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  • 鈴「あっづー……」セシリア「な、何ですのコレは……」⑥

自分用SSまとめ

鈴「あっづー……」セシリア「な、何ですのコレは……」⑥

最終更新:2011年08月09日 19:14

meteor089

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管理者のみ編集可

鈴「あっづー……」セシリア「な、何ですのコレは……」⑥

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365 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2011/06/30(木) 00:18:51.24 ID:nlPppA320



≪シャルロット!箒がやられた、大丈夫なのか!?≫

コア・ネットワークを介した通信で、離れた位置に待機しているラウラがシャルロットに問う。アリーナの電光板には箒と一夏の戦闘不能を表示している。

「大丈夫だよ、ラウラ。箒は一夏を落としてくれた。これで2対2、しかもセシリアは殆ど動けない。ラウラは作戦通り待機していて、合図するから」

≪わかった、プランBで行くんだな≫

「プランB?」

≪なんでもない、こっちの話だ≫

ラウラの言葉に首をかしげる。このルームメイトの言う事は時々良く判らない。
それはともかく、ブラスターライフルの火線から逃れた二人を素早く捕捉する、一夏がいないのなら遠慮なんていらない。まずは鈴を落として、じっくりと狙撃銃を失った狙撃手を潰すとしよう。


「鈴さん!一夏さんが!」

「わかってるわよ!箒を落としてってくれたのはラッキーだったわね、絢爛舞踏無しとはいってもいるだけでも面倒だから」

展開していたビットがいつのまにか戻って来ていて、セシリアのバインダーに連結される。
鈴は全ての武装が使用できるがシャルロットと箒の二人を同時に凌いだ損耗は激しい。相方のセシリアに至っては試合的に瀕死レベルのダメージを負っており、更に機動性の大半を失い、主武器である大口径レーザーライフルまで失っている。
残る相手はシャルロットとラウラのコンビ。どちらも無傷ではなく、シャルロットはこちらに来てからの戦闘でシールドバインダーを失うまでダメージを重ね、ラウラは主武器であるレールカノンを失っている。

(あんな離れた所にラウラがいる……でもラウラのレールカノンはさっきセシリアに壊された筈よね……)

鈴は素早く戦場の状況を把握しようと視線を巡らす。
若干こちらが不利か、何しろラウラはほぼ無傷と言って良い。

「セシリア、こうなりゃアンタが頼みなんだからね!」



366 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2011/06/30(木) 00:30:38.20 ID:nlPppA320


「無茶言わないでくださいな!まともに動けないのにどうしろと……!?」

「違うわよ」

抗議の声を上げるセシリアに、鈴は額同士をこつんとあわせてにぃと歯を見せる。

「アタシがアンタの足になる」

正面から抱き抱えられたまま伝えられた言葉に、セシリアは目を丸くする。足になる、何を言っているのだ、前々からバカだとは思っていたけれど、本格的におかしくなったのだろうか。

「いいからほら、肩車するから、足パーツしまいなさい」

「か、肩車ぁ!?い、嫌ですわそんな、恥ずかしい!!」

「じゃーこのままでもいいけど、これじゃ相手を見辛いのよ、負けてもいいの?折角一夏がこの状況に切り拓いてくれたんだよ?」

一夏の名前を出されてしまうと弱い、しぶしぶミサイルビットを含めた下半身のパーツを格納するセシリアを鈴は傷つけないように慎重に、自身の肩の上に腕を使って導く。丁度甲龍の両肩の龍咆に左右を挟まれる位置にセシリアがいる。

「……ぅ、髪が当たってくすぐったいですわ……」

情けない声を出すセシリアの太股に噛み付いてやろうかなんて思いながら、脇の下にセシリアの足首を抱え込んで、我慢してしっかり掴まるように言おうと上を見上げ。
セシリアの胸が邪魔で顔が見えない事に人種格差を感じた。きっとやや前かがみの胸を突き出すような態勢にでもなっているのだろうと気を取り直し、茫然とした表情でその様子を見ているシャルロットに顔を向け直す。

「な、な、何を……してるの?」


「はぁ!?見て判んない? 合 体 よ ! 」


戦闘再開から、一夏と箒の同時ノックアウトを見て盛り上がっていた観客達も、まさか肩車で戦うつもりかと俄かに困惑のざわめきが広がってゆく。来賓席ではイギリスからの来賓が今度は中国からの来賓に詰め寄っていた。



367 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2011/06/30(木) 00:56:09.11 ID:nlPppA320



「セシリア!しっかり掴まって!あんたが攻撃するんだからね!」

そう言って再度加速を始める。任意の部分解除で、生足とはいえシールドも有効のようで、特に脚に風圧を感じる事もないようだ。ただ頭を動かすたびに、頭上から情けない声は聞こえてくるし、太股に力が入り、首というか頬が圧迫される。
自分より背丈のあるセシリアを肩車する構図というのもシュールだが、そもそもこんなに密着感があるのは……

