第１１話

雨上がりの空に

～前回までのあらすじ～

飽きてきた

～塔内部～

ナイジ「うっわぁ・・・いかにも・・・ってカンジ・・・」
チモック「きゅーぅ・・・」
ベル「ティタン　怖がらなくてもいいのに」
ティタン「ご　ごー・・・」

エルナ「とにかく　急ぎましょう！　この上にムーはいるわ！」
レアル「そうですね　我々には倒さなければならない敵がいる・・・」
マッカム「望むところだ・・・」

ナイジ「ん　あれは・・・　やっぱり　ノラモンはいるんだな・・・」
ベル「サルムレね　体のトゲに神経毒があるから　気をつけて」
ナイジ「大丈夫です　チモックならどの距離からでも・・・」
マッカム「どけ・・・」

ジャラッ・・・

ナイジ「ぶ　ブーメラン？ってうわっ！」

ブォンッッ！！

サルムレ「！」

ドギャアッ！！

サルムレ「チキッッピィ！！」ドサッ

ブォオオオオジャラララッ・・・

マッカム「・・・」ガシィッ

ナイジ「・・・」
チモック「チィ・・・」

マッカム「あの程度の敵　モンスターを使うまでも無い　行くぞ」
ナイジ「すげぇ・・・10ｍはあったよな」
レアル「まぁ　頼もしいじゃないですか　行きましょう」

マッカム「・・・カルカなんぞこうだ」
ガチャーン！ガチャーン！

カルカ達「○×☆※！！？」

ナイジ「・・・オレ　カルカを素手で割ってる人初めて見ました」
ベル「マネしちゃダメ　だからね」

マッカム「ウッディーか　メギラス　木炭にしてやれ」
メギラス「ンギャオオオオオオ！！！」
ボォオオオオオオオ！！！！

ウッディー達「モゴオオオオオオオォォォ・・・」メラメラ・・・

ナイジ「もうあの人一人でいいんじゃないですか」
ベル「あら　チモックのサポートも　役立ってるよ」

ナイジ「なんか広い部屋に出ましたね」
エルナ「うん　でも向こうにあんまり相手したくないモンスターがいるわ」
アニャムー「ッフー！」

アブホト「モﾞッ・・・モﾞッ・・・」ズル　ズル

ナイジ「アブホトだ・・・！子供の頃絶対近づくなって言われたなぁ・・・」
レアル「世界を統べるはヒトかホト　という言葉があるほどですからね」

マッカム「まぁ　少しは骨のあるヤツがいたか・・・」ジャラッ
ベル「じゃー　ここは私のティタンが・・・」
マッカム「チッ・・・」

ベル「ティタン　剛力パンチ」
ティタン「ゴーゴー」

ドシンドシンッ

アブホト「！　クチョアアアアアアア！！！！」クァッ！
ティタン「ゴー！」ブンッ・・・

ドッ・・・

アブホト「モﾞッッッ・・・」ビュンッ

ズガアアアガガガガ！！！！

• • • パラパラパラ・・・

ベル「これで　進んでも　大丈夫」
ナイジ「・・・あいつ壁の中から出てこないぞ・・・」
レアル「壁の中のホト　小さい頃よく読みましたね～」

ナイジ「なんか　思ったよりサクサク進めますね」
エルナ「・・・」
ナイジ「エルナさん？」
エルナ「あ　そ　そうね　だって長老達が選んでくれたチームだもの」

ナイジ「そうですね・・・（やっぱり　エルナさん　どこか様子がおかしい・・・）」

こぉい・・・

ナイジ「！？」
エルナ「どうかした？」

ナイジ「今声がしたような・・・」
エルナ「声・・・？アニャムーは？」
アニャムー「みゃー？」

レアル「いやぁ　こんなにアンブッシュが出てくるなんて思いませんでした」
ベル「やっぱりサバキ　強さも　戦い方も長老アンテロに　そっくり」
レアル「長老・・・アルレム長老はボクにとって最も偉大な人物です
　　　　このサバキも彼のモンスターの影響を強く受けていますからね」
サバキ「ブルルッ」
マッカム「話すのはこの緑のガレキをどかしてからにしろ」

