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  • 上条「初詣行かないか?」 神裂「私で…良ければ」①

自分用SSまとめ

上条「初詣行かないか?」 神裂「私で…良ければ」①

最終更新:2011年09月30日 00:18

meteor089

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管理者のみ編集可

上条「初詣行かないか?」 神裂「私で…良ければ」①

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3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/25(金) 13:39:53.87 ID:4SyRupAbO
一月二日。三ヶ日のど真ん中。
午後1時、上条当麻は神社にいた。
ある人と待ち合わせをしているのだ。

「うわー、やっぱ人多いなぁ。
やっぱみんなこういうイベントは好きなんだな」

見渡す限り人で溢れている。
学園都市は科学の街だ。
科学に関しては、外の世界より十年は進んでいると言われている。
しかしこんな時の為、神社もあるのだ。
初詣。上条の今日の目的だ。

「しかし、こんな人でごった返して、
ちゃんと落ち合えんのか」


上条がそんな事を心配していると、人波を掻き分けて約束の相手が現れた。



4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/25(金) 13:40:41.60 ID:4SyRupAbO
「お待たせして申し訳ありません、上条当麻」

深々と頭を下げているこの人物、
神裂火織が待ち合わせの相手だ。
イギリス清教ネセサリウスのメンバーであり、
天草式十字凄教の女教皇。
更には世界に二十人程しかいない聖人だ。

「……………」

ぼーっと神裂を見つめている上条に、
神裂が不安な顔をする。

「も、もしかして…お待たせしてしまって
怒っているのですか?
」

「え?いや違う違う!何でもねーから気にすんな!」

5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/25(金) 13:41:58.20 ID:4SyRupAbO
神裂は着物を着ていた。
薄い青を基調に、色とりどりの花があしらわれている。
髪もポニーテールではなく、きちんと頭の上で結わえてあった。
普段の神裂は、白いTシャツに、
片方が太ももの付け根まで破られたジーンズを履いている。
その姿で現れるとばかり思っていた上条は、
そのあまりに珍しく、美しい姿に見とれてしまったのだ。

「き、今日は着物なんだな」

「へ、変ですか?」

「変じゃない変じゃない!!
むしろ良い!上条さんは良く似合っていると思います!!」

「そ、そうですか?少し恥ずかしいです」

そう言って口元に手を添える姿は、妙に色っぽく見えた。

8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/25(金) 13:43:05.87 ID:r0wht7D90
神裂さんの着物姿とか妖艶ってレベルじゃねーぞ

10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/25(金) 13:44:49.83 ID:4SyRupAbO
美しい黒髪に清楚で凛とした立ち居振る舞い、
神裂は見事に着物を着こなしていた。

(インデックスならこうはいかないな…)

上条は容易に想像出来た。きっと七五三みたいになるだろう。

そのインデックスは、上条の担任、月詠小萌の家にいる。
おせちパーティーに参加中だ。

「初詣とおせち料理、どっちがいい?」

そう聞いた上条に、インデックスは即答したのだ。
「おせち」と。

「では行きましょうか」

神裂に促されて、二人は境内に向かう事にした。

12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/25(金) 13:46:07.31 ID:4SyRupAbO
「す、進まねー!!!」

上条と神裂は完全に人の波に飲まれていた。
少し気を抜けばはぐれてしまいそうだ。

「わざわざ一日は避けたのに!」

実は上条は知らなかった。この神社は駅からも近く、
出店もたくさん出ているので初詣の人気スポットなのだ。

境内に向かう人と出店で立ち止まる人で
境内までの通路は大渋滞だった。
「きゃっ!」

後ろから押された神裂は、
慣れない草履に踏ん張りが効かずよろめいた。

「あっ、あぶねー!」

上条は咄嗟に神裂の腕を取り、引き寄せた。

「す、すいません」

「大丈夫か?しかしこれじゃ
辿り着く前にはぐれちまいそうだな」

14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/25(金) 13:48:05.76 ID:4SyRupAbO
「ほら」

そう言うと上条は自分の左腕を差し出した。

「俺なんかの腕で悪ぃけど、
とりあえず掴まってた方がいいぞ」

「!!!」

「また転びそうになったら困るだろ?
それにはぐれても面倒だしな」

上条は何か特別な意味があって言ったのではない。
自分を気遣ってくれているだけなんだ。
頭では分かっていても、神裂の心臓は一気に鼓動が早くなった。

「で、では…あの…失礼します」

そう言って神裂は、
上条の腕を自分の右手でしっかりと掴んだ。

15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/25(金) 13:52:00.33 ID:4SyRupAbO
(こ、恋人みたいです!!)

上条の体温が右手から伝わってくる。
神裂は緊張で体がカチカチになっていた。

(て、手に汗が!大変です!)

「神裂?」

(ふぁぁ!!今ちょっと強く握っちゃいました!!)

「神裂ー?」

(かかか肩がっ!!今!肩が密着してしまっています!!)

「神裂さーん!」

「ひっ!ななな何ですか!?」

あまりの緊張に上条の呼び掛けなど気づかなかった。
聖人と言っても18歳の女の子なのだ。

「大丈夫か?もうすぐ順番回ってくるぞ」
」

16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/25(金) 13:53:09.08 ID:avO2X9/vO
あっダメだニヤニヤしちまう

23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/25(金) 13:56:34.87 ID:4SyRupAbO
気がつけばもう人混みの先頭まで来ていた。
名残惜しかったが、お詣りするには手を離さなくてはいけない。

「す、すいません!」

神裂は慌てて上条から手を離した。
賽銭箱にお金を入れ、二人は手を合わせ心の中で神様にお願いをする。

(今年は不幸が減りますように。
インデックスの食欲も減りますように)

(み、みんなが…特に上条当麻が幸せになりますように!)

