悪逆と反逆 ◆ZEROtky0Rg
夜の遊園地に、八雲紫の手によってこの地に招かれた一組の主従がいた。
ベンチに腰かけ、名簿と地図を眺めるのはこの主従の主。
白を基調とした豪奢な衣装に身を包んだ、見目麗しい青年。
名は、ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア。
第二次東京決戦において黒の騎士団を打ち破り、事実上世界の頂点に立った神聖ブリタニア帝国第99代皇帝である。
白を基調とした豪奢な衣装に身を包んだ、見目麗しい青年。
名は、ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア。
第二次東京決戦において黒の騎士団を打ち破り、事実上世界の頂点に立った神聖ブリタニア帝国第99代皇帝である。
その傍らに跪き、ルルーシュの手元を懐中電灯で照らすのがこの主従の従者。
丈の長いコートを纏い、左目にオレンジ色の装飾品を着けているように見える男。
名は、ジェレミア・ゴットバルト。
現在、皇帝ルルーシュの第一の騎士とされている人物である――――表向きは、の話だが。
丈の長いコートを纏い、左目にオレンジ色の装飾品を着けているように見える男。
名は、ジェレミア・ゴットバルト。
現在、皇帝ルルーシュの第一の騎士とされている人物である――――表向きは、の話だが。
ルルーシュの真の騎士は別にいる。
世間では死んだと思われ、もう二度とルルーシュに膝を折ることのない騎士が。
世間では死んだと思われ、もう二度とルルーシュに膝を折ることのない騎士が。
「ジェレミア」
名を呼ばれ、それだけで主の意図を解したジェレミアは求められた答えを返す。
「名簿と地図の内容は把握致しました。しかしこれは……」
「ユーフェミア、か」
背負い袋の中に入っていた連名簿に記された一人、ユーフェミア・リ・ブリタニア。
彼女は、一年前に死んだはずの人間だった。
彼女は、一年前に死んだはずの人間だった。
「主従一組として招いたというのなら、スザクと組んでいるのは間違いなくユーフェミアだ。
同姓同名の赤の他人、ということはないと考えていいだろう。
それならばまだ、実際にいるのはナナリーやシュナイゼルで、名簿の記述が誤りだというほうが理解できる。納得はできないがな」
同姓同名の赤の他人、ということはないと考えていいだろう。
それならばまだ、実際にいるのはナナリーやシュナイゼルで、名簿の記述が誤りだというほうが理解できる。納得はできないがな」
納得はできない。
その言葉が係るのは、ナナリーやシュナイゼルがスザクの主としてこの地に招かれる可能性に対してではない。
名簿に、名前を間違えるなどという、単純な誤りがある可能性に対してだ。
ジェレミアもそれには同意を示す。
これだけのことをやってのける女が、そんな初歩的なミスをするとは思えない。
しかし、だとすれば――
その言葉が係るのは、ナナリーやシュナイゼルがスザクの主としてこの地に招かれる可能性に対してではない。
名簿に、名前を間違えるなどという、単純な誤りがある可能性に対してだ。
ジェレミアもそれには同意を示す。
これだけのことをやってのける女が、そんな初歩的なミスをするとは思えない。
しかし、だとすれば――
「陛下はユーフェミア殿下が生き返ったとお考えなのですか」
「八雲紫が、自分の言葉が真実なのだと俺達に証明するのに、これ以上わかりやすい方法はないだろう?」
名簿と地図をジェレミアに渡し、ルルーシュは支給品の一つである剣を手に取る。
背負い袋の中身を確認した際、ジェレミアが一目見て、
王たる者が持つに相応しいと評し、自身が持つことを頑なに辞退し、半ば押し付けるようにルルーシュに手渡した剣。
鞘から引き抜けば、気品ある美しい刃が姿を見せる。
背負い袋の中身を確認した際、ジェレミアが一目見て、
王たる者が持つに相応しいと評し、自身が持つことを頑なに辞退し、半ば押し付けるようにルルーシュに手渡した剣。
鞘から引き抜けば、気品ある美しい刃が姿を見せる。
「ユーフェミアがこの地にいるならば、俺達はあの女の言葉がまったくの出鱈目ではないと信じざるを得なくなる。