「ああ……ケツがでかいせいね。」

その呟きは、内股に鈴の髪が当たってくすぐったくて悶えるセシリアに果たして聞こえたかどうか……。
鈴が何もされなかったという事は、聞こえなかったのだろう。
見れば気を取り直したシャルが、サブマシンガンを出現させる所だった。

「そんな遊びで!!」

「セシリア!!お願い!」

「ひぅ……あ、頭……動かないでくださいなァッ!!」

セシリアは腕の格納をしてから、両手で鈴の頭を上から抑え、更に両足をぐっと力を入れて締める。

「ちょっと!なにすんのよ!」

「頭が動かれると困った事になるんですわ!動かないでくださいまし!いきますわよ!ブルー・ティアーズ!」

一見出鱈目な合体だが、鈴は回避に集中していればいいし、セシリアはビットの操作に集中していられる。相対したシャルロットとしてみれば、これは厄介な相手だった。
たまに回避運動が激しすぎてセシリアが振り落とされそうになったり、セシリアがシャルロットの姿を追って身を捻った際に、そのまま鈴の首が極められたりしているが、
二人ともが国家代表候補生。回避に集中した鈴に当てなければいけない上に、射撃に集中したセシリアの攻撃も避けなければならない。

思ったよりもきつい、ならば……

高速切替≪ラピッド・スイッチ≫でハンドグレネードを取り出し、上空に向けて放り投げる。それが合図だった。
シャルロットの行動を不思議そうに見つめるセシリアと鈴、先に気付いたのはセシリアだった。

「鈴さん!回避!対狙撃機動にお切り替えになって……!狙撃が来ますわ!!」

「っは?狙撃?ラウラのレールカノンはセシリアが……」

「シャルロットさんの武器ですわ!!!」

武器の貸し出し、それを行えば狙撃翌用のライフルをラウラに渡す事が可能。確かにシャルロットの所有武装には狙撃にも使えるライフルは含まれている。
小刻みな停止と加速をランダムに繰り返しながら機動するが、こうなると二人分の大きさになった事がマイナスに働く。
ドンという重い音に続き、高速で飛来した弾丸をセシリアが鈴の額に手をかけて思い切りのけぞって避ける、もし当たっていたら確実にシールドエネルギーが全て持っていかれていた。

「ちょっ!セシリア!首痛い!痛い!」

「ご、ごめんなさい!」

不意だったとはいえ、鈴の首に今のは結構な負荷をかけたかもしれない、気遣うように体を起こし、鈴の顔を覗き込もうとして……

「いけない!鈴さん!右ですわ!!」

がっしと、鈴のヘッドアーマー部、鬼の角のような部位をがっしと掴み。

「へっ!?痛い痛い痛い痛い!!!」

ぐいっと右にスロットルレバーのように傾けると、痛みから逃れようと鈴が体ごと右に傾く。すると、先程まで鈴の体があった位置を、ロケットランチャーが通過し、背後でビットを一機巻きこんで爆発する。

「今のを避けるんだ……やるね」

「鈴さん!ナイスですわ!!でも、一基やられてしまいましたわね……」

「セ、セシリア……あんた後でコロスわ……」

狙撃によって生じたセシリアの集中の乱れによるビット攻撃の間隙を狙っての攻撃が失敗に終わり、再びシャルロットはセシリアのビットに追い詰められ始める。しかし、一基減った事により弾幕は薄くなり、シャルロットの回避運動に多少の余裕が見てとれる。
更に離れた位置からはラウラがライフルのリロードを終えた所だった。



368 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2011/06/30(木) 00:57:10.98 ID:nlPppA320



このまま同じ行動を続けていても、次の狙撃を避け切れる保証もなければ、またセシリアの集中が乱れればビットは二基になる。そうすればシャルロットの反撃も来るだろう。かなり絶望的だが、シャルロット自身のシールドはもう残り少ない、削りきれば或いは……。

それとも、その残り少ないシールドエネルギーのシャルロットよりも、ほぼ万全のまま間合いを離しているラウラを先に狙うべきだろうか。ラウラの狙撃さえなくなってしまえば、もはやビットを減らされることもないだろう。

いや、ここは合体を解いて、鈴がシャルロットの相手を、セシリアがラウラの相手をするべきだろうか。

合体を解くにしても、動きの鈍いセシリアがこのままシャルロットと戦い、鈴がラウラへと急襲すべきだろうか……。



374 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2011/07/01(金) 00:00:38.20 ID:s4d4tJXG0



「鈴さん!このままでは……」

「わかってる、私に作戦があるわ……セシリア、ちょっとそのまま腰を浮かせて?」

「こんな感じですの?」

言われるがままに、左右の龍咆に手をかけて、ぐっと腰を上げる。鈴が足首をしっかり脇に挟んでくれているからずいぶんと楽なものだ。

「オッケー♪」

「何をするんです……のぉぉぉおぉおお!?」

そのまま、抱えていたセシリアの足首を確りと甲龍の手で掴み、思い切りジャイアントスイングの要領でぶん回す。

「おーーーーりゃあああああああ!!分離!!!!」

ぶん投げられたセシリアがラウラのほうへと飛ばされる、それを追うようにしてブルー・ティアーズ達もシャルロットへの射撃を停止し、主人を追っていく。

「……鈴……まったくキミには結構唖然とさせられるよ、そんな方法でラウラを追わせるなんて考えもしなかった、でもラウラは、逃げることだってできるんだよ?」

シャルロットが飛ばされてゆくセシリアをちらりと見てから、右手にサブマシンガン、左手に連装式のショットガン≪レイン・オブ・サタデイ≫を構える。
対する鈴は、セシリアに締め上げられた首筋をコキコキと鳴らしながら不敵に笑い。連結した双天牙月を右手に出現させた。