「さて、帰りに出店でも寄ってくか」

二人は人混みから少し離れた場所にある、
甘酒の出店へ立ち寄った。

25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/25(金) 13:58:39.91 ID:4SyRupAbO
出店の脇にある小さなベンチで待っていると、
両手に甘酒を持って上条が戻ってきた。

「ほら。たいしたもんじゃないけど、上条さんの奢りだ」

「ありがとうございます」

二人はベンチで甘酒をすすりながら、
行き交う人を眺める。
みんなとても幸せそうだ。
新しい年への希望で溢れている。

「神裂は何をお願いしたんだ?」

突然聞かれた神裂はむせそうになる。

「そっ、そんなの教えられません!」
「そっか。それもそーだな。
それよりお前顔真っ赤だぞ。大丈夫か?」

「こ、これは…甘酒です!甘酒に酔ったのです!」

自分でも情けない言い訳だと思ったが、
【あなたの幸せです】などと口が避けても言えなかった。

26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/25(金) 14:00:37.39 ID:4SyRupAbO
甘酒を飲み終わった二人は、
人混みを掻き分けてまた神社の入り口に戻ってきた。
行きの流れよりスムーズだった為、
上条と腕を組む機会がなかった。神裂はそれが少し寂しかったりする。

「その、今日はありがとうございました。」

「俺の方こそサンキューな。神裂と初詣来れて良かったよ。
着物姿も見れたし」

「な、何を言っているのです。からかうのはやめてください」

「でもやっぱ神裂を誘って良かったよ。
最初は一人で行くつもりだったしな」

「わ、私で良ければいつでも…」

27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/25(金) 14:03:09.61 ID:4SyRupAbO
「この後すぐイギリスに戻んなきゃいけねーんだろ?
じゃあ気をつけてな」

「はい。では私はこれで失礼いたします」

そう言って神裂は遠ざかって行く。
途中振り返って小さく手を降っていた。

「さて、俺も帰るとしますか」

上条が歩き出そうとしたまさにその時だった。

28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/25(金) 14:04:19.94 ID:4SyRupAbO
「あっ!!アンタっ!」

「げっ!!!!御坂!!!!」

そこには学園都市第3位でレベル5の電撃使い、
御坂美琴がいた。

「"げっ!"て何よ、"げっ!"て!!」

「お前こんなとこで何してんだよ?」

「見て分かんない?初詣よ、は・つ・も・う・で!!」

「制服で?」

美琴は常盤台の制服姿だ。
着物を着た人ばかりの中では、
明らかに浮いていた。

「うっさいわね!校則なのよ!」

「…へー」

「ぐっ!!!聞いといて興味なさそうにしてんじゃないわよっ!!」

29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/25(金) 14:07:09.01 ID:FKwlJ5l1O
ここでビリビリの嫉妬を挟むとはわかってる

31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/25(金) 14:08:08.75 ID:4SyRupAbO
美琴の前髪からパチパチと電気が走る。

「お前も着物ぐらい着れば?せっかくの初詣なんだし」

「校則だっつってんでしょーがぁぁぁぁ!!!!!」

上条目掛けて電撃が飛んでくる。
しかし上条が右手で防ぐと、電撃は一瞬で消えてしまった。

「あっぶねー!!こんな人がたくさんいるとこで何考えてんだよ!!」
「アンタが私を怒らせるからでしょーが!!」

「カルシウムが足りないのか?よし!それなら上条さんが
牛乳をご馳走してあげよう!」

「だから…それが怒らせてんでしょーがぁぁぁ!」

32 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/25(金) 14:15:22.53 ID:4SyRupAbO
「わ、悪かった!!上条さんは猛反省した!」

「はぁ~、もうどうでもいいわ…」

上条当麻に何度電撃を放っても全く効かない。
美琴はぐったりしていた。

「で、アンタ。アンタはここで何してたのよ?」

「初詣に決まってるだろ。
三ヶ日に神社と言えば他に何があるんですか御坂さん?」

「ぐっ!!!あんたも私に聞いたくせにっ」

美琴は電撃を放ちそうになるのを耐える。

「あ、あんた一人で来たの?」

「いや、知り合いとだけど」

39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/25(金) 14:37:03.85 ID:4SyRupAbO
「そ、そう。ちなみに……女の子?まさかとは思うけど」

「あのな~御坂。いくら上条さんでも
初詣に付き合ってくれる女の子くらいいますよ?」

「…っ!?」

美琴は胸のあたりが締め付けられる感覚がした。
もし美琴がもう少し恋愛に対して大人なら、
これが"嫉妬"だと分かっただろう。

「そ、そう。それは良かったわね…」

「な、何怒ってるんだよ!?」

「…別に怒ってなんかないわよ」

41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/25(金) 14:51:58.48 ID:4SyRupAbO
「いや、上条さんには怒ってるように見えます」

