Vampire Killer ◆Su10.RK3MU
【001】
引いては寄せる黒色の波頭。繰り返し潮に洗われる岩棚の上に、波の音よりもなお騒がしい声が響いていた。
それはもう、「ワー!」とか「ギャー!」という、月下の海辺という雰囲気を台無しにしてしまうような嘆きが。
それはもう、「ワー!」とか「ギャー!」という、月下の海辺という雰囲気を台無しにしてしまうような嘆きが。
「地獄ですよ地獄! 地獄ですよマスター! ぢッ! ごッ! くぅー!」
大騒ぎし嗚咽を漏らしながら頭を抱えいやいやを繰り返すのは、まだ幼い印象の残る女性警察官だ。
金髪を掻き乱し岩棚の上でタップのように地団駄を踏んでは現状に対する混乱をこれでもかというほど表現している。
対して、マスターと呼ばれた彼女の主人はその姿をほとほと呆れたという風に見下し、深い溜息をついていた。
金髪を掻き乱し岩棚の上でタップのように地団駄を踏んでは現状に対する混乱をこれでもかというほど表現している。
対して、マスターと呼ばれた彼女の主人はその姿をほとほと呆れたという風に見下し、深い溜息をついていた。
「……婦警。我々は《夜族》だ。よもや天国に上れるなどとは考えていたわけではあるまい?」
女性警察官の主人ではあるが、しかしてその男は警察官などではない。
最高級に誂えられたスーツの上に無骨な真紅のコートを羽織り、黒髪を風に流されるままにしているその姿は異様だ。
眼鏡の奥の毒を湛えた杯のような眼。そして口の中に垣間見えるただの人間よりも長い獰猛な犬歯。
彼は、彼が口にした《夜族(ミディアン)》という言葉の通りに人間などではなかった。
その名を“アーカード”――永劫の夜を往き続けるノーライフキング――彼は《吸血鬼》なのである。
最高級に誂えられたスーツの上に無骨な真紅のコートを羽織り、黒髪を風に流されるままにしているその姿は異様だ。
眼鏡の奥の毒を湛えた杯のような眼。そして口の中に垣間見えるただの人間よりも長い獰猛な犬歯。
彼は、彼が口にした《夜族(ミディアン)》という言葉の通りに人間などではなかった。
その名を“アーカード”――永劫の夜を往き続けるノーライフキング――彼は《吸血鬼》なのである。
「で、でもー! “本当に地獄がある”だなんてそんな……ッ!」
そして彼の前でそのイメージとはかけ離れた所作を繰り返す婦警もまた吸血鬼であった。
セラス・ヴィクトリア――吸血鬼禍に襲われていた村の唯一の(この表現は不正確だが)生き残り。“元”婦警。
アーカードに血を吸われて眷属となった後は彼と共に彼の主人とその組織に仕え、合法的な非道に身を費やしている。
セラス・ヴィクトリア――吸血鬼禍に襲われていた村の唯一の(この表現は不正確だが)生き残り。“元”婦警。
アーカードに血を吸われて眷属となった後は彼と共に彼の主人とその組織に仕え、合法的な非道に身を費やしている。
「地獄がどうした。神の国があるなら、地獄もまた“ある”」
インテグラル・ファルブルケ・ウィンゲーツ・ヘルシングを現当主と仰ぐ王立国教騎士団(通称ヘルシング機関)。
二人はその合法的非公開組織に従属する、吸血鬼にして吸血鬼殺しを専門とする殺し屋なのであった。
二人はその合法的非公開組織に従属する、吸血鬼にして吸血鬼殺しを専門とする殺し屋なのであった。
「じゃあマスターは死んだら地獄に落ちるって知ってたんですか?」
「死ぬとは正確ではない。何故なら我々はもう生きているとは言えないからだ。死ぬのではなく塵に帰るにすぎん」
「それで、知ってたんですか? 地獄が本当にあるって――」
「死ぬとは正確ではない。何故なら我々はもう生きているとは言えないからだ。死ぬのではなく塵に帰るにすぎん」
