっと変わったお弁当をくれた事があり、落ち着いたときに試食してみました。美味しい部分もありましたがやっぱりちょっと変な味でした。
 こんなものを弟が食べていると聞くと、あの子の食生活が心配です。
 それから明日は店の休業日。しかも天気予報では晴れ。良いお買い物日和となるでしょう。
 そう言えば、そろそろニンジンとジャガイモが切れそうなので、知り合いの農家に電話して買いに行きましょう。



5月10日 木曜日

 今日は店の休業日。
 私は朝にガレージにある軽トラックの洗車に専念しました。
 農家の人から食材を買うにはこの軽トラックが必要だからです。こう言う時しか使わないのであまり汚れてなく、水洗いで済みました。
 朝食を済ませた後に知り合いの農家に電話し、後に財布を持ち、鍵を閉め、軽トラックに乗って店を出ました。発進させてから30分くらい経った後に知り合いの農場に着き、トラックを降りてその人とお話をした後、彼は20kg分入るコンテナ私の前に出しました。ジャガイモをあふれるくらい入れ、次にそれを私のトラックに積んでくれました。
 私はそのコンテナ分の代金を払ってお礼を言い、トラックを発進させて次の農場を目指しました。
 その10分後に私の軽トラックは目的地に着き、其処の農場の人と挨拶をしました。
 彼女は私が学校に通ってた時に良くお世話になった先生で、今は職場を退職してこの果汁農場を営んで要るそうで、ニンジンとかの野菜が自慢だとか……
 彼女は取れたてのニンジンを積んだコンテナを用意し、私がその代金を払った後に彼女もまた私のトラックにコンテナを積んでくれました。
 先生に御礼を言って店に一旦帰り、私は化粧をしてお色直をし、此処からは普通のお買い物。
 また鍵を閉め、私は商店街まで歩いて行きました。行き先は勿論私が良く行くマーケット。其処の商品は良く安売りしてるんですよね。ですから、此処の値段に助かったりしています。
 私が買うのは1週間分のご飯の食材ともう少しで切らしそうなデザート用の食材です。私の店に来るメードはパフェとかケーキとか良く頼みますので、他の品の材料より早く減ることがあります。
 それから油も昨日で切らしたと思いますのでこれも買って、今日のお買い物はこれで終わりって所でしょうか。
 私は店に帰って買った物を其々の保管場所にしまった頃にはもう日は沈みかけていました。これが平日であれば仕事疲れの人が何人か来ていたでしょう。
 でも、今日は書いている通り平日ですので紅茶の用意をし、エレアちゃん達の部屋を借りて沈む夕日を見ながら紅茶を飲みました。この一時が私自身にあげるご褒美なので、それにエレアちゃんの部屋は良い景色が見れるのです。
 明日は気合を入れて頑張らないと……



5月11日 金曜日

 昨日で食材も道具も含めて切らしそうなもの、既に切れているものを全て補充して準備も万端。今日は週末ですから、その備えにも持って来い。
 私はそう思って朝食と店の開店準備に勤しみました。
 午前中は相変わらず御客様は少なめです。何故なら、何度も書くようですけど今日は週末であって休日ではありませんから。でも週末は皆さんの仕事の時間が大抵終わる時間が本領発揮。
 その時間が来るまで私は待つ。正午まではその思いでいました。
 御昼になって、落ち着いた頃の事です。
 ちょっと変わった事って言うかそんな感じでしょうか。
 ライラちゃんが店に入って来ました。でも今日の彼女は何だか何時もと違って笑顔は無く、ちょっと萎れた感じでした。
 この瞬間、一体何があったのか分からなかったのですが、私のスカートを強く握って抱きしめた後にちょっとだけ察しました。
 お客さんが居ないタイミングを見計らって、ライラちゃんを椅子に座らせ、如何してそんな顔をしているのか聞いてみました。
 この子の話によると、ライラちゃん達の部隊は此処最近暇なので、この週末にグリーデルの何処かでウェンディさんと一緒にお買い物する約束だったのですが、行き成り仕事が来てお買い物が出来なくなって、それでウェンディさんと喧嘩になったみたいで基地を出ちゃったらしいのです。
 取り合えず、私はライラちゃんにお昼御飯を作って食べさせました。彼女の気持ちも分からなくも無いのですが、ライラちゃんもエレアちゃん同じで軍が管理するメードですから、色々あるのでしょうね。
 それから1時間くらい経った後に軍から電話がかかって来ました。やっぱりライラちゃんを探していたようです。この子が此処に居る事を話した後にあっちの事情を聞き、その後で何分か話し合った結果、ライラちゃんは今日此処に泊まる事になり、明日ウェンディさんが迎えに来るそうです。ライラちゃんはずっと此処に居たいと言い張ってましたけど、何とか説得してこの子は分かってくれました。
 後に私は業務に戻り、ペンちゃんが相手してくれたおかげで、私は夜もスムーズに働けました。閉店時間に店を閉め、エレアちゃんが好きな曲をレコードにセットして流し、今日の夕食は私とライラちゃんとペンちゃんで食べ、私の部屋で寝かせる事にしました。
 小さい頃に着ていたパジャマを与え、今こうして私の側で眠っています。
 可愛い寝顔を見ていると、このような子やウェンディさんみたいな人がこの世界を守っているのが今でも信じられません。私も本当は出来る限りの事をしたいのですけれど、今を維持する事で精一杯です。
 ライラちゃん、無理しないで……。


