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  • 鈴「あっづー……」セシリア「な、何ですのコレは……」⑪

自分用SSまとめ

鈴「あっづー……」セシリア「な、何ですのコレは……」⑪

最終更新:2011年08月09日 20:41

meteor089

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鈴「あっづー……」セシリア「な、何ですのコレは……」⑪

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632 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage saga]:2011/07/22(金) 23:26:22.03 ID:GiXgpw5l0



「帰りは政府機じゃないんだな」

 後部のハッチが大きく開いているその飛行機は、所謂大型輸送機というやつ。今回IS学園へ提供されるイギリスのIS機関からの機材の数々と共に帰路に着くことになる。一夏が男子特有の好奇心でそのディテールをまじまじと見ては目を輝かせている。

「織斑、あまり子供のようにはしゃぐな恥ずかしいやつめ。何なら貨物と一緒に乗るか?手配してやるぞ」

「ははっ、何言ってるんだよ千冬姉。貨物と一緒なんてひでぇなあ」

「……手配してやるぞ?」

「ごめんなさい、織斑先生」

 そんな姉弟漫才を、一緒に居るセシリアが見ていて楽しげに笑って……いなかった。正しくは二人のやり取りさえ見ていない。ぼうっとしながら、空を見上げている。セシリアの笑顔を期待して視線を向けていた一夏は姉から離れ、セシリアの傍に行くけれど、セシリアはそれにさえ気付いている様子が無い。

「……セシリア?」

「――……は、はい!?如何なさいましたか?一夏さん」

 すぐ近くからかけられた声に、はっと我に返りながらセシリアは一夏に微笑み返す。その様子から、セシリアが何か物思いに耽っていた事はすぐにわかって、一夏の勘が、セシリアの物思いの原因は祖国を離れることにあると導き出した。


「セシリア……イギリスを離れるのが寂しいのか?大丈夫だって、また来ればいいじゃないか」

「……は、はあ。そうですわね」



633 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage saga]:2011/07/22(金) 23:28:43.78 ID:GiXgpw5l0


 違ったようだ。セシリアは判り易い苦笑いで相槌を打っている。じゃあ何が原因だ?考え始めた一夏の頭に衝撃が走り、視界がぶれる。

「機微に疎いくせに思ったまますぐに口にするな馬鹿者」

「ってて、千冬姉……いきなり……うお!?ち、血が出て……っ」

「い、一夏さん、大丈夫ですか!?き、傷口が開いたのでは……チェルシー!一夏さんに手当てを」

 昨日の怪我の傷口がまた開いたのか、たらりと額を赤い物が伝う。駆けつけたチェルシーにより一夏は手当てのために一足先に座席の方へと向かった。

――

「大丈夫でしょうか……」

「大丈夫だ、今更このぐらいでどうにかなる頭ではない。そんな事よりセシリア、貴様こそどうかしたのか?浮かない顔だが、また一夏が?」

 一夏を心配するセシリアの肩を軽く叩いてから、教師としてではない顔でセシリアに問う。何か弟がやらかすようなタイミングは無かった筈なのだが、見えないところで何かがあったのだろうか。二人の仲を応援したい身としては、いい加減にしてほしい程の頻度でやらかしてくれる弟には先程の一発は加減したほうだ。

「い、いえ……一夏さんは何も……」

「む……そうか」

「ありがとうございます、大丈夫ですわ。 さ、機材の積み込みも終わったようですし参りましょう?」

 輸送機の後部ハッチが閉まり始めたのを見て、セシリアは千冬の手をとり、乗り込みタラップのほうへと軽く引く。鈴のことは、学園に着いたら直接聞けばいい事なんだから。


 チェルシーやオルコット家の面々に見送られながら、三人を乗せた輸送機がイギリスの空へと飛び立つ。フライト時間は約11時間15分。現在は正午に近い時間だから、到着は日本時間で連休の終わった明け方4時過ぎの予定。機中で眠っておかないと授業中に舟を漕ぐ事になってしまう。三人は行きよりも座り心地の悪い座席でしばしの休息を取る。



 筈だった。




634 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage saga]:2011/07/22(金) 23:31:36.73 ID:GiXgpw5l0


 事件はあと1時間ほどで到着すると言うときに起きた。けたたましく鳴る警報音が、三人の安眠を妨害する。かけられているブランケットを跳ね除け、千冬は事態を把握しようと操縦席へと向かう。イギリス国籍の軍用機といえども、学園に向かう以上IS学園の有事指令権を持つ千冬がこの機の全権を持っていた。

「織斑教員、IS学園の管制とつながりました!どうぞ」

 輸送機の副操縦士が千冬にヘッドホンを差し出す。頷きながらそれを受け取った千冬の耳に緊迫した山田教員の声が聞こえてきた。

『織斑先生!織斑先生!』

「聞こえている、山田君、その様子ではそちらでも捉えているな?亡国企業か!」

 輸送機に積んでいるレーダーよりも、衛星とのリンクが行える学園の設備のほうが遥かに正確だ。千冬はヘッドホン越しに聞こえる声で、あまり良い自体ではないことを把握する。IS学園関係者とイギリスの軍事関係者両方をまとめて敵に回すなど正常な者なら当然のように避けるものだ。イギリスでも襲撃をしてきた彼らのリベンジだろうかと、確認するべく声を荒げる。

『いえ……敵は無人機!恐らくゴーレムタイプです!!恐らくあと数分で輸送機を捕捉すると思われます』

 千冬は失念していた。最も危険な、最も厄介であろう敵の存在を。山田の言葉に、千冬は額を押さえて天を仰ぐ。

 ゴーレム・タイプが相手となれば、その標的は絞られてくる。自分自身、それか一夏だ。篠ノ之束も恐らく現状を把握している頃、今回の標的は恐らく箒ではない誰かに思いを寄せてしまった一夏に絞られている。当然その対象となったセシリアを狙っている可能性もある。

 戦力的な分析をしてみれば、一夏を迎撃に出して、高高度で輸送機を護衛しながらの戦闘を行うには、白式はエネルギー不足。セシリアが迎撃に最も適している。しかし……一夏と千冬に関してならば、恐らく、比較的過激な事はしてこないだろうけれど。その標的がセシリアだった場合、その目的は恐らく破壊、輸送機ごとでも攻撃してくると見て間違いない。千冬もISがある以上一夏もそれくらいでは簡単に死なない。

 ただし輸送機と言っても、現在機内にはイギリスの軍関係者もIS学園の研究者も同乗している。このまま撃墜されるのを待っていれば彼らの死は確実だ。狙われているかもしれないと判っていながら、それでも出撃させなければいけない状況。今回の目的はほぼ間違いなくセシリアの破壊と見て間違いはないだろう。

(……私達以外の命などお構いなしか)


