伏せられた手札◆SqzC8ZECfY
「ところで君は……何故あの声のほうに向かわなかったのだね」
「……んー」
「大体は予測がつくが……その怪我と全員に支給されるはずのデイパックを持っていない点から考えるに、誰かに襲われ奪われたといったところか」
「やー、実はそーなんすよダンディなオジサマ。襲ってきた奴ってのがこれがまたすっげーおっかない奴でこの土御門さんもすっかり……」
「ふ……まあ、そんなことがあれば、あれが罠かもしれないと考えるのは無理もないだろうな。
だが……それを抜きにして、あの宣言の内容についてはどう思うか聞きたいね。
『人を殺すな』……どうだね。賛同するかい?」
「おおっ!? これはもしや試されている!? 迂闊に『はい』と答えたら『じゃあ殺しても文句ないな』でクビチョンパですか!?
いやーそりゃあ人殺しはよくないっすよ、うんうん」
「……ふむ、まああの声の彼は罠など考えていまいよ。誰かが殺されてかけている状況で損得抜きに駆けつけるようなお人よしだ」
「およ? 知り合いっすか?」
「少し前に出会ってね……君も誰かの保護を受けたいなら彼のところへ行くといい。腕も確かだ。
一人でいるよりは安全だろうな。だが……」
「だが?」
「殺さないだけで問題が解決するか。答えはNOだ。ここから脱出できるわけでもなく、殺し合いが止められるわけでもない。
彼と共に自らの安全のみを手に入れても、ここから逃げられない限りはいつか殺しあわねばならない。
禁止エリアが狭まっていけば逃げ場を失い、やがて首輪が爆発するしかないからな」
「それが嫌なら殺し合えってことですかい?」
「そうだ。だから君が本当に生き残りたいのなら、最終的には彼を殺すしかない。私の見立てでは不意打ちでも相当に難しいと思うがね。
それほどまでに彼は強いと私は判断する。だからこそ始末が悪い」
「だがそれはアンタの話が本当ならって前提つきだと思うがにゃー?」
「それはその逆もまた然りだよ。あのヴァッシュ君の話を信じるかどうかというね。土御門君、だったかな?」
「
サカキだ。ゆえに私は提案する。本当の意味で殺し合いを打破したいなら私と組めと。
そう、たとえ……ヴァッシュ君のいう『殺すな』というタブーを踏み越えることがあってもだ。
殺人を踏み越えてでも殺し合いを打破できるなら、それは僅かな犠牲を生むことになっても結果的に正しいのではないかね?」
「信用できるかどうかという根拠は?」
「そんなものは何処にも誰にもありはしない。ギラーミンが殺し合いに勝った者を生かしておくのかという点も含めてね。
ゆえに私は殺し合いに乗る価値を見出せなかった。だからこそ『打破』という選択肢を選んだのだ。君はどうするのだ?」
「……自分で選べってか」
「そうだ。一つ言っておくとするなら、怪我人で荷物もない君に対してわざわざこのような提案をしている点を考慮して欲しいがな。
そしてその怪我で、君はまさしく殺し合いの現実を身をもって知っている。私が注目したのはそこだ。君はその上でどういった判断を下すのかな」
「……」
◇ ◇ ◇
「ちょっとぉ、中心部に行くんじゃなかったの?」
「何のために中心部に行くのか? それは情報を集めるため、つまり他の人間と会うのに都合がいいからだ。
だが、学校も山のてっぺんに位置し、目印にもなりやすい。そしてここから近い。この際だ、寄っておくのも悪くないだろう」
「誰かがいるかもってこと?」
「ああ……そしてすでに複数の人間があつまっていれば得られる情報も増える。
さらに互いが殺しあっていた場合、誰かが殺されていれば首輪も労せずして手に入る」
「ま、別にいいけどぉ。二番目の放送でも大勢死んでれば色々と楽が出来るしねぇ」
「……」
「それと、あのお城の中の○なんだけどぉ……首輪が三つ必要ってことは三人殺す必要があるってことよねえ?」
「ああ、そうだ。首輪を集めるには首を切り落とさなければならない……死体から回収する手もあるが。それがどうした
水銀燈?」
「あれはそんな三人殺すような、殺し合いに積極的な人間に対してのご褒美が用意されてるんじゃないかしらねぇ。だとすると……」
「ふむ……なんらかの強力な支給品というのがまず考えられるな」
「そうそう、それでバンバン殺してくださいって言ってるみたいに思えるわぁ」
「ふむ……」
「だからぁ、もうそろそろ積極的に行ってもいいと思うのよねぇ。いい加減、アンタの言うとおりじゃ稼げないわよぉ」