「……怒ってない」

「いやいや、御坂さん!
頭からパチパチと音がっ!!」

「怒ってなぁぁぁぁい!!」

今日一番の電撃が上条を襲った。
「はぁ~、なんか当初の目的を忘れているわね…」

「そ、そうだな。一旦落ち着こう」

上条と美琴が一息ついた時だった。

42 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/25(金) 15:06:26.22 ID:4SyRupAbO
「あら?あらあらあら?お姉さまではありませんのっ!!」

「く、黒子!?」

そこには美琴のルームメイト、白井黒子がいた。

「黒子、あんた何でこんなとこいんのよ?」

「ジャッジメントのお仕事ですの。
これだけ人が集まれば、トラブルも多くなりますから。
定期巡回してますの」

確かに黒子の左腕にはジャッジメントの腕章が付いていた。

「で、お姉さま。確か初詣はお一人で行くと黒子は聞きましたけど?」

黒子は上条を値踏みするように眺める。

43 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/25(金) 15:10:16.70 ID:jx1VQJIM0
神裂空気www

44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/25(金) 15:20:19.88 ID:4SyRupAbO
「へ~、そうですの…

お姉さまは黒子に嘘を吐いてまでこの殿方と…」

「ち、違うわよ」

「あら?私の目を見てお答え頂けますか、お姉さま」

「ぐ、だから違うわよ!!」

「まぁいいですの。黒子は仕事がありますのでこれで失礼しますわ。
ときに上条さん、お姉さまに何かいかがわしい事をしたら
…羨ま…ではなくて許しませんわよ」

そう言い残すと、黒子の姿は一瞬で消えてしまった。
これが黒子の能力、テレポートだ。

45 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/25(金) 15:23:55.52 ID:4SyRupAbO
「な、なんだったんだ…」

完全に一人取り残された上条は、突然の嵐に巻き込まれた気分だった。

「じ、じゃあ俺は帰るから」

「………いよ」

「へ?」

「待ちなさいよ!黒子に二人で初詣行くって勘違いされたのよ!!」

「そ、それが何か?」

「これで行かなかったら…後で黒子に説明すんのが面倒でしょーがっ!!!」

「な、なんて理不尽な!!」

美琴は口実が出来て内心嬉しかったが、上条にとっては災難だった。

「ま、待て御坂!俺はもう…!」

「アンタの意見なんか聞いてないっ!ありがたく付き合いなさい!!」
「ちょ、俺もう初詣は…!」

「うっさい!!!!」

「ふ、不幸だぁぁぁぁ!!!」

こうして上条は、本日二度目の初詣をするハメになるのだった。



73 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/25(金) 18:28:07.49 ID:4SyRupAbO
学園都市は現在お正月である。
午後1時、上条当麻は補習も全て消化し、
お正月は家でのんびりと過ごしていた。はずだった。

「なのに…ここはどこだぁぁぁ!!!」

時は遡る事3時間程前。
上条当麻はお正月を満喫していた。
コタツに入ってただひたすらにダラダラする。

「コタツを考え出した人、上条さんはこの恩一生忘れません」

同じようにダラダラしている銀髪シスターは
コタツの中で足をパタパタさせている。
「ねぇトーマ、おなかへった。
何か作ってくれると嬉しいな」

「フ…上条さんは今コタツと心も体も一つ。」

「む~、トーマのケチ」

お正月、コタツから出るのは至難の技なのだ。
さてもう一眠り、
と上条がウトウトしかけた時だった。

74 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/25(金) 18:31:39.31 ID:4SyRupAbO
ピンポーン

上条の部屋のチャイムが突然鳴らされた。

「め…めんどくさい。インデックス、見て来て」

ピンポーン

「いやだー。トーマのおうちなんだから
トーマが出るのが当たり前なんだよ」

ピンポンピンポーン

「ぐ……そういう時だけ家主扱いしやがって」

ピンポピンポピンポーン!!

「だぁぁぁぁうるせー!!!どちら様ですかっっっ!!!!」

上条が玄関のドアを開けると、意外な人物がいた。

75 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/25(金) 18:32:59.72 ID:4SyRupAbO
「久しぶりよな、上条当麻」

黒々とした髪、首からは小さな扇風機をいくつもぶら下げ、
靴ひもは引きずる程長い。

「建…宮?は?なんでお前が?」

建宮斎字、天草式十字凄教の教皇代理だ。

「話は後だ。緊急事態が起きたのよな」

76 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/25(金) 18:34:27.10 ID:4SyRupAbO
建宮がいう緊急事態は何なのか?
上条は何か大きな事件に発展するような気がした。
そしてこの予想は間違っていなかったが、
今の上条は知る由もなかった。

「で、どこに向かってるんだ?」

学園都市の外で
建宮が用意してくれた車に乗り込んだ上条は運転手に聞いてみた。
名前は確か…牛深だったか。しかし返事はない。
もう1時間以上会話がないのだ。

「はぁ~、今日中に帰れるだろうか…
無理なら…インデックスに怒られちまうな」

インデックスは小萌に預けて来た。
困った時の小萌頼み。いつか恩は返そう。
上条がそんな事を考えていた時だった。
体が前に引っ張られる。車が急に止まったのだ。

78 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/25(金) 18:37:30.65 ID:4SyRupAbO
というのがだいたいの経緯である。
車から降ろされた上条は置いていかれた。
降りる時に大きなカバンを渡された。

