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三つの湖 Side-B

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三つの湖 Side-B◆tt2ShxkcFQ



ガサリ

草を踏みしめる音が、辺りに響く。
ミュウツーが今現在居るのはD-6の湖。
障害物が無く見通しがいい水際を避けるように、ミュウツーは隣接する林の中を歩み進める。
そう、ミュウツーは隻腕の人形、真紅を追撃する事を選ばずにD-6の探索を優先した。

『“3つの湖に隠された力を解き放て”……』

病院へ向かっている途中、聞こえてきた謎の声。
それを再び頭の中に思い浮かべた。

一日で参加者を半数にしろというノルマ。
そして幸か不幸か、一日の4分の3を過ぎた今現在で既にノルマは達成している。
あの声は言ったいた、『とりあえずノルマを果たした褒美をくれてやる』と。
何故マスターの声を聞かせるというルールを反故にしてまで、そんな報酬を用意するのか……それは分からない。
だが、今はノルマ達成を目指すだけでは駄目だ。ミュウツーはそう考える。
勿論、率先して参加者を減らしていく事は今後も必要だろう。
だからこそ、真紅を追撃して始末すると言う選択肢もあった。

(ノルマ達成には近づいたが、それと同時に優勝は困難になった……か)

そう、ミュウツーが考えるのは同盟が終わったその後のこと。
黒の騎士団……ゼロ、ナイン、ロベルタ、リヴィオ。
それぞれが並々ならぬ実力を持っている。
だからこそ結んだ同盟なのだ……勿論ミュウツーも、その全員を排除して優勝する自信が無いわけではない。
だがもしも、目的達成が目前まで来た際に、その中の数人が結託してしまったら。
ナインが殺意を向けてきている事は知っている。
もしもロベルタ、もしくはゼロとの結託を秘密裏に進めてしまったら。
二人を相手取っての戦闘では、勝ち目は薄くなる。

……隠された力。

それが一体何なのか、それは分からない。
だが先程の戦闘で切り札の1つ、V-Swの第二形態をロベルタとリヴィオに見られてしまっている。
勿論まだサイコウェーブ等の、ミュウツー自身の力もあるが、有利になる手札は一枚でも多いほうがいい。
真紅や巨漢の男は見つからなかったと報告すればいい、
後にも先にも単独行動を行える時間は今しか無いだろう、だからこそ探しに来た。
ノルマの報酬、隠された力を。
しかし、聞こえてきた謎の声には不明な点があった。

『3つの湖』

先ほど地図を確認したが、間違い無い。
この会場には、湖と呼べるものは2箇所しかないはずだ。
今いるこのD-6に面している湖、そして若干南下した場所、F-4に面している湖。
3箇所目の湖など、地図には載っていないのだ。
そしてその2つの湖は直径1㎞以上にも及ぶ巨大なもの……。
時間制限とノルマを与えておきながら、その湖を時間をかけて探せと言う。
なかなかに矛盾していると言えないだろうか。
この湖に関して言えば、D-6とハッキリ言ったのだから、恐らくはその範囲内に『何か』があるのだろう。

ミュウツーは木々の間から湖を見渡し、変わった場所は無いか、又は他の参加者の有無を確認する。
日は沈み、辺りは暗闇に包まれ始めては居た……だが、視界が利かなくなるほどの暗闇になる事は無かった。
空を見上げてみる、そこには満月が顔を覗かせ、煌々と闇夜を照らしている。
森へと入ってしまえば、木々の葉がその月光を遮ってしまい、漆黒の闇が辺りを包む。
だがしかし、一歩木々から抜ければそこは月の支配下、
ミュウツーの白い表皮はその光を反射し、常人よりも自分の存在をアピールする事になるだろう。
だからこそ、ミュウツーは木々から出る事は無い。
草木を掻き分け、D-6の畔を歩み進んでいく。

ふと視線の端に、変化が起きた。
そして次に感じるのは硝煙の臭い、ミュウツーは身を隠しながらその元へと近づいていく。
目の前に現れたのは、首をはねられ、顔面を潰された女の死体だった。
湖に入ったのだろうか、服は未だに生乾きだ。
しかし、辺りに飛び散った血痕は乾燥が進んでいる、恐らくはここ数十分内に殺されたわけではな無さそうだ。
辺りには支給品の残りらしきものは存在しない、空になったデイバックだけだ寂しく放置されていた。