 千冬は強く舌打ちをしながら、山田に指示を出し、自らもセシリアの下へ早足にむかっていった。



635 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage saga]:2011/07/22(金) 23:37:36.82 ID:GiXgpw5l0



――――――



≪セシリア、聞こえるか。飛行型の無人機はこちらで補足しているだけで3機いる、そして今回のやつらには自律機動兵装の装備が確認されている≫

 ブルー・ティアーズ.Q.G.は前述の通り巨大な腰部スラスターユニットが搭載され、相当な重量がある。ISを装着した状態でセシリアは輸送機の後部ハッチを背に、スラスターユニットからランディングギアを下ろして、投下待機状態にあった。その手には以前自壊したチャージ式ライフルではなく、使い慣れたスターライトMk-IIIが握られている。

≪自律機動……ビット!?≫

≪そうだ、だが厳密にはやや違う。紅椿のものと近いな。ブルー・ティアーズに搭載されているイメージ・インターフェースのものとは違う。IS自身の遠隔操作によって自律機動を行うという兵装だ≫

≪なるほど、無人機に精神感応ができるわけもなし、廉価版と言うわけですのね≫

 ほっとしたように返すセシリアの声に、千冬は眉尻を下げて唇を僅かに噛む。

 本音を言えば、行かせたくは無い。この高高度で強制解除されたら、間違いなく助からないだろう。それでも狙われている対象を切り離すことで輸送機の安全を確保するのは、作戦上は非常に正しい。それをセシリアは理解していた。



636 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage saga]:2011/07/22(金) 23:43:13.30 ID:GiXgpw5l0


 数分前


「―――― と、いうわけだ。セシリア、行けるか?」

「はい!」

「ちょっ……ちょっと待ってくれセシリア!千冬姉!行かせられる訳ねえだろ!!」

 近くで聞いていた一夏が、血相を変えて二人の間に割ってはいる。今千冬は敵の狙いはセシリアだと言った。本当に死んでしまうかもしれないとも言った、それなのに千冬はセシリアに行けと言う。それなのにセシリアは行くと言う。そんな不条理は一夏には理解できないししたくも無かった。

「セシリアが狙うならセシリアを残して俺が全部落とせば良いだけだ!そうだろう!?俺が行く!!」

「……一夏さん、箒さんはいないんですわよ?三機も落とせまして?それに、白式の推力では輸送機自体を狙われたときの対処が難しいですわ」

「だったら、二人で……!」

「お前が落ちても確かに殺されはしないだろうが、忘れていないか?お前は身柄を狙われているという事を」

「一夏さん、敵機は三機、というのも今のところはの数値です。IS学園のレーダー網に一度もかからずに襲撃を行っているゴーレムがこんなに堂々と現れた、伏兵がいると考えるべきですわ……大丈夫、わたくしは落とされるつもりなどありません。ですから、いざという時の為に、一夏さんはここを守っていてください」

 食い下がろうとした一夏も、千冬とセシリアの言葉を覆せる言葉が見つからなくて、唇を噛んで立ち尽くす。その表情を見つめるセシリアの顔に、一抹の不安の色を見た千冬は、「以上だ、速やかに準備するように」と言い残して二人に背を向けて離れていく。


「……一夏さん……」


「…………ん……っ!?セシリア……今の」


「……お、おまじない、ですわ ―― 行って参ります!」


 背後の二人のやり取りが聞こえてきたが、千冬はそこで振り返る野暮ではなかった。惜しむらくは、もっとムードのある場にしてやりたかったとは思ったけれど。




637 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage saga]:2011/07/23(土) 00:05:29.15 ID:9nBZY4oZ0


――――


≪侮るなよ、自律機動故に、本体の状態如何に関わらず攻撃が可能だ…………明確にお前を意識した装備ということだ≫

≪了解しましたわ……廉価版のビットなど全て落とします、わたくしを狙っている以上大丈夫かとは思いますが、輸送機には一機も近付かせませんわ!≫


≪……そうだ、奴らの狙いは一夏の身柄の可能性もまだ捨てられない。一夏がここに残る以上即座に輸送機が落とされる事はなかろうが、かといって取り着かれてしまえばその意味も無くなる。現在既に学園から凰、篠ノ之、更識が迎撃に上がっていると連絡が来ている。三人と合流できれば多少は楽になるはずだ、あまり焦らず、防御に徹して時間を稼いでくれても構わん≫

≪…………わかりましたわ! セシリア・オルコット ブルー・ティアーズ クイーンズ・グレイス、参ります!≫

 セシリアの言葉を合図に輸送機の後部ハッチが開く。一気に流れ込んで、吸い出されそうな風の中ゆっくりとPICで浮き上がり、ランディングギアを格納するセシリアの耳に、教師としてではない千冬の言葉が届く。

≪セシリア……死ぬな!≫

 PICによって軽く浮き上がりながら、青いISは背後の開いたハッチへと流れてゆき、まるでぽろりと輸送機から落とされたように宙に投げ出された。輸送機から十分に高度が離れてから、腰部スラスターを前に向けて思い切り一度吹かすと、輸送機との距離が一気に離れた。もはやハイパーセンサーのズームを使わなければハッチ開閉の確認も不可能だ。スラスターの向きを再度変えて逆噴射で距離を保つと、そのまま巡航状態に入りながら後方より接近してくる機体の反応を確認する。

 未だ目視できる距離ではない、だが、恐らくスラスターの光だろう。星とは違う光が三つ、雲海の上に輝いていた。

 夜明けにはもう少し時間がある。地上よりも星に近いせいか、空の月はとても明るく周囲を照らしている。美しい景色。もしかしたら、最後に見ることになる空。弱気になる心を、首を左右に振って否定するとセシリアは左手の装甲を解除して、ゆっくりと自身の唇をなぞる。

 自身の心に、確かな強さが宿っていくのがわかる。これで落ちたら笑い話だ、篠ノ之束が自分の妹と一夏の関係を応援している事は知っているけれど、そんな事セシリアには関係ない。鈴達が来るまでまだ少しかかるだろう。既に捕捉している三機はセシリア自身が落とすくらいのつもりでなければ勝ちは無い。


「さて……はじめましょうか、篠ノ之束博士。箒さんにならともかく、あなたに一夏さんの事に口を出される筋合いはございませんわよ!!」

 稀代の天才科学者、ISの母、篠ノ之束が無人機事件の背後にいる。同級生である篠ノ之箒の実姉で、極度の差別主義者。曰く、織斑千冬、織斑一夏、篠ノ之束、篠ノ之箒以外の人間に存在価値無し。一夏の為に白式をハッキングにより調整し、篠ノ之箒が一夏の傍にいる為に、オーバーテクノロジー甚だしい第四世代IS紅椿を制作し、時折IS学園に無人機を使って干渉する。

 ブルー・ティアーズのセンサーが無人機から複数の反応が切り離されたのを捉えた。その数を数えていたセシリアだったけれど、20を越えたあたりでセシリアは数えるのをやめる。精神感応ではない自律起動である利点が理解できた。