5月12日 土曜日

 今日は土曜日、これを乗り切れば日曜日。
 そうなれば皆様はお休みですが、私はその逆。日曜日こそが私にとっても戦いなのです。だから今日がその序曲みたいな日。本当はアルバイトの一人二人欲しいのですけれど、わがままは禁物。私……ちゃんと頑張らないと!
 私は朝食を作った後、ライラちゃんを起こし、来ている服に着替えさせました。そして今日の朝食は私とライラちゃんの二人とペンちゃん1匹。
 でも、時々ライラちゃんを見ていると、この子は普段何を食べているのか気になります。もしかしたらこの子もレーションで済ませているんじゃないかと思ってしまいます。
 そんなこんなで余計な詮索をしているうちに朝食は終わり、やがて店は開店を迎えました。ライラちゃんはエレアちゃんの部屋でペンちゃんと遊ばせ、何時もの通りに業務に取り組みました。
 午前中は今日も相変わらずで、御客様はあまり少なかったので、レコード機器から流れている曲を聴いて暇を持て余していました。
 それから2時間くらい経った後にウェンディさんが迎えに来ました。私は食器を洗うのを一旦止め、2階から彼女を呼びました。でも中々部屋から出てくれません。どうやら、喧嘩した事をまだ引きずっているのでしょうか。
 私が何度も呼び続けているうちにウェンディさんが部屋のドアの前にやって来て、ノックしつつライラちゃんを呼びかけました。でもそれが後に喧嘩と言う火がつく油の注ぎになったのです。
 これはいけないと判断した私は直にウェンディさんをクールダウンさせ、私なりに彼女の説得に取り掛かりました。今まで来たメードの子よりも冷静で知的な彼女の説得にはちょっとかかりましたけど、何とか分かってもらえたみたいで、その上でもう一度説得に入り、今度はけんかにならずにライラちゃんが部屋から出て、ウェンディさんの前で謝りました。
 その後に私は店を出る二人の背を見守りました。やっぱり雛鳥が本当に求める温もりはやっぱり親鳥から貰う温もりなのですから……。
 其処から何時間が経ち、日が沈んだ頃にエレアちゃんとゲイツさんがタクシーで帰って着ました。エレアちゃんの話によると、レイとノーラは今回行った所の報告の為、まだ軍に居るらしく、それが終わったら帰るそうです。
 エレアちゃんから貰ったお土産は冒険の時に現地の人から貰った果物と、今回の報酬の半分です。毎度店の売り上げより高い金額であるこれを貰うのはちょっと戸惑っているんですけどね。だから、このお金はあまり使わずに大事に取って置く事にしているんです。
 明日は色々ありますので、もう少し書きたいのですけど、そろそろ時間ですのでこの辺で終わりたいと思います。



5月13日 日曜日

 今週も遂にこの日がやって来ました。
 日曜日と言えば、殆どの方が休日を過ごせる日。ですが此処でも書きますが、私にとっては本当に忙しい日です。
 でも、昨日の深夜にレイとノーラが帰って来ましたので、今回は何とか楽でした。
 それと、こうして皆揃うと朝食も賑やかになるし、こう言う日の事で助かる事があります。これが永遠に続いてくれたら良いかなとちょっとだけ思ったくらいです。
 そのお陰で片付けも店の準備も手早く済ませられます。私一人でしたら、結構かかっていたでしょう。
 ある程度の時間が少し経った後に開店を迎え、エレアちゃんとノーラは私の御手伝い。レイがエレアちゃんの代わりにゲイツさんの監視と言う形になりました。
 朝とお昼は何気にカップルが多かったと思います。注文された品はパスタ系と肉料理がほとんどでした。
 そんなこんなで私が料理に取り掛かって、エレアちゃんとノーラがお客様の接待をしている間にゲイツさんとレイが商店街に行って食材の買出しです。昨日まで色々あって木曜日に買ったものはあまり減っていないのですけど、万が一の事を考えて二人に頼みました。
 何とかこの形式で朝と昼を乗り切り、此処で休憩を取ってお昼にしました。今日は皆でフィッシュフライ。これを食べてラジオを聴いて休憩を過ごし、それから直に営業を再開し、御客さんが来る回数に落ち着きが出ました。
 やがて日が沈んで暗くなって夜を向え、また御客さんの数が増えてきました。私の予想通り家族連れが殆どです。この日の為に、私は男二人に余分の買いだしをしたのですから……。
 その中にはやっぱりライラちゃんとウェンディさんの姿もありました。
 ノーラに私の手伝いをさせ、エレアちゃんに向こうを任せる事にし、レイとゲイツさんに食器洗いを御願いしました。御客さんの多さにエレアちゃんはてんてこ舞いでしたけど、これで私達は何とか無事に乗り切りました。
 閉店後の御片づけも手早く終わり、今日の夕食は私とノーラで作るパンケーキパーティー。
 私とノーラはお喋りをし、エレアちゃんとレイはパンケーキを食べながらペンちゃんと戯れたり、ゲイツさんは買って来たお酒を飲みながらラジオを聴いたりして、そんなパーティーでした。やっぱり、こうして皆揃って食べるのは何度も思うように良いものです。
 明日になったら、レイとノーラは軍に戻ってしまい、日は平日になりますが、私は何時かまた皆とこうしたいと、これを書きながらも願っています……。




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最終更新:2009年12月15日 23:29
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