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朋也「軽音部? うんたん?」 4/24 土 ②
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meteor089
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朋也「軽音部? うんたん?」
39:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/25(土) 22:26:26.97:cUBlBpOS0
朋也「じゃあ、本題に移るか」
朋也「おい、つっ立ってないで、こっちこい」
ファンクラブの男を呼びつける。
しぶりながらもやってきた。
しぶりながらもやってきた。
朋也「これで、文句ねぇだろ」
男子生徒「…文句っていうかさ…澪ちゃんは別に迷惑してなかったからいいだろ」
澪「え…」
男子生徒「そうだったじゃん。そんな嫌でもなかったんでしょ?」
春原「てめぇな、このごに及んで、なに言って…」
朋也「春原…」
手で制す。
春原「あん? なんだよ」
朋也「いいから、ちょっと黙ってろ」
春原「なんなんだよ…」
朋也「秋山、おまえはどうなんだ」
途中で止められ、怒りのやり場を失った春原をよそに、秋山にそう訊いた。
40:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/25(土) 22:27:36.85:1qYNd8dxO
澪「そ、それは…」
朋也「嫌だったんだろ。はっきり言ってやれ」
澪「………」
男子生徒「おまえが言わそうとしてるだけだろどうみても。馬鹿か」
朋也「正直に言え。なにを言ったって、俺たちがついてるから」
俺は男の暴言に言い返すことはしなかった。
じっと、秋山の答えを待った。
じっと、秋山の答えを待った。
澪「……です…」
男子生徒「え?」
澪「嫌です。もう、私に…」
澪「私に…」
澪「………」
澪「軽音部のみんなに、近づかないで」
最後には顔を上げ、しっかりと相手の目を見据え、はっきりと言った。
男子生徒「………」
男子生徒「ビッチすぎだろ…」
41:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/25(土) 22:27:59.81:cUBlBpOS0
捨て台詞を吐き、残していた仲間と共に体育館から出ていく。
春原「ったく、拒否られたからって、最後に変なこと言っていきやがってよ」
朋也「あんな奴の言うことなんて、気にするな」
澪「う、うん…」
春原「今度見かけたら、ぶっ飛ばしといてやるよ」
澪「そ、それはダメだよ」
春原「遠慮すんなって」
澪「気持ちだけ、受け取っておくよ。ありがとう」
春原「…ま、いいけどね」
キョン「おまえは喧嘩したかっただけだろ」
春原「ちがわい」
律「いやぁ、でも、驚いたわ。あの澪が、あんなはっきり断り入れるなんてな」
律「幼馴染のあたしでも、今までみたことなかったのにさ」
澪「岡崎くんが、背を押してくれたから…」
俺を一瞬だけ見て、顔を伏せる。
俺も、あんな恥ずかしいセリフを吐いてしまった手前、なにか気恥ずかしかった。
俺も、あんな恥ずかしいセリフを吐いてしまった手前、なにか気恥ずかしかった。
42:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/25(土) 22:29:13.30:1qYNd8dxO
勝って気分がよくなっていたとはいえ…猛省。
春原「おお? なに、いい雰囲気?」
律「初々しいねぇ、おふたりさん」
澪「え? ちちち、ちが…」
律「こぉのフラグ立て夫がぁ。略して立て夫がぁ」
俺を肘でつついてくる。
朋也「なにが立て夫だ…っ、あでででっ」
何者かに太ももをつねられる。
梓「………」
何食わぬ顔で中野が横に立っていた。
朋也「って、やっぱおまえかっ! なにすんだ、こらっ」
梓「すみません、ぎょう虫がいたもので、つい」
そんなのケツにしかいない。
律「あ~、立て夫が澪に優しくするもんだから…」
唯「ほらぁ、唯が元気なくしちゃってるじゃん」
44:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/25(土) 22:29:34.10:cUBlBpOS0
