厚生行政の誤謬

米国のポリオワクチン不活化

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米国は1997年から不活化ポリワクチンの接種を開始し2000年に移行期間が終了し完全に生ポリオワクチン接種が無くなった。既に10年遅れている。

その経緯を日経メディカルオンラインで端的に紹介している2004年の記事があった。その抜粋を一部引用しながら以下に紹介。
厚生労働省は現在(2004年)、不活化ワクチン(IPV)への切り替えを準備している。一方、米国では2000年からIPVのみが用いられている。

米国で、野生のポリオ・ウイルスの感染による発症例が最後に報告されたのは1979年のカナダからの輸入例だったが、1960年代末に野生ウイルスの伝播がなくなったことを研究では示唆された。反面、OPVの投与が始まった1961年以降、1989年までは毎年約9人がVAPPを発症していた。これを憂えた米国は、1997年にワクチン接種方針を転換、IPVを2回、その後OPVを2回投与する方法(IPVのみ4回も選択可能)が提示された。

1990~1999年にポリオを発症した患者は61人、うち59例がVAPPで、頻度はOPV290万回に1回の割合。残りの1例は輸入例で、もう1例は感染源が明らかでない。移行期間の1997~1999年には13人のVAPP患者が発生したが、全員にOPVのみが投与されていた。2000年以降はVAPP発症者はいない。

論文は「Vaccine Policy Changes and Epidemiology of Poliomyelitis in the United States」、概要はこちらで閲覧できる。(大西淳子、医学ジャーナリスト)
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