第二章
第二章「序幕」
シフォンとチョコは、 火山地帯にある小さな村の近くまでやって来た… 怪しげな集団が村へ向かっているのを見かけるーー | |
シフォン | ねえチョコ…アイツらあの村の住人かな? なんか悪そうな奴らじゃない? |
チョコ | キュウ〜! (シフォン様、アイツら強盗団みたいだよ〜) |
シフォン | 強盗ですって!? …で、強盗ってなに? |
チョコ | キュウ〜 (無理やり他人のものを奪い取ることだよ〜) |
シフォン | なるほど… つまり城を奪ったバカ兄も、強盗ってわけね? |
チョコ | キュウ〜… (それはちょっと違うと思うけど…) |
シフォン | まあ、いいわ パパとママのことを聞いてみよ! |
シフォンは再び幻術魔法を使って人間に化け、 またチョコも人間の姿に変身して一緒に村に入るーー |
2-1ガルカの谷「凶襲の村」
影に隠れて強盗団を観察するシフォンとチョコーー | |
ルター | 村人たちよ!金を出せば命までは盗らない! ただし非協力的な奴がいる場合は、例外もあるぞ!? |
強盗団のリーダーは村人たちを見回しながら、 大声で話を続けるーー | |
ルター | 金目のものをここに持ってくるように! 隠そうとしたら…その先は言わなくてもわかるよな? |
恐怖に怯える村人たちは、 おずおずと自分の家から財産を持ってくる… シフォンはそれを無表情なまま眺めていたーー | |
シフォン | アイツらのやってる事ってダメよね 村人達も怯えてる…ワタシもなんか気分悪いわ |
チョコ | キュ、キュ〜?(シフォン様、ご両親を見た事があるか聞く?) |
シフォン | いや…行こ ここにはもう居たくない |
2-2切り立った崖「自業自得」
リアン | お嬢ちゃん、ここはとても危険な場所だよ なんで一人なんだい?親御さんは? |
シフォンが村を離れようとした際、 司祭の服を着た男に呼び止められたーー | |
シフォン | …パパとママがいなくなったから、 今探してるのよ |
リアン | そうなのかい? ヘヘ…両親に会いたいかい? |
シフォン | パパとママがどこにいるか知ってるの!? |
リアン | へへ、もちろんだよ、この村にいるよ? |
シフォン | 嘘つけ!知ってるわけないだろ! |
リアン | あ…賢い美少女だね… けど誰もこの村から出れないよ… |
2-3沈黙の渓谷「強奪者」
あっけなく戦いが終わった後、 シフォンは倒した者達の処遇を どうするか考えているーー | |
シフォン | う〜ん、どうしようかなあ… ねえチョコ、人間ってどんな罰がこたえるのかしら? |
チョコ | キュ〜 (やっぱり大切なものを奪われることじゃないかな) |
シフォン | そっか、それだね! おい、大切にしてるものを出しなさい! |
強盗は様々なものを荷物から出しはじめる… 武器やお金の他、 女性の姿をかたどった置物などーー | |
シフォン | なにこの置物? 人間の男はこんなオモチャが大切なものなの? |
リアン | それはオモチャなんかじゃない! めちゃくちゃレアな女神の置物だぞ! 限定品だから値段も相当高いんだぞ! |
シフォン | …そんなものを買うために、 村人達から財産を奪ってるの? 女神がいるなら…お前のことをどう思うだろうね? |
リアン | あ……………………………… |
シフォン | ま、とにかく!これはワタシのものね お前は他人から奪い、ワタシはお前から奪う こういうのを公平って言うんじゃないっけ? |
強盗団を追い払った後、 シフォンは強盗から奪ったものを破壊し、 チョコと共に村を出たーー | |
チョコ | キュ、キュ〜? (シフォン様、別にいらないものなのに、 どうして強盗からわざわざ奪ったの?) |
シフォン | う〜ん、よくわからないけど… 村人達が悲しんでたのを見て、 なんかそうしてやりたくなったのよね… パパ達の言ってたとおり、人間の世界って複雑ね… |
アリナ | お〜い、ちょっと! クッキーがあるけど、いるか? |
シフォン | クッキーですって!?もらうわ! 城を出てからずいぶん食べてなかったわ |
アリナ | し、城だって!?貴族の娘なのか…? 今回の獲物は大金が手に入りそうだねえ…ニヤリ |
シフォン | ん?なに?何の話? |
アリナ | いいや、何でもないよ… とにかく一緒においでよ、 食べきれないほどのクッキーが待ってるよ? |
シフォン | あれ…なんかデジャヴが… 前にも何かあったっけ? |
チョコ | キュ〜 (シフォン様は前にも、城に侵入してきた帝国軍に そんなふうに騙されてたよ) |
シフォン | ハッ、思い出した… お前!ワタシを騙して捕まえるつもりか!? |
アリナ | ハハッ、なかなか賢い子供だねえ けど、是が非でも一緒に来てもらおうか |
2-5ガルカの関所「両親の友」
シフォンとチョコは火山地帯を調べ回ったが、 両親に関する手掛かりは得られなかったーー | |
シフォン | パパとママ…どこにいるんだろう… 前にパパとかくれんぼして遊んだ時は…ワタシに勝たせてくれたのに…… |
チョコ | キュ〜…… |
突然、物陰から捕獲網が投げつけられた… シフォンはうまくかわしたが、 チョコは網に捕まってしまうーー | |
バッド | この珍しい生き物は高く売れるぞ! 悪く思わないでくれよ?お嬢さん |
シフォンが編みに手を伸ばすと… チョコは白い霧に変わって抜け出し、 シフォンの手に乗って元の姿に戻ったーー | |
チョコ | キュ〜 |
バッド | マ、マジか…そういうこと? |
シフォン | チョコは召喚された使い魔なのよ 好きなように色んな姿に変われるの ただのコウモリじゃないのよ? |
バッド | なるほど…素晴らしい能力だな! き、綺麗なお嬢さんとかにも…変身できるのかい? |
バッド | そんな…無理だろ! 子供にそんな高位の呪文を操れるわけ… |
シフォンは冷静な顔で 傭兵バッドを見据えて言うーー | |
シフォン | 人間の基準で測っても無駄よ ワタシは住む世界が違うの |
バッド | ま、まさか…やはり化け物なのか? |
チョコ | キュ〜!! (レディーに向かって化け物なんて、失礼だよ!) |
バッド | 化け物かどうかは…これでわかるさ!ハアッ!! |
バッドは素早く手に持った斧を投げつける… シフォンがそれに対応しようとする前に、 突然、炎が間に入って斧を止めたーー | |
バッド | 鳳凰の聖女!?一体なぜ… |
フェニックス | 子供に斧を投げつけるなんて… 恥知らずだとは思いませんか? |
バッド | こ、子供じゃない!化け物なんだ! |
フェニックス | この子が化け物…? それでは私は…何でしょう? 同じく化け物でしょうか? |
バッド | い、いや…それは… |
フェニックス | 立ち去りなさい! |
バッドは一目散に逃げ出した… 鳳凰の聖女がシフォンを見つめているーー | |
シフォン | 助けなんて必要ないのに、 余計な事をしてくれたわね |
フェニックス | ええ、私が助けたのは人間の方です あのままでは殺されてた…… そうでしょう?ヴァンパイア、シフォン |