「数あれば良いというものではございませんわよ……!」

 12基のビットを切り離しながら、セシリアは最も近い反応へ向けてスラスターを吹かした。

643 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage saga]:2011/07/24(日) 00:43:19.72 ID:6To5FtMx0



 セシリアの視界に黒く無骨なISが映る。幾度となく学園に襲撃をかけた全身装甲型の機体は、本来必須の筈の操縦者が存在していない。

 背中に大きな翼のついたバックパックを搭載し、両腕のレーザーカノンをそのままに、下半身はもはや足ですらない。

「美しくありませんわね」

 先手を取ったのは飛行型ゴーレムのほうだった、巨大な両腕から熱線が照射され、その余波で雲を大きく巻き込みながらセシリアに迫る。対するセシリアはテンペスト・スラスターを巧みに動かして、速度を殺さないままにロール回避、回避からスムーズに射撃体勢へと移行し、構えたスターライトからレーザーを放つ。

 互いに、まるでフェンシングの試合前にフルーレ同士を合わせるかのような挨拶的行動。続けて互いの放出したビットによる光の嵐が夜の空を明るく照らした。

「この程度の動き……!」

 ビット単体としての性能差は歴然だった。篠ノ之束が自ら製造した無人機といえど、その性能に無人機としての限界を彼女自身が感じているように、自律制御で稼働するビットではイメージインターフェイスを介した精神制御の即応性には敵いようもない。

「―― いただきましてよ」

 まして、セシリアの使うBT兵器はその光条そのものが第二のビットであるかのようにセシリアの制御下に入る。瞬く間にいくつもの爆発が起こり、無人機の放出したビットのその過半数が破壊された。

 無人機は自身の制御下から一瞬でビットの大半が失われた事で一旦速度を緩め、両腕のカノンによる射撃戦に切り替えてセシリアに追撃を行う。生き残ったビットも合わさった弾幕は、少し前のセシリアとブルー・ティアーズならば回避できなかったかもしれない。

 弾幕を正面から、かつてのイギリス国家代表とその愛機メイルシュトロームの得意とした渦を描くようなロール機動で回避する。それを可能にしたのはブルー・ティアーズ.Q.G.のテンペストスラスターの存在と、偏向射撃を使いこなすエムとの激戦の経験だった。真っ直ぐと伸びるだけの光条に今更不覚を取るセシリアでは無い。

 残るゴーレムの自律機動ビット6基の迎撃を背部腰部そして左シールドバインダーのBTビット計8基に回し、右シールドバインダーのBTビットをマウントしながら、スターライトMK-IIIから放たれた高出力のレーザーが、ゴーレムの頭部を破壊せんと放たれる。

 発射後の光条が回避運動に併せて小刻みに動く様は、対人でセシリアと初見に対峙した人間ならば恐怖さえ感じる事だろう。しかしそこは無人機、恐怖等は無く、冷静に次の手を用意する。

 本来人間がそこに入る場所にあるマネキンのような人形の腹部が縦に割れて開く。まるで本当に操縦者の体が裂けているかのようにも見えて、セシリアは悪寒を感じてしまい、一瞬スラスターやBTの制御が乱れてしまう。




644 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage saga]:2011/07/24(日) 00:46:18.71 ID:6To5FtMx0



 ――いや

 その悪寒は、本能的に危険を察知したものだったのかもしれない。

「――な……ッ!?」

 無人機の頭部を貫く筈の光が、開腹されたマネキンの内側から現れた円盤に当たると、真っ直ぐと跳ね返されて来たのだから。

 スラスターの制御が乱れていなければ逆に直撃だった。

「対BT用リフレクター……!? ば、バカじゃありませんの!そんな装備……!!」

 精神制御による偏向射撃もビットも万能ではない。あくまで精神制御である為、セシリアが認識できない攻撃をビットは回避する事が出来ないのと同様に、セシリア本人が認識できない状態になれば制御を離れてしまう。まさか跳ね返されるなんて思っていなければ跳ね返った時点から、跳ね返った光条を再びセシリアが支配下に置くまでは完全に制御不能となる。非常に対BT兵器には有効な手段であり、イギリスの研究機関でもBT試作3号機への搭載に向けた研究が進められていたという。

 ただ、その開発計画は現在順延されている。

 実現可能か不可能かのレベルでは無く、あまりにも意味が無い。なにせ BT兵装搭載機は現時点でイギリスにしか存在していないからだ。今後EUにおける第三世代開発のトライアルでBT兵装が採用された際には、このリフレクター技術を持つイギリスが圧倒的なアドバンテージを持つ事になる。加盟国の間でBT兵装の採用が慎重視される最大の問題はBT兵装にはIS適正と別にBT適性を必要とするという敷居の高さだが、これも各国が慎重な姿勢を見せている要因の一つになっている。

 少なくとも、現時点でそれを装備しているという事はブルー・ティアーズかサイレント・ゼフィルスの二機との戦闘だけを焦点に据えているという事に他ならない。

 無人機の向こう側に、クラスメイトの実姉であり、無人機を製造して学園に干渉していると目される篠ノ之束の姿とその意思を見た気がして、セシリアは緊張感に唾を飲み込む

「そうまでしてわたくしを落としたいのですね…………ですが、その兵装の弱点も承知しておりましてよ!」

 リフレクターに関してセシリアは一度稼働試験に参加した事がある。BT兵器は光学兵装の為、弾体に質量が存在せず、熱量にさえ耐えられれば鏡で反射する。ただし光でありながら曲がる特性を持つ為、単純な鏡面では反射させるどころか乱反射を鏡面で起こす可能性があった。そこでBTを反射する為には反射に指向性を持たせる為ミリ単位の角度調節をリアルタイムで行う必要がある。

 イギリスで実験したものとゴーレムが搭載しているものはほぼ同じ構造と考えて良い筈。ならば、その欠点として反射の持続時間が短く、再反射までに一瞬の隙がある。もっとも、それもコンマミリ秒程度であり、ただの乱射程度ならば十分なのだが、持続的な照射には耐えられない。




645 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage saga]:2011/07/24(日) 00:49:17.11 ID:6To5FtMx0



 そしてセシリアのQ.G.には、それを破る為に最適な兵装が存在している。自爆ライフルとオルコット邸に向かう車の中で一夏が命名していたスター・ゲイザーVer1.2はチャージ時には照射型となる為にリフレクターを破壊できるが今日はあの不良品は装備していない。それ以外。断続的にレーザーを照射し続け、敵を切り裂く為の刃を偏向制御の応用で作り出す、BT固定展開可能多機能モデルのビットならば、リフレクターごと切り裂ける。