「ここはどこだぁぁぁ!!」

上条は改めて周りを確認してみる。
周囲は木々で鬱蒼としている。どうやら山の中らしい。
目の前には小さな山小屋。

「とりあえず…落ち着こう」

上条はカバンを抱えて山小屋の中に入ってみる事にした。
通常こういった山小屋は、遭難者などの
避難場所として開放されているはずだ。
案の定、山小屋に鍵はかかっていなかった。

「お邪魔しますよー……えっ!?」

山小屋は広さは6畳程しかないが、小さな暖炉、
テーブルに椅子、簡単なキッチンなどもあり小綺麗だった。

しかし上条が驚いたのは思ったより綺麗だったからではない。
その部屋にまたまた意外な人物がいたからだ。

80 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/25(金) 18:47:24.47 ID:4SyRupAbO
「い、五和…?」

そこには椅子にちょこんと腰掛けている、
天草式十字凄のメンバー、五和がいた。

「かかかか上条さんっ!!??」

ガタンッ!と大きな音を立てて五和が椅子から転げ落ちる。

「大丈夫か?つーかお前なんでここに?」

恥ずかしかったのか、五和の顔は真っ赤だ。

「わ、私は教皇代理に任務があるからここで待ってろって
…上条さんは?」

「俺も建宮に緊急事態だって
連れてこられたんだけど」

(か、上条さんとこんなとこで会えるなんて…
確かに緊急事態です!)

二人が今の状況を把握しようと
必死に頭を動かしていると、
またもや意外な人物があらわれた。

81 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/25(金) 18:50:46.73 ID:4SyRupAbO
「!?かっ…神裂!!!」

山小屋の扉を開けて入って来たのは世界に20人程の聖人、
そして天草式の女教皇だった。

「なっ、上条当麻!?なぜあなたがここにいるのですか!?
それに五和まで!」

見たこともない顔で戸惑う神裂に、
上条と五和は事の経緯を簡単に説明した。

「…なるほど、そうでしたか。私は土御門からこの場所の調査を依頼されたのです。
このあたりにイギリス清教の宝具があるらしいのですが。
調査に必要な道具も預かりましたし…」

そう言って神裂は大きなカバンを掲げて見せた。

「あ!?そういえば俺も渡されたんだ!」

上条は牛深に渡されたカバンを
テーブルの上で開けてみる事にした。

「なんだ…これ」

3人がカバンを覗き込むと、中にはお肉や野菜、
飲み物やお皿などが入っていた。

五和も慌てて自分のカバンを確認してみる。

82 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/25(金) 18:53:30.13 ID:4SyRupAbO
【頑張れ。 天草式一同より】

と書かれた紙と共に、
おしぼりと大精霊チラメイドのコスチュームが入っていた。

「そんな…」

カバンの中身がすり替わっていた。
ここに来る前は確かに任務に必要な物を入れて来たはずだったのに。

「どーしたんだ?顔真っ青だぞ」

上条の声に五和は慌ててカバンを閉じた。

「ななななな何でもありません!!!」

83 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/25(金) 18:53:40.96 ID:+3xuS4ht0
なにこのニヤニヤ合宿

85 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/25(金) 18:56:23.38 ID:4SyRupAbO
何かがおかしい。神裂は二人からは見えないように
土御門に渡されたカバンを開けてみた。

「!!!!!!!!」

【ねーちんファイト 土御門元春】

そう書かれた紙と堕天使エロメイドのコスチュームが入っていた
。見なかった事にしよう…神裂はそっとカバンを閉めるのだった。

「さて、どうなるか楽しみよな」

木々に紛れて山小屋を監視していた建宮が笑みを浮かべる。

「まったく、ねーちんも五和も世話が焼けるにゃー」

土御門も嬉しそうに答える。

「エロメイド対チラメイド……
俺達にとっては最高のお年玉なのよな」

「今年はいい一年になりそうだにゃー」

そう言ってニヤニヤ笑う二人に、
天草式のメンバー達はただただ溜め息を吐くしかなかった。


89 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/25(金) 19:13:58.84 ID:4SyRupAbO
「とにかく、ここに居ても仕方ありません。
道は私が分かりますので山から下りましょう」

神裂の提案で3人は山を下りる事にした。ところが…

ゴォォォォォ!!!!

山小屋を出た途端、地響きと共に激しい揺れが起こった。
同時にとてつもない魔力が辺りを包んでいく。

「なっ何だ!!!」

「きゃっ!」

「二人とも私の後ろに!!」

神裂は一瞬でワイヤーを張り巡らせ、
3人を包むように防御結界を作った。

91 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/25(金) 19:17:59.96 ID:4SyRupAbO
「フッフッフ、甘いにゃー。
そんな簡単に帰らせるわけないにゃー」

全て土御門の計算通りだった。
もともと陰陽師である彼は、
竜脈と呼ばれる魔力の流れを読む事に長けている。
竜脈に囲まれた場所を土御門が探し、
そこに天草式が山小屋を建てる。
あとは少し細工をして竜脈を小さく暴走させる。

「かみやんの右手は厄介だからにゃー。けどこれは消す事はできないぜぃ」

上条の右手には【イマジンブレイカー】という力が宿っている。
それが異能の力ならば、触れただけで打ち消してしまう。
結界を張ったところで無駄なのだ。

「けど竜脈なら別だにゃー。竜脈はいわば大地の生命の流れ。

いくらかみやんでも生命を打ち消す事は出来ないにゃー」

「そして竜脈の結界の上から天草式の対聖人用の結界も張ってあるのよな。」

「バカだ…全力のバカだ」

天草式のメンバーは二人を見て皆同じ事を思ったのだった。

92 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/25(金) 19:21:53.78 ID:4SyRupAbO
「くっ!!!」