唯「そ、そんなことないよぉ…ないよ…」
紬「ふふ、唯ちゃん可愛い」
憂「お姉ちゃん頑張ってっ」
唯「え、ええ? なんのことか、わかんないっ」
律「はは、まぁいいや。とにかく、祝勝会だっ」
律「部室行くぞぉ」
がし、っと秋山の肩に手を回した。
澪「あ、こら律、歩きにくいっ」
律「細かいことは気にすんなっ」
―――――――――――――――――――――
キョン「じゃ、俺はここで」
体育館から直接旧校舎の一階までやってくると、そう言った。
朋也「おまえ、こないのか」
キョン「ああ、バスケ終わるまでって、言ってあるからな」
春原「いいじゃん、ちょっとくらい」
45:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/25(土) 22:31:41.77:1qYNd8dxO
キョン「そのちょっとが許されてたら、苦労してないんだけどな」
朋也「なんか、大変そうだな、おまえも」
あの日、文芸部室から出てきた時のこいつの顔を思い出す。
眉間にしわを寄せ、難しそうな顔をしていた。
いろいと複雑な環境なんだろう、きっと。
眉間にしわを寄せ、難しそうな顔をしていた。
いろいと複雑な環境なんだろう、きっと。
キョン「ああ、まぁな。でも…」
言いかけて、やめる。
キョン「…いや、なんでもない」
キョン「それじゃ」
唯「キョンくん、いつでも軽音部に遊びに来てね」
キョン「ありがたいけど…多分、顔を出すことはないと思う」
キョン「俺の居場所は、なんだかんだいって、あそこだからな」
親指で文芸部室をさす。
唯「そっか…そうなんだね」
キョン「ああ」
朋也「悪かったな、なにも見返りがなくて」
46:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/25(土) 22:31:58.48:cUBlBpOS0
キョン「あったさ。久しぶりにおまえらとつるんで馬鹿やれたっていうな」
春原「うれしいこと言ってくれるじゃん」
朋也「ちょっと臭いけどな」
キョン「はは、最後までキツいな、岡崎は」
キョン「まぁ、それが、らしくていいよ。それじゃな。また機会があれば」
朋也「ああ、またな」
春原「じゃあね」
唯「ありがとう、キョンくん」
律「おつかれさん」
紬「ありがとう。おつかれさま」
澪「ありがとう、一緒に頑張ってくれて」
梓「ありがとうございました」
憂「おつかれさまでした」
俺たちの言葉を聞き終えると、部室に入っていった。
ドア越しに、また女と言い争うような声が聞えてくる。
だが、その声色に怒気は含まれていなかった。
どころか、生き生きとしているような印象さえ受けた。
ドア越しに、また女と言い争うような声が聞えてくる。
だが、その声色に怒気は含まれていなかった。
どころか、生き生きとしているような印象さえ受けた。
48:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/25(土) 22:33:23.83:1qYNd8dxO
俺も詳しくは知らないが、それだけでわかった。
あそこが、あいつの収まるべき場所なんだろう、と。
あそこが、あいつの収まるべき場所なんだろう、と。
―――――――――――――――――――――
律「かんぱ~い」
唯「いぇい、かんぱ~い」
中央にティーカップを寄せ集め、チンッ、と軽く触れ合わせた。
律「しっかし、本業のバスケ部相手に…」
唯「えいっ」
パンッ!
律「っいっつ…って、なぁにすんだよ、唯っ」
唯「このクラッカー、試合中に使おうと思ってたんだけど、使い時がわからなくて…」
まだ持っていたのか…。
唯「それで、今使ってみました」
律「今もタイミングずれてるってのっ! 私のトークが始まろうとしてただろがっ」
律「しかも、こんな近くで放ちやがって…」
唯「えへへ、ごめんね。みんなの分もあるよ?」
52:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/25(土) 22:35:24.02:1qYNd8dxO
律「反省の色がみえねぇ~…」
唯「やろうよ、みんなでさ、おめでと~って」
律「はいはい…」
全員に配り終える。
唯「それじゃ、改めて…」
唯「おめでとぉ~」
パンッ パンッ パンッ
次々に祝砲が上がる。
パンッ!