「参りますわよ!!」

 残る自律機動ビットを破壊し終えた女王の騎士が戻ってくると、先に戻っていた右肩のユニットからBT固定展開可能多機能モデルのビットを切り離し。意識をレーザーソードビットモードに切り替えると、4基のビットがレーザーブレードを展開しながらセシリアを中心としたフォーメーションを取る。エムとの戦闘では、シールドバインダーにマウントしたまま三本を文字通りクローのように使ったが、本来はこの使い方が正しい。

 そしてセシリアがスラスターを全て後方に向けて、ゴーレムめがけて正面から全力で突撃する軌道に入る。待ちうけるゴーレムもまた右腕の砲口からブレードを出現させ、セシリアの機動と交差するように加速。

 セシリアが加速したままスター・ライトMK-IIIを構え、BTエネルギーの光条を放った。当然のように、セシリアの主武器である偏向射撃ライフルをこの高速域で回避するのに最も適した装備であるリフレクターが展開され、セシリアは反射されて来たレーザーを、レーザーブレードビットを3基残して左にロールしてかわす。

 そして二機はスラスターの炎を弱める事無く高速で交差した。


――――


 ゴーレムのブレードを弾いてセシリアを守ったブレードビットが、まずシールドバインダーの上側にマウントされ、続けて残りの三つが下側に戻る。セシリアは振り返りもせず、Q.G.のバイザーを起こし、片目を閉じる。


「……―― ちょろいですわね」


 セシリアの背後で、腕を、胴からスラスターを、展開したリフレクターごと頭部を其々切り裂かれたゴーレムが力を失い、加速による慣性とGをまともに受けて空中分解しながら、いくつもの光球となって爆発していった。

 一機目を撃破し、次の無人機を捉えようと逆噴射をかけて輸送機の方向へ向かい、再び間合いを離そうとする。一機づつをヒット&アウェイで撃破し続ける事で数的優位を持たせないつもりだったが……流石にそれは甘かったようだ。

「――ッ!!!」

 まさか輸送機側にもう入られているとは思わなかったセシリアの眼前に無人機二機分の無数のビットが迫る。一機目を一瞬で撃墜されたからか、元々そのつもりだったのかは判らないが、これで輸送機は伏兵のいない限り無事が確認された。

 ホッとしている暇も無く、慌てて左右のテンペスト・スラスターを前後に向けて一度吹かし、クイックにロールを入れてから一気に片側に揃えて吹かし、ほぼ直角に進行方向を変える。凄まじい圧に機体各所への警告が次々と表示されるが、直撃されるよりはましだ。なんとか態勢を整えながら、無数の自律機動兵器が此方の未来位置を予測して射撃してくる弾幕を、その予測よりも速く動く事で避ける。

 レッドアウトやブラックアウトこそISでは起こりようもないことだけれど、過負荷による機体への損傷は免れない。苦し紛れに近くても、セシリアにはビットを出して自律機動型ビットを少しでも多く減らす必要があった。




652 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage saga]:2011/07/25(月) 00:01:59.38 ID:epDWrxqo0




――――




 夜明け前の空、雲を超えた満天の星空の世界を三機のISが駆ける。

「鈴、待て!先行し過ぎだ」

「あんた達もっと飛ばしなさいよ!チンタラやってられる状況じゃないのよ!!」

「……凰さん、心配なのは判るけれど……あなたが一人で先行しても意味が無いわ」

 先頭は中国代表候補生 凰 鈴音 の甲龍・高速機動パッケージ「風」装備。最後尾は日本代表候補生 更識 簪 の打鉄弐式。そして二機の間をもつように、一般生徒 篠ノ之 箒 の紅椿が、織斑姉弟とイギリス代表候補生 セシリア・オルコットが乗る輸送機が無人機の襲撃を受けた報せを聞いて対空迎撃に空へと上がっていた。

 第二世代ゆえの明確な出力不足が否めないフランス代表候補生 シャルロット・デュノア のラファール・リヴァイヴ・カスタムIIは学園に残り、上級生と共にもしもの時の最終防衛ラインとして待機している。

≪鈴、箒、更識、こちらラウラだ。まもなく私も上がれそうだ。……今の所此方からは伏兵の存在は確認できていない、だが、上空に上がるまでは各自警戒は怠らないでくれ≫

 そして、ドイツの代表候補生 ラウラ・ボーデヴィッヒ のシュヴァルツェア・レーゲンは、ラウラが軍属である事から用意されていた指揮官機用パッケージ、[梟王]オイレ・ケーニッヒ(E.K.)を装備する為、現在、学内の専用機を担当している整備課生徒総動員で換装をすすめている所だった。

 大型のレドームユニットを背面に搭載し、目元を完全に隠すように下ろされたバイザー、機体各部の攻撃武装がオミットされ、全体が特徴的なステルス装甲に覆われている。機能面では旧世代のAWACS機としての機能を有し、登録したIS同士を自機を仲介にデータリンクさせる事が可能であり、高性能レーダーの搭載による策敵能力の他、データリンクシステムとの同時使用は不可能ながら、強力なECM兵器の使用も可能な電子戦特化型兵装となる。

 ここまで明確に軍隊としての運用を前提としたパッケージを開発していた事は、以前VTシステムによる不祥事を起こしておきながら大胆としか言いようがない、学園での使用はこれまで禁止されていたが、今回の有事に際し千冬の鶴の一声で急遽使用許可が下りた形になる。

「教官、あなたの期待に私は必ず応えます……」

 遅れての出撃となるが、オイレ・ケーニッヒの哨戒能力ならば、伏兵の存在を事前に察知して対処ができる。束にしては判りやすい襲撃を行ってきた所から、高確率で罠があると千冬はきっと読んでいる。今はその情報に確証が欲しい筈だ。

(ならば、私がその手助けをする!)

 ラウラは、整備室のモニターに映し出される広域レーダーの光点を見つめながら、ぐっと拳を握った。真っ先に飛び出したかった気持ちを抑え、前衛を預けた先行の三人の光点は既に学園から遠く離れている。

「それまで……頼むぞ」



653 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage saga]:2011/07/25(月) 00:14:09.03 ID:epDWrxqo0



――――


「……もうすぐ輸送機が見えてくる頃…………」

 他の二機よりも、兵装の性質上センサー類の強い簪が、手元に出現させたパネルを片手で操作しながら二人に告げる。今日の空は厚い雲に覆われていて、眼下には雲海がどこまでも広がっていた。

「伏兵がいるなら……仕掛けてくるのはそろそろか」

 箒は両手に二本の刀を呼び出しながら、慎重に周囲を見回す。その様子に、前方の鈴が呆れたような声を投げる。

「あんたねぇ、センサーの広角視野は何のためにあんのよ……それにあんたは戦っちゃだめよ?」

「な、何故だ!」

「……篠ノ之さん、織斑先生の話を聞いていなかったの?」

「あんたは輸送機に到着次第一夏とセシリアのサポートに入るんでしょうが、いくら絢爛舞踏が使い放題だからってその前に落とされたらどーするつもり!」

 簪も鈴も、出撃前の簡易ブリーフィングでも言っていたし、一番元気にハイと返事していたのが箒だっただけに、少し呆れたような色が声に滲む。箒のそういう所は嫌いでは無かったが。