何度目だろうか、神裂は七天七刀で結界の破壊を試みていた。
上条のイマジンブレイカーも試してはみたものの、
破壊されたそばから再生されるのでは
どうしようもなかった。
上条は知らないが、竜脈による結界を消すには、
竜脈の流れを制御している土御門の
折り紙に触れなければ意味はないのだ。
土御門はルートディスターブと戦った時の事を応用していた。

93 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/25(金) 19:23:26.52 ID:4SyRupAbO
「くっ、やっぱり駄目ですね。聖人用の結界が重ね掛けされています」

「うわぁー、神裂でも駄目か。どーすっかなー。
こんな山ん中じゃ携帯も圏外だし。不幸だ」

頭を抱えてうなだれる上条に気付かれないように、
神裂は五和に耳打ちした。

「五和、こんな事になった原因、私に心当たりがあります」

「えっ!神裂さんも?私も心当たりあります!」

「やはり…建宮と土御門の仕業ですね」

「どうしましょう…」

五和は今にも泣き出しそうな顔をしている。

「大丈夫。ずっとこのままという事はないはずです。
しばらくすれば出られると思いますよ」

「じゃ、じゃあ大人しく待つしかありませんね…」

94 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/25(金) 19:25:10.84 ID:jmq3g+740
本気すぎる

95 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/25(金) 19:28:52.95 ID:4SyRupAbO
結局三人は山小屋に戻る事にした。
神裂と五和は、建宮と土御門が裏で糸を引いている事は、
上条には黙っている事にした。
パチパチ…

暖炉で燃える、薪特有の乾いた音だけが響いている。

(きっ、気まずい…)

上条は、女の子二人と隔離されたこの状況に緊張していた。
しかしそれ以上に緊張しているのは神裂と五和だった。

(……どうしたものでしょう。する事がありません…
こんな時は何を話せばいいのでしょうか)

(うぅ~、どうしよう。上条さん、さっきから一言も喋らない。
おっ、おしぼり渡す?ダメ、今は無理!)

「うぉぉぉぉ!!!!!」

突然上条が大声を出した。
二人はビクッと肩を震わせる。
「暗い!!暗いですよ二人共!!
決めました!ご飯にします!ご飯食べれば元気も出るのです!」

97 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/25(金) 19:38:50.00 ID:4SyRupAbO
上条の提案で晩ご飯を作る事になった。
何かしていた方が落ち着くのは3人共同じだ。

「じゃ、じゃあ私が何か作ります。
お二人はお皿なんかを並べて頂けますか?」

五和は食材をどんどん仕込んでいく。
その手際はある意味魔術だと上条は思った。

「ちなみに神裂って料理すんのか?」

皿を並べながら上条は尋ねた。

「たっ、多少は…」

神裂は五和を見ながら答える。さすがにあんなに手際よくは出来ない。
やっぱり男性は料理上手な女性に惹かれるのだろうか…

「得意料理は?」

「たっ……鯛茶漬け…です」

帰ったら料理を勉強しよう、神裂はそう心に決めるのだった。

98 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/25(金) 19:41:37.90 ID:jmq3g+740
鯛茶漬けってただの好物じゃねーかww


99 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/25(金) 19:55:28.16 ID:4SyRupAbO
あっという間にテーブルは料理で一杯になった。
和洋折衷、様々な料理が並んでいる。

「すげー!五和ってやっぱり料理は達人だよなー!」

上条はその見事な腕を見て、素直に五和を褒めた。

「そそそそんな、たいした事ありませんから。
おっ、おしぼりどうぞっ!」

五和は上条と神裂におしぼりを渡す。
神裂は借りてきた猫の様に小さくなっていた。

「いただきまーす」

3人の晩ご飯が始まった。

「うっ、うまいっ!!!」

上条は夢中で箸を動かしている。五和はそれが嬉しくて嬉しくて、
自分が食べるのを忘れてしまっている。

「美味しい…」

神裂も素直に感心した。

(このレベルに達するには、私はどれだけ勉強すれば良いでしょうか…
そうだ、この機会に上条当麻の好き嫌いも把握しておかなければ…)

100 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/25(金) 20:04:55.20 ID:4SyRupAbO
「五和、お前絶対いいお嫁さんになれるよ」

ガチャンッ!五和が茶碗を落とす。

神裂の思考は停止する。

「な、なななな何をいっ、言ってるんですか!?
そんなお、お、お嫁さんなんて!」
五和は顔を真っ赤にして俯いてしまった。

「で…でも上条さんさえ良ければ…その、お、お嫁さんに…」

五和は何かボソボソと呟いている。

「か、上条当麻!!あなたという人は、何を考えているのです!?
お、お嫁さんなんてそんな…
五和も何真に受けているのですっ!」

なぜか神裂の顔も真っ赤だ。

「へ?お、俺なんか変な事言ったか?」

上条当麻はいつだって鈍感なのだ。

102 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/25(金) 20:07:59.52 ID:4SyRupAbO
「さぁかみやん、お楽しみはこれからにゃー」