支給品はひとつ残らず回収し、首輪まで回収して言った……。
明確な殺意を感じる現場を見渡した後、感慨にふけることは無く、ミュウツーは再び歩みを進め始める。
既に湖の探索を始めて30分程が経過している、22時には遊園地にて黒の騎士団と合流しなければいけないのだ。
合流を反故にしたり、遅れるわけにはいかない。
裏切り、弱みは死へと直結する、あの騎士団のターゲットになるというのは非常に不味い。
時間の経過に焦りを感じ始めながら、ミュウツーは木々を掻き分ける。
……そしてふと、違和感に気が付いた。

先ほどの女が殺されたのは恐らくは数時間前。
殺された女は、そして殺した人間は、この辺りを通って居た事になる。
それならば、湖の畔を通って移動していたならば。
D-6にあるという『褒美』なる物を見つけることはなかったのだろうか。
謎の声を聞いてから、時間は一時間強しか経過していない。
その時点ではまだ『褒美』の様なものは回収されていなかったはずだ。
……ギラーミン側の言う事は信用ならが無いが、この褒美までもが既に無いとは考えたくない。
ならば……畔を歩くだけでは発見できないとしなたらば?

湖の中

そんな馬鹿なことがあるとは思えない。
これだけ広大な湖の中を、どうやって探せと言うのだろうか。
砂漠の中で金の粒を探せと言うのに同義な難題に、ミュウツーは表情を強張らせる。
可能性としては、湖の中央部分に岩場が飛び出していて、そこに何かが置いてある……と言った所だろう。

ミュウツーは湖の沖へと視線を向ける。
たとえ月明かりがあるとは言えど、黒い水面は岩を隠してしまうのだろう、岩場の存在を確認する事は出来なかった。
もしも、この報酬が最初からノルマ達成の報酬として、自分に有利な形で支給される事を前提としているならば……
人目に付きやすい湖の畔になど置いてあるだろうか。
自分に出来て、人間に出来ない事の一つに『飛行』がある。
もしも他に空を飛べる参加者がいたとしても、狙撃の心配がある湖の上など迂闊にも飛ぶという事は無いだろう。
だからこそ、他の参加者から見れば主催側からのリークとも言えるこのヒントがあるからこそ、
ミュウツーは湖の中央部分に報酬があると考える。
狙撃への警戒は必要になるが、試す価値はあるだろうとミュウツーは覚悟を決めた。

ミュウツーは襲われた際、即対応が出来るようデイバックからV-Swを取り出すとその右手で握り締める。
そして木々の間から湖の畔へ飛び出した。
辺りを見渡し、参加者の有無を確認。
誰も居ない事を確認すると、次に湖の対岸へと視線を向ける。
そしてゆっくりと、ミュウツーの体は地面から離れた。
早すぎず、けれど決して遅くは無い速さで、ミュウツーは湖の上を滑走する。
水面はキラキラと月を反射して幻想的な世界を作り出すが、今そんな景色に感情を抱く余裕は無い。
ミュウツーは辺りを見渡し、更に狙撃を警戒しながら飛行を続ける。
岸から100メートルは過ぎただろうか、飛行に何時より数段の疲労を感じていたミュウツーの耳に、突然声が響いた。



  • ━━━見えぬところに真実がある。



ミュウツーは目を見開き、咄嗟に高度を上げた。

(誰だ!)

V-Swを構えながら、辺りを見回したミュウツーは驚愕を顔に貼り付けた。
目の前には、大きな岩場がその姿を現している。

(馬鹿な、先程まではこんな岩場などっ……)

その時、機械音がミュウツーの耳へと届いた。

『警告。警告。あなたは概念空間へと入りました。
 30分以内に概念空間から脱出してください。
 脱出が確認できなかった場合、首輪の爆破が実行されます』

(なっ、何だと……概念空間?何だそれは)

首輪からの突然の声に問いかけるが、既に首輪は何も反応を示さなくなっていた。

30分……それまでにこの空間の出なければ、死ぬ事になる。
そのことだけを理解したミュウツーは、視線を目の前の岩場に向け、飛行を再開する。
全速力で岩場へとたどり着いたミュウツーは、その岩場の中央に石碑のような物を見つけた。
駆け寄ったミュウツーは、その石碑に書かれた文字へと目を向ける。

『        3つの湖に隠された力を解き放て

 第1、第2の湖を解き放つ事により、約束された勝利へと導くだろう』

約束された勝利……それが報酬の事を示すのだろうか。
そしてその石碑の前、小さな台座へと視線を降ろした。
そこには『E-』と刻まれた、小さな鍵が置いてある。
屈みながら、それを拾い上げる。