朋也「うぉっ…」
俺の横からクラッカーの紙ふぶきが飛んでくる。
腕を上げてガードしたのは、モロに食らってからだった。
腕を上げてガードしたのは、モロに食らってからだった。
梓「ちっ、火力が足りなかったか…」
一人だけ武器として扱っている奴がいた。
憂「梓ちゃん、人に向けて打ったらだめだよ」
梓「だって…自然と発射口が岡崎先輩を向くんだもん」
53:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/25(土) 22:35:46.79:cUBlBpOS0
憂「自動照準なんて機能、ついてないよ…」
春原「ははっ、なんか知らないけど、おまえ、ナメられてるよね」
朋也「目潰しっ!」
パンッ!
春原「ぎゃぁああああああ目がぁああ目がぁああああっ!!」
両目を押さえながらもんどり打つ。
春原「なにすんだよっ! つーか…なにすんだよっ!」
朋也「二回言うな」
春原「ちくしょう、僕が失明でもしたらどう…ヒック…ぅう…すんだよ」
しゃっくりが出始めていた。
春原「ヒック…あー、くそ、止まんね…ヒック…」
朋也「ヒックヒックうるせぇな。心臓の動き止めろよ」
春原「無茶言うなっ! ヒック…」
律「普段はこんな奴らなのになぁ。試合の時とは、ほんと別人だよ」
紬「ふふ、そうね。でも、やる時はやる、って感じでかっこいいと思うな」
54:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/25(土) 22:37:03.41:1qYNd8dxO
春原「え? ほんとに? ヒック…」
春原がしゃっくりを交えながら目を輝かせて反応する。
春原「ムギちゃん、僕のこと、そんなにかっこいいと思う? ヒック…」
紬「うん、ちょっと耳障りかな、その心臓の痙攣」
春原「暗に勘違いするなって言ってますか、それ!?」
律「わははは!」
春原「うぅ…ショックでしゃっくり止まっちゃったよ…」
紬「じゃあ、あと一押し足りなかったかな…」
春原「息の根も止めるつもりだったんすかっ!?」
律「はは、おまえ、ムギに相手されてねぇんだって。諦めろよ」
春原「んなことねぇってのっ」
律「変なとこで根性あるなぁ、こいつは…」
がちゃり
さわ子「おいすー」
唯「あ、さわちゃんだ」
55:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/25(土) 22:37:37.83:cUBlBpOS0
さわ子「あれ? なに、この散乱してる紙ふぶきは」
さわ子「パーティーの中盤戦みたいになってるじゃない」
歩を進めながら言って、空いている席に腰を下ろした。
すかさず琴吹がティーカップをそばに置く。
すかさず琴吹がティーカップをそばに置く。
さわ子「ありがと、ムギちゃん」
紬「いえいえ」
再びもとの席におさまる琴吹。
唯「試合が終わったから、おつかれさま会してたんだよ」
さわ子「あら、もう試合してきたのね」
唯「うん。でね、相手はバスケ部の人たちだったんだけど、それでも勝てたんだよっ」
さわ子「へぇ、やるじゃない」
春原「まぁね。楽勝だったよ」
澪「ほんとに、すごかったんですよ」
澪「途中、逆転されても、みんな、諦めないで頑張って…」
澪「背だって、相手の方がずっと高くて、有利だったのに…」
澪「それでも、最後には勝つことができたんです」
56:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/25(土) 22:38:46.78:1qYNd8dxO
澪「私、すごく感動しました…」
さわ子「ふぅん、このふたりにそんな男気があったとはねぇ…」
春原「僕はもともと男気の塊みたいなもんでしょ」
朋也「取れたら、嬉しいんだか、嬉しくなんだかで葛藤する、あの塊のことか」
春原「それ、ミミクソの塊だろっ! 僕、どんな奴だよっ!?」
律「わははは!」
さわ子「そういえば、キョンくんは、いないのね」
さわ子「あの子も試合に出たんでしょ? 誘ってあげなかったの?」
律「いや、自分の部活があるからって、来なかったんだよ」
さわ子「ああ、なるほどね。あのクラブに入ってたんだっけ、あの子は」