「し……しかし!………………お前達だけでは……」


「――」「…………」


 自分だけ第四世代だからと最近このモップ調子に乗ってないかと、鈴も簪も今のは結構カチンときた。


「……今なんか言った?あはは、良く聞こえなかったんだけれど」


「……篠ノ之さん、私あなたとはまだ戦ってない」


 鈴が天牙双月を呼び出しながら苦笑いしつつ振り返り、箒の背後からはロックオンアラートが大量にディスプレイに表示される。

「ま、まてお前達!私は別にそんなつもりで言ったのでは……!!」

「素で言ってんのが尚悪いのよ!」

 緊急事態であってもこうやって騒いでしまうのは、女子高校生、所謂JKの特権なのだろうか。ふと箒は背後からのロックオン警告が一気に消えた事に気付き、簪の方を振り返る。

「凰さん!正面に……ッ!!」

 簪のそんな声を聞いたのは初めてで、でもだからこそ、それほどの事だと判断できる。

 前を向いた鈴の視界には、ISの一部分、どこかのパーツのようなものがいくつも浮いていた。どこか見慣れているようで、それとは全く感じが異なるもの。


(……あれ?そういえば今回のゴーレムは確か……何か、装備がって山田先生が……)



「―― 鈴!避けろ!!ビットだ!!」



 正面、そして雲海の中から、光の乱舞が三人全員に襲いかかった。







「きゃあああああっ!」




654 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage saga]:2011/07/25(月) 00:47:27.70 ID:epDWrxqo0


――――


 最初の被弾は簪だった。最も実戦慣れしていない専用機持ちだけに多少の被弾は仕方が無い。強制解除になる前に彼女を逃がさなければ。箒がそう思っていると、爆炎が晴れて見れば簪は物理シールドを即座に呼び出して辛うじて防御している。初陣の相手がゴーレムタイプだった簪はある意味で純粋な実戦だけの経験を積んでいるとも言えるか。

「驚かせるな、動けるか?」

「――ッ! と、当然でしょ……」

 一方、正面と下方の二面攻撃をまともに受ける事になった鈴は被弾こそしたが被害を最小限に留めていた。

「……くっ、こんなモンに当てられるなんて、セシリアに合わす顔が無いわね……!」

 損傷が軽微である事を確認しつつ、鈴は加速しつつ衝撃砲を雲の中に向かってばら撒く、元々キャノンボール・ファスト用に調整された風はやはり高機動時にこそその真価を発揮する。

≪こちらラウラ、換装は終わった!私もすぐに上がる。敵か?全員落ちるなよ!≫

≪こちら箒!伏兵と思われるゴーレムと遭遇、交戦状態に入った。敵は雲海に潜っており数は不明!≫

 箒も紅椿のビットを切り離しながら、ラウラからのオープンチャンネル通信に回答する。ラウラが所定の高度に達すれば、敵の位置は全て見えたも同然になる。せめてそれまでの間だけでも、誰一人欠ける事無く切り抜けなければならない。自律機動兵器、所謂ビットのスペシャリストは身近にいるし、自身にもその兵装は搭載されている。だが、狙撃手である彼女との模擬はいつも開始位置から、限られた互いを常に視認できるフィールド内での戦いだった。これで模擬最弱と言われても確かに不満も漏らしたくなるかもしれない。

「なるほど、これが真骨頂とすれば、確かにこれは想像以上に厄介だ!」

 雲海の中は激しい気流と水蒸気、そして大量の静電気のせいでセンサーがほぼ役に立たない。見えない敵、見えないビット。これほどに厄介な事も無い。もし模擬戦の戦場が隠れる場所があったなら……いや、セシリアはなんとなく隠れない気がした。

「更識!雲の中の敵をロックオンできないか!?」

「無茶を言わないで……すぐは無理。30秒だけ時間を頂戴……」

 無茶を承知で口にした箒の言葉を、事もなげに30秒で実現すると返す、日本の代表候補生の言葉に、嬉しさを感じるのは自分があくまで日本人だからだろうか。自分の祖国を代表するかもしれない少女はやはり本物だ。

「よし、簪!私がそれまでお前を護る!頼むぞ!!」

「……!」

 簪に背中を向けて刀を構える箒の背中を見て、簪は、簪と呼ばれた事に目を丸くする。本当は一夏だけにそう呼んで欲しかったけれど、悪い気はしない。そういえば、他の専用機持ちは皆ファーストネームで呼び合っていたと思い出し、なんだか、頬が緩んでしまう。クールなキャラでいたかったのに。


「…………任せて、箒……」


 簪が両手で空中に浮かんだ二つの仮想キーボードを叩く。ピアニストの演奏のように十本の指が、雲の密度や現在の気温、時刻、気圧、その他諸々の情報を演算し、知るべき解を求める。数式の向こうに、雲海に隠れたターゲットの姿を捉える為に。




655 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage saga]:2011/07/25(月) 00:49:40.71 ID:epDWrxqo0



――――



「――っこのォ!!」

 風の衝撃砲はどうしても出力が機動に支障が生じ無い程度に抑えられている代わり、これまで以上の指向性と連射が可能になっている、空間を圧縮する兵器という特性上、衝撃砲は雲海に着弾すれば大きく雲を巻き上げ、水蒸気の絨毯を次々に抉り取って行く。

 鈴には紅椿のような火力も無いし、打鉄弐式のような高感度のセンサーも、簪のようにその場で兵装のプログラムを調整書き換えする技術も無い。天性の勘と、こと戦いにおける冷徹さ、あくまで冷静に、その瞬間における最善手を引き出す。それは才能と言えるのかもしれない。あの窮地において一年最強のシャルロットを撃墜した事でついた自身が、鈴自身の戦闘における勘の働きを進化させていた。

 めちゃくちゃな砲撃のようにも見える衝撃砲の連射は、確実に無人機の放つビットの数を減らしていく。ビットの動きが、センサーに頼らなくても今の鈴には視えている。それは、ビットのスペシャリストであるセシリアとの生活が長い事にも起因しているのかもしれない。本当にそうかは判らないけれど、鈴の感情はその理由に昂っていた。

「ブルー・ティアーズ相手に比べればこんなもん……ちょろいってのよ!」

 にぃっと口端を上げて健康的な笑顔を見せると、糸切り歯が特徴的な歯がちらりと見えた。

「―― !」

 その時、雲の奥から、大きな熱量が周囲の水蒸気を更に蒸発させる光線が放たれて来た。すんでの所で鈴は回避したが、これはとてもではないがビットの火力では無い。つまり……。

