(投稿者:マーク)
粗野で屈強な男ばかりであるはずのこの場に一人の妖艶な美女
服装は軍服ではなく、これまたきわどい
ドレスに身を包んで野営地を平然と歩いている。
周りの男たちは彼女に獲物を狙う肉食獣のごとき目を彼女にむけ、明らかな劣情をむき出しにしていた
彼女はそれらに侮蔑の視線を向けため息をつきながらみずからにあてがわれたテントへ入ってゆく
「・・・・・・この旅団がごみの掃き溜めとは聞いてはいましたが・・・まさかここまで腐っていたとはね」
先にテントにいた三人の姿を確認するなりそう愚痴ってしまった
「申し訳ないが我慢してくれジュリアこれも調査のためだ・・・・・正直私もここまでとは予想外だがな」
その愚痴に座禅を組み目を閉じつつ答えるアイラ
「アイツら殺してもいい?ねぇアイラさん」
そういって自らの背中から翼を形成しようとしているのはSCSきってのムードメーカー・・のはずのティア
それを制しそれから三人そろってため息をつく
そんな皆の様子を気にせず待ちかねたかのようにジュリアに飛びついてきたのはメリルだ
「ねぇジュリアお姉ちゃんティアお姉ちゃんと作戦が始まるまで外で遊んできていいでしょ?いいでしょ?」
そんなメリルの無邪気な笑顔に三人とも思わずほんわかとする。
「ごめんねメリル今日は作戦開始までテントで待機しててくれる?」
あんな空気のなかでこの子を連れて行けば何をされるかわからない、前線の兵士や軍人が権力をかさにメードをレイプしようとした事例がないわけではないのだ
しかも被害者は全てメリルかティアぐらいの年齢(外見が)のメード
この二人が脅しに屈するわけもないし軍人とはいえただの人間に負けるはずもないのだが万が一を考えればここにいてもらったほうがいい
リューマ、アベル、ガルシアのうち誰か一人でもいればいいのだが
あいにく周辺の偵察に出ていてここにはいない
「むー つまんないよーーー」
メリルは口をへの字に曲げ指先から静電気をパチパチと放電する そんなメリルを抱きかかえると
「そんな顔しないのせっかくの可愛い顔が台無しじゃない、これが終わったらパフェ作ってあげるからね」
「本当!?じゃあメリルいい子に待つよ!!」そういって満面の笑みを浮かべるメリルを思わず抱きしめてしまう
こうしていると姉と妹というより母と子のようだ、ジュリア自身最近ではメリルを実の娘のように思っている
そういえば以前任務をともにしたメード、名前は確か
ウェンディであったか
初めて会ったときは非常に冷たい雰囲気をまとっており話がなにも合わなかったが
彼女も最近あるメードの教育担当官をつとめ雰囲気がだいぶやわらかくなったという
聞いた話ではまるで本当の姉妹のようだという
(今なら楽しく話ができそうね)
そう思いながらベッドのうえで座禅を組んで瞑想するアイラとメリルを抱きしめるジュリアとを交互に見つつうらやましそうな顔をするティアを
尻目にジュリアはメリルの感触を楽しんでいた
抱きしめているうちにメリルは寝てしまいそれをそっとベッドに寝かしその枕元に腰掛けて、相変わらず瞑想を続けるアイラとティア(途中から一緒にやり始めた)を観察し
時々うつらうつらと船をこぎだしてはハッと目覚めてあわてて座禅を組みなおすティアに苦笑してすごした
そうしてしばらく時間がたってからようやく偵察部隊から三人が帰ってきた
「あー よーやく 終わった・・・ったくあの兵士ども自分たちは動かねぇでこき使いやがって」
テントに入るなりそばにあったパイプ椅子にどっかりとすわり一息つくリューマ
「全く・・・なにもできないゴミの分際でこの私をアゴでつかうとは」
相変わらず口の悪いアベル
ちなみにこのテントとしてはかなりの大きさで7人でもあまるほどのスペースを有しておりメンバー全員が快適に過ごすことができる
もちろん女性陣のスペースにはきちんとついたてが完備されている
「なにか収穫はあったか?」座禅を組み目を閉じつつ唐突にアイラがリューマにたずねる
「あったといっちゃぁ・・あったんだがなぁ・・・」と幾分バツが悪そうに答える
「何だ?話せ」と座禅をといてアイラはリューマに近づいた
「さっきそこで偵察隊の一人が女の子見つけてきてな、調べてみたら噂の蟲姫だってんで連衡して、で今そこにいる」
そういって指差した方向を見ればテントの入り口の前に立つガルシアその巨大な手の中で一人の少女が眠っていた
「さすがにここであのくそったれにそのまま引き渡したりなんかしたらどうなるかなんて目に見えてるだろ?尋問は俺らでするとかテキトーに理由つけてつれてきた」
ジュリアはガルシアの手の中で眠る少女をのぞきこみ
「なんでこんなおとなしく寝てるのよ」とリューマに尋ねる
「・・・・・・あいつら麻酔銃使ったんだよ ハンティングするみてぇに楽しんでやがった」吐き捨てるように
「・・・・・・・・・・確かに好きにさせるのは危険だな」アイラもうなづく
「でも、それであきらめるとも考えにくいわね、確か彼ら今日で一ヶ月近くこのエリアに缶詰状態なのでしょう?」
男ばかりで娯楽もなにもなくいつGに襲われるかもしれない恐怖の中で一ヶ月もすごせばこのチャンスを逃そうとは彼らは思わないだろう
尋問という名を借りて何をしでかすかわからない
とにかく考えるのは彼女が目を覚ましてからということになりあまっていた簡易折りたたみ式ベッドに彼女をねかせ様子を見ることとなった
To be continued
最終更新:2008年12月12日 23:28