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高山博(著)『中世シチリア王国』
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〈出版社による紹介〉
もうひとつのヨーロッパ史! 謎の地中海王国が見えてくる
ヨーロッパ、ビザンツ、イスラムという全く異なる3つの文化が共存し、繁栄を誇った神秘の地中海王国。その実像に迫り、中世史を読み直す。
●異邦人と異教徒の国──このように、王妃はすべて海外から迎えられており、彼女たちの周りには母国から付き従ってきた異邦人の一団がいた。忘れてならないのは、この異国から来た王妃たちが、しばしば国政に大きな影響を与えたということである。(中略)パレルモの王宮では、王を世話するために多くの人々が雇われていたが、その大部分はアラブ・イスラム文化の中で育ったアラブ人であった。イブン・ジュバイルによれば、ウィレルムス2世は、このアラブ人たちを深く信頼し、身辺の業務や重要な事柄をすべてを彼らに任せていたという。料理長もイスラム教徒であり、イスラム教徒黒人奴隷からなる軍団も抱えていた。王の側近く仕える宦官の小姓たちは、そのほとんどがイスラム教を信仰する隠れムスリムだった。(中略)異文化接触、異文化交流は、宮廷に限定されていたわけではない。王国そのものが、異なる文化的要素の集合体であったし、王国統治のシステムも異なる文化に属する人々により支えられていた。王国の国政を担い、国王に次ぐ権威と権力を保持していた宰相のほとんどは異国出身である。──本書より
〈レビュー〉
オートヴィル朝時代のシチリア王国についての入門的概説書。新書で読みやすい。
オートヴィル朝時代のシチリア王国についての入門的概説書。新書で読みやすい。
〈目次構成〉
プロローグ――もう一つの中世ヨーロッパ
テアトロ・マッシモ
迷宮都市パレルモ
地中海世界の歴史
もう一つの中世ヨーロッパ
シチリア王国を見る眼
1章 地中海の万華鏡シチリア――錯綜する歴史
古代ギリシャとセリヌンテの丘
ローマ帝国の分裂
ゲルマン人諸王国の成立と西ローマ帝国の滅亡
東ローマ帝国からビザンツ帝国へ
アラブ・イスラム文化圏の成立
並び立つ三つの文化圏
地中海の焦点、南イタリア
2章 ノルマン人の到来――地中海とノルマン人
ヴァイキングとノルマン人
ノルマン人、地中海へ
ノルマン人傭兵の中心地
オートヴィル家の若者たち
南の国へ向かう兄弟たち
「ノルマン人の南イタリア征服」
アプーリア公国の成立
二つのノルマン人国家
ビザンツ帝国への遠征
強力な支配者の死
公国の瓦解
3章 王国への道――シチリア伯領からシチリア王国へ
ノルマンディの若者はいかにしてシチリアを征服することになったか
シチリア島征服の開始
パレルモの陥落
ビザンツとイスラムの要素を巧みに束ねる
初代シチリア王ロゲリウス二世の誕生
母アデラシアの時代
ギリシャ人大宰相ゲオールギオス
強大な君主への道
4章 地中海帝国の夢――ロゲリウス二世の新王国
新王国の誕生
ロゲリウス二世の戴冠
十年戦争
世俗諸侯と都市をいかにおさえるか
新しい役所と役人を導入する
無慈悲な完璧主義者にしてイスラム教徒の理解者
ノルマン貴族たち
ラテン系聖職者とギリシャ系聖職者
北アフリカ征服とビザンツ帝国遠征
ロゲリウス二世の死
5章 強大な官僚国家へ――ウィレルムス一世悪王と宰相マイオ
四男ウィレルムスへの王位継承
王国の危機
ウィレルムス一世悪王と宰相マイオ
王国の統治システムと歴史家たち
北アフリカを失う
マイオ暗殺事件
権力の中心・王国最高顧問団
処刑された初代王宮侍従官
ウィレルムス一世悪王の最期