「それで、知ってたんですか? 地獄が本当にあるって――」
不意に、潮に濡れた岩棚の上に沈黙が落ちた。
忘れられていた波音が主張を再開し、原初の子守唄ともいえるそれだけが今ここの空間に満ち渡ってゆく。
婦警に見つめられた吸血鬼の主人は岩棚の上から腰を上げると、何かを言いかけ、そして背を向けた。
忘れられていた波音が主張を再開し、原初の子守唄ともいえるそれだけが今ここの空間に満ち渡ってゆく。
婦警に見つめられた吸血鬼の主人は岩棚の上から腰を上げると、何かを言いかけ、そして背を向けた。
「…………さぁ、行くぞ」
「あー! ごまかしたあああああああああああああああああああ!」
「あー! ごまかしたあああああああああああああああああああ!」
【002】
「それで、どこに行くっていうんですかー?」
「インテグラと合流する。我々が活動を開始するには《命令(オーダー)》が必要だ」
「目的地があるんですか? 合流する当てとか……」
「インテグラと合流する。我々が活動を開始するには《命令(オーダー)》が必要だ」
「目的地があるんですか? 合流する当てとか……」
吸血鬼の主従は海を背に歩を進める。
現在地がどこかはいまいち判別できなかったが、島の中央に向かって歩けばその内、道に当たると考えたからだ。
現在地がどこかはいまいち判別できなかったが、島の中央に向かって歩けばその内、道に当たると考えたからだ。
「ない」
「デスヨネー……」
「デスヨネー……」
主人の背を前に、警察の制服に背負い袋が変によく似合う婦警は溜息をついた。
アーカードがセラスに対し溜息をつくこともあるが、実際はその逆の方が何十倍か百倍も多かったりする。
彼女の主人は自信に満ち満ちているからか、時折ひどくいい加減な行動や物言いをするのだ。
アーカードがセラスに対し溜息をつくこともあるが、実際はその逆の方が何十倍か百倍も多かったりする。
彼女の主人は自信に満ち満ちているからか、時折ひどくいい加減な行動や物言いをするのだ。
「あちらもこちらを探しているはずだ。ならば歩いていればいつかは行き当たる」
「まぁ、そうですけど」
「まぁ、そうですけど」
とはいえ、セラスも案外楽観的だったりもする。しかしこちらは彼女の性格ではない。
主人や、主人の主人たるインテグラ、また彼女の執事に対する強い信頼からくるものである。
このような状況に落とされてなお、彼女は自分の主人や上司が死ぬなんてことはまったく心配してなかったのだ。
主人や、主人の主人たるインテグラ、また彼女の執事に対する強い信頼からくるものである。
このような状況に落とされてなお、彼女は自分の主人や上司が死ぬなんてことはまったく心配してなかったのだ。
かくして、吸血鬼の主従はそれよりほどなく車道に行き当たった。
地図を信用するならば、島の外周を巡る道に沿えばいずれかの市街にたどり着くはずである。
そうすれば現在地もはっきりと確認でき、上司を探すに当たってもいくらかメドがつけられるというものだろう。
地図を信用するならば、島の外周を巡る道に沿えばいずれかの市街にたどり着くはずである。
そうすれば現在地もはっきりと確認でき、上司を探すに当たってもいくらかメドがつけられるというものだろう。
と、道の上に立った時。吸血鬼の主従は道の片方からやってくる奇妙な二人組を発見した。
「サ、サムラァイ……?」
婦警が半ばほど呆れを含んだ驚きの声を上げた。道の向こうからやってくるのは時代錯誤甚だしい鎧武者だったのだ。
果たしてこの鎧武者はどこから来たのか。しかし奇妙なのはその鎧姿だけはなかった。
二人組のサムライの片方、弧月の前立がついた兜を被っている方が巨大な十字架を引きずってきているのだ。