そして、おそらくは、俺達にとってのユーフェミアのような存在がこの島には他にもいると見ていい。
彼女だけでは、俺達とスザク、あとはせいぜい天子と星刻くらいにしか効果がないからな」
そして、おそらくは、俺達にとってのユーフェミアのような存在がこの島には他にもいると見ていい。
彼女だけでは、俺達とスザク、あとはせいぜい天子と星刻くらいにしか効果がないからな」
剣を鞘に収め、ルルーシュは立ち上がる。
ジェレミアはルルーシュから剣を受け取ると手早く背負い袋に入れ、背負い袋をルルーシュに差し出す。
差し出された背負い袋を受け取ったルルーシュはそれを背負って歩き出し、ジェレミアは鎖のついた巨大な碇槍を携え後に続く。
どちらが何を持つかの打ち合わせは済ませていたとはいえ、一切の言葉なく行われた動作は
二人が長年の主従であるかのように錯覚させるほど自然なものだった。
ジェレミアはルルーシュから剣を受け取ると手早く背負い袋に入れ、背負い袋をルルーシュに差し出す。
差し出された背負い袋を受け取ったルルーシュはそれを背負って歩き出し、ジェレミアは鎖のついた巨大な碇槍を携え後に続く。
どちらが何を持つかの打ち合わせは済ませていたとはいえ、一切の言葉なく行われた動作は
二人が長年の主従であるかのように錯覚させるほど自然なものだった。
従者であるジェレミアではなく、主であるルルーシュが背負い袋を持つのには当然、理由がある。
まずは、重さだ。
背負い袋の重量は、女性や子供が長時間持ち運んでも苦にならない程度。支給品だった剣よりも軽い。
荷物が軽ければその分、体力の消費が少なくて済む。これを利用しない手はなかった。
次に二人の役割分担。
ルルーシュは武人ではない。運動神経は悪くないが体力、特に持久力に関しては同年代の平均にも劣る。
必然的に、戦闘を行うのは優れた身体能力を持ち、軍人でもあるジェレミアの役割になる。
ジェレミアにとって背負い袋の重さなど無いに等しいが、戦いの最中に肩紐の位置がずれることは十分に考えられる。
つまりは、いざという時に動きを阻害されかねない。
これは絶対に避けねばならないことだ。
ならば最初からジェレミアに背負い袋を持たせなければいい。それで問題は回避できる。
また、何らかのトラブルではぐれてしまった場合に、支給品を持つのがルルーシュであるようにとの思惑もあった。
まずは、重さだ。
背負い袋の重量は、女性や子供が長時間持ち運んでも苦にならない程度。支給品だった剣よりも軽い。
荷物が軽ければその分、体力の消費が少なくて済む。これを利用しない手はなかった。
次に二人の役割分担。
ルルーシュは武人ではない。運動神経は悪くないが体力、特に持久力に関しては同年代の平均にも劣る。
必然的に、戦闘を行うのは優れた身体能力を持ち、軍人でもあるジェレミアの役割になる。
ジェレミアにとって背負い袋の重さなど無いに等しいが、戦いの最中に肩紐の位置がずれることは十分に考えられる。
つまりは、いざという時に動きを阻害されかねない。
これは絶対に避けねばならないことだ。
ならば最初からジェレミアに背負い袋を持たせなければいい。それで問題は回避できる。
また、何らかのトラブルではぐれてしまった場合に、支給品を持つのがルルーシュであるようにとの思惑もあった。
「俺がゼロに討たれるのは三日後。
最低でもそれまでにはスザクと共に帰還しなければならないが、
幸か不幸か、あの女が提示したこの殺し合いのリミットと、俺達のリミットは一致している。
死者が出なかった場合の24時間の制限は、俺達で参加者を一人仕留めればそれで済む」
最低でもそれまでにはスザクと共に帰還しなければならないが、
幸か不幸か、あの女が提示したこの殺し合いのリミットと、俺達のリミットは一致している。
死者が出なかった場合の24時間の制限は、俺達で参加者を一人仕留めればそれで済む」
観覧車。コーヒーカップ。ジェットコースター。
様々なアトラクションの位置に合わせて作られたのであろう道を、主従は一切の躊躇いを感じさせない足取りで進んでゆく。