6章 動乱から安寧へ――ウィレルムス二世善王の時代
陰謀渦巻く王宮
王国最高顧問団での権力バランス
中核を担ったアラブ人役人たち
統治システムの変化
ウィレルムス二世善王
東方遠征と十字軍
7章 南国の楽園――イスラム、ギリシャ、ラテン文化の出会い
イスラム風モチーフ、ビザンツ様式のモザイク画
ラ・マルトラーナ教会
赤い丸屋根と棕櫚の木
「十二世紀ルネサンス」とシチリア
シチリアを訪れた知識人たち
文化移転と文化交流
華麗なる宮廷文化
異国から来た王妃、王に仕える異教徒
異国出身の宰相たち
アラブ人官僚の多かった理由
シチリアのイスラム教徒たち
イスラム教徒たちの悲哀
異文化集団の共存を支えたものは何か
エピローグ――混迷の時代へ
王の死を悲しむ異教徒たち
分裂する王国
神聖ローマ皇帝フレデリクス二世
教皇との対立
異文化へ依存の終焉
あとがき
プロローグ――もう一つの中世ヨーロッパ
テアトロ・マッシモ
迷宮都市パレルモ
地中海世界の歴史
もう一つの中世ヨーロッパ
シチリア王国を見る眼
1章 地中海の万華鏡シチリア――錯綜する歴史
古代ギリシャとセリヌンテの丘
ローマ帝国の分裂
ゲルマン人諸王国の成立と西ローマ帝国の滅亡
東ローマ帝国からビザンツ帝国へ
アラブ・イスラム文化圏の成立
並び立つ三つの文化圏
地中海の焦点、南イタリア
2章 ノルマン人の到来――地中海とノルマン人
ヴァイキングとノルマン人
ノルマン人、地中海へ
ノルマン人傭兵の中心地
オートヴィル家の若者たち
南の国へ向かう兄弟たち
「ノルマン人の南イタリア征服」
アプーリア公国の成立
二つのノルマン人国家
ビザンツ帝国への遠征
強力な支配者の死
公国の瓦解
3章 王国への道――シチリア伯領からシチリア王国へ
ノルマンディの若者はいかにしてシチリアを征服することになったか
シチリア島征服の開始
パレルモの陥落
ビザンツとイスラムの要素を巧みに束ねる
初代シチリア王ロゲリウス二世の誕生
母アデラシアの時代
ギリシャ人大宰相ゲオールギオス
強大な君主への道
4章 地中海帝国の夢――ロゲリウス二世の新王国
新王国の誕生
ロゲリウス二世の戴冠
十年戦争
世俗諸侯と都市をいかにおさえるか
新しい役所と役人を導入する
無慈悲な完璧主義者にしてイスラム教徒の理解者
ノルマン貴族たち
ラテン系聖職者とギリシャ系聖職者
北アフリカ征服とビザンツ帝国遠征
ロゲリウス二世の死
5章 強大な官僚国家へ――ウィレルムス一世悪王と宰相マイオ
四男ウィレルムスへの王位継承
王国の危機
ウィレルムス一世悪王と宰相マイオ
王国の統治システムと歴史家たち
北アフリカを失う
マイオ暗殺事件
権力の中心・王国最高顧問団
処刑された初代王宮侍従官
ウィレルムス一世悪王の最期
6章 動乱から安寧へ――ウィレルムス二世善王の時代
陰謀渦巻く王宮
王国最高顧問団での権力バランス
中核を担ったアラブ人役人たち
統治システムの変化
ウィレルムス二世善王
東方遠征と十字軍
7章 南国の楽園――イスラム、ギリシャ、ラテン文化の出会い
イスラム風モチーフ、ビザンツ様式のモザイク画
ラ・マルトラーナ教会
赤い丸屋根と棕櫚の木
「十二世紀ルネサンス」とシチリア
シチリアを訪れた知識人たち
文化移転と文化交流
華麗なる宮廷文化
異国から来た王妃、王に仕える異教徒
異国出身の宰相たち
アラブ人官僚の多かった理由
シチリアのイスラム教徒たち
イスラム教徒たちの悲哀
異文化集団の共存を支えたものは何か
エピローグ――混迷の時代へ
王の死を悲しむ異教徒たち
分裂する王国
神聖ローマ皇帝フレデリクス二世
教皇との対立
異文化へ依存の終焉
あとがき
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