果たしてこの鎧武者はどこから来たのか。しかし奇妙なのはその鎧姿だけはなかった。
二人組のサムライの片方、弧月の前立がついた兜を被っている方が巨大な十字架を引きずってきているのだ。
それは全体を銀で覆われてながらもまるで磔に使うような巨大な十字架だった。明らかにサムライの倍の大きさはある。
サムライはまるで殉教者のようにその十字架を背負い、先端を地面にこすりながらこちらへと歩いてくる。
サムライはまるで殉教者のようにその十字架を背負い、先端を地面にこすりながらこちらへと歩いてくる。
「あの、マスター。あれはなんでしょうか……?」
「………………」
「………………」
問いかける婦警に吸血鬼の主人は無言だった。
何かを知っていたわけでも、知らなかったというわけでもない。ただ、彼は“嗅ぎとった”のだ。
目の前のサムライ達から立ち上る血と油――“戦場”の匂いを。そして、これから始まる“闘争”の予感を――。
何かを知っていたわけでも、知らなかったというわけでもない。ただ、彼は“嗅ぎとった”のだ。
目の前のサムライ達から立ち上る血と油――“戦場”の匂いを。そして、これから始まる“闘争”の予感を――。
【003】
「Hey! そこな旦那。こんな往来でぼーっとしてちゃ馬に蹴られてこの世から Falling down しちまうぜ?」
かける言葉を選ぶうちにサムライ達はついに眼前へと到達し、そして吸血鬼の主従の前に立った。
十字架を背負っていたほうがそれを地に下ろし、軽口とともに表を上げる。
十字架を背負っていたほうがそれを地に下ろし、軽口とともに表を上げる。
右目に眼帯。しかしサムライとして想像していたよりかは若い印象だった。まだ少年と言っても通用するかもしれない。
だが残った片目に宿るギラギラとした輝きを見るとその印象は吹き飛んだ。
黒色の具足に、目が覚めるような青の陣羽織。兜の上に立つ弧月は月光を跳ね返し真の月のように輝いている。
間違いなくこの眼帯の男こそが大将なのだと、吸血鬼の主従はその一瞥だけでそれを理解する。
だが残った片目に宿るギラギラとした輝きを見るとその印象は吹き飛んだ。
黒色の具足に、目が覚めるような青の陣羽織。兜の上に立つ弧月は月光を跳ね返し真の月のように輝いている。
間違いなくこの眼帯の男こそが大将なのだと、吸血鬼の主従はその一瞥だけでそれを理解する。
「政宗様、用心を……こいつらの漂わせる妖気。ただの人のものとは思えません」
そして、もう一人のサムライが主人の死角を補うようにその隣へと立つ。
一寸の隙もない所作。髪を後ろに撫で付けた顔には古い向こう傷があり、その有様は歴戦の勇士を思わせた。
一寸の隙もない所作。髪を後ろに撫で付けた顔には古い向こう傷があり、その有様は歴戦の勇士を思わせた。
果たして我が主人は、そして目の前のサムライはこの邂逅をどう判断するのか。
婦警は主人の横顔を見やり、それが予想の通りだったことを確認する。
婦警は主人の横顔を見やり、それが予想の通りだったことを確認する。
「(笑ってる……)」
主人は目の前の人間を刈り取られるだけの麦の穂ではなく、闘争に値する戦士――“人間”だと判断したのだ。
婦警は喉を鳴らし、覚悟を決めて拳を握った。
2対2である。人間と戦うことにはまだ抵抗があるが、足手まといにはならないよう闘争に参加しなくてはないらない。
婦警は喉を鳴らし、覚悟を決めて拳を握った。
2対2である。人間と戦うことにはまだ抵抗があるが、足手まといにはならないよう闘争に参加しなくてはないらない。
理解すれば、その場にもう言葉はない。波音は遠く、風もないそこに闘争を直前とした独特の静寂が満ちる。