「ビンゴ……ビットに高出力のレーザー……まるでセシリアもどきじゃない!そーいうの気に入らないよ!」

 ぐっと足に力を込めるように前のめりになりながら、その射線から逃れるように鈴は雲の中へと飛びこんでゆく。視界の悪さなんか吹き飛ばせばいい。相手は無人機、親友を真似た代償は高くつく。遠慮なくやらせてもらうまでだ。




668 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage saga]:2011/07/31(日) 00:33:54.05 ID:GFBiLOqo0



 セシリアを真似たような武装なだけあって、無人機は鈴の甲龍との近接戦闘は不利と判断したのか、鈴との距離を保つため背中を向けて逃げ始めた、当然格闘戦に持ち込む為に鈴が追い、無人機と鈴のチェイスが始まった。

「鈴!あまり追い過ぎるな!鈴ッ!」

 後方で簪に迫るビットに対処しながら、箒が叫ぶ。敵機を逃がすわけにはいかないのは判るのだが、明らかに自律機動ビットの数が多すぎる。コントロールしているゴーレムが逃げに入っても簪への攻撃の手を緩めないのは、それが自律機動型だからというだけの事なのかもしれないけれど、最低でももう一機伏兵がいると考えておく方が無難。

 歯がゆい思いで鈴が飛び込んでいった辺りの雲を見下ろす。巻き起こった風圧にちぎれた雲が靄のように揺らめく其処へ今飛び込めば間に合うのだろうか、手にした二刀でビットを斬り落としながら悩む箒の耳に、雲の中の反応を拾えるようにその場でセンサーのシステムを修正していた簪の声が聞こえる

「……箒!いけるわ、離れて!」

「わかった!」

 紅椿が離れると同時、打鉄弐式のミサイルポッドのカバーが開き、雲の中まで含めたマルチロックオンが完了する。以前のタッグマッチの際には未完成だったマルチロックオン機能は、和解した姉の楯無や布仏姉妹、黛先輩らの協力を得て遂に完成した。ポッドから次々とミサイルが発射され、雲の中の対象を追ってゆく。

 そして、まるで雷鳴のような音を響かせて、いくつもの弾頭が次々と炸裂する。爆風によって荒れた雲海の奥から、右腕の大口径ビームの砲門からレーザーソードを発生させて無人機が飛び出してきた。鈴の追う相手とは逆に、簪と間合いを離す事が不利と判断したのだろう。

「やらせるかっ!」

 飛び込んでくるゴーレムに対し、簪を守る為に立ちはだかる箒が刀を交差させて両手でゴーレムの攻撃を受ける。刀身の帯びているエネルギーフィールドとレーザーが激しく火花を散らした。

「箒っ!もう一回、今度は集中させて行くわ、離れて……!」

「くっ……難しいことを言ってくれる……な、簪」

「……ぁ、ご、ごめんなさい……つい」

 やっぱり少し馴れ馴れしかっただろうか、不安げに簪の顔が曇る。

「ふっ……何を謝る!守ると言ったろう? やれるさ!私と、この紅椿なら!!頼むぞ!簪!」

 箒の力強い言葉が、簪の不安を晴らしてくれる。仲間の背中、長いポニーテールの揺れるその背中が簪から離れてゆく。ただ離れるだけなら誰にでもできる。だがただ離れれば簪を敵の眼前に晒すことになる。簪はそれでも切り抜けて再びマルチロックオンミサイルの弾雨を降らすつもりであった。




669 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage saga]:2011/07/31(日) 00:40:51.33 ID:GFBiLOqo0




「うおおぉぉぉおおおっ!」

 箒は裂帛の気合を吐き、紅椿の肩付近のアーマーをスラスターへと変形させ、鍔迫り合いのまま無人機を一気に押し出して、簪から一定の距離を取る。

 距離を確認し、思い切りゴーレムを今度は蹴り飛ばす。堪らず仰け反りながら離れる無人機に対し、紅椿のビットが左右からの追撃を入れ、更にゴーレムの動きを止めた。簪が言った「離れて」とは違う状況ではあったが、その位置取りならば、マルチロックオンミサイルの弾道上に箒も無く、ましてロック中に迫撃される心配も無い。

 完璧すぎる箒の仕事、ここで自分が失敗するわけには行かない簪は一つ大きく息を吸ってから、先程のセンサーによるエイミングから、イメージインターフェイス操作による視線を注ぐだけでできるマニュアルロックオンに切り替え、動きの止まったゴーレムに対し全弾のロックオンを集中させる。

「……これで、決める……っ!」

 ミサイルポッドから放出される無数のミサイルが一度大きく花の様に広がり、煙を引きながらゴーレムに向け集約してゆく。一発一発の火力はそうあるわけではないけれど、幾度も連続して起こる爆発の回数は確実に着弾数を上回った。


「簪!」


「……うん!」


 四散して雲海へと落ちてゆくゴーレムの残骸を見てから、ぐっと片手で拳を握り、軽く掲げる箒の姿は、丁度空けはじめた日を背にしていたから眩しくて、簪は眩しそうに目を細めて箒と同じ仕草をした。




670 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage saga]:2011/07/31(日) 00:57:19.93 ID:GFBiLOqo0



――――



≪こちら織斑、凰か?そちらの状況はどうなっている!?≫

 雲の外の様子はわからないけれど、千冬からオープンチャネルでの通信がダイレクトに入った。鈴は追跡しながら中距離レーダーを開き、思った以上に輸送機の近くまで来ていたことに小さく舌を打つ。逃げに入っているとはいえ相手はIS。輸送機ともし接触したならば、一瞬で航空機など破壊してしまう。それをさせない為、輸送機を危険から遠のける為に迎撃に出ていて敵を輸送機に辿り着かせたのでは、何の為に上がったのか判らない。

≪こちら鈴音!ゴーレムがちょこまかと……!雲の中をそちらに向かって追撃中!――ます!≫

 話し口調で返してしまった言葉を、無理やり語尾だけ整えて千冬に返す。

≪やはり伏兵がいたか……!≫

≪鈴!大丈夫か!? 千冬姉!ハッチを開けてくれ!俺も出る!!≫

 オープンチャネルに一夏の声が飛び込んでくる。久しぶりに聞く幼馴染の声は、とても、とても切羽詰まったもので。それが少し嬉しいと感じてしまうのは、別に親友への裏切りではない筈だ。だって一夏が幼馴染で、優しくて、ちょっと優柔不断だったり、凄く鈍感で、わざとやってんのかってくらい天然ジゴロで、一番好きな異性である事には変わりはないのだから。単純に性別問わずなら……