「我々の目標は生き残ることが前提であって、殺し合いで多く星を挙げることではない。前にも言ったはずだぞ」
「でもお城が禁止エリアになったりしたらどうするのよぉ? それを考えたら勿体無いじゃない。のんびりはしてられないわぁ」
「それは……ないだろう。少なくとも今度の放送、そしてもうしばらくは。ここまで大掛かりな仕掛けをわざわざ自分で潰すようなことはすまい」
「むぅ……」
「我々の同盟はほぼ形だけのものだが、それを繋いでいるのは互いの利益だ。今現在、君の利益を損なうようなことは私はしていないつもりだよ」
「……」
「さて……着いたぞ。学校だ。保健室をまず探そう。薬や包帯があればもらっておきたいからな。同じ目的で誰かがすでに来ているかもしれない」
◇ ◇ ◇
土御門とサカキは学校内にある教室のうちの一室にいた。
ちなみに
上条当麻が
園崎詩音に撃たれたのとは別の教室である。
日が差し込む教室に並ぶ机に思い思いの格好で座り、対話を進めていた。
サカキの問い――脱出と殺し合いの打破について。
土御門はそれに対して、その具体的な方法をまだ聞かされていないという当然の疑問を口にした。
「で、具体的にどうするつもりなのかにゃー? まさかここまで言って無策ですってのはお話にならんですよ?」
「ふむ、当然だな。ではそれを説明するために踏まえておきたい点がある。前回の放送で死者の名前が呼ばれたな?」
「……ああ」
一方通行。
そして……上条当麻。
彼らは死んだ。
あまりにもあっけなく現実味に乏しいほどだが、人が死ぬときなど得てしてそんなものだ。
土御門の脳裏に彼らの存在が蘇るが、だがそれは幻想だ。
彼らはもういない。あるのはかつて彼らだったモノだけだ。
ゆえにその幻想を振り払い、現実を踏破し、前へと進む。
そのために彼らの存在を思考から取り払う。
「それで?」
「うむ、そこで問題になるのは何故ギラーミンが死者を把握しているのかということだ」
「そりゃ……俺たちを監視してるからに決まってるですよ。まー問題はその方法ってとこですかい?」
「そう……効率的に考えるならば、監視カメラの類よりは私たちに発信機を取り付ける方法が妥当だろうな。これについて異論はあるか?」
この会場には無数の建築物が設置されている。
ゆえに高性能の衛星カメラでも屋内に潜り込んだ人間を監視するのは難しいだろう。
屋内にカメラを仕掛けるにしても、全ての建物に死角のないよう設置すればその数は膨大になる。
たしかにサカキの言うとおりに発信機を取り付ける方法が効率的だ。
「異論はねーっすよ。とりあえずアンタの説を採用するならどこに発信機が仕掛けられてるって話になるけどにゃー。
つかぶっちゃけ監視されてるってんなら、この会話も盗聴されてるんじゃねーすか?」
「ああ、そうである可能性は大きい。だが今のところ首輪を爆破されたりはしていない。
脱出など無理だと思われているのだろうな。私としてはありがたいがね」
「ほほー。で、なにやらすごい自信ですが肝心の具体策がまだですぜい?」
「そうだな。だが君の返事もまだ聞いていない」
今まで窓の外を眺めながら話していたが、そこでサカキは改めて椅子ごと身体を動かして土御門に向き直る。
ギロリと真正面から鋭い眼光をぶつけてきた。
おっかねーな、と内心で思いながらも表情は崩さない。
「君が私と会うまで、どういったスタンスで動いていたかは問わん。どうでもいいことだしな。
だがこのゲームで最後の一人を目指すというならやめておけ。ギラーミンが最後の一人になった者を生かす理由がどこにある?」
「生かす理由、ねえ……それを言うならこんなクソッタレサバイバルゲームを、俺らを巻き込んでやる理由自体がわかんねーっすよ。
分かってるのは俺たちが為す術もなく拉致られて爆弾取り付けられて監視されて殺し合いを強要されてるって事実だけですたい」
そうだ。
ギラーミンの言うことが本当だったとしたら突っ込みどころはいくつもある。
自分を倒せば願いは叶うとはいうが、ならば誰がその願いを叶えてくれるのか。そして誰がここから元の場所へ返してくれるのか。
さらに言えばこの名簿を見ても、ギラーミンが世界に名だたる猛者という割には土御門が知らぬ名ばかりだ。
一方通行と、超電磁砲こと
御坂美琴についてはともかく、他は自分を含めてそこまで有名なのだろうか?