様々なアトラクションの位置に合わせて作られたのであろう道を、主従は一切の躊躇いを感じさせない足取りで進んでゆく。
「最優先はスザクとの合流。と言っても、知らぬ土地で人を一人探しだすのは至難の業だ。
出会った奴に『スザクを捜せ』と……いや、『俺に従え』とギアスをかける。駒は多いに越したことはない」
出会った奴に『スザクを捜せ』と……いや、『俺に従え』とギアスをかける。駒は多いに越したことはない」
「はっ」
「この島の広さから考えて人に会うことは難しいだろうな。まずは行動範囲を広げるため、移動の足を確保するのが先か」
「街であれば車の入手は可能かと。運転は私が」
「ああ。他の参加者の支給品に含まれている可能性も考えられる。
どういう仕組みかは不明だが、この袋ならば車くらい入りそうだ。
ついでに銃の一丁くらいは調達したい。……これもギアスをかけ、背負い袋ごと頂けば済む話か。
キャンセラーがあれば、一人に一度しか使えないという制約はなくなる。ギアスを出し惜しむ必要は無い」
どういう仕組みかは不明だが、この袋ならば車くらい入りそうだ。
ついでに銃の一丁くらいは調達したい。……これもギアスをかけ、背負い袋ごと頂けば済む話か。
キャンセラーがあれば、一人に一度しか使えないという制約はなくなる。ギアスを出し惜しむ必要は無い」
「御意」
「最も警戒しなければならないのは、ギアスをかける隙のない状況……特に不意打ちだが」
「ご安心を。陛下の身は私がお守り致します」
「ああ。頼みにしているぞ、ジェレミア」
ルルーシュの言葉に、ジェレミアはその場に膝をつく。
当初の計画通りとはいえ、咲世子やロイド、セシル達が去った今、ルルーシュが『頼みにしている』などという言葉をかける人間は、
自身を除けば、次代のゼロとなる騎士、枢木スザク以外には存在しない。
世界でたった二人だけ―――それは、喜びであり、誉れだ。
主君からの信頼に、ジェレミアは打ち震える。
当初の計画通りとはいえ、咲世子やロイド、セシル達が去った今、ルルーシュが『頼みにしている』などという言葉をかける人間は、
自身を除けば、次代のゼロとなる騎士、枢木スザク以外には存在しない。
世界でたった二人だけ―――それは、喜びであり、誉れだ。
主君からの信頼に、ジェレミアは打ち震える。
「有難きお言葉。ジェレミア・ゴットバルト、必ずや陛下の騎士としての務め、果たして御覧にいれましょう」
半歩後ろを歩いていたジェレミアの姿は、ルルーシュの視界に入っていない。
だが、それでも良かった。そもそも、ジェレミアはルルーシュに見て欲しいと思って膝をついたわけではない。
ジェレミアの忠誠心がそうさせただけなのだ。
だが、それでも良かった。そもそも、ジェレミアはルルーシュに見て欲しいと思って膝をついたわけではない。
ジェレミアの忠誠心がそうさせただけなのだ。
必ず、守り抜く。
たとえルルーシュが三日後には死ぬのだとしても、それまでは命を賭けて守り通す。
死なせるために守ることに、悲しみはあれど虚しさは無い。
全てはルルーシュの意思―――ゼロレクイエムのために。
たとえルルーシュが三日後には死ぬのだとしても、それまでは命を賭けて守り通す。
死なせるために守ることに、悲しみはあれど虚しさは無い。
全てはルルーシュの意思―――ゼロレクイエムのために。
決意を新たにしたジェレミアが立ちあがろうとした、その刹那。
前を歩いていたルルーシュの足が、不意に、進むことをやめた。
前を歩いていたルルーシュの足が、不意に、進むことをやめた。
「ジェレミア」
今までとは明らかに異なる声音に、ジェレミアは思わず動きを止める。
膝をついた姿勢のまま黙して待つジェレミアに、ルルーシュはゆっくりと振り返り、口を開く。
膝をついた姿勢のまま黙して待つジェレミアに、ルルーシュはゆっくりと振り返り、口を開く。
「八雲紫の言葉、どこまで信じる?」
「ユーフェミア殿下の生存が確認されれば、彼の者の言葉、信じざるを得ないかと」
ジェレミアの言葉は、ルルーシュが言ったことを繰り返しているも同然だった。
だが、ジェレミアは、この場に相応しい答えをみつけることができなかった。
わかるのは、主に求められている答えを己は導き出せないという事実のみ。
