厚生行政の誤謬
ワクチンによるポリオ発生数
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生ポリオワクチンによるポリオ患者の発生は、接種された本人が活性化されたポリオにより発症するものと接種された人の糞便などから野生化し他の人に二次感染するものに分けられる。ワクチンによるポリオ発生数のベース情報はポリオの予防接種に関する質問主意書が貴重だ。
予防接種健康被害認定審査会において生ポリオワクチン接種後に麻痺を発症したと認定された事例は1989年4月以降2008年3月14日までの19年間に80件(年平均4件)あった。マスコミ報道から受ける印象よりもかなり多く感じる。
予防接種後副反応の症例報告が開始された1994年10月以降2008年3月14日までの13.5年間に182件(年平均13件)が報告されているが症度分類がされていないことまた第三者による検証がないことに注意しなければならない。
更に、2004年4月以降2008年3月14日までの4年間に二次感染と認定された事例は5例、年に1例以上発生している。
このことから、ポリオワクチン接種による麻痺を残す患者は年4例、ポリオワクチンによる二次感染は年1例となる。この数字は、WHOによる100万人当たり2~4例のワクチン関連麻痺性灰白髄炎(VAPP)発生と合致する。
一方、ワクチンの副反応情報としては添付文書が被接種者への説明などで最も重視されるが、
わが国での経口生ポリオワクチン被接種者に対するワクチン関連麻痺例の出現頻度は1981〜2006年の間に、免疫異常のない被接種者から麻痺患者が出た割合は約486万回接種当たり1人、接触者の場合は約789万回接種当たり1人である
は、WHOの報告でも我が国での発生頻度からも想定される発生率の10分の1となっており、この数字を利用する際には文献を当たるなどそれなりの注意が必要かと思われる。