(投稿者:天竜)
先の戦いから、数日が経過した…
旅支度を整えた外崎が、
エレスティアの前に立っている。
「さて、先回の戦いはウォーミングアップに過ぎん。今回のメインは…」
その言葉の先を、エレスティアが紡ぐ。
「…アムリア大陸戦線、ですね?」
「おう、その通りだ。現在最大の激戦区…エレス、訓練なんてレベルだと…」
エレスティア、愛称エレス。本作では何気に使われるのは初めてだ。
そして、再び外崎の言葉をエレスが遮る。
「…元より、思っておりません」
その眼は真剣そのものであり、その言葉に偽りがないことを証していた。
「…おーし、良く言った!なら行くぞ。先方には既に連絡済み、後は合流場所に行くだけだ」
「了解!
白竜工業の名に賭けて!!」
エレスが、剣を掲げる。
「へっ…こいつ、戦えば戦うほど頼もしくなりやがる…確かに白竜工業最強ってのも、そう遠くないかもな」
外崎が、エレスに聞こえないように呟いた…。
そして、外崎が歩き出す。それにエレスも続いた…。
アムリア大陸戦線、前線の仮設基地にて、まだ夜明けでもなく、星が見えている。
「そういやぁ、今日は数日限りの増援が来る日だったな。
あーしらより若い生まれたてのメードだっつってたが…いじりがいのある奴なら良いな!」
褐色の肌、茶髪、そして頭に雷のようなアホ毛を持った少女が笑っている。
彼女がそういった直後、トラックの到着した音が聞こえる。
「おっ…来やがったな」
「…で、ここでお前と組むメードと合流する事になってんだが…」
外崎がトラックから降りるが、エレスは座り込んだままだった。
「どんな敵がいるんだろ…フフ…どんな敵だって良い、とにかく私がもっと強くなる礎になってもらうわよ…!」
「…聞こえてないな」
不敵な笑みを浮かべながらぶつぶつと呟くエレスを見て、外崎が苦笑する。
「現世に戻れ!」
そう言って、外崎がエレスの頭をポカッと殴る。
「あ、え?私を呼びました?」
「お前と組むメードと合流するんだ!ついて来い!」
そう言って外崎が歩き出す。
「あ、は、はい!」
エレスが慌ててそれに続く。
「おっ…あいつだな…?」
テントの中で見ていた先程の少女がテントから出てくる。
「おめぇが今回来たってメードだな?
今回おめぇと組む事になった、ザハーラの魔弾こと、
どりす様だ、よろしく頼むZE!」
どりすと名乗った少女はそう言って親指を立てる。
「私はエレスティア。白竜工業最強メード、『白雷騎士』よ。エレスって呼んで。よろしく」
エレスがそれに応え、微笑む。
「まだまだ未熟だが、決して弱くはねぇ。頼むぜ」
外崎が頭を下げ、エレスの頭を掴んで頭を下げさせる。
「おう!」
どりすが頷き、その直後に何かを思い立ったように話を続ける。
「…って、白竜っていやぁ、獅遠の会社か…獅遠は、社長は元気か?」
「それが…本当は私の引率するのも社長のはずだったんだけど…過労で倒れて旅は無理だって…社長の知り合いなの?」
「気苦労の多そうな顔してたからなぁ…いや、前にディナ連れてこっちの増援に来た事あんだよ。
その時も大分やつれてたからな、もしや、とは思ってたぜ」
どりすが苦笑する。
「って事で、よろしくな!」
「了解!」
エレスが笑顔で頷く。どりすの事が気に入ったらしい。
「…だが、何するにしたって…」
どりすが、巨大なライフルを構える。
「あいつらを片付けねえとな…今日はやけに活動開始が早いじゃねェか!お前が間に合ってよかったぜ!」