緊張は引き絞られ、空気は張り詰める。七つの目は全て闘争の色を映し、なんの切欠もなしに幕は切って落とされた。
緊張は引き絞られ、空気は張り詰める。七つの目は全て闘争の色を映し、なんの切欠もなしに幕は切って落とされた。
【004】
「奥州筆頭が伊達政宗――推して参る!」
先制したのは弧月の前立のサムライ――伊達政宗であった。
政宗は自身の倍以上はある十字架をまるで重さを感じさせない風に振りかぶると、そのまま突進してきた。
その先には吸血鬼の主人――アーカード。
無闇に打たせることもない。そう考えるとその従者である婦警――セラスは主人の横から飛び出そうとした。
警察時代に仕込まれた、体勢を低くした地を這うようなタックル。
これで突進してくる政宗の足をすくい地に引きずり倒せば、後はもう腕なり足なりを極めて勝負ありである。
政宗は自身の倍以上はある十字架をまるで重さを感じさせない風に振りかぶると、そのまま突進してきた。
その先には吸血鬼の主人――アーカード。
無闇に打たせることもない。そう考えるとその従者である婦警――セラスは主人の横から飛び出そうとした。
警察時代に仕込まれた、体勢を低くした地を這うようなタックル。
これで突進してくる政宗の足をすくい地に引きずり倒せば、後はもう腕なり足なりを極めて勝負ありである。
「う、わ――?」
だがしかし、そのタックルは半歩進む間もなく止められることとなった。
セラスは後ろから首根っこを掴まれると、そのままあらぬ方向へと放り投げられる。
何者がこんなことを?
考えるまでもない。そんなことができるのは自身のマスターであるアーカードだけだ。だがしかし何故こんなことを?
セラスは後ろから首根っこを掴まれると、そのままあらぬ方向へと放り投げられる。
何者がこんなことを?
考えるまでもない。そんなことができるのは自身のマスターであるアーカードだけだ。だがしかし何故こんなことを?
「――クハッ!」
悲鳴と嬌声とが交じり合ったような吐息を聞き、地面に転がったセラスは主人の方へと振り返る。
見れば、政宗の振るう十字架がアーカードの肩口へとめり込んでいるところであった。
見た目相応に重量のある十字架は易々とアーカードの身体を抉ると、そのまま地面に突き刺さって爆音を響かせる。
見れば、政宗の振るう十字架がアーカードの肩口へとめり込んでいるところであった。
見た目相応に重量のある十字架は易々とアーカードの身体を抉ると、そのまま地面に突き刺さって爆音を響かせる。
そして、爆音に重ねて轟音。
分厚い防火扉にマグナム弾を撃ち込んだような頭に重く響く音とともに、政宗の身体が宙へと浮いていた。
アーカードが抉られた方とは逆の腕で拳を繰り出し、十字架ごと政宗を打ったのだ。
分厚い防火扉にマグナム弾を撃ち込んだような頭に重く響く音とともに、政宗の身体が宙へと浮いていた。
アーカードが抉られた方とは逆の腕で拳を繰り出し、十字架ごと政宗を打ったのだ。
「マスタ――ッ!?」
セラスの目は吹き飛んだ政宗を追うことなく、“負傷した”主人の姿に釘付けだった。
十字架に抉られた肩口は固まった灰のような傷口をさらし、しゅうしゅうと音を立てて白煙が立ち上らせている。
今までに見たことのない光景だった。吸血鬼には尋常でない再生能力があるのである。
例え機関銃で何百発の弾丸を撃ちこまれようと次の瞬間には元通りになっているという再生を超えた復元能力が。
なのに、今最強の吸血鬼であるアーカードは苦痛に呻きを漏らし、再生もままならないでいた。
十字架に抉られた肩口は固まった灰のような傷口をさらし、しゅうしゅうと音を立てて白煙が立ち上らせている。
今までに見たことのない光景だった。吸血鬼には尋常でない再生能力があるのである。