沈黙するジェレミアを前に、ルルーシュは淡々と言葉を並べる。
だが、ジェレミアは、この場に相応しい答えをみつけることができなかった。
わかるのは、主に求められている答えを己は導き出せないという事実のみ。
沈黙するジェレミアを前に、ルルーシュは淡々と言葉を並べる。
「ユーフェミアが生きていれば、奴に死者蘇生が可能だということは信じてもいいだろう。
だが、死者蘇生が可能だからと言って、この殺し合いを無かったことにすることが可能だと信じられるかと言えば、答えはNOだ。
禁則にしても、この地から逃げだせばどうなるか程度なら、確かめるのは容易い。
ギアスで他の参加者に命じ、そいつを観察すればいいだけだからな。
しかし、三日経過しても優勝者が決まらなければどうなるかは、実際に三日経ってみなければわからない。
奴に人間を地獄に送る能力があるということと、それを行使するかどうかは話が別だ。
最後の一組は生還できるという約束にしても、守られるという保証はない。
奴はおそらく、いつでも俺達を殺せる。約束を反故にできる。そんな約束は、最初から存在しないのと大差ない」
だが、死者蘇生が可能だからと言って、この殺し合いを無かったことにすることが可能だと信じられるかと言えば、答えはNOだ。
禁則にしても、この地から逃げだせばどうなるか程度なら、確かめるのは容易い。
ギアスで他の参加者に命じ、そいつを観察すればいいだけだからな。
しかし、三日経過しても優勝者が決まらなければどうなるかは、実際に三日経ってみなければわからない。
奴に人間を地獄に送る能力があるということと、それを行使するかどうかは話が別だ。
最後の一組は生還できるという約束にしても、守られるという保証はない。
奴はおそらく、いつでも俺達を殺せる。約束を反故にできる。そんな約束は、最初から存在しないのと大差ない」
紡がれた言葉は、八雲紫に与えられた僅かな希望を否定する。
「疑い出せばきりがない。奴を信じることはできない……そうできているんだ。
結局のところ俺達は、実際に現実にならない限り、八雲紫の言葉が真実であるという確証を得られない」
結局のところ俺達は、実際に現実にならない限り、八雲紫の言葉が真実であるという確証を得られない」
そしてこれが、ルルーシュの結論。
自分達がこの地で得られるのは、提示された結果とそこから生まれる推測。
信じられる未来など欠片も存在しないという事実。
自分達がこの地で得られるのは、提示された結果とそこから生まれる推測。
信じられる未来など欠片も存在しないという事実。
「ならば陛下。これから我々はどう動くのですか」
ジェレミアの問いに、ルルーシュは笑みを浮かべる。
それは正しく、悪と呼ぶに相応しい微笑。
それは正しく、悪と呼ぶに相応しい微笑。
「――――八雲紫を、殺す」
ルルーシュの言葉に、ジェレミアは黙したままだった。
答えは簡単だ。決まっている。
自分はルルーシュに従う。勝ち目のない戦いであろうと、ルルーシュが望むのであれば挑むのみ。迷う余地などどこにもない。
それでも何も言えずにいたのは、目の前の皇帝に気圧されたからだ。
言葉を発することを忘れるほどに。
ジェレミアはただ、ルルーシュを見つめる。
だから気づいた。
ルルーシュの纏う空気が緩んだこと。そして、ルルーシュの額に僅かに滲んだ汗に。
答えは簡単だ。決まっている。
自分はルルーシュに従う。勝ち目のない戦いであろうと、ルルーシュが望むのであれば挑むのみ。迷う余地などどこにもない。
それでも何も言えずにいたのは、目の前の皇帝に気圧されたからだ。
言葉を発することを忘れるほどに。
ジェレミアはただ、ルルーシュを見つめる。
だから気づいた。
ルルーシュの纏う空気が緩んだこと。そして、ルルーシュの額に僅かに滲んだ汗に。
「……どうやらこれは、禁則ではないらしいな」
小さく呟き、ルルーシュは息を吐く。
それと同時に、ジェレミアは気づく。
八雲紫がいつでも参加者を殺せる立場にいるのならば、彼女への反逆の意思表示など、殺してくれと言っているようなものだ。
それをルルーシュは行った。