≪一夏!セシリアは無事なんでしょうね!?≫

 何かあったらぶっ飛ばす。それは言葉にして言われなくても一夏に伝わった。

≪無事……だと思う≫

≪はぁ!? だ と 思 う !? 一夏あんた男でしょ!ねェ!?≫

≪う、うるせぇな……俺だって心配なんだよ!≫

≪いい加減にしろ貴様ら、今は戦闘中だぞ。オルコットは先行して現れた無人機三機の迎撃に出た。今二機目の敵機反応が消えた所だ≫

 千冬のドスの効いた声が二人の言い合いを中断させる。そして告げられた内容に鈴はぎょっとした。サイレント・ゼフィルスを撃墜したと聞いた時は、純粋に凄いと思えたが、箒と簪が二人がかり、自分は仕留めきれずにチェイス中のゴーレム三機と戦って二機を既に撃墜している。異常だ、セシリアに何があったのか、心配にすらなってくる。



671 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage saga]:2011/07/31(日) 01:02:35.79 ID:GFBiLOqo0



≪良かった……セシリア、流石だな≫

 鈴の耳に聞こえた一夏の声が嫌に優しい。昨日、セシリアには昨夜のことだが、鈴には昨日の話。電話口で聞くセシリアの声はとてもとても弾んでいて、嬉しそうに一夏の事を話していた。まぁどうせいつもの事かとタカをくくっていたが、まさか

≪ちょっと一夏……セシリアとなんかあった?なんかいつもと違うじゃない≫

≪ぃいッ!?≫

 明らかに動揺した声が返って来た。という事はつまり、一夏の方から見ても動揺するような何かがあったという事。以前の一夏なら「久々に故郷に帰ったからじゃないか?」くらいしれっと言いそうなもの。誤魔化しているのではなく、結構本気で。全く鈍感極まりないこの一夏にそこまでの反応をさせる何かをセシリアはしたのだろう。

 一夏にしてみれば、セシリアが出撃する直前のあの出来事が脳裏に浮かぶ。ふわりと薫るバラの匂い、唇に触れる感触。姉の目の前ではあったけれど、何故鈴がそれを知っているんだという気持ちになる。姉か?この非常事態に姉がばらしたのか?尤も、それが無くても何かあったのかと聞かれれば色々あったわけで同じような反応を返したろうし、ばらされていなくても一夏の言葉も鈴の反応もきっと変わらなかったろう。

「ったく……かんっぺきに先を越されてるじゃない」

 一夏側の気持ちさえ動かしたのかと理解した以上、もう一夏に聞くことはない。一方的に通信を終えて追撃を再開する。一夏はそのまま輸送機のハッチ内で待機していればいい。その為にも、このゴーレムは何が何でも落とさなければいけない。ぎり、と奥歯を噛みしめ、更に加速しつつ、衝撃砲の出力を落として左右二点射でばら撒く。一発目はゴーレムを真っ直ぐ狙い、二発目はゴーレムが雲海の奥へ逃げようとするであろう位置を予測して撃つ。偏差射撃なんて、特筆することも無い基本技能だけれど、これは二点射であることに意味がある。

 無人機の挙動は即ち、自律機動。搭載されたコアが即応性によって回避を行う。視覚できない筈の衝撃砲を避ける程となれば相当のもの。しかし、避けられることを前提にした射撃ならば――。

「やっぱりね」

 ゴーレムは人間には不可能な回避を行う。なにしろ人間のような脆い内臓や稼動域の限られた関節などなんか無いのだから。必ずその攻撃に対する最善を選択して回避する事ができる。しかし、それ故に……対人ならば発射間隔の短い偏差射撃は初動前に発射されている為容易に読まれてしまうものだが、はじめの攻撃に対して、無人機としての最善である雲海の奥に向かう回避先に置かれた射撃が、吸い込まれるようにゴーレムに命中する。



672 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage saga]:2011/07/31(日) 01:14:08.70 ID:GFBiLOqo0



「正確過ぎるなんて、やりすぎじゃない?」

 予想通りの結果に笑みを深くすると、鈴は追撃の為に同じ二点射を連続で発射する。しかし、一度直撃したことで学習したゴーレムは、二射目からの回避方向を、二発目に反応し、一発目を二発目の置かれた方向と反対側へと回避する。一度通用した手は二度は通用しないと言うことだろう。厄介な相手だ。


―― でも


「最も反応の遠い位置、最も安全なポイントを選択する。ほんと……セシリアそっくり……回避方向の誘導がしやすいのよアンタ達って!」

 乱れた雲海の表面より少し深い位置で戦っていたゴーレムが、東から昇る太陽の光に薄く照らされた雲の上へ飛び出る。姿が見えてしまえばこちらのもの。輸送機のビーコンが西の空に目視できる。身を隠すものが無くなって、ゴーレムが再び雲海へと飛び込もうとするが、そこへ最大加速の鈴が突っ込んだ。「風」パッケージの特徴として、胴体部分に鋭角的な機首状のパーツが取り付けられている点がある。勿論そんな使い方は想定されていないが、鈴はその機首をゴーレムにめり込ませるように突撃した。

 メキメキと互いの装甲が悲鳴を上げる。不自然な体勢のまま甲龍の最大加速に浚われながらも、ゴーレムはブレードを展開して足掻くように鈴への攻撃をしようとするが、それも、鈴には計算のうちだった。「風」パッケージの緊急パージ。増設されたパーツを残し、鈴の体が離れてゆく。虚しくブレードが宙を切ったと同時、脱出した通常パッケージ状態に戻った甲龍の両肩、そして両腕から衝撃砲が連続して放たれ、パージしたパーツごとゴーレムの各部位を打ち砕く。

「次はアタシを真似た方が良いんじゃない?セシリアはセシリアだから強いのよ」



673 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage saga]:2011/07/31(日) 01:32:02.84 ID:GFBiLOqo0



≪こちら織斑、よくやったな、凰。しかし大丈夫なのか?パッケージのパージを行ったようだが≫

≪大丈夫です!セシリアは!?≫

≪まあ待て、もっと頼りに奴が来た……≫

 鈴のせっつくような言葉の勢いに、千冬は耳に添えていたヘッドホンを離しながら返す。もっとも、コアネットワークを介しての通信である以上そんなものは無意味で、鈴の声は千冬の鼓膜に突き刺さったけれど。……鈴が戦闘中に教え子からまもなく所定の高度に到着すると連絡があった。恐らくそろそろ……


―― イメージBGM Ace Combat 6 Misson12 -Fires of Liberation-


≪こちらシュヴァルツィア・レーゲン.E.K. ラウラ・ボーデヴィッヒだ。レーダーの感度良好。 各機データリンク開始。鈴、箒、更識。待たせたな……と、言っても、もう二機とも落としたのか……一夏も聞こえるか?そういうわけだ、バックアップに入らせて貰う。此方から情報を送るので情報の更新をしてくれ……隠れている伏兵は全て焙り出す。各機奮戦せよ≫