あの、を強調して言った。
この人は、あいつの部活のことを知っているんだろうか。
そんな口ぶりだった。
この人は、あいつの部活のことを知っているんだろうか。
そんな口ぶりだった。
さわ子「でも、岡崎。あんた、肩…大丈夫だったの?」
朋也「ああ…まぁ、なんとかな」
律「え? なに、肩?」
57:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/25(土) 22:39:09.86:cUBlBpOS0
さわ子「あら…てっきり、聞いてるのかと思ってたんだけど…」
俺を見て、ばつが悪そうに表情を硬くする。
俺が話す前に、自分が半ば打ち明けてしまったことを、悪く思っているんだろうか。
今更こいつらに知られたところで、もうしこりが残るようなことでもないのに。
俺が話す前に、自分が半ば打ち明けてしまったことを、悪く思っているんだろうか。
今更こいつらに知られたところで、もうしこりが残るようなことでもないのに。
朋也「俺、肩壊しててさ。右腕が、肩より上に上がらないんだよ」
だから、俺の口からそう告げていた。
さわ子「岡崎…」
朋也「いいよ、平沢にはもう話してるしな」
さわ子「…そう」
事情を知っている者以外は、みな驚きの表情を浮かべていた。
律「そうだったのか…だから、練習中もシュート打ってなかったんだな…」
朋也「ああ、まぁな」
律「じゃあ…逆転決めた、あんたの最後のシュートも、肩庇いながら…」
朋也「ああ。それでかなり無様な格好になっちまったけどな」
澪「そんなことないよっ、すごく格好良かったっ」
朋也「そっか…サンキュな」
58:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/25(土) 22:40:21.17:1qYNd8dxO
澪「ううん、本当に、そう思ったから…慰めなんかじゃないから」
朋也「ああ…ありがとな」
澪「うん…」
さわ子「…あらあら? 岡崎にも、ようやく春が訪れたのかしら?」
朋也「あん?」
さわ子「あんた、あの、恋する乙女の眼差しに気づかないの?」
澪「せ、せせ先生、なに言ってるんですかっ…」
さわ子「でも、澪ちゃんが、あの岡崎になんて、意外だわ」
さわ子「ああっ、でもそういう意外性もまた、若さの特権よねぇ…」
しみじみという。
この人もまだそんなに歳食ってもいないだろうに。多分。
この人もまだそんなに歳食ってもいないだろうに。多分。
澪「ち、ちが…」
律「うわぁ、澪、顔真っ赤だなぁ」
澪「な、う、うるさいっ」
律「で、実際どうなんだよ」
澪「な、なにが…」
59:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/25(土) 22:40:49.36:cUBlBpOS0
律「いや、だから、岡崎だよ。アリかナシか」
澪「そ、それは…」
律「ありゃ、即答しないな? ってことは…」
澪「深読みするなっ」
ぽかっ
律「あでっ」
律「殴って誤魔化すなよなぁ…」
澪「おまえがへんなこと言うからだっ」
律「ああはいはい、すいませんでしたねぇ…」
律「って、しまった、また唯の元気がなくなってるし」
唯「わ、私は元気だよ…いつも通りだよ…」
澪「ゆ、唯、違うんだ、私は別に…」
唯「な、なんで謝るのぉ、澪ちゃん。いいじゃん、岡崎くんと澪ちゃんのカップル」
唯「どっちも、美形ですっごく似合ってるよっ」
澪「ゆ、唯までそんな…」
61:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/25(土) 22:42:02.23:1qYNd8dxO
律「はは、唯、強がんなって、このこのぉ」
首に腕を回し、ぐりぐりと平沢の頭に拳を当てた。
唯「本心だよぉ…もうやめてぇ~りっちゃんっ」
いじられ続ける平沢。
しかし…
女というのは、浮いた話に持っていくのが好きな生き物なんだろうか。
なにかあると、すぐに冷やかされている気がする…。
しかし…
女というのは、浮いた話に持っていくのが好きな生き物なんだろうか。
なにかあると、すぐに冷やかされている気がする…。
朋也(…ん?)