戦場となる砂漠の彼方、動き出す黒い塊。それが、朝、そして戦闘開始の合図だった。
しかし、それはいつもよりもかなり早く、兵達も準備が間に合っていない。完全な奇襲だ。
「そうね…さぁ準備は完了!いつでも行けるわ!」
エレスがそれに応じ、アポカリプスを構える。
兵士達の動きより早く、二人が戦闘の準備を整えた。
「お、出撃許可が出たぜ!一足先に行こうじゃねェか!」
「上等!私の力、見せてあげるから!」
エレスとどりすが、いち早く進軍を開始する。
そして、戦闘の火蓋は切って落とされた。
「おっしゃ!あーしが援護してやる!エレスは遠慮せず突っ込め!!」
どりすのライフルが火を噴き、一匹、また一匹と
ワモンが沈黙していく。
「了解!任せといて!」
エレスが、ワモンの群れの中央に突入する。
ワモンに斬りかかる。反対側から来るもう一匹を、腕の巨大な爪が爆発音と共にぶち抜く。
その姿勢からアポカリプスを逆手に持ち替え、反転して別なワモンを斬る。
更にそこからアポカリプスを一回転させて変形させる。
「乱射!乱射!乱射!!」
至近距離からの電流弾の乱射。接近していた数匹のワモンが黒焦げになる。
「電力残量七十%!まだまだッ!!」
至近距離にいる敵がいなくなった事を確認し、再びアポカリプスを剣に戻す。
そして、再び前進を始める。
エレスが、敵の規模を再確認する。
先回交戦した敵の規模が数十。今回は数百はいる。
「成る程、私一人でも大丈夫、と考えてたのは間違いだったみたいね…けど!」
突進してきた
シザースの横をすれ違い様に斬り、続けてその後方から来るウォーリアに剣を突き刺す。
「その程度、対応してみせないと、最強なんて名乗れないでしょう!!」
敵に刺したままアポカリプスを変形させ、敵の体内に直接電流弾を叩き込む。
「次ッ!!」
振り向き様に、背後のワモンを斬る。
しかし、その直後、エレスは背後の気配から自らの迂闊さに気付いた。
「な、仕留め切れてなかった…!?」
背後のウォーリアがボロボロのまま立ち上がり、突進してきたのだ。
咄嗟に振り向くが、剣が間に合わない。
「おうおう、迂闊だったな、エレス!」
「!?」
次の瞬間、突進してきたウォーリアの頭部を、どりすの対Gライフルが撃ちぬいていた。
「なるほど…これが、組む理由って訳…援護に感謝!」
「おう!進撃も良いが無理はするなよな!」
「了解!」
エレスが再び前を向く。
丁度良い感じに敵が密集している。
「アポカリプス、電力カートリッジ残量六十%、この位置なら…!」
エレスが一歩退き、アポカリプスを変形させる。
「ラグナバースト、ファイア!!」
密集した敵の中央に、巨大な雷弾が叩き込まれる。
凄まじい電光が大量のGを飲み込む。
「前線のどりす達を援護せよ!砲撃開始!!」
その直後、
戦闘準備を完了したザハーラの兵達が援護砲撃を開始する。
分かりきった事だったのだが、強力なメードが二人いる事がどれだけ戦況を変えるのか、兵士達は改めて驚愕していた。
たった二人で、あれだけの敵戦力を自分達の準備が終わるまで抑えきった、いや、むしろ押し戻しつつある。
その姿はまさに人類の希望と呼ばれるにふさわしかった。
「まさに、『天使』…」
初老の指揮官は、その二人の姿を見て思わずそう呟き、そのまま言葉を続ける。
「…我々も彼女たちに遅れを取るな!我等は我等、人間の意地を見せ付けるのだ!!