「ッハ!冗談、セシリアにとっちゃこのアリーナ全体が射程内よ、ラウラに逃げ場なんかない」

ちらりと投げた方向に鈴が視線をやれば、投げられながら下半身の展開を終え、体勢を整えたセシリアのバインダーに三基のビットが戻ろうとしているところだった。

「今のはアンタから離しただけよ、シャルロット……いつかのリベンジ!させてもらうわ!!」

「余裕だね、鈴」

「アンタ……その状態で言う?」

鈴の行為を余裕と揶揄するシャルロットのシールドエネルギーは残り僅か。
相手を余裕と揶揄する事は、相当の余裕を見せる発言、更に言えば、相対する鈴に対する挑発だった。

(とは言っても、アタシも万全には程遠い……やれるの?いえ……やってみせる!)

双天牙月を両手で旋回させながら、鈴はシャルロットに向けて飛び込んでいった。



375 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2011/07/01(金) 00:37:50.68 ID:s4d4tJXG0

――――



「っ!何をなさいますの!」

生足で肩車されろと言われたり、突然ISの力でジャイアントスイングされたり、
先ほどはうっかり貰い泣きするほど、熱い言葉をかけてはくれたけれど、やっぱり相当怒っているんじゃないだろうか?
格納していたブルー・ティアーズの下半身パーツを出現させ、足首のスラスターで姿勢制御を行う。やはりまだ片足しか満足に噴かせない、これは試合の後本格的なメンテナンスが必要かもしれない。
姿勢を整えている間に、飛ばされた自分を追ってきたビットを肩のバインダーに連結させる。左右対称、4つある筈のビットは、先ほどシャルロットのロケットランチャーを回避した際に破壊されてしまった。

結構な確率で戦闘するたびビットは破壊されるため、予備のパーツは常に用意されている。用意はされているけれど。

(やはり、いい気分ではありませんわね)

自身の手足、イメージ・インターフェイスにより管理されるブルー・ティアーズ。機体だけでなく、ビットもまた自身の一部、いや、正確に言えばもっと……

「!!」

セシリアの回避行動は早かった、早すぎた、ラウラが何より驚愕したのは銃声の前に回避運動を始めたことだ。狙撃手の直観力、というものだろうか。
狙撃をしようとする瞬間を感じる直感。相手のマニューバを読み取らねば狙撃はうまくいかない。それが染み付いているからこそ、自身の動きにその瞬間を見たときに反射的に反応し、狙撃を感知出来る。

「なん……だと……」

外した、決して苦手ではない狙撃を、トリガーを引く瞬間に対象が動き、狙った弾は空を切る。
スコープ越しに、此方に真っ直ぐと腕を伸ばすセシリアが見えた。先ほど、捨て鉢になっていた人物が、毅然とした視線を投げかけていた。
親友と言うには遠いかもしれない。
初めて出会った時、技術の満たぬ鈴とまとめて嬲った記憶もある。
最悪の出会いだったろう。しかし……銀の福音との戦いを共に乗り越え、自身の成果たるサイレント・ゼフィルスを亡国企業に奪われて尚凛々しく、
遂には、奇襲と言えど嘗て完敗した己を一度は倒した。戦友。

「ふん……一夏のこととなると、一喜一憂の激しい……私もそうだがな」

スコープから目を離せば、3基のビットが迫るのがラウラの目に入った。
あとはワイヤーブレードの届かぬ間合いから、ビットによる弾雨に晒される事になるのだろう。
ならば、策は一つ。念の為にと残しておいた対狙撃翌用物理シールドでビットからの攻撃を耐えつつ、一気に間合いを詰める。
幸いシールドエネルギーも十分、物理シールドが破壊されても十分耐え切れる。

左目を隠す眼帯を外しながら、ラウラは狙撃銃を捨て、弾雨の中へと突撃を開始した。

「セシリア!決着をつけるぞ!!」


380 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage saga]:2011/07/01(金) 01:50:47.65 ID:s4d4tJXG0



シャルロットは決して虚勢を張るような女ではない。ありのまま、素直な思考と言葉に作られた己を持っている。
鈴に余裕だといった言葉だって厭味なんかではない、本心からそう思っているのだろう、
それを確かめることは出来ない、厭味だろうと言ったところで、自身に悪意のないシャルロットはそれを否定するだけだし、それが覆ることもないから。

