(投稿者:マーク)
「ここか・・・・」「手早く殴りこみといくか?」「
ディートリヒ気持ちはわかるけど落ち着いて・・・・」
そんな事をつぶやいた大男をルビー色の髪にツインテールが特徴的な少女がなんとか宥める
無理もないだろう自分のかけがえのない戦友たちがこんな場所で誇りと尊厳を踏みにじられているのだから
三人は眼前の建物、いわつる売春宿を忌々しそうに見上げた
今彼らがいるのは帝国郊外にある町の売春宿のまん前、帝都からはかなりの距離があり非常に寂れた町といったところだが情報によれば最近帝国軍兵士内で人気の売春宿であるらしい
出てきた常連客に金をちらつかせ誘い出し(ちょっとシメて)聞き出した所によると
類まれな美貌、決して嫌がらないし逆らうこともせず、妊娠することもないという娼婦達をそろえているという
二ヶ月前の10月28日
ダリウス達ノートゥング隊は孤立したランスロット隊を救うべく迫り来るGたちをなぎ払いながら進んでいた
ディートリヒのコアブーストを発動させればあっという間にたどり着く距離だが不幸にも(今思えば仕組まれていたのかも知れないが)
部隊には通常はディートリヒ、ドロテーア、グリム、ハイメの四人がいるがディートリヒ以外はあいにく別任務で出払っている
最近配属され今日が初の実戦だというメードが一人の計二人本来彼女の教育担当官であるメードも来るはずだったが別働隊に配属されてしまった
ワモンしかいないとはいえ実戦経験皆無の彼女ではダリウスたちを守りつつ前進することは不可能であるしさらに彼女は放出系の能力者、エネルギーの消耗が激しい
現にすでに息が上がっている。そんな状況でディートリヒが数分でも部隊を離れることは全滅を意味した。
「メリルっ大丈夫か!!」ダリウスが大声でそのメード--メリル--に呼びかける、彼女はゆっくりと振り返り
「だ・・だいじょうぶ・・・まだ・・うてるよ・・・」と弱弱しい笑みを返した
強がってはいるがもう限界なのだろう。現にみてわかるほどビームの出力が落ちている
”このままではランスロット隊にたどり着くまえに全滅・・・なんとしてもたどり着かねばならんのに!!!”
作戦の三日前にダリウスはある情報を入手した
内容は「
シュヴェルテ抹殺計画」意図的にランスロット隊をGの中心に送り込み
部隊を分断し混乱に乗じ
エメリンスキー旅団が誘拐するというもの
シュヴェルテがいなくなればランスロット隊はGの対抗策を失い自然に全滅する
まさに後腐れのない作戦といえた
”あの糞の集まりともいえるエメリンスキー旅団につかまればシュヴェルテがどうなるかなど想像がつく”
資料にはコアの機能を弱める装備についても書いてあった。これを用いればメードといえど通常の人間におとる存在へと成り果てる、と
そうなれば女性であるシュヴェルテが無事でいる保障はない
そんな風に思考をめぐらしていた時、突如轟音が響いた
ハッとしてみると前方で味方機が墜落したようで煙があがっていたそこに
フライが1体--おそらくパイロットをむさぼりにきたのだろう--降り立っていった
直後にライフルと思われる銃声が数回響く
「ランスロット隊だ!!」兵士の一人が叫ぶ
それが聞こえると同時にダリウスは駆け出しそれに続き隊員は次々と駆け出してゆく
やがてフライの死骸が見えると同時に何人かと出会うことができた
その中の一人はダリウスたちの姿を確認すると安堵からかそのばでへたり込んでしまった
「ようやく合流できた・・・・」
「生き残りはこれだけか?ゼクスフォルトはどうした?まさか・・・・・」
「心配いらねぇあの坊ちゃんは向こうにいr「シュヴェルテはどうした!?」突如ディートリヒがその兵士をつかみ上げ問いただす
「わっわかんねぇでもたぶんあいつと合流したと・・・!!ヤバイ!!」
見るとそこで転がっていたフライが起き上がり先ほど指差された方角にむかって飛んでいった
「くそっ」彼はそのままの状態から通信機を取り出すといそいで周波数を合わせた
{{シュヴェルテか?!}} 緊迫した声でアシュレイ=ゼクスフォルトはそのコールに答える
それを聞いたダリウスは冷や汗を流した 何かがあった?
「馬鹿かテメェ! ハエ野郎がそっち行きやがった! とっとと逃げろ!」
そんな二人の様子に気付かずその兵士はさらにまくし立てる
「俺達はノートゥング隊と合流できた。あんたも何とかやり過ごして恋人と一緒に後退しろ。さっきの墜落機の所を2キロ北上するんだ」
彼らがやり取りをしている中突如ダリウスの通信機のランプが光った
「こちらノートゥング隊のダリウス少将」
《こちら指輪隊のニルフレート大尉です。》
「いったいどうした?」
その男は淡々と
《シュヴェルテの死亡が確認されました。》
最悪の知らせを彼にもたらした
最終更新:2008年12月10日 15:03