だが、それでも、この首輪に命を握られ、このフィールドに閉じ込められ、そして監視されていることには変わりない。
「では殺し合いを続け、最後まで生き残ることを目指すと?」
「正直、この怪我じゃあキツイがにゃー。だが何の策も提示しない奴の根拠無い提案に乗っかるのもどうかと思うぜい。
……ここでアンタを殺して荷物を奪うって選択肢もあるし、な」
その言葉とともに教室の空気が緊に張り詰める。
土御門は机をどけて椅子に両足を投げ出した格好だ。
対するサカキは正面、机に両肘をついてこちらを睨んだまま椅子に腰を下ろしている。
サカキは動かない。
土御門は投げ出した足を片方だけ引いた。
軽く踵を浮かした状態で、膝は正面に向ける体勢だ。
その脚で床を蹴ればすぐにも飛びかかれるということ。
空気が更に張り詰める。
互いが目をそらさず相手を見据えている。
「………………と、まあ悪ふざけはここまでにしておきますかにゃー」
土御門はそこでへらりとした笑みを浮かべ、全身を弛緩させた。
正面に向けた膝も同様に力を抜いてまた床へ投げ出す。
が、その刹那――、
「――ッッ」
土御門の全身のバネが跳躍運動のために駆動した。
爆発的な勢いでサカキが肘をついた机へと前蹴りを叩き込んだのだ。
重く鈍く、だが耳をつく強烈な金属音が生まれ、それはアルミ製の机がひしゃげるほどの威力を意味する。
椅子と机に挟まれ、サカキは身動きが取れなくなる。そのスキに決定的な一打を叩き込む――はずだった。
「な……!?」
土御門のそれは驚愕の表情だ。
サカキの腹部へと机を叩き込むべく全身の体重をかけて放った蹴りは、強烈な抵抗によってその威力を真っ向から受け止められていた。
抵抗の正体はサカキの腕力。
とっさに反応し、机を腕で押し返すようにして攻撃をブロックした。
サカキの顔に笑み。
「一旦、外して油断させてから奇襲か……オーソドックス過ぎてつまらん喧嘩のやり口だな」
「意外とやるですなぁ……こりゃ甘く見てたかにゃー?」
「ふ……わかったら座りたまえ。お待ちかねの策を提示してやろう」
見た目どおりの食えない男だ。
そう土御門は判断する。
だがここまでしてもあちらはまだ手を組もうとしているらしい。
余裕なのか、それともよほどこちらを買ってくれているのか。
前者であれ後者であれ、それは付け入る隙となるだろう。その理由を聞かないことには油断はできないが。
こちらが奇襲をかけたように、今度はあちらが油断した隙を突いて殺しにかかってくるかもしれないのだ。
とりあえずサカキのいうことを聞いて椅子へと座りなおす。
「んじゃ聞かせてくれ。その策って奴をよ。ついでに言えばなんで俺なんぞとそんなに組みたいのかも説明プリーズだにゃー。
念のためにいっとくとあっちの趣味はないから、そーゆーのは土御門さんお断りだぜい?」
「ふむ、では言ってやろう。策は…………ない。現時点ではな」
「……………………はい?」
ないといった。
この耳がイカレてなければ、確かにそういった。
説明するといっておきながら、ないといった。
ならばこの男は馬鹿なのか。
むしろあれか。カミやんか。無茶無策無謀の三拍子背負った超特大級の大馬鹿か。
「だからこそ……情報が必要なのだ」
「……お?」
危うくこの人物を超ド天然級命知らずお人よしの大馬鹿クラスと認定しそうになったが、どうやらまだ断定すべきときではないらしい。
サカキは淡々と言葉を続ける。
「これは君にとっては損のない話だ。そちらにまず必要なのは水と食料。そして襲撃者などの危険があった場合にその怪我を補う要素、つまり同行者の存在だ」
「その同行者に後ろからバッサリって可能性もあるのでは?」
「奪うための荷物もないのにかね? 現時点で君を殺す必要性は私には全くないのだ。ゆえに安心して欲しいと言っている。