そして実際。

鈴の放つ崩山装備龍咆の拡散衝撃砲は尽くシャルロットにかすりもせず、鈴はサブマシンガンの掃射に削られ、連射式のショットガンによる弾幕に対してまともに近づくことも出来ないのだから。

「このままじゃ……!!」

「鈴、甲龍の開発者の人に言った方がいいよ?武装のバリエーションが少なすぎる。それじゃ格上相手には歯が立たないって……ああ、別に気を悪くしないでね?僕は純粋に鈴の為を思って」

ナチュラルな上から目線。実力に裏打ちされたものとはいえ、鈴はその言い草が気に入らなかった。純粋に相手の為を思っていようがいまいが、此方も国家代表候補生。
そして自分の為のISが甲龍、沸々と怒りが沸いて来る。

(ぶっ殺す)

そうは思うけれど、だからと言って有効な手立てが浮かばない。
シールドが先ほどの戦闘中に破壊されているから、例の必殺パイルバンカーは使えない筈だ。
しかし、シャルロットと近接戦闘というのはなかなかに難しい。
砂漠の逃げ水と名付けられた戦闘機動がまだシャルロットには残されている。
正しくは、シャルロットである限りは存在する。それはパイロットとしての技量だからだ。
伊達に、一年唯一の第二世代専用機で、一年最強と言われているわけではない、もしも紅椿がシャルロットの手に渡っていたなら文字通り無敵だったろう。

欠点が無い事が人間的な欠点、とも言えるかも知れない、欠点が無いゆえに思い通りに行かない事態への対応が弱い。
思い通りに行かない事態などが無いように動くから、欠点が無いのだけれど。

(砂漠の逃げ水……上等じゃない!!)

大きく双天牙月を振りかぶり、鈴はシャルロットへの間合いを狭めてゆく。




381 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage saga]:2011/07/01(金) 02:07:29.39 ID:s4d4tJXG0

「来たね、予測通りだよ?」

サブマシンガンを、近接専用のショートブレードに切り替え、双天牙月を受け止める。甲龍の格闘戦性能はかなり高い。それを片手一本で受け止めるあたり、鈴がこの手で来ることを予め予測して準備していたのだろう。
そんな事を考えている場合でもない、もう片方にあったショットガンの銃口を鈴の腹部に向けるのが見えたからだ。

「っこのおおお!!」

鈴が受け止めたブレードを弾き飛ばすべき双天牙月を力いっぱい振り抜く。第三世代格闘機のパワーにブレードはへし曲がり、シャルロットの表情に少し翳りは見えるけれどショットガンの銃口を腰だめに構えたまま少し上に向け、振り抜いたことで続く双天牙月の二枚目の斬撃の腹に散弾を打ち込み、斬撃を逸らせる。

「まだまだっ!!」

連結した剣というものは、実用性は極めて低い。なぜなら単純に重いのが一つの要因。もう一つは、次の攻撃の角度が見えるからだ。片方が上に逸れたなら、次の攻撃は下から来る。

(甲龍は……本当に欠陥機だね、データを取るように言われなかった理由が良くわかるよ)

シャルロットは、顔もろくに知らない実父の命令でIS学園にやってきた。デュノア社の令嬢ではなく、子息として。
織斑一夏のデータを手に入れるために。
当然、一夏だけではない、どうせならば他の専用機のデータも取るに越したことは無い。あくまでついでではあったけれど、そのついでにすら甲龍は入っていなかった。
砲身も弾も不可視の衝撃砲以外には、燃費が良くて安定性が高いという特徴だけ。格闘戦向けの機体で、確かに弱くも無いけれど……。

(武装がまずいよ、火力強化のために衝撃砲の「見えない」特性を殺してしまう必要があるなんて、衝撃砲に調査の価値は無い、そして双天牙月はお話にならないおもちゃだ)

「……かわいそう。」

「はあっ!!」

シャルロットの予測通り、否、物理的に他はありえない。勢いを殺さぬままに下段からの斬撃は来る。憐れなほどに愚直な武器を必殺の武器と信じる鈴を、シャルロットは憐れむ他に無かった。
易々とそれをかわして、曲げられたブレードの代わりに呼び出したハンドガンでその背中を撃ちつつ、離れはじめる。

(終わらせるよ、鈴……キミはそのままのでいてくれるのが一番だから、欠陥には気づかないまま落ちてね)

撃ち終えたハンドガンとショットガンを捨て、フルオートの手持ち式の機関砲を構える。火力は絶大ながら、携行型の為装弾数が少なく、一瞬で弾切れを起こしてしまう。
その為本来は増設マガジンも呼び出して連結してから使用するが、今はこれでも十分。むしろハンドガンのマガジンがもう少し大きかったら今ので終わっていた筈なのだから。