例え機関銃で何百発の弾丸を撃ちこまれようと次の瞬間には元通りになっているという再生を超えた復元能力が。
なのに、今最強の吸血鬼であるアーカードは苦痛に呻きを漏らし、再生もままならないでいた。
「十字架が利くたぁ、どうやらお前さん普通の人間じゃなくマジで Monster らしいな」
膝をつくアーカードを前に、着地に成功したか、あるいは従者に受け止めてもらえたかした政宗が余裕の口ぶりで言う。
その傍らにはいつの間にかに機関銃を構えたサムライがこちらを油断なくポイントしていた。
二人に隙はなく、殺気は十二分以上。まさかの展開にセラスの背中に怖気が走る。
その傍らにはいつの間にかに機関銃を構えたサムライがこちらを油断なくポイントしていた。
二人に隙はなく、殺気は十二分以上。まさかの展開にセラスの背中に怖気が走る。
「やはり、“ただの十字架”ではないか――くっ、おもしろい」
ようやく白煙が治まってくるとアーカードは立ち上がり喉を鳴らした。
そうして、セラスへと一瞬目配せをし――この時になってようやくセラスは主人が自分を止めた理由を悟った。
十字架は吸血鬼の“数多い”弱点の一つだ。だが特別なものでなければ十字架といえどただの鉄か木の塊でしかない。
ただの巨大な鉄の塊であれば主人はタックルを止めなかったろう。だがしかし、十字架はやはり特別だったのである。
あの最強の吸血鬼が再生能力を著しく減じている。
ならばもしそれが自分だったならば――そう考えると再び怖気が走った。
そうして、セラスへと一瞬目配せをし――この時になってようやくセラスは主人が自分を止めた理由を悟った。
十字架は吸血鬼の“数多い”弱点の一つだ。だが特別なものでなければ十字架といえどただの鉄か木の塊でしかない。
ただの巨大な鉄の塊であれば主人はタックルを止めなかったろう。だがしかし、十字架はやはり特別だったのである。
あの最強の吸血鬼が再生能力を著しく減じている。
ならばもしそれが自分だったならば――そう考えると再び怖気が走った。
「……い、いいんですかマスター?」
「構わん。これを喰らえばお前は“ひとたまりもない”。いるだけ足手まといだ」
「構わん。これを喰らえばお前は“ひとたまりもない”。いるだけ足手まといだ」
そして、主人からの命令をセラスは理解する。念話をするまでもなく、それはただの一瞥で読み取ることができた。
「では、インテグラお嬢様とウォルターさんを援護しに行きます」
「早く行け」
「ヤ、ヤーッ!(り、了解ッ!)」
「早く行け」
「ヤ、ヤーッ!(り、了解ッ!)」
膝立ちの姿勢からクラウチングスタートの要領でセラスは猛ダッシュを開始した。
投げ飛ばされた方向は主人を挟んでサムライの逆側。
加えて吸血鬼の脚力。闘争ならともかく、逃走だけならば半人前のセラスとて人間を遥かに凌駕する。
投げ飛ばされた方向は主人を挟んでサムライの逆側。
加えて吸血鬼の脚力。闘争ならともかく、逃走だけならば半人前のセラスとて人間を遥かに凌駕する。
「行かせるか――」
逃げ出したセラスを追って向こう傷のサムライが追走を開始する――が、それは目の前に飛び出してきた影により阻まれた。
「なっ!?」
その目が驚愕に見開かれる。目の前に飛び出してきたそれは吸血鬼ではなく、巨大な“犬”だった。
吸血鬼アーカードが体内で飼っている有象無象。その内の一頭――名を黒犬獣バスカヴィルと呼ばれている。
だが、そんなことを知る由もないサムライ達からすれば、ただいきなり出現したようにしか見えない。
吸血鬼アーカードが体内で飼っている有象無象。その内の一頭――名を黒犬獣バスカヴィルと呼ばれている。