エルナ「ほら　皆も気になってないみたい」
ナイジ「た　確かになんか　声みたいな　聞こえたんだけどなぁ・・・」
チモック「キュー？」
エルナ「そうね　瘴気も濃くなってきたから　近いのかもね　アイツが・・・」

ナイジ「・・・ムー・・・か・・・エルナさん！」
エルナ「ん？なあに？」
ナイジ「エルナさんも　ウル長老みたいに
　　　　近い未来の夢を見ることがあるんですよね」
エルナ「え・・・　うん・・・　けど　見る夢が全部そうだってワケじゃないし・・・
　　　　・・・」

ナイジ「・・・エルナさん」

ゴォン！！

ナイジ「うわっと！」
エルナ「っとっと・・・　やっと仕掛けが動いたみたいね」
アニャムー「にゃー！！」

ナイジ「（この感覚・・・どこかで感じたことがある・・・
　　　　ソルバノでオグルモックと出会ったときと同じ・・・？）」

ゴゥン・・・

エルナ「ん　止まっちゃった」
ナイジ「なんだココ　部屋中紫色の石でいっぱいだ・・・」
ベル「滅石ね　一帯の瘴気はここから出てるみたい
　　　でもなんというか・・・　不自然な感じ・・・」

マッカム「・・・お目当てのブツもそこにいるようだな」
ナイジ「ッ！！」
エルナ「あれがッ・・・　ムー・・・！」
アニャムー「フギィー！！」

ムー「・・・」

レアル「でも白くない・・・　おまけに伝説のムーより相当小さいですね」
エルナ「それに　なんだろう　まるで死んでるみたいに動かない・・・」
マッカム「死んでいるなら好都合だろう　が　それだと来た意味が無い」
ナイジ「違う・・・　生きてる・・・」
ベル「分かるの？」

ナイジ「しゃべってる・・・」
エルナ「ナイジさん！　モンスターの　ムーの声が聞こえるの！？」
ナイジ「いや　聞こえてたんじゃない・・・　あれは・・・
　　　　（みえてた・・・？）」

ムー「すぅー・・・」ズッ・・・

一同「！！」

ムー「コォーー・・・」ズッ・・・

レアル「お目覚めのようですね・・・」

ムー「カカカ・・・カ・・・ようこそ・・・」

ナイジ「！喋った！？　なんだこれッ　頭に直接・・・！」
ベル「・・・テレパシーのようなものかもね
　　　モンスターの中には使える種族　あるから・・・
　　　気を強く持たないと　毒気にもなるから　注意して」
マッカム「まぁ　気がおかしくなったらオレが始末してやる」

ムー「カカカ・・・忌々しい人間ども・・・
　　　哀れなモンスターを引き連れて・・・
　　　いよいよ私のいるこの島までやってきた・・・」

エルナ「ムー！あなたが大海嘯を起こし　モンスターを凶暴化させて・・・
　　　　たくさんの人やモンスターを苦しめたの！？」
ナイジ「エルナさん！？」

ムー「カカカカ・・・」
エルナ「答えて！」

ムー「その顔・・・　忘れもしない・・・　シャローム
　　　いや　シャロームの子か・・・　カカカ・・・　よかろう
　　　そう・・・　全てはこの私　ムーが引き起こした・・・」
エルナ「・・・！」
アニャムー「ふぎぃいいいいいい！！」

ムー「だが私は一人ではない・・・
　　　こんな惨めな姿になりつつも
　　　着実に完全体に近づいている・・・
　　　それが可能なのは　カカカ・・・
　　　私が一人ではないからだ・・・
　　　ヒトリではないから・・・カカカカカカ」

思念体「キィーーー！！」

ナイジ「！なんだこいつら！」
ベル「ムーに操られてるモンスター！？」

ムー「違う・・・　それらは私だ・・・　思念体とでも呼ぼうか・・・
　　　カカカ　ちょっとした核があれば　何者であろうと
　　　私の思念を共有できる・・・　それが思念体・・・」