そして反動を吸収する為に背部のスラスターを吹かそうとしたシャルロットは、小さな、ダメージにもならないような爆発を感じながら前に体勢を崩した。

「……えっ」


「アタシの………………勝ちよ!!」


奇跡的な確率なのか、欠陥と笑った武器故の必然だろうか、鈴のセンスが意図的に防御を成したのか。回転していた鈴の背中を狙ったハンドガンの弾丸は双天牙月の、先程ショットガンに逸らされた方の刃に当たり、満足にその体勢を崩すことも出来ず、離れて行こうとするシャルロットにブーメランのように双天牙月が投げつけられる。
その瞬間、シャルロットの背のスラスターは限界を向かえ、後方に離れるべく吹かされていた脚部は自然と後ろに向き、後退ではなく前進してしまう。

投げつけられた双天牙月を何とか機関砲で防ぐものの、砲身が切り裂かれ、その重い刃は残り少ないシールドエネルギーを更に減らす。
体勢を立て直したシャルロットの眼前で、崩山装備の甲龍が、両肩の4門に増強された拡散衝撃砲が火を噴いた。

「……嘘ッ!?こんな!こんな事!!僕が!僕が…………!!」





シャルロット・デュノア【IS:ラファール・リヴァイヴ・カスタムII】
                  14分08秒 シールドエネルギー:0 戦闘不能




 ×篠ノ之箒           ×織斑一夏
  ラウラ・ボーデヴィッヒ VS  凰鈴音
 ×シャルロット・デュノア     セシリア・オルコット





エネルギーを失い、拡散衝撃砲の炎の残滓を散らしながら地上へ落ちていく橙色の機体を見送りながら鈴は考える。シャルロットは合体モードとの戦闘で背中にダメージを受けすぎていた。むしろ、ビットでもなければ背中への打撃など早々出来るものではない。

「ま、一人で勝てなかったのは少し悔しいけど…………セシリア、アンタと一緒だから……勝てたよ……」




390 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage saga]:2011/07/01(金) 23:56:08.83 ID:s4d4tJXG0




「おおおおおおおおッ!!!」

ラウラが吼える、擬似ハイパーセンサー、ヴォーダン・オージェ≪越界の瞳≫を輝かせて、蒼の弾雨を避けながら。
偏差射撃を行ってくるビットの猛攻は、進めど進めど緩まることが無い。
どんなに感度を上げたところで、機体がそれに完全に追いついてくれるわけが無いのだから。

「オールレンジ攻撃とは、よく言ったものだ……!」

どんなに避けようと、移動しようと、常にさらされ続ける弾雨に、既に物理シールドをパージし、更にはシールドエネルギーまで減らされ始めている。
かするような被弾でも、これだけ続くとなかなかに厳しい。蒼の光条の先に緩慢な動きで、必死に間合いを離そうとしているセシリアの姿は見えているのに。
だが、僅かな違和感をラウラは感じていた。

「こんなに間合いを……この……ッ!!」

頭が痛くなるほど意識をビットの操作に集中させる。回避運動をしながらの前進と言うのは結構大変なもので、自身もゆっくりではあったけれど確実に後退している為、いまだに間合いは離れている。
まだまだ自分の間合いだ、しかし彼女が今眼帯をしていない事は判る。
セシリアにはまだ切り札があった、BT偏向制御射撃【フレキシブル】。BT兵器最大稼動時を象徴する、BT兵器の真の姿、射出されるビームそれ自体を精神感応制御によって自在に操ることができる。避けられた筈の攻撃を対象に再び向かわせる、曲げて壁越しに撃つ等、使い道は数知れない。

(ですが……今のラウラさんはそれさえも避けられてしまうのではなくって……もっと、例えば、ワイヤーブレードを使用した瞬間とかを狙って……くっ!迷っている場合ではございませんのに……怖い……もし避けられてしまえば私は負けますわ、折角、一夏さんと鈴さんがここまで頑張ってくださったのに……わたくしのせいで!!)

≪迷っているな!セシリア・オルコット!!確信したぞ!!≫

「!?」

突然個人間秘匿通信【プライベートチャネル】を開いて話しかけてきたのは、あろうことか目の前の敵、ラウラだった。
はじめ、突然の事にぎょっと眼を剥いたセシリアだけれど、まるで心を見透かしたようなその通信に唇を噛む。

≪判っていますわそんな事……迷っているから、何だと仰るのです?≫

≪私の勝ちだ≫

≪ブルー・ティアーズを前にボロボロに削られながら……よくもそんな事がいえますわね!!≫

≪言えるさ≫

もう後僅かの距離まで接近された、セシリアは最後の手段である近接ブレード【インターセプター】を展開して備える。

≪集団戦というものは、チームが一個の戦闘体だ。貴様のブルー・ティアーズにもあるだろう?シールドエネルギーゲージが。三人で一つのそれを共有しているということだ。つまり、敗戦は一人の敗けではない。≫

≪そんな事わかっていますわ!!≫

「いいや!判っていないな!貴様は敗北の責任を背負おうとしている!!一人の腕は三人の腕であり、一人の行動は三人の行動なのだ、信頼を委ねこそすれ、背負うものなど何一つ無い!!シャルロットがじきに到着する、たとえ私がここで落ちようとも、私のすべきは全力で貴様と相対すること、貴様もそうだ!セシリア!」