俺の横の席、中野が何か両の手でくるくる回していた。
そして、おもむろに俺の頬に触れてくる。
そして、おもむろに俺の頬に触れてくる。
朋也「…っだぁっつっ」
その指先から、バチッ、とした痛みが走った。
朋也「なにしやがった、こらっ」
梓「静電気ですよ」
朋也「はぁ? 静電気?」
梓「この、『電気バチバチくん』を手の中でこねると、静電気がたまるんです」
鉄製の棒のようなものに触れながら説明してくれた。
62:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/25(土) 22:42:49.30:cUBlBpOS0
朋也(あぶねぇ…なんてもん持ってんだ…)
朋也「つーか、今俺が攻撃された理由がわからん」
梓「流れが気に食わなかっただけです」
梓「モテ男みたいに扱われて、調子に乗られたら嫌ですから」
朋也「思ってねぇよ、んなこと…」
憂「あの、岡崎さん」
朋也「うん? なんだ、憂ちゃん」
憂「何か、困ったことがあったら、いつでも言ってきてくださいね」
憂「私、力になりたいです」
それは、俺の肩のことを気にかけていってくれてるんだろう。
朋也「ああ、大丈夫。こんな肩でも、そこそこ不自由しないからさ」
憂「そうですか…?」
朋也「ああ」
梓「憂、この人なら、頭が吹き飛んでても不自由しないから、ほっといてもいいよ」
俺のアイデンティティが粉々にされていた。
63:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/25(土) 22:43:28.87:b4ZW6ocJ0
梓と朋也のやり取りが面白いwwwwwww
64:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/25(土) 22:43:56.99:1qYNd8dxO
憂「梓ちゃん、ほんと厳しいよね、岡崎さんに…」
梓「憂が甘すぎるんだよ」
朋也(っとにこいつは…生意気な野郎だ)
勝利の宴は、日が暮れるまで続いていた。
―――――――――――――――――――――
春原「うげぇえっぷ…ふぅ」
律「きったねぇな馬鹿野郎、勝手にすっきりしてんじゃねぇよ」
春原「生理現象なんだから、しょうがないじゃん」
律「あんたが炭酸飲み過ぎなだけだろ」
春原「いや、おまえのデコみたら、誘発されたんだけど」
律「ぬぁんだとぉ、この白髪染め野郎っ!」
春原「脱色だってのっ! 白髪なんか一本もねぇよっ!」
律「嘘つけっ、白髪染め液のパッケージにおまえっぽいのいたもんっ」
春原「別人だろっ! 似て非なるものだよっ!」
春原「育毛剤のパッケージにおまえ本人がいるならわかるけどさっ」
65:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/25(土) 22:44:33.75:cUBlBpOS0
律「い、育毛剤だと!? こぉの野郎…」
春原「ふん…やんのかい? お嬢ちゃん…」
律「きえぇえええええっ!」
春原「ほおぁあああああっ!」
何かの動物のような鳴き声と型を取って威嚇しあう。
毎回のことなので、もう誰も止めようとしなくなっていた。
毎回のことなので、もう誰も止めようとしなくなっていた。
澪「岡崎くん、今日はありがとね」
ふたりが生む喧騒の外、秋山が俺に礼の言葉をくれた。
朋也「いや、別に。結果的に勝てたし、俺もわりと気分よかったからな」
澪「あ、そのこともなんだけど、もうひとつ…」
朋也「ん?」
澪「えっと…あの時、私に、正直になれって、後押ししてくれたこと」
朋也「ああ…」
澪「岡崎くんのおかげで、私、自分の気持ちがそのまま言えたんだ」
澪「今まで、怖がって、仲のいい友達にしか本音を言えなかった私が、だよ」