もちろん、殺されないというルルーシュなりの自信はあったのだろう。
だがそれでも、危険な賭けであったことは確かだ。
本来ならば、従者である己が止めなければならなかった。
主君に背負わせてはならなかったリスク。どうしても必要ならば、自分が行うべきだった行為。
それと同時に、ジェレミアは気づく。
八雲紫がいつでも参加者を殺せる立場にいるのならば、彼女への反逆の意思表示など、殺してくれと言っているようなものだ。
それをルルーシュは行った。
もちろん、殺されないというルルーシュなりの自信はあったのだろう。
だがそれでも、危険な賭けであったことは確かだ。
本来ならば、従者である己が止めなければならなかった。
主君に背負わせてはならなかったリスク。どうしても必要ならば、自分が行うべきだった行為。
事ここに至るまで気づけなかった不甲斐なさに、ジェレミアは唇を噛みしめる。
だが、謝罪の言葉は口にしない。できない。それはルルーシュが最も嫌うことだ。
再び歩きだしたルルーシュの後を、黙って追う。
だが、謝罪の言葉は口にしない。できない。それはルルーシュが最も嫌うことだ。
再び歩きだしたルルーシュの後を、黙って追う。
「まずは駒を増やし、スザクの捜索に当たらせる。並行して移動手段の確保。武器の調達。
それから八雲紫に関する情報の収拾だ。これらは全て、出会った参加者に『俺に従え』とギアスをかけることで対応する」
それから八雲紫に関する情報の収拾だ。これらは全て、出会った参加者に『俺に従え』とギアスをかけることで対応する」
「御意」
「その後、用の済んだ者から順に、この殺し合いの参加者には死んでもらう」
「全員、ですか?」
「そうだ。八雲紫の始末は最後にする。
生き残った者に、実は枢木スザクは生きています、なんて話を吹聴されては堪らないからな。
スザクの生存を知った者……この殺し合いに関わった全員になるだろうが、生かして返すわけにはいかない。
別に構わないだろう? 今更50人にも満たない命を奪うことなど、些事だ」
生き残った者に、実は枢木スザクは生きています、なんて話を吹聴されては堪らないからな。
スザクの生存を知った者……この殺し合いに関わった全員になるだろうが、生かして返すわけにはいかない。
別に構わないだろう? 今更50人にも満たない命を奪うことなど、些事だ」
「ユーフェミア殿下も?」
「一人残らずだ。例外はない。
……だが、そうだな。ユーフェミアはぎりぎりまで、俺達は手を出さず、誰かに殺されるのを待つか。
もう一度俺が殺して、スザクが俺を殺すのを予定の日時まで待てなくなっても困る」
……だが、そうだな。ユーフェミアはぎりぎりまで、俺達は手を出さず、誰かに殺されるのを待つか。
もう一度俺が殺して、スザクが俺を殺すのを予定の日時まで待てなくなっても困る」
自嘲気味に、ルルーシュは言う。
その姿は痛々しいほどだが、ジェレミアはルルーシュの決定に口を挟むことはしなかった。
仮に助けたところで、ユーフェミアが帰れる場所は存在しない。
それに何より、ジェレミアはルルーシュの覚悟を知っている。
その姿は痛々しいほどだが、ジェレミアはルルーシュの決定に口を挟むことはしなかった。
仮に助けたところで、ユーフェミアが帰れる場所は存在しない。
それに何より、ジェレミアはルルーシュの覚悟を知っている。
「―――ジェレミア」
「はっ」
「もし…………」
その続きを、ルルーシュは言わなかった。
だが、ジェレミアには伝わった。
だが、ジェレミアには伝わった。
もし、力の限りを尽くしても、八雲紫に抗う術がみつからなければ。
もし、主従一組しか生還することが叶わないことが確定すれば。
もし、主従一組しか生還することが叶わないことが確定すれば。
その時は、俺とスザクの生還の為に――――
言葉にされなかったその命に、ジェレミアは騎士として応じる。
「Yes, Your Majesty」
【B-4/遊園地内/1日目-深夜】
【主:ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア@コードギアス 反逆のルルーシュ】
[主従]:ジェレミア・ゴットバルト@コードギアス 反逆のルルーシュ