躊躇が致命的なロスとなった、プライベートチャネルではないラウラの肉声がはっきりと耳に届く。もはや迷っている余裕は無い。ビットに戻る指示を与えながら、ワイヤーブレードと両手のプラズマ刀を展開するラウラを前に、インターセプターを構える。鈴を信じていないとそう言われている気がして、セシリアの心がひどくざわめいていた。



391 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage saga]:2011/07/02(土) 00:14:14.73 ID:kWoxRpHq0


(そんな事……そんな事……)

「落ちろセシリア!私達の勝ちだ!!」

≪くッだら無いこと聞いて動揺してんじゃないわよ!!!≫

オープンチャネルを使用した通信が、二人の動きを一瞬止める。その聞こえた声にざわめいた心が急速に安らぎを取り戻していく。勝利を確信した心が一瞬揺らぐ。
はっとしたラウラが、シャルロットと鈴の戦闘のあった方向へ顔を向けると、橙色の機体が地上に倒れ、赤と黒の機体が満身創痍の体で空にいた。電光板を見ずともわかる、シャルロットが負けたのだ。

≪勝ったわよ!セシリア!!さっさとキメちゃいなさい!≫

どうしてこの声はこんなに安心するのだろう。怒っているんじゃないかと窺う事も、自分が負けたら負けが決まってしまうと迷った事も、全てを馬鹿馬鹿しいと笑って捨てる。迷いを否定されることが、揺れる心にドンと真っ直ぐな杭を打ち込む。いつも一緒だと、ずっと一緒だと言った鈴の言葉が、自然と自身の口から呟かれる。

「ずっと、ずっと一緒ですわ……」

「くだらん!何をぶつぶつと……結局は二人の満身創痍を駆逐するだけだ!我々の勝利は動かん!!」

「――お黙りなさい!!」

「!?」

「ラウラさんの仰っていることは正しいですわ。ですが……背負うからこそ、パートナーですのよ。私の負けは鈴さんの敗北。一夏さんの敗北。わたくしはただ、その背負い方が少しずれていただけ。背負うからこそ……負けられないのですわ!!わたくしは……わたくしは何も間違っておりませんわ!!」

右の手で宙を切る、号令一下三基のビットが切り離された。その雰囲気が今までとは違う、ラウラはその違和感の正体を察して、不敵に笑む。

(ブルー・ティアーズの稼動状態が高まっている……BT偏向制御射撃【フレキシブル】が来る……)

「それだ、それを待っていたぞ、セシリア!貴様が一夏に何をさせようとしたのか、最大稼動状態の貴様を破って吐かせ!今度は私がその位置に立つ番だ!!」

無数の光条は、光の乱舞となってラウラに襲い掛かる。
ビットからいくつも放出された光は意思を持ったように、ラウラをターゲットにした集束を起こす。着弾の瞬間、そのタイミングをヴォーダン・オージェの瞳とシュヴァルツェア・レーゲンのセンサーを併用して、そして、自分自身の経験を回避行動への挙動に生かす。
避けきってみせる。シャルロットは落ちたけれど、まだ敗れてはいない。勝たせて見せる、勝つのだ、シャルロットの為に。セシリアの在り方を否定しておいて、自身もまた背負っている事にラウラは気付いていない。気付かないままで、自然に背負えるラウラと、気付いていてもそうと決めなければ背負う事ができないセシリア。
似て異なる二人の意地が交錯する。

「――ッ!!」

青い光が。ラウラのわき腹を掠めて天に昇ってゆく。


会場が一瞬の静寂に包まれる。

ラウラの回避が成功した。



392 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage saga]:2011/07/02(土) 00:15:14.39 ID:kWoxRpHq0


地上から、一夏は悔しそうに、箒は拳を握り締め、シャルロットは微笑んで、其処から訪れるであろう光景を待つ。
ラウラはワイヤーを一気に伸ばし、セシリアにめがけて伸ばした、箒とシャルロットと、三人で得た勝利。最大稼動のBT偏向制御射撃【フレキシブル】を正面から破った勝利を求めて。

「セシリアアァァァァァーーーッ!!!」

セシリアに迫ったワイヤーブレード、静寂の会場に鈴の叫びが大きく響き……そして、爆発の中にセシリアの姿が消えた。
決着はついた、いつかの森の中の奇襲、今日の3on3の中での邂逅、これで一勝一敗。
残るは鈴、しかし双天牙月さえも失った鈴はもはやとどめを待つばかり。趨勢は決した。ラウラの心残りは、偏向射撃を破ったと言っても、満身創痍のセシリアとしかまともに戦えなかった事。次は……

「……次こそは、互いに万全の状態でやろう……戦友よ」


393 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage saga]:2011/07/02(土) 00:27:16.40 ID:kWoxRpHq0


いまだ晴れぬ爆煙、地上に落ちていく青い機体を見送ろうと、ラウラの目線が下へ向く。
しかし其処に蒼い機体を見つけることは出来なかった。

≪ラウラ!上だよ!!セシリアはまだ落ちていない!!≫

被撃墜状態でのコア・ネットワークの使用は競技のルールに反する、それでも、シャルロットは叫ばずにいられなかった。
そのシャルロットの叫びが終わるよりも早く、煙を貫いて三本の蒼い光が次々とラウラに襲い掛かる。