だが、そんなことを知る由もないサムライ達からすれば、ただいきなり出現したようにしか見えない。
黒犬獣が巨大な――それこそ人間一人を押し潰しそうな前足を上げて、振り下ろす。
向こう傷のサムライは間一髪でそれを飛んで避けると、着地と同時に機関銃のトリガーを引き目一杯の弾丸を浴びせた。
賞賛に値する反射神経と決断力である――と、その姿を横目に吸血鬼が口角を上げる。
向こう傷のサムライは間一髪でそれを飛んで避けると、着地と同時に機関銃のトリガーを引き目一杯の弾丸を浴びせた。
賞賛に値する反射神経と決断力である――と、その姿を横目に吸血鬼が口角を上げる。
「こいつには火縄は利かねぇのか!?」
が、しかし数十発と撃ちこまれた弾丸に黒犬獣はなんら痛痒を感じている様子ではなかった。
ただ不機嫌そうに向こう傷のサムライを睨みつけ、ぐるる……と喉を鳴らすだけである。
そして、追おうとしていた女の吸血鬼はというと、もう闇の中に姿は見えなかった。
ただ不機嫌そうに向こう傷のサムライを睨みつけ、ぐるる……と喉を鳴らすだけである。
そして、追おうとしていた女の吸血鬼はというと、もう闇の中に姿は見えなかった。
【005】
「OK……どうやら今夜は百鬼夜行という趣向らしい。小十郎、俺に遅れを取るんじゃねぇぞ!」
政宗が突然現れた黒犬獣に圧倒されたのは一瞬だけだ。身体の震えはすぐに武者震いへと転化した。
肩にかついでいた十字架を構えなおす。六爪に比べれば融通の利かない武器だが、今夜の出し物相手には丁度いい。
肩にかついでいた十字架を構えなおす。六爪に比べれば融通の利かない武器だが、今夜の出し物相手には丁度いい。
「政宗様こそ、無理をなされないように」
向こう傷のサムライ――片倉小十郎は、素早く弾倉を交換すると機関銃を再び黒犬獣へと向けた。
一度は通用しなかった。だがしかしそれは全くとは限らない。一度で駄目なら二度、それでも駄目なら弱点を探ればよい。
一度は通用しなかった。だがしかしそれは全くとは限らない。一度で駄目なら二度、それでも駄目なら弱点を探ればよい。
チリ……と、2人のサムライの身体から青白い火花が散る。対する吸血鬼はそれを全身全霊で迎え撃つことを選んだ。
ず・ぞ・ぞ・ぞ……と、アーカードの身体から何かが浮かび上がる。
吸血鬼の腹から突き出したそれは“柄”だ。吸血鬼はグッと柄を掴むと、ずるりとそれを一気に抜き出した。
サムライ達が息を飲むのが解る。それはそれほどまでに美しい刀だった。それほどまでに妖しい力を秘めた刀だった。
吸血鬼の腹から突き出したそれは“柄”だ。吸血鬼はグッと柄を掴むと、ずるりとそれを一気に抜き出した。
サムライ達が息を飲むのが解る。それはそれほどまでに美しい刀だった。それほどまでに妖しい力を秘めた刀だった。
絶刀、斬刀、千刀、薄刀、賊刀、双刀、悪刀、微刀、王刀、誠刀、毒刀、炎刀――妖刀、あるいは神刀「心渡」
月夜に曝す刃渡りは六尺半(およそ2メートル)。月夜に濡らす刃は白銀。こと切れ味においてはその刀は絶対無比。
吸血鬼は哂う。サムライも笑う。夜が明けるまでにはまだ時間がある。さぁ――
――Let's Party!! (闘争を楽しもう)
【D-6/北東・路上/1日目-深夜】
【主:伊達政宗@戦国BASARA】
[主従]:片倉小十郎@戦国BASARA
[状態]:健康
[装備]:巨大な十字架@物語シリーズ、伊達政宗の具足@戦国BASARAシリーズ
[方針/行動]
基本方針:???
1:Let's Party!!
[主従]:片倉小十郎@戦国BASARA
[状態]:健康
[装備]:巨大な十字架@物語シリーズ、伊達政宗の具足@戦国BASARAシリーズ
[方針/行動]
基本方針:???
1:Let's Party!!