欲しいのは情報だ。こればかりは死んでいては奪えないからな」
「じゃあ、その情報が手に入れば用なしズガン! ……とか」
そうであればわざわざ手持ちのカードを晒す馬鹿はいない。
土御門は言外にそういった意味を込めたということなのだ。
だがサカキはそれを聞いて、一笑に付すという言葉がぴったりの笑みを浮かべた。
「君はこの名簿に誰か知り合いはいるか?」
「ああ……三人いる」
嘘は言っていない。
そのうち二人がすでに死亡していたとしても。
「ならばその三人と接触する際には君が生きていたほうが情報を引き出せるだろう?
それにしても具体的に誰とは言わないあたりは流石に用心深いな、くくく……」
つまりサカキは生きている土御門に用があるということだ。
土御門を殺す価値というものが、このサバイバルゲームにおいては現段階で際めて低いということもあるのだろうが。
サカキは言葉を続ける。
「この地図に記されているフィールドも実際に見てみなければ何があるのか完全に把握できるわけではない。
この名簿では私の顔見知りも何人か載っているが、彼らは確かにギラーミンのいう世に名を轟かせる『猛者』だ。
だが……それ以外の殆どは聞いたことがない名ばかりで、それは君もそうといえる。土御門、君はどこのポケモンマスターなのだ?」
「へ?……ポケモンってなんすか、ソレ」
マスターというからには何らかの称号だろうか。
しかしポケモンとは何ぞや? という、聞いたことのない単語に対して当然の疑問を返すが、それはサカキにとってかなりの予想外だったようだ。
先ほどの奇襲にも動じなかったその顔に驚愕の色が浮かび上がる。
「ポケモンを知らないだと? 馬鹿な、いったい何処に住んでいた!?」
「えー……なんかすっげー田舎者みたいに思われてませんかにゃー? 学園都市のど真ん中ですよ? 世界で一番有名といっても過言じゃない能力開発のメッカ!」
「知らん、いったいなんだそれは?」
「はいぃ?」
いったいこれはどういうことなのか。
学園都市は世界で唯一無二といってもいい特殊性と巨大さを併せ持つ、それゆえに誰もが認知する世界トップクラスの有名都市だ。
サカキのきちんとした身なりを見る限り、山奥から出たこともない仙人というわけでもないだろう。
だのに学園都市を知らない。ポケモンという理解不能な単語を知ってて当然というように語る。
何か決定的な食い違いがある。
それは一体なんだ、と土御門が考えようとした矢先に声が響いた。
「――それは君達がそれぞれ違う世界からやってきたということだよ」
その声は土御門でもサカキのものでもない。
教室の出口から聞こえてきたそれに振り向くと、そこにはいつの間にか仮面にマントというこれ以上ないくらいに怪しさ爆発の男が立っていた。
「な……」
サカキも言葉が出ない。
当たり前だ。
こんな変質者が突然現れれば無理はない。
だが仮面の男はこちらの驚きをどう受け止めたのか、軽く頷いて言葉を続ける。
「驚かせてしまってすまない。だが悪いとは思うが話は途中から聞かせてもらった……情報が必要ならば、この私が提供しよう」
「……はじめまして、私はローゼンメイデンが第一ドール。水銀燈よぉ。よろしくねぇ。そしてこの怪しい仮面はゼロっていうの」
今度はゼロとかいう仮面男の影から黒い翼の生えた西洋人形が現れた。
しかもその人形はその翼で浮いていた。
おまけに言葉も喋る。その声は本当に生きているかのような美しい少女のそれ。
その翼と同じ色の黒いゴスロリ衣装が、その長く真っ白な髪を引き立たせていた。
「な、なんとー! 近頃の萌え業界における技術発展は凄まじいと聞いてはいたが、まさかこんな高性能フィギュアまで開発されていたとはー!?