「ぐっ……あ!」

肩を、腰を、足を、BTエネルギーで貫かれたラウラの眼前で煙が晴れてゆき、その向こう側にあったのは、腰部のミサイル発射型ブルー・ティアーズを射撃姿勢にしたセシリアの姿だった。
ラウラが切り裂いたと思ったのはその弾頭だったということらしい。しかしビットを使用している間の他兵装の使用は、集中力の維持が難しく出来なかった筈。

「貴様……この土壇場でモノにしたというのか……!?」

BT偏向制御射撃【フレキシブル】を習得したときも、セシリアはサイレント・ゼフィルスとの交戦中の、土壇場での逆転劇を演じたと聞いている。
なるほど、本番も本番の、土壇場でこそ能力を最大限に発揮するタイプかと、セシリアを分析しながら、ラウラは再び両手のプラズマ刀とワイヤーブレードを展開する。

「お往きなさい!ティアーズ!!」

対するセシリアは、煤で汚れた髪を靡かせながら、腕を真っ直ぐに前に伸ばし、三つのビットと、ミサイルを放つ。
ISのコアはそれ自身が操縦者の特性を理解してゆき、操縦者がより自身の特性を引き出せるように自己進化するという。
ラウラの眼前で展開される遠隔操作による独立機動兵装と自律誘導のミサイル、そして、射出されるBTエネルギーを精神感応制御によって自在に操るフレキシブル。ラウラの見立てたセシリアの特性は"女王"。光の騎士団を従え、その敵を駆逐する女王。英国の代表候補生としては、これほど相応しい特性も無い。
その特性ゆえに、BT特性が高くブルー・ティアーズの操縦者として選ばれたのなら、それは必然だったのだろう。それはラウラの気のせいかもしれないけれど、それでも。

「よかろう蒼き女王よ!蒼き女王の騎士よ!この黒騎士ラウラ・ボーデヴィッヒが相手だ!!」


(……厨二発言乙ですわ)

「でも……悪い気はしませんわね!!」

ギッと歯を食いしばり、意識をビットの操作、BTの軌道修正、ミサイルのロックオンと射撃にリソースを割り振ってやる。脳の血管が破裂しそうなくらいに痛い、しかしここで手を緩めることは出来ない。ここでラウラとの決着をつける。鈴とともに勝つのだ。青い光の一斉射撃が始まる。今度は、一度にに集束はさせない。一つ一つの光条が、丁寧に、幾重もの孤を描いてラウラに迫り、其れを凌いだラウラに、即座にミサイルが迫る。

「負けはせん!!負けてたまるかぁッ!!!」

気勢を吐くラウラ、ヴォーダン・オージェの連続使用に、金の瞳の縁から赤い涙が流れる。限界は近い。光条を避け、弾頭を破壊し、一歩一歩、蒼い女王の下へと、せめて一太刀浴びせんと、矢の雨を潜り、敵兵を切り伏せながら、真っ直ぐ、真っ直ぐと。避けた筈の光に背中を撃ち抜かれ、ワイヤーブレードの展開すら困難になりながら、そして、セシリアの眼前で大きくプラズマ刀を振りかぶり……

「…………無念だ……」

最後の一撃が、ラウラの胸に直撃して、ゆったりと笑みを浮かべながら、黒騎士は崩れ落ちていった。



394 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage saga]:2011/07/02(土) 00:28:28.81 ID:kWoxRpHq0



ラウラ・ボーデヴィッヒ【IS:シュヴァルツェア・レーゲン】
                  15分12秒 シールドエネルギー:0 戦闘不能




 ×篠ノ之箒           ×織斑一夏
 ×ラウラ・ボーデヴィッヒ VS  凰鈴音
 ×シャルロット・デュノア     セシリア・オルコット





395 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage saga]:2011/07/02(土) 00:38:14.28 ID:kWoxRpHq0



====RESULT====


○織斑 一夏 [12分30秒 雪羅エネルギークロー] ×篠ノ之 箒


  [12分31秒 織斑 一夏 エネルギー切れによりリタイア]


○凰 鈴音 [14分08秒 崩山龍咆] ×シャルロット・デュノア


○セシリア・オルコット [15分12秒 ブルー・ティアーズ(ビット)] ×ラウラ・ボーデヴィッヒ


== 篠ノ之 箒チーム全機戦闘不能 織斑 一夏チーム勝利 ==


397 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage saga]:2011/07/02(土) 01:30:17.49 ID:kWoxRpHq0


激戦に終止符が打たれた、いまだ興奮冷めやらぬ会場の熱気も、試合終了から4時間も経過すればすっかりと落ち着いたもので、各人が、各々の愛機の整備について、整備班や、教員との話し合いを終えて、夕食もとり、女性陣は大浴場での入浴も終え、部屋に帰り疲れた体をゆっくり休めるかとした折、教師山田が各人の部屋を訪ねて回った。

