村を焼野原にしたのはイャンクックの仕業ではなく、ギルド軍の仕業だった。
そんな事をネメシスが耳にしたのは、怪鳥の頭部を原型が無くなるほど粉々に潰し、薄黄色だったその嘴は、血液で
真っ赤に染めてしまった、数日後の話。
ギルド軍の開発した新兵器の仕業。
俺はこの兵器について更に調べるために、敢えてギルド軍に一ハンターとして
加入した。皮肉にもその方が情報収集がしやすかったからだ。
当然、動きやすくするために偽名を使った。
それの証拠なんてものは必要ない。どうせ全て焼けきっているんだから。
そうやって情報収集をして数ヵ月後、俺はギルドの研究棟の一つにおいて、兵器の設計者を突き止めることに成功した……
――――――「俺はあの時兵器の
テストに手伝っただけだ!あそこに人間が残ってるなんて
知らなかったんだ!」
ネメシスは男の首を掴んで話し続ける
「そんなことどうでもいいから、この兵器をあの場実行した奴、もしくは設計した奴
がどこにいるか教えろってんだよ。」
「やめろ!!そいつから手を離せ!!」
「うるさいな…いいから早く喋れっつってんだよッ!!」
首を掴んだ拳に更に力が込められる。
「うぼッ…ぐぁッ…!!実行したやつは上層部のお方…だ!誰だかは分からない!
ヴッ…!ァ゛…!設計した奴なら…そいつは、ァ、AKITOっていう異国風の…男だッ!」
男はそう右手で写真を指差しながら話す
「ほう…AKITOねぇ…あーありがとご苦労様…んじゃあ死になよ。」
そう言いながら懐からナイフを取り出し、男の首を切り落とした。
「お、お前!!お前…ッ!!」
「どうした?その光モンはよォ?そうか、お前も殺されたいのか?」
もう一人男の顔は青ざめて、腰が抜けて尻餅をついてしまっている…
この程度…いくら殺傷性のある刃物を持ったところで人一人殺せないな。
「おい、お前。このAKITOって奴に伝えておけ。ネメシスがアンタに復讐しに行くとな。」
生き残った男は嗚咽を漏らし、眼は焦点が合わないのか震え続けている。面倒くさいな……
「ほら……さっさ行きやがれ…ッ!!」
その一言を聞いて、男は脱兎の如く逃げ出した。
これで準備は整った…この情報を元に、さっさと見つけ出してやるよ…
それにしても、不可解だ。あの設計図は明らかに高度な文明なものだ。
速度も火力も、今までのギルド軍のそれとは違う。
世界のどこに、こんな技術を隠し持っている都市があるのか…
まぁいいか。さっさと元を絶って、こんなこと二度と起こさせないようにしなきゃねぇ。
ギルド軍壊滅計画の手始めにまずは根源を…潰す……!!
――――――――――――――――――――――――――――――
「…AKITO…通称、仮面ガンナー…あいつが……!!」
村を壊滅させる原因を作った男は、あっけなく、すぐ見つかった。
いや、生き残った研究者がちゃんと伝えてたお陰なのだろうか。
(堂々と出てくるとは、中々肝が据わった奴だ。)
まぁ、それくらいじゃないと…俺の感情が満足できないよねぇ…?
フフフ…
鎚を握った拳が震えている…もちろん、怖いんじゃァない。
自分の願い…復讐が果たせる相手を前にして、酷く嬉しい。酷く気持ちい。
早く潰してやりたい…壊したい…私の大事な物を奪ったその罪…
命をもってでも償えると思うなよォ…!!!
…いくか。
まずは一発。アッパーを叩き込んでやる…!!
瞬間。ネメシスは高速でAKITOの前に鎚を振り上げた。
…が、
"ガンッ" 硬い…大剣にその一撃は阻まれた。
「おおっと危ねぇー!」
このアカム一式の男…いつの間に居やがったんだ?…いや俺が獲物ばかり見ていて意識の外だったのか。
黒の中に赤のラインの装備を身に纏う男は陽気な声でAKITOに話しかける。
「おいガンナぁー、外に出るときはモンスターがどこから来るか分からないから、
Rise upしとけって言ってただろ?」
本来吹き飛ばされていたはずの【獲物】は特に驚く様子も見せず、
「悪いなセイバー……こっちの服装の方が動きやすくてつい……な……」
そうつぶやいた後、光沢のある黒い機器を取り出し、顔の傍に寄せ、
「…Rise up……!!」
眩い光に包まれた後、【AKITO】は【仮面ガンナー】へと姿を変えた。
これが、こいつの本来の姿って訳か。
「さて……その骸骨……お前が……ネメシスか……?」
ああ。俺は答える。
「その通りだよ。でもそんなこと聞いてどうなる?アンタには関係ないね。
その頭ァ…粉々に砕いてあげるんだからさァ!!!」
ネメシスは叫びながら鎚を振り上げた。今度はセイバーと呼ばれた男に向かって。
「んぐッ!!?」再び大剣を盾にするが、
今度はそのあまりの重さに耐えきれず、膝をついてしまう。
「お前に用は無い…私が殺したいのは…」
その憎しみを持った眼を瑠璃色の戦士へと向けて、その鎚を後ろに引き、
すぐさま軽めのブローを打ち出す。
それまでが大振りの攻撃だったせいか、緩急をつけられて避けられず、
ガンナーの側面にクリーンヒットした。
「がはッ……こいつ……!!?」
この小さな体のどこに、こんな重い一撃が打てる力があるのか。
その一言を発する前に、連撃が繰り出される!!
「くッ……スプレッド・バースト……!!」
反撃か…!?ネメシスは咄嗟に鎚を盾にして構えた。
が、その弾は地面にぶつかり、爆風と共に土煙が舞い上がる。
「ふん…どこに撃っている?…恐怖で手元でも狂ったかァ?」
―――――――
最終更新日:2015/11/28
最終更新:2016年01月28日 15:58