≪ラウラ!遅かったわね、奮戦……?殲滅戦の間違いでしょう?≫

≪ふっ……何機来ようと私と簪ならば落としてやるさ、一夏も聞こえているな?お前は今回は出番がなさそうだぞ!≫

≪……えっ?えっ!?な、何ですの?どうして急にラウラさんからの通信が……えっ!?鈴さん?箒さんに、更識さんまで??わ、わたくしまさか、ゴーレムに誘導されて輸送機の空域まで……っ!?≫

 急に賑やかになる通信にセシリアのうろたえる声が聞こえる。通常の通信と違う、まるでプライベートチャネルでの通信のように聞こえる沢山の仲間の声。輸送機から敵を引き離しながら戦っていた筈のセシリアにとっては、それはまるで自分のミスに感じられているかもしれない。そう思うと、非公式な私闘含めてとはいえ二連敗しているラウラにとっては少しばかりいたずら心を擽られるけれど。今はそれはいい。自分の声がセシリアにも届いているのだ、それはつまり、このオイレンケーニヒの性能を保証するものであり、そして、セシリアが落とされる前に間に合ったということ。

≪セシリア、借りを返しに来たぞ?≫

≪ラウラ……さん……≫

 本来の意味でのこの「借り」は別の意味だけれど、ラウラにとっては同じ意味で、セシリアも同じ意味を共有しているのか、驚きつつも、少しばかりの嬉しさが声音に滲む。

 そうなると、鈴としては若干面白くない。

≪ずるいわよラウラ!!セシリア、すぐにそっちに合流するから!アンタは何もしなくてももう大丈夫よ!≫

≪……落ちついて、凰さん……何もしなかったら落ちちゃう……≫

≪みんなッ!セシリア!無事なんだな!?よかったぜ≫

 一夏は、通信のおかしさに気付いていないのか、それとも気付いていて仲間を鼓舞する為に言っているのか、単純に皆が近付いていることに喜んだのか。明るい声を戦場に出た全員の耳に届ける。それは、誰もが聞きたかった声音で。全員が意図していたのならきっと優れた指揮官になれるのだろう、

≪……こほん、一夏よ。それにセシリアも、よくレーダーを見て欲しい……≫

≪……全員いるよな?≫

≪え?ええ……あ、あの、わたくしまだ戦闘中なのですけれど……≫

≪理解できたか?このレーダー情報は私のシュヴァルツィア・レーゲンに搭載された指揮官仕様パッケージ『オイレンケーニヒ』のものとリンクしている広域レーダーなのだ。範囲内にいる限り私の目から逃れられるものはいない。そら、セシリア。右から来るぞ≫

 冷静に戦況を把握しているラウラの声が、皆の耳に状況をいち早く知らせ、レーダーにその情報を正確に映し出す。もはや負ける気はしない、新たに伏兵や敵増援の機影を発見したが、それももはや脅威にはならない。これでもし負けるのならば……きっと、どんな援軍でも負けただろう。

≪オイレンケーニヒ……ケーニヒはドイツ語で王様、だよな……オイレン…………油の王?≫

≪……一夏さん、オイレはドイツ語でフクロウ、梟の王ですわ……≫



676 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage saga]:2011/07/31(日) 23:39:51.25 ID:GFBiLOqo0


========================================================================

番外 IS設定

■シュヴァルツィア・レーゲン オイレン・ケーニヒ

 旧世代の戦争において勝敗を分けたのは火力でも装甲でもなく、情報能力である。世界からは抑止力たるISの登場により「戦争」は消え、世界大会「モンド・グロッソ」こそが世界のパワーバランスを明示化させる戦いの舞台であった。故に、本来IS同士の集団戦闘を前提としたパッケージには必要性が存在しない。

 「梟の王」と名付けられたこのパッケージは、本来必要とされるはずの無い……いや、必要とされてはいけないIS用の早期警戒管制パッケージで、旧世代のあらゆるAWACS機を凌駕しているどころか、イージス艦に匹敵する管制システムを搭載していた。VTシステム搭載事件以降にリリースされたこのパッケージは欧州のみならず、世界中にその存在を危険視され、完成されつつも日の目を見ることが無かったが、織斑姉弟および英国代表候補生を乗せた輸送機が急襲を受けた際に、IS学園緊急時統括指揮権を持つ織斑千冬により換装許可を与えられ、出撃する運びとなった。

 武装面では、レールカノン、ブラズマ手刀をオミットしており、辛うじて腰アーマーに内蔵されたワイヤーブレードのみが使用可能と貧弱極まりないが、全身にステルス装甲が使用されており、最大稼動時には光学迷彩さえ使用可能になる設計となっている。背面の大型のレドームの索敵範囲は極めて広く、更にドイツの軍事衛星とのリアルタイムリンクにより広域のカバーリングが可能。

 両腕には強力なECMジャミングユニットを搭載しており、王の名に相応しい、本来存在する筈の無い電子戦機最高位の機体である。

 欠点としては、ジャミングとレーダーの同時使用時に若干の電障が発生してしまう為、近距離に死角が発生してしまう事と、貧弱な武装がある。

武装

 ワイヤーブレード × 2

========================================================================



677 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage saga]:2011/07/31(日) 23:40:42.33 ID:GFBiLOqo0


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番外 IS設定

■シュヴァルツィア・レーゲン オイレン・ケーニヒ

 旧世代の戦争において勝敗を分けたのは火力でも装甲でもなく、情報能力である。世界からは抑止力たるISの登場により「戦争」は消え、世界大会「モンド・グロッソ」こそが世界のパワーバランスを明示化させる戦いの舞台であった。故に、本来IS同士の集団戦闘を前提としたパッケージには必要性が存在しない。

 「梟の王」と名付けられたこのパッケージは、本来必要とされるはずの無い……いや、必要とされてはいけないIS用の早期警戒管制パッケージで、旧世代のあらゆるAWACS機を凌駕しているどころか、イージス艦に匹敵する管制システムを搭載していた。VTシステム搭載事件以降にリリースされたこのパッケージは欧州のみならず、世界中にその存在を危険視され、完成されつつも日の目を見ることが無かったが、織斑姉弟および英国代表候補生を乗せた輸送機が急襲を受けた際に、IS学園緊急時統括指揮権を持つ織斑千冬により換装許可を与えられ、出撃する運びとなった。

 武装面では、レールカノン、ブラズマ手刀をオミットしており、辛うじて腰アーマーに内蔵されたワイヤーブレードのみが使用可能と貧弱極まりないが、全身にステルス装甲が使用されており、最大稼動時には光学迷彩さえ使用可能になる設計となっている。背面の大型のレドームの索敵範囲は極めて広く、更にドイツの軍事衛星とのリアルタイムリンクにより広域のカバーリングが可能。

 両腕には強力なECMジャミングユニットを搭載しており、王の名に相応しい、本来存在する筈の無い電子戦機最高位の機体である。

 欠点としては、ジャミングとレーダーの同時使用時に若干の電障が発生してしまう為、近距離に死角が発生してしまう事と、貧弱な武装がある。

武装

 ワイヤーブレード × 2

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