「――――――……でだ」

なぜか、今日激戦を繰り広げた6人は、あちこちに酒瓶の転がる鬼のねぐらで、全員正座させられていた。

「……織斑、なんか言うことはあるか?」

「いや、千冬姉……俺は一応箒を倒してから……」

「織 斑 先 生 だ」

「織斑先生。俺は箒は倒したけれどエネルギーが切れちまっただけで……」

「なっ!一夏!そんな言い訳が通用すると思っているのか!私を倒してすぐエネルギー切れでリタイアしたくせに!!」

「あーいい、もーいい、お前の言い訳はたくさんだ!お姉ちゃんがどんだけ苦労してきたと思ってる、其れを何だ味方に突撃など……このバカ弟!」

どうやら、相当の時間呑んでいる様子で、すっかり口調もおかしい千冬はずいとグラスを突き出す、注げと。それを受けて控えていた山田がビールを注ぐ。

「で、織斑よ……貴様はベッドでほぼ裸のオルコットに何をしていた」

ぴくっと、全員が反応する。特に反応したのはシャルロット、ラウラ、箒の敗戦組だった。本来なら勝利し、絶対的優位から聞き出そうとしたこと。
それが聞けるチャンスとあって、皆が一斉に一夏を見る。約一名、恥ずかしさに耳まで真っ赤にしながらセシリアは一夏を睨んでいた。

「い、いや、その……テスト勉強のお礼にマッサージを…………」

ちら、と一夏は女性陣の視線のほうを見て、余計なことを言ったらぶちのめしますわ、と聞こえてきそうな視線を感じ、慌てて眼をそらす。

「はい!マッサージをしていました!テスト勉強のお礼にと思いマッサージしましたっ!」

「だ、そうだが。小娘」

千冬は第一発見者のラウラに矛先を変えた、蛇に睨まれたカエルのようになってしまうラウラ。
箒と鈴はマッサージときき、どうせそんな事だろうと思っていたと溜息を吐き、シャルロットはそんなことなのかと愕然として、セシリアは恥ずかしそうにうつむいていた。

「は、はい、私は!!」

「喋る時は 頭 と ケ ツ に サ ー を つ け ろ 小娘」

「サー!自分はあんなうつ伏せをいいことにバスローブの裾をコッソリ摘み上げて覗き込もうとしながらするマッサージなど知らないであります!サー!!」

「」「」「」「」「」

ラウラの発言に、箒、鈴、シャルロット、山田、そしてセシリアが言葉を失う。
そんなことかと胸を撫で下ろした二人も、愕然としたシャルも、聞き間違いではないかと目を剥く。

「オルコット、貴様はバスローブ一枚だった、其れは事実だな?」

「はっ!は、はい……そんな……一夏さん仰ってくだされば……わたくしは……いつでも」

片手を沿えて頬を染めるセシリア。ギリギリと歯を食い鳴らす箒と鈴とシャルロット。

「ち、違うんだ!違うんだ!!」

「よぅし、お前ら、各自部屋に戻ってゆっくり休め。今日の試合はなかなか良かったぞ。お前らの成長、教師としてうれしく思う。勝った者も負けた者も、これからも切磋琢磨を怠るなよ!織斑、貴様は今から第三アリーナだ。」

「さ、女の敵と書いて織斑君。第三アリーナまで行きましょう?」

普段やさしい山田先生の声が、僅かに震えていた。マッサージで無防備なのをいいことにバスローブの中をのぞこうとしたのがそんなにいけないのか?
一夏は退室してゆく女性陣からの絶対零度の視線を浴びながら、頭を垂れる。


398 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage saga]:2011/07/02(土) 01:31:15.72 ID:kWoxRpHq0


一夏の両腕に冷たい鉄の輪がはめられた

外界との連絡を断ち切る契約の印だ。

「千冬姉……、俺、どうして……
 セシリアの尻、覗いちゃったのかな……」

とめどなく大粒の涙がこぼれ落ち
震える彼の掌を濡らした。

「うるさい変態、黙って第三アリーナで私と握手だ」

一夏はこれからの数時間後、自分がどうなっているのかを想像し、心で泣いた。



399 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage saga]:2011/07/02(土) 01:41:48.27 ID:kWoxRpHq0


―― エピローグ


「あれ?セシリア、なにその本」

「えっ!?ななななななんでもありませんわ、ちょっと拾ったんですの」

「へー、ちょっと見せてよ……ってうわ!!これエロ本じゃない!!!」

「ええ、ですからもう処分してこようかと思いまして」

「表紙見て判るでしょそんなの、さっさと捨ててきてよ、中学時代の一夏達じゃあるまいし……早く寝たいんだからさー」

「え、ええ、すぐに戻りますわ」

いそいそとセシリアは焼却炉に向かう。
一夏の部屋であの日見つけたこの本に、

――お嬢様のマッサージの最中、執事が誘惑に負けて……――

なんてシチュエーションがあったことは、誰にも知られてはいけない秘密だから。


3on3編 end







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