[状態]:健康
[装備]:背負い袋(基本支給品、約束された勝利の剣@Fate/Zero、不明支給品x2)
[方針/行動]
基本方針:ゼロレクイエム遂行のため、スザクと共に生還する
1:スザクの捜索と情報収集
2:八雲紫を殺す方法、対面する方法を探しだす
3:最終的には、スザクとジェレミア以外の、この殺し合いに関わった者全員を殺す
[備考]
※参戦時期はTURN25『Re;』 ルルーシュ死亡の3日前
※自身のギアス、ジェレミアのギアスキャンセラーへの制限には気づいていません
※不明支給品に、少なくともルルーシュの扱える銃はありません
[主従]:ジェレミア・ゴットバルト@コードギアス 反逆のルルーシュ
[状態]:健康
[装備]:背負い袋(基本支給品、約束された勝利の剣@Fate/Zero、不明支給品x2)
[方針/行動]
基本方針:ゼロレクイエム遂行のため、スザクと共に生還する
1:スザクの捜索と情報収集
2:八雲紫を殺す方法、対面する方法を探しだす
3:最終的には、スザクとジェレミア以外の、この殺し合いに関わった者全員を殺す
[備考]
※参戦時期はTURN25『Re;』 ルルーシュ死亡の3日前
※自身のギアス、ジェレミアのギアスキャンセラーへの制限には気づいていません
※不明支給品に、少なくともルルーシュの扱える銃はありません
【従:ジェレミア・ゴットバルト@コードギアス 反逆のルルーシュ】
[主従]:ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア@コードギアス 反逆のルルーシュ
[状態]:健康
[装備]:碇槍@戦国BASARA
[方針/行動]
基本方針:全ては我が主、ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアのために
1:ゼロレクイエム遂行のため、ルルーシュとスザクを生還させる
[備考]
※参戦時期はTURN25『Re;』 ルルーシュ死亡の3日前
※自身のギアスキャンセラー、ルルーシュのギアスへの制限には気づいていません
[主従]:ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア@コードギアス 反逆のルルーシュ
[状態]:健康
[装備]:碇槍@戦国BASARA
[方針/行動]
基本方針:全ては我が主、ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアのために
1:ゼロレクイエム遂行のため、ルルーシュとスザクを生還させる
[備考]
※参戦時期はTURN25『Re;』 ルルーシュ死亡の3日前
※自身のギアスキャンセラー、ルルーシュのギアスへの制限には気づいていません
【約束された勝利の剣(エクスカリバー)@Fate/Zero】
アーサー王のシンボルにしてセイバーの宝具。
人々の「こうであって欲しい」という想念が星の内部で結晶・精製された神造兵装。聖剣というカテゴリーの中において頂点に立つ。
なお、一緒に支給された鞘は持ち運び用に用意された物で、特殊効果等は一切無い。
アーサー王のシンボルにしてセイバーの宝具。
人々の「こうであって欲しい」という想念が星の内部で結晶・精製された神造兵装。聖剣というカテゴリーの中において頂点に立つ。
なお、一緒に支給された鞘は持ち運び用に用意された物で、特殊効果等は一切無い。
【碇槍@戦国BASARA】
長曾我部元親が扱う、鎖がついた碇のような槍。かなり大きく、相当な重量だと思われる。
長曾我部元親が扱う、鎖がついた碇のような槍。かなり大きく、相当な重量だと思われる。
| 前:そして1人しかいなくなった | 投下順に読む | 次:Vampire Killer |
| 前:そして1人しかいなくなった | 時系列順に読む | 次:Vampire Killer |
| ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア | 次:ルルーシュより、ずっとはやい!! | |
| ジェレミア・ゴットバルト |