土御門は建宮とアイコンタクトを取ると、
不適な笑みを浮かべるのだった。

「は~、お腹一杯!ごちそーさま!」

あの後何故か神裂と五和は食事が終わるまで、
顔を真っ赤にしたまま、黙々と箸を動かしていた。

「じゃ、じゃあ私お片付けしますから」

五和はテーブルの上をテキパキと片付けていく。
最初から最後まで見事な手際だ。

神裂はそんな五和を見て落ち込んでいた。

(五和は私にないものをたくさん持っている)

単純に力なら神裂の方が圧倒的に強い。上条を守ってあげる事だって出来る。
しかし神裂は五和の様に料理が出来るわけでもないし、気が利くわけでもないのだ。
女の子としては五和の方が圧倒的に強いのかもしれない。
【強くなりたい】その思いは今も変わらないが、
神裂の心は言い知れぬ不安で溢れていた。

103 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/25(金) 20:09:37.37 ID:4SyRupAbO
テキパキと洗い物をしながら五和は思い出していた。

(神裂さんはやっぱりすごいな)

山小屋を結界が突然取り囲んだ時、五和は体がまったく動かなかった。
頭が状況についていかなかったのだ。しかし神裂は違った。
何が起きているのか頭で理解する前に、
一瞬で上条と五和を守ろうと動いたのだ。
五和は以前上条と共にアックアと戦った際
心に決めた事がある。

【上条当麻を守る為なら死んでもいい】

「はぁ~、私もまだまだです」

五和は深い溜め息を吐くのだった。

104 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/25(金) 20:13:12.49 ID:4SyRupAbO
そんな二人の思いなど知らず、上条は窓の外を眺めていた。
すっかり日も落ちて、辺りを暗闇が包んでいた。
見えるのは結界のかすかなゆらめきだけだ。

「あー、帰ったらインデックスになんて説明すっかなー」

インデックスは上条が危険な場所に身を置く事を極端に嫌う。
今日は緊急事態という事でインデックスを待たせているのだ。
心配しているのは目に見えている。

「はぁ~…まぁ噛みつかれるくらいは覚悟しとかないとな」

105 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/25(金) 20:14:49.89 ID:4SyRupAbO
神裂はソワソワしていた。
この小屋には小さいが簡単なシャワールームがついている。
どうしてもシャワーを浴びたい。
結界を破ろうと四苦八苦した時に、
神裂はうっすら汗をかいてしまったのだ。

「か、上条当麻。私は湯浴み…いえ、
シャワーを浴びたいと思うのですが」

「は、はい?」

上条の体温が2度は上がる。

「で、ですからシャワーです。」

神裂の頬はすでに湯上がりのように赤い。

「あ!シャワールームの方は見ないでって事ですね」

五和は神裂に助け舟を出す

「五和。あなたも一緒に入るのです」

「えぇっ?一緒にですか?」

神裂は上条と五和を二人っきりにするのは何となく嫌なのだ。
「では五和、行きますよ」

106 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/25(金) 20:16:37.41 ID:4SyRupAbO
五和は拒否する間もなく、神裂に手を引かれていった。

「上条さんはジェントルマン。決して振り返りません!」

上条は言い付け通りシャワールームに背を向ける。
振り返りたい気持ちもあるのだが、
今シャワールームにいるのは聖人だ。
命を懸けてまで覗く気はない。


シャワールームの前は狭い脱衣場になっていた。
神裂はさっさと服を脱いでいくが、
五和はなかなか脱げないでいた。
なんせ壁一枚隔てて上条当麻がいるのだ。

「どうしたのです?早く入ってしまいましょう」


「はっ、はい!」

シャワールームに入った五和は、神裂の体をまじまじと見る。
神裂の体は息を呑むほど美しかった。
出るところは出ているし、
引き締まるべきところは引き締まっている。

(それに比べ私は…)

107 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/25(金) 20:17:23.24 ID:4SyRupAbO
五和はよく【隠れ巨乳】とからかわれる。
しかし神裂程のスタイルではないのだ。
「で…でも私だって……【脱いだら凄い】は男の夢だって…
…みんな言ってたし…きっと上条さんだって…」

「何をブツブツ言っているのですか?五和」

「わわわわわ!何でも!何でもありません!!」

五和は消えてしまいたい程、恥ずかしかった。

108 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/25(金) 20:18:51.13 ID:4SyRupAbO
「ターゲットの入浴を確認」

建宮のトランシーバーから女性の声がした。

「来たのよな」

「あぁ、来たにゃー」

建宮と土御門はこの時を待っていた。
神裂と五和がシャワーを浴びるこの時を。

「ミッションスタートだぜぃ」

「よし、対馬!やるのよな!」

建宮はトランシーバーに命令を出す。
対馬と呼ばれたふわふわ金髪の女性は、
脱衣場の床下で命令を受け取った。
ここに潜んでおくのは土御門や建宮でも良かったのだが、
対馬がそれを許さなかった。

「はぁ~、ごめん五和!申し訳ありませんプリエステス!!」

対馬は床下から出ると、二人の下着以外全て回収して
また床下へ姿を消した。

109 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/25(金) 20:21:02.13 ID:4SyRupAbO
「うそ………………」

神裂と五和は脱衣場で呆然と立ち尽くしていた。

「こ、これって…マズいですよね?」

確かにあったはずの衣服がないのだ。
何故か下着だけが残されている。

110 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/25(金) 20:21:51.86 ID:4SyRupAbO
「普通逆だと思うんですけど…」