(これが、約束された勝利への鍵……なのか)

小さな鍵をまじまじと見つめたその後、それを自らのデイバックへと放り投げる。
そして辺りを見渡し、それ以外に何も無いのを確認した。
ここは時間制限が付いている場所、そして目的の物は既に入手したのだ。
ミュウツーは急ぎ、岩場から南西へと向かって飛び立った。

ミュウツーは考える。
これと同じ仕掛けがもう1つの湖にもあるはずだ。
『E-』とは地図で言うEの列を表すと見て間違いないだろう。
そしてもう1つの場所には、その片割れ……数字が刻まれた鍵があるはずだ。
後はその場所へ行き、その鍵を使用すればいい。
第3の湖との関連性は不明だが、その場所へ行けば、恐らくは何かしらの答えが出るだろう。

飛び立ってから暫くすると、例の機械音がミュウツーの耳へと届く。

『概念空間からの脱出を確認しました』

その声を聞いて、ミュウツーは後ろへと振り返った。
そこには何も無い、只漆黒の闇が広がるだけ。
概念空間……それがどんなものであろうと、今の自分には関係の無い話だ。
その空間に入れば隠された物を見ることができる。
今はそれだけ理解できれば十分だろう。
ミュウツーは踵を返すと、再び南西へ向かって飛行を続ける。

時間を少々ロスしてしまったが、その分の収穫はあったとみていい。
目指すのはもう1つの湖、約束された勝利。
……そして、この殺し合いに優勝する事。

月光がその白い異形を妖しく闇に浮かび上がらせている。
それは闇夜の水面にとても映え、幻想的な光景を作り上げていた。
全てはマスターのため……哀しき殺意が止まることない。


【D-6 湖畔/1日目 夜中】


【ミュウツー@ポケットモンスターSPECIAL】
[状態]:疲労(小)
[装備]:機殻剣『V-Sw(ヴィズィ)』@終わりのクロニクル
[所持品]:基本支給品一式、どこでもドア(残り2回)@ドラえもん、第一の湖の鍵(E-)
[思考・行動]
 0:F-4の湖を調べる。
 1:生き残り、カツラを救う。
 2:隙を見て参加者に攻撃を加える
 3:ナイン、リヴィオ、ロベルタ、ゼロと手を組む。
 4:22時までに遊園地へと向かい、黒の騎士団と合流する。
 5:イエローを殺した相手を見つけたらたとえ後回しにしたほうが都合がよさそうでも容赦しない。
 6:もしギラーミンの言葉に嘘があったら……?
【備考】
 ※3章で細胞の呪縛から解放され、カツラの元を離れた後です。
  念の会話能力を持ちますが、信用した相手やかなり敵意が深い相手にしか使いません。
 ※念による探知能力や、バリアボールを周りに張り浮遊する能力は使えません。
 ※ギラーミンに課せられたノルマは以下のとおり
  『24時間経過するまでに、参加者が32人以下でない場合、カツラを殺す。
   48時間経過するまでに、ミュウツーが優勝できなかった場合も同様。』
 ※カツラが本当にギラーミンに拉致されているかは分かりません。偽者の可能性もあります。
 ※V-Swは本来出雲覚にしか扱えない仕様ですが、なんらかの処置により誰にでも使用可能になっています。
  使用できる形態は、第1形態と第2形態のみ。第2形態に変形した場合、変形できている時間には制限があり(具体的な時間は不明)、制限時間を過ぎると第1形態に戻り、
  理由に関わらず第1形態へ戻った場合、その後4時間の間変形させる事はできません。
  第3形態、第4形態への変形は制限によりできません。
 ※ギラーミンから連絡のないことへの疑問、もしカツラが捕まっていないという確証を得られたら?
 ※なぜギラーミンの約束したカツラからの言葉が無くなっていたのかは不明です。
 ※概念空間の存在を知りました。


 ※・━━━見えぬところに真実がある。@終わりのクロニクル
  LOW-GのUCATにおいて使用されている概念。
  何も無い場所に巨大な資料室を存在させるために使用された。
  空間作成の他、目に見えても頭に残らなかったり、
  読もうとすると違う文章へと認識が変わるようにすることもできる。

 ※概念空間において、隠れる事を防ぐために制限時間が設定されています。
  1つの概念空間に入れる時間は累積30分です。

 ※3つの湖の具体的報酬の内容は不明です。

 ※もう1つの湖にも同様の仕掛けがあるか不明です。




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黒の騎士団(後編) ミュウツー [[]]



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