あれですか? カスタムメイドですか? あなたのお好みに合わせて改造可能ですか!? ひょっとしてダッチ――ぎゃあっ!?」
その言葉を遮って黒い羽根が飛翔する。
風を切り裂き、土御門の脳天をかすめ、それはカツンと音を立てて教室の壁に突き刺さった。
水銀燈という人形の翼から放たれたものだった。
思わず土御門が椅子から腰を浮かせる。
「……言葉の意味は良くわからないけど何となく腹が立ったわぁ」
「落ち着け、水銀燈……言っておくが彼女は機械の類ではないらしい。ローゼンメイデンという名の生きた人形だ。
抽象的な物言いかもしれんが、そうとしかいえないのだから仕方がない」
仮面の男――ゼロが説明する。
サカキがここで口を開いた。
「非常識だな……だが、違う世界から来たということは自分の世界の常識が通じないと……そういうことなのか?」
「そういうことだ。話が早くて助かるよ。さて、つまりギラーミンは時空を超える……まさに非常識な力を以って我々をここに呼び寄せたということだ。
どうする。殺し合いを打破するとはその力の持ち主を敵に回すということだぞ。わかっているのか?」
「…………」
サカキの沈黙。
ゼロ、水銀燈も彼の挙動を見守る。
土御門もその例に漏れない。
やがてその口から教室の重い空気を打ち破る声が生まれた。
「……ただ命が惜しいだけならどこかに隠れて引きこもっているだろうさ。絶望するのは手を尽くしてからでいい。
とどのつまりが性分でね。このまま奴に屈するのは我慢がならないというだけの話だ」
「ではまだ諦めるつもりはない、と?」
「ああ。さて、情報をありがとう。君はそれと引き換えに何を得るつもりだ? ボランティアというような輩には見えないが」
「もちろんだ。こちらも君たちが得た情報を提供してもらう。それぞれの目的のために。生き残るために。互いのカードをな」
ゼロが椅子を一つ掴み、引き寄せてから脚を組んでどっかりと腰を下ろした。
水銀燈という人形も、ゼロと少し離れた位置にある机の上に膝を折って座りこむ。
サカキは変わらず机に肘をつき、座ったまま動かない。
立っているのは土御門だけだ。
「……」
じっとりと嫌な汗が浮かぶのを止められない。
教室の空気が重苦しくなっているのを嫌が応にも感じ取れる。
人間、非情になれる奴はなれるが、なれない奴はどうやってもなれないものだ。
そしてこの連中は非情になれる連中だ。同類である自分には直感的に分かる。
現段階で怪我を負い、支給品を持たない自分はいつ切り捨てられてもおかしくはない。
サカキはともかく、ゼロと水銀燈に関してはその目的すら不明瞭なのだから。
間違っても油断は出来ない。
この交渉は気安くできるものではない。
誇張ではなく命がけになっても不思議ではない。
「どうした?」
サカキの声。
探り合い、化かし合い、騙し合い――――上等。
胆をくくる。
最後の一人、土御門元春が席へと着いた。
「――――では、始めようか」
【B-2 学校内の教室(上条が撃たれた教室とは別)/一日目 昼】
【ゼロ@コードギアス ナイトメアオブナナリー】
【状態】:健康
【装備】:大戦槍@ワンピース
【道具】:基本支給品一式、MH5×4@ワンピース、治療器具一式
【思考・状況】
1:ナナリーの捜索。そのために情報を集める。
2:ナナリーの害になる可能性のある者は目の届く範囲に置く、無理なら殺す。
3:中心部を目指す。
4:『○』に関しては……
5:ギラーミンを殺して、彼の持つ技術を手に入れる。
6:自分の身体に掛けられた制限を解く手段を見つける。