虫けら風情が我らの心意気を打ち砕けるわけが無い!!」
指揮官の言葉に、兵士達が一斉に応える。
「さぁ…撃って撃って撃ちまくれ!!」
戦況は圧倒的に優位だった。しかし、どこか違和感が残る。
「ねぇどりす、敵のレベルっていつもこんな感じ…?」
エレスがどりすに尋ねる。
「いんや、妙にあっさりしてやがる…増援でもあんのか…?」
どりすが呟いた。
その直後だった。
「…!」
砂漠の彼方に何かがいるのを、戦いながらもエレスが見つける。
「あれは…人…?」
そのシルエットは人にも見える。
いや、あのような場所に人などいるはずは無い。
そして、人には真似できない速度でこちらへと突っ込んで来ている。
…後方に、大量のGを引き連れて。
「!!!」
その姿を言葉で現すとすれば、Gの甲殻を持った人型の物体。
メードの核となるエターナルコアを取り込んだG、
スポーンの中には、このような変化をした物もいるらしい。
それなのだろうか…?
エレスは一瞬疑問を覚えた。
しかし、その直後、すぐに答えに切り替わる。
「……」
エレスが、周囲のワモンを薙ぎ払い、カートリッジを交換する。
「ラグナバースト、ターゲット…」
相手が何であろうとも、これだけは確かだった。奴が、敵である事。
「…眼前の、敵!」
敵ならばどうするか、答えは簡単だった。
「最大出力…ファイア!!!」
銃に変形したアポカリプスの凄まじい雷弾が、突進してくる謎のGごと、後方のGを吹き飛ばした…
はずだった。
確かに、後方のGには損害を与える事が出来た。
しかし、目標のGには、たいした損害を与えられていない。
フルチャージされたカートリッジの全電力を使ったのに、そして、直撃にも関わらず、である。
残るカートリッジは一個。空になったカートリッジの充電はまだ十%程だ。
「…上等じゃない…!」
アポカリプスのカートリッジを交換しながら呟く。
現在、自分の周囲のGは殲滅した。
増援以外に残っているのは、ワモン級が少数だけだ。
「どりす!残ったワモンは任せる!!」
「おう?どうする気だよ!」
「あの突っ込んで来てる奴は、間違いなく強い!だから、私が奴を抑える!」
そう言ってエレスが走り出す。
「へっ、面白ぇ事いいやがる…おっしゃ、なら安心してあーしに任せやがれ!!」
どりすが不敵な笑みを浮かべる。
「…上等!!」
走りながら後ろも振り向かずにエレスが応える。
「とは言ったものの…あの数、それにあの化けもんだ…こっちにも増援がないと、やべェぜ…!」
どりすが冷や汗をかきながら、ライフルで残ったワモンを撃ちぬいていく。
「増援、しかも一体イレギュラーが混ざっているか…大至急救援要請を出せ!」
指揮官が命令を出す。
「Gの増援を察知し既にこちらに向かっているそうです!!」
「おお!そうか…間に合ってくれよ…無駄な死人は出したくは無い…!」
指揮官が、まるで祈るように呟いた。
一方、その頃…
「敵が向かった方向は、こっちですか?
キルシュさん」
肌の色が白い、腕に翼を持つメードが、杖を持った紫髪の少女と共に、エレスティア達のいる戦場へと急いでいた。
「……そう。向こうの戦線の敵の駆逐率が高かったからか、いきなり方向転換したわ…それに、一体かなり危険なのが混じってる」
「
アピス!遅れないで!これだから旧式は…!」
「レンちゃーん、あんまり走ると危ないよー」
「雑魚が助けを求めてるんだから…最新型が助けに行くのは当然でしょ!」
別方面から、角を持った大男と縦ロールの少女もその戦場へと急いでいた。
続く
今回は料理は無しです。次回をご期待下さいorz
あとがき
どうも、天竜です。
とうとう、皆様のキャラを使わせて頂く時が来ましてございます。
今後ともよろしくお願いします。
次回登場は最後で皆様お気づきの事かと存じます。
キャラ主の皆様、無謀な試みながら、よろしくお願いします。
ストーリーの都合上出せなかったキャラクターも、いつかどこかで出したいと思ってます。
尚、キャラクターの口調はサンプルから推測したものでありますが故、
キャラ主の皆様が意図したものとは違っている場合があります。
もし情報提供いただければ、すぐに修正いたしますので、よろしくお願いします。
では、また次回お会いしましょう。
最終更新:2008年12月10日 00:08