朋也「そっか。じゃあ、すっきりしただろ」
66:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/25(土) 22:45:41.63:1qYNd8dxO
澪「うん、ちょっとね」
言って、苦笑する。
朋也「これからは本音だけで喋れよ」
朋也「例えば、ブルドックを可愛いって言う人がいたとするだろ?」
朋也「そしたら、正面から前蹴り食らったような顔面だ、って言ってやるんだ」
澪「あはは、それは、難しいかなぁ」
朋也「簡単だって」
澪「それは、岡崎くんだからだよ」
澪「岡崎くん、お世辞言いそうにないもんね」
朋也「ああ、臭いものは臭いって言うし、春原には馬鹿って言うぞ」
春原「聞えてるよっ!」
澪「あははっ」
―――――――――――――――――――――
各々が自分の帰路につき、俺と平沢姉妹だけが残った。
三人で今朝も歩いてきた道をいく。
三人で今朝も歩いてきた道をいく。
唯「岡崎くん、澪ちゃんと仲良くなったよね」
67:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/25(土) 22:46:04.73:cUBlBpOS0
朋也「そうか?」
唯「うん。だって、いっぱい喋ってたし…」
朋也「そんなでもないけど」
唯「でも、あの恥ずかしがり屋の澪ちゃんが、平気で話してるし…」
唯「それに、楽しそうに笑ってたし…」
朋也「単に慣れただけなんじゃないのか」
唯「そうなのかなぁ…」
朋也「そうだろ」
唯「う~ん…」
憂「岡崎さんって話しやすいですもんね」
憂「きっと、澪さんもそう思ったんじゃないかなぁ」
朋也「そんなこと言ってくれるのは憂ちゃんぐらいだよ」
言って、頭をなでる。
憂ちゃんも、笑顔で返してくれた。
憂ちゃんも、笑顔で返してくれた。
唯「でもさぁ、岡崎くんもなんか楽しげだったよね」
唯「やっぱり、澪ちゃんみたいな美人さんとお喋りするのは楽しい?」
70:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/25(土) 22:47:23.27:1qYNd8dxO
朋也「まぁ…そうだな」
容姿がよければ、大抵の男はそうだろうと思う。
唯「そうだよね…あはは…」
朋也「でも、俺の好みとしては、美人系よりかは、可愛らしい方がいいけどな」
唯「じゃあ…ムギちゃんとか?」
朋也「琴吹は、そうかもしれないけど、ちょっと大人っぽいしな」
朋也「だから、俺の中じゃ、きりっとしたイメージがあるんだよな」
唯「じゃあ、あずにゃんとか」
朋也「あいつはガキっぽすぎるっていうか…」
それ以前の問題な気がする。
朋也「まぁ、軽音部の中で言うなら…おまえが、一番近いよ」
71:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/25(土) 22:47:44.78:cUBlBpOS0
唯「え…あう…わた、私…?」
朋也「ああ…まぁ、な…」
唯「それは…ご期待に添えられて、よかったです…」
朋也「いや…別になにも要求してないけどな…」
唯「そ、そうだったね…あははっ」
憂「岡崎さん、お姉ちゃんを末永くよろしくお願いしますね」
朋也「って、それ、どういう意味だ」
憂「さぁ? うふふ」
唯「う、憂っ、今日の晩御飯なに?」
憂「ん? 今日はねぇ、若鶏のグリルと…」
晩飯の話題で盛り上がる平沢姉妹。
俺はずっと横でそれを聞いていた。
いつしか俺は、こんな日々がずっと続いてくれればいいと…
そう、願うようになっていた。
俺はずっと横でそれを聞いていた。
いつしか俺は、こんな日々がずっと続いてくれればいいと…
そう、願うようになっていた。
―――――――――――――――――――――