【従:片倉小十郎@戦国BASARA】
[主従]:伊達政宗@戦国BASARA
[状態]:健康
[装備]:トミーガン@現実、トミーガンのマガジン(.45ACP弾50発入り)x9
背負い袋(基本支給品)、不明支給品x1
[方針/行動]
基本方針:政宗さまを守る。
1:黒犬獣を始末する。
[主従]:伊達政宗@戦国BASARA
[状態]:健康
[装備]:トミーガン@現実、トミーガンのマガジン(.45ACP弾50発入り)x9
背負い袋(基本支給品)、不明支給品x1
[方針/行動]
基本方針:政宗さまを守る。
1:黒犬獣を始末する。
【主:アーカード@HELLSING】
[主従]:セラス・ヴィクトリア@HELLSING
[状態]:ダメージ(小/回復中)
[装備]:神刀・心渡@物語シリーズ
[方針/行動]
基本方針:???
1:闘争を楽しむ。
2:インテグラの命令(オーダー)を待つ。
[主従]:セラス・ヴィクトリア@HELLSING
[状態]:ダメージ(小/回復中)
[装備]:神刀・心渡@物語シリーズ
[方針/行動]
基本方針:???
1:闘争を楽しむ。
2:インテグラの命令(オーダー)を待つ。
[備考]
※参加時期は、北アイルランド地方都市ベイドリックでアンデルセンと対決した後。(1巻)
※参加時期は、北アイルランド地方都市ベイドリックでアンデルセンと対決した後。(1巻)
【D-6/北東・路上/1日目-深夜】
【従:セラス・ヴィクトリア@HELLSING】
[主従]:アーカード@HELLSING
[状態]:健康
[装備]:背負い袋(基本支給品)、不明支給品x3
[方針/行動]
基本方針:マスターに従う。
1:インテグラ&ウォルターを探し出し合流する。
[主従]:アーカード@HELLSING
[状態]:健康
[装備]:背負い袋(基本支給品)、不明支給品x3
[方針/行動]
基本方針:マスターに従う。
1:インテグラ&ウォルターを探し出し合流する。
[備考]
※参加時期は、北アイルランド地方都市ベイドリックでアンデルセンと対決した後。(1巻)
※参加時期は、北アイルランド地方都市ベイドリックでアンデルセンと対決した後。(1巻)
【巨大な十字架@物語シリーズ】
ヴァンパイアハンターであるエピソードの得物。
およそ成人男性の3倍ほどの大きさがある銀製の巨大な十字架。怪異の類がこれを喰らえばひとたまりもない。
ヴァンパイアハンターであるエピソードの得物。
およそ成人男性の3倍ほどの大きさがある銀製の巨大な十字架。怪異の類がこれを喰らえばひとたまりもない。
【伊達政宗の具足@戦国BASARA】
伊達政宗が戦場に立つ際に身につけている鎧兜一式。兜に取り付けられた弧月型の前立が特徴的である。
伊達政宗が戦場に立つ際に身につけている鎧兜一式。兜に取り付けられた弧月型の前立が特徴的である。
【トミーガン@現実】
トンプソン・サブマシンガンM1921。通称・シカゴタイプライター。使用弾薬は「.45ACP弾」
タイプライターを打つ様な発砲音と、前方についたグリップとドラムマガジンが特徴のマフィア御用達の機関銃。
トンプソン・サブマシンガンM1921。通称・シカゴタイプライター。使用弾薬は「.45ACP弾」
タイプライターを打つ様な発砲音と、前方についたグリップとドラムマガジンが特徴のマフィア御用達の機関銃。
【神刀・心渡@物語シリーズ】
レプリカではなく、初代怪異殺しが実際に所持していた刃渡り2メートルほどもある大太刀。
怪異に対し(またそれ以外も含め)、壮絶な切れ味を誇る。
レプリカではなく、初代怪異殺しが実際に所持していた刃渡り2メートルほどもある大太刀。
怪異に対し(またそれ以外も含め)、壮絶な切れ味を誇る。
| 前:悪逆と反逆 | 投下順に読む | 次:このままではヴァニラさんも死んでしまう! |
| 前:悪逆と反逆 | 時系列順に読む | 次:このままではヴァニラさんも死んでしまう! |
| 伊達政宗 | 次:探し人は誰ですか | |
| 片倉小十郎 | ||
| アーカード | ||
| セラス・ヴィクトリア | 次:ある女の受難 |