五和の的外れな突っ込みは、神裂の耳には届いていなかった。

「ど、どうしましょう、五和…」

「し、下着姿では出れませんよね…」

「……………………」

「あ!!!!!!!!!!」

神裂と五和は同時に何かに思い当たった。
そう、建宮と土御門の狙いはこれだったのだ。
カバンに入っていたコスチューム…。

「くっ、不覚です。まさかここまでするとは!」

「で、でもこんな格好じゃ出れませんよ!」

「し、仕方ありません…」


そう、神裂と五和は見事に罠にハマったのだった。

112 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/25(金) 20:23:28.04 ID:4SyRupAbO
「かっ、上条当麻!!」

シャワールームから声を掛けられ、上条は一気に緊張する。

「か、神裂さん?なっ、なんでしょう?」

「そ、そこにある私と五和のカバンを取って頂けますか?」

着替えが入ってんのか?上条は深く考えずにカバンを手に取ると、
目を堅く閉じ、
手探りでシャワールームに近づく。
そしてシャワールームから伸びている神裂の少し火照った手にカバンを渡した。

「はぁ~、ビックリした…でもなんかいい匂いしたな~」

上条はまたシャワールームに背を向け、一人悶々とするのであった。

113 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/25(金) 20:24:51.36 ID:jmq3g+740
不幸な上条さんが何事もなく鞄渡せる訳がない
絶対足でも滑らせて脱衣所に突っ込む

114 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/25(金) 20:24:58.82 ID:4SyRupAbO
「…五和……先に」

「いっ、イヤです!無理です!」

二人はもう10分近く押し問答をしている。
仕方なく着てはみたものの、
あまりに布面積の少ないメイド服で上条の前に出るのは
並大抵の勇気ではない。
これなら【神の右席】と戦う方がどれだけ楽か。

「…わ、私は天草式十字凄教の女教皇です」

「あー!!!ず、ずるいですよ!卑怯です!横暴です!」

神裂の肩を揺さぶって、五和は抗議する。
しかし次の瞬間、五和は足がもつれてバランスを崩してしまった。

「あ…」

115 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/25(金) 20:26:07.35 ID:4SyRupAbO
バターンッ!!!
大きな物音に上条はつい振り返ってしまった。

「へ?」

そこには神裂の上に馬乗りになった五和がいた。
しかし上条が驚いたのはそこじゃない、二人の格好だ。
神裂は背中に小さな羽の付いたメイド服だ。
ご丁寧に頭に輪っかまで付けている。
確か以前病室で見た記憶がある。
五和は蝶々のような羽の付いたメイド服だ。
精霊をモチーフにしているのだろう。
二人に共通しているのはその布面積の少なさだ。
馬乗りの五和は胸元が、
倒れている神裂は太ももが露わになっていた。

「な………なんですかその格好はぁぁ!!!!!!」

「い、いやぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」

上条が目に焼き付ける前に、二人はシャワールームに逃げ込んでしまった。

116 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/25(金) 20:28:07.46 ID:4SyRupAbO
「うっ…うぅ…穴があったら入りたいです…」

五和は恥ずかしさのあまりメソメソしている。

「い、五和…もう覚悟を決めるしかありませんよ」

神裂だって顔から火が出る程恥ずかしい。

「うぅ…わ、私は神裂さんみたいにノリノリじゃないんです!」

「の、ノリノリ!?」

「うっうぅ…だってそうじゃないですか!服は仕方ないですけど
、
頭の輪っかは神裂さんの意志で付けてるじゃないですか!」

「うっ…こ、これは……」

神裂はいつだって律儀なのである。

「と、とにかく!私は行きますから!
五和もいつまでもメソメソしてないで早く出てくるのですよ!」

ペシッと天使の輪っかを床に投げ捨てると、
神裂はシャワールームから飛び出すのだった。

117 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/25(金) 20:29:26.22 ID:4SyRupAbO
「か、上条当麻。あまりジロジロ見ないで頂けますか…」

神裂はスカートの裾を下に引っ張りながら、モジモジしている。

「ふ、ふぁいっ!!」

上条は見ているつもりはないのだが、
つい目が行ってしまう。

「い、いやー、しかし災難だったな!アハハハハ…」

なんとか空気を変えようとするが、
空回りしてしまう。

「あれ、そーいえば五和は?」

神裂はスカートから手は離さずに、
目でシャワールームを指す。
上条がシャワールームに目をやると、
五和が顔だけ出して覗いていた。

「そのー、いつまでそんなとこにいるんだ?」

上条が問いかけると、ヒュッと頭が引っ込んでしまった。

119 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/25(金) 20:31:43.51 ID:4SyRupAbO
(大丈夫!大丈夫よ五和!!
恥ずかしくなんかない!!!)

五和は何度も自分に言い聞かせた。
シャワールームにうずくまって、もう20分は経つ。

(覚悟を決めるのよ五和!!)

五和は頬をパンと叩くと立ち上がる。

「やぁぁぁぁぁ!!!」

シャワールームから飛び出て来た五和に、
上条と神裂は心臓が飛び出しそうになった。

「も、もうちょっと静かに出て来れないのですか、五和」

「す、すいません…つい」

120 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/25(金) 20:34:26.81 ID:4SyRupAbO
二人はモジモジとしながらただ黙って俯いている。
その姿勢のまますでに10分が過ぎている。
神裂も五和もさっきから椅子に座ろうとしないのだ。

「ま、まぁ俺もあんまり見ないようにするからさ、
二人共とにかく座れよ」

「…け、結構です」

「私も…」

スカートが短過ぎて、座れば色々見えてしまいそうなのだ。
上条はそんな事気づいていないが。

121 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/25(金) 20:42:04.22 ID:4SyRupAbO
「よし!じゃあもう寝よう!!!
電気消しちまえば恥ずかしくないだろ?」

「え?そ、それはそうですけど…」

「じ、じゃあ俺はバスルームで寝るから!!おやすみっ!!」

気まずい空気に耐えられなくなった上条は、
シャワールームに入りドアを閉める。

(だ、だめだ。あんなの直視できねー!!)