マッカム「ふん　いくら言葉を並べても所詮は獣
　　　　　話し合い出来る相手じゃない　当初の目的を遂行するだけだ」

ムー「カカカカ・・・　そうだな
　　　1000年　長い　時間だった・・・　だが
　　　私が言葉を身につけ　語り合おうとも・・・　未来永劫・・・
　　　理解を示すことはないだろう・・・　そう・・・」

貴様ら人間は！！

ムー「グオアアアアアアアアアアア！！！！！」

ナイジ「く　来るぞ！チモック！」
チモック「キュー！！」

マッカム「メギラス！」
メギラス「ギャオオオオ！！！」

ベル「ティタン！みんなを守るの！」
ティタン「ゴーォオー！！」

レアル「サバキ！　いいですね！」
サバキ「ヒヒィイイイイイイイ！！」

エルナ「アニャムー！」
アニャムー「ぶっきょみゃああああああああお！！」

ナイジ
「（結果は　オレ達の勝ちだった
　あっけないと言えるほど　ムーは簡単に倒れた・・・
　それはアイツの作戦だったわけでもない・・・
　単純な実力差だった・・・　アイツはまだ赤子でしかなかった・・・
　けど　ヤツを突き動かす思念までは消せなかった・・・
　そのせいで・・・）」

ムー「・・・・・・・・・」

ナイジ「や・・・　やった・・・！」
ベル「ふぅっ・・・」
マッカム「口ほどにも無いとはこのことだな・・・」
レアル「・・・」
エルナ「本当に・・・　倒したのね・・・」

ナイジ「いよっしゃああああ！！！」

エルナ「やったわ皆！　これでもう　ムーはいないのね！」
アニャムー「みゃんみゃーーーお！！」

おのれ・・・

ベル「ふふ　一件落着　かな」

おのれ・・・

マッカム「やはりオレとメギラスだけでも十分だったな・・・」

シャローム・・・

レアル「それでは！　帰るとしましょうか！」

キサマだけでも・・・

エルナ「帰ろう！私達のユタトラへ！」

同胞のため・・・！

ムー「ギッ・・・」ガリッ・・・

ベル「！エルナ様ッッッ！！！！！！」

エルナ「・・・　えっ・・・」

ムー「ッキャアアアアアアアアガアアアアアアアア！！！」

マッカム「こいつッッ！！」
ナイジ「エルナさんッッ！！！！」

アニャムー「！！！！みゃあああああ！！！！」ドンッ

ティタン「ゴオオオオオオオオオ！！！！」

ズガアアアアッッ！！！

私が死のうとも・・・

メギラス「ギャアアアアアアアオ！！！」

バシャアアアッッッ

ムーは死なん・・・

ムー「ごおおおあぁっっっっ・・・」

カカカ・・・

ドシャアアア・・・・

ナイジ「エルナさんっっ！！！」
エルナ「うっ・・・　へへ　まだ倒れてなかったみ・・・」

エルナ「アニャムー・・・？」

アニャムー「・・・・・・」

エルナ「アニャムー！しっかり！！！あぁ！私をかばって・・・！」ガバッ

エルナ「ッッ！！！！！ひどい怪我・・・！か　回復薬をっっ・・・！！」

エルナ「あ　・・・血が　止まらな・・・　うっ　うぅ・・・」

レアル「・・・なんてことを・・・っっっ！！！ボクの回復薬も！」
ベル「これも使って！」
マッカム「・・・すまんな　回復薬は持ち歩いていない・・・」

ナイジ「そ　そうだ！　こいつなら・・・！！！エルナさん！」ばっ
ベル「そ　それは！煌石の雫っ！！」
エルナ「！ナイジさんっ　アニャムー！　もう大丈夫よ！　助かるから！　ほら！」

アニャムー「・・・・・・」

エルナ「アニャムー！　ちゃんと使ったよ！　ね！　お願いだからっっ・・・！！」

アニャムー「・・・・・・」

エルナ「アニャムぅっ・・・」

雨が降っていた・・・