7:『○』対する検証を行うためにも、首輪のサンプルを手に入れる。
【備考】
※都合が悪くなれば水銀燈は殺すつもりです。(だがなるべく戦力として使用したい)
※ギラーミンにはタイムマシンのような技術(異なる世界や時代に介入出来るようなもの)があると思っています。
※水銀燈から真紅、ジュン、
翠星石、
蒼星石、彼女の世界の事についてある程度聞きました。
※ナナリーの存在は水銀燈に言っていません
※会場がループしていると確認。半ば確信しています
※古城内にあった『○』型のくぼみには首輪が当てはまると予想しています。
※ヴァッシュの声を一通り聞きました
【水銀燈@ローゼンメイデン】
【状態】:健康、服に若干の乱れ
【装備】:卵型爆弾@バッカーノ、強力うちわ「風神」@
ドラえもん、
【道具】:基本支給品一式、ランダム支給品0~1
【思考・状況】
1:優勝を狙う。
2:しばらくはゼロと組んで行動する。
3:『○』についてはどうしようかしら……。
4:守るべき者って……バカバカしい。
【備考】
※ナナリーの存在は知りません
※会場がループしていると確認。半ば確信しています
※古城内の大広間に『○』型のくぼみがあります。このくぼみに何が当てはまるかは不明です。
※ヴァッシュの声を一通り聞きました
【サカキ@ポケットモンスターSPECIAL】
[状態]:健康
[装備]:投擲剣・黒鍵 5/10@Fate/zero、防刃ベスト@現実
[道具]:支給品一式×3、電伝虫@ONE PIECE×2、破魔の紅薔薇(ゲイ・シャルグ)@Fate/Zero
忍術免許皆伝の巻物仮免@ドラえもん、和道一文字@ONE PIECE、シゥネ・ケニャ(袋詰め)@うたわれるもの、謎の鍵
[思考・状況]
基本:ゲームを潰してギラーミンを消す
1:同士を集め、ギラーミンへの対抗勢力を結成する(新生ロケット団)
2:土御門、ゼロ、水銀燈からなるべく多くの情報を集める。
3:ヴァッシュとの合流。
[備考]
第三部終了(15巻)以降の時間から参戦。
※康一、ヴァッシュの名前はまだ知りません。
※詩音を『
園崎魅音』として認識しています。
※ギラーミンの上に黒幕が居ると推測しています。
※表記されている道具のほかに、通常のベストが一着、デイパックに入っています。
※防刃ベストは通常のベストに偽装したもので、銃弾等を防ぐほどの性能はありません。
※B-2・森に
ベナウィの死体、
広瀬康一の死体が放置されています。荷物は空のデイパックのみです。
※ヴァッシュの声を一通り聞きました
【土御門元春@とある魔術の禁書目録】
[状態]:左の肩付近に軽傷。肋骨1本骨折。失血で衰弱。超能力により自動回復中(微弱)
[装備]:レナの鉈@ひぐらしのなく頃に
[道具]:なし
[思考・状況]
基本:どんな手を使ってでも学園都市に帰る
1:殺し合いに生き残る
2:あくまでも証拠は残さずに、目立つ行動は取らずに行動。
3:駆け引きを駆使してなるべく自分に有利な状況を作り上げる。
[備考]:
※
ウソップの本名を把握していません。
※地図や名簿は大まかに把握しています。
※会場がループしていることに気付いていません。
※ヴァッシュの声を一通り聞きました。
※原作4巻以降、原作9巻以前からの参戦です。
【治療器具一式】
ゼロが保健室から調達した包帯、ガーゼ、消毒液などの簡単な医療器具セット。
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最終更新:2012年12月03日 02:06