余談だが、上条当麻は普段バスルームで寝ている。
インデックスにベッドを占拠され、
一緒に寝るのもマズい気がするのでバスルームに鍵を掛け、
寝袋で寝ているのだ。
なのでバスルームで寝るのは得意だ。

122 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/25(金) 20:44:39.16 ID:4SyRupAbO
「上条さん寒くありませんかね…」
電気の消えた部屋で神裂と五和は横になっていた。
布団は用意されてないが、
二人でくっついていれば寒くはない。

「あれは…彼の優しさです。
普段はふざけているようですが、
あれで優しいとこもあるんですよ」

「ですね。あの、一つ…聞いていいですか?」

「何ですか?」

「上条さんの事…どう思ってるんですか?」

何だか友達の家に泊まりに来た中学生みたいだ。
神裂はそう思った。

123 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/25(金) 20:45:26.68 ID:4SyRupAbO
「それは……秘密です。五和はどうなのですか?」

「ふふ……秘密です…あっ、でも」

「でも何ですか?」

「私負けませんから!」

神裂は五和の女の子らしさを、五和は神裂の強さを、
お互い羨ましいと思った。
しかし今の二人は不思議とそんな気持ちは消えていた。
お互い性格も得意な事も違う。
しかし誰かを想う気持ちは何も違わないのだ。
だから無いものねだりはやめにしよう。
自分は自分にしかなれないんだ。
同じ人を想う者同士、二人はそう思えるようになっていた。

124 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/25(金) 20:47:00.32 ID:4SyRupAbO
翌日、上条は息苦しさに目が覚めた。
目を閉じてても微かに光を感じる。
どうやら朝になっているようだ。

(ん…なんだ…なんか息が…)


(なっ、なんですかこれはぁぁぁ!!!!)

上条の目の前に、神裂の胸元があった。
神裂は抱き枕のように上条にくっついている。
後ろからは五和が抱きついている。

(よし、ちょっと状況を整理しよう。
上条さんは決して過ちは犯していません!)

とにかくなんとか切り抜けたいのだが、
二人にしっかり抱き付かれて身動きがとれない。

(か、神裂って意外と寝顔可愛いな…
いい匂いするし…ってそんな事考えてる場合じゃねぇ!)

126 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/25(金) 20:49:38.81 ID:4SyRupAbO
(よし、上条当麻脱出大作戦だ!)

上条は少しづつ体をずらし、二人の間から抜け出そうと試みる。

「んっ…ん………」

上条が動く度に神裂から吐息が漏れ、
五和はさらに強く抱き付いてくる。

(だ…だめだ……)

それから1時間、二人が起きるまで
上条はひたすら耐えた。
これがオリンピックの競技なら
間違いなく金メダルだ。

二人は上条が寒くないように、
上条が寝静まってからこっそり来たのだが、
もちろ上条はそんな事は知らないのだ。

134 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/25(金) 21:44:53.32 ID:4SyRupAbO
朝には結果も消えており、
二人の服も綺麗にクリーニングされて戻っていた。

二人は抱き付いた事を必死に謝ってくれたが、
上条は悪い気はしなかったので気にするなとだけ言った。
上条だけは建宮たちの悪巧みだとは気付いていなかったが、
神裂と五和は黙っている事にした。
悪巧みに腹は立っていたが、
上条と過ごせた事には少し感謝していたのだ。

「ではこの道を下れば街に出ますので。」

「あれ、お前らは一緒に帰らないのか?」

「私達はまだ用事がありますので。ね、五和」

「えぇ。上条さんは気をつけて帰って下さいね」

「それから、ちょっと遅くなりましたけど」

二人は声を揃えて言った。

「「明けましておめでとうございます!」」

135 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/25(金) 21:46:06.89 ID:4SyRupAbO
上条を見送った二人の笑顔が邪悪なものに変わる。

「さぁ…いきましょうか五和…」

「ふふ…そうですね………」


物陰で今回の首謀者は反省会を開いている。

「いやー、甘酸っぱかったにゃー」

「なかなか良いものみせてもらったのよ」

「写真を撮っておけば良かったにゃー。あれは高く売れるぜぃ」

「しかし二人もまだまだ子供なのよ。押しが足りないというか…」

「まぁ何にせよ最高に楽しませてもらったにゃー」

「それは良かったですね」

「ホント良かったにゃー…………ってあれ?」

136 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/25(金) 21:48:11.90 ID:4SyRupAbO
二人が振り返ると鬼の形相をした神裂と五和が立っていた。
神裂は七天七刀を、五和はフリウリスピアをそれぞれ手に持っている。

「ホント良かったですね…」

「………ちょ…ねーちん」

「その腐った根性、新年早々叩き直してもらえるのですから」

「…あの…五和さん?」

二人は声を揃える。

「「いっぺん…死ねぇぇぇぇ!!!!!!!!」」


一応「完」


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