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vコロッケ親父に突撃し隊提出用2v - (2007/07/28 (土) 17:43:51) の1つ前との変更点
追加された行は緑色になります。
削除された行は赤色になります。
**SS、及び絵の続き
***本番
投稿者:スゥ・アンコ@るしにゃん
油臭。
初めて乗るI=D、それも犬のものという特殊な状況で、何もかもが不慣れである筈のコパイロット席の上。
アンコが思っていたのは、そんなものだった。
基本、緊張というものには無縁の生き物だから、I=D初舞台、とか、初めて国のメンバーから離れての戦闘とか、そういうものに対する不安は皆無だった。
何故そんな事になったかといえば、結局ぎりぎりまでコロッケを揚げ続け、見合い用の化粧も特別な髪型もする事もなかった。
当然、香水などつけている事も無く、ぎりぎりまで揚げ続けていたコロッケの所為で、酷く体は油ギッシュな香で満ちていた。
一応、本日の為に用意したオリジナルの赤い参謀服を身にまとってはみたものの、とても、一人の男にマジに告白する女の姿には見えなかった。
衣装だけでも用意できただけでも奇跡である。
ここらへんは、幸い、参謀服のデザイン担当がアンコ自身であった事から、構造が掴みやすいという理由で事がさくさく進んだ訳だが。
基本、緑のジャケットに身を包む団体の中で、この真っ赤な衣装は異彩だった。
男だらけ、というこのメンバーの中でも確実に目立つ色ではあるけれども――、…同時に少し目に痛い気もした。
…いまだ、少し膨れているお腹の朝倉や、唇が少し腫れている双樹をケントの肩に乗せ。
やや青い顔をしている二人をケントのパイロット・コパイロットにして。
いざ、お見合い会場へと目線を向けた。
大丈夫。
やれる事は全てやってきた。遣り残した事はない筈。だから、後悔はない。
もし護衛部隊に邪魔をされてたどり着けない、なんて事になれば――、お見合いの相手とうまく行ってしまうだろうコロッケ屋の親父と、
そのコロッケを独占する夢のような立場に立てるその女性を想い、涙を流しながらとりあえず自国で暴れまくろう。
未婚号を乗り回して、八つ当たり気味に国とか滅ぼしてやる。
途中から段々と思考が物騒になってきて、中断した。
…とりあえず。
自分の想いを伝えよう。
徹夜で何度も作成を繰り返し、自分が作れる中で一番美味しく出来上がったコロッケを大事に紙袋に包み、抱きしめて。
油臭くとも、この気持ちが霞がかる訳でもなく。
姿形が醜いからと無碍に断るような男など、此方から願い下げだ。
だから、今のありのままの自分を出して。
「―――さあ。………派手な花火を打ち上げるアル。ワタシの愛の力、皆、思い知るがヨロシ!」
***閑話休題:広がる絶対領域、固まるトレンチコート(めんどくさい人達、その後)
投稿者:脚立@愛鳴藩国
じゅんーしん【純真】
まじりけのないこと。けがれないこと
何かを詫びる際に内臓を見せたがる国の辞典よりの引用
/*/
Trench Coatsことお見合い警備部隊との戦闘によりお見合い会場は
戦場音楽を奏でる場へと変わっていた。
アビシニアン程ではないとはいえ、未だ鮮やかに輝く緑色の機体のために
ケントは警備部隊達の目標となっていた。
一度は退けた物の、再度攻撃を加えようとする警備部隊を遮るように
ケントの左肩から白い影が舞い降りた。
真っ白な法官服をたなびかせ、抜けるように白い肌、上等の絹糸かと見まごう髪
そして純真そうな瞳、どうみても北国人の美少年であった。
無骨なI=Dを背にして純真に微笑んで見せる。ある種のおねーさん及び、
一部のおにーさんであれば、万難を排してでも守ろうとするであろう笑顔。
朝倉 景光(あさくら かげみつ)、え~藩国の人である。
-曰く、え~藩国に居座っている、何かよく分からない人。
-曰く、え~藩国の王犬であるアーサとしゃべることができる不思議な人
-曰く、スゥ・アンコ妖精、そして魔法使い
その持ち前の笑顔で永遠にも匹敵する一瞬を生み出した朝倉は、魔法使いドレスを
重ね着した法官らしく、涙無くしては聞くことのできない人生を語って見せた。
黒オーマのお見合いが発表されたと思ったら、愛しのスゥさんがお見合いにエントリーしていたこと。
正規のお見合い部隊から外れたと思ったらグリーンジャケットを羽織っていたこと。
そして、妨害だけかと思いきやコロッケ屋の親父への愛を語っていたこと。
必死に語る白皙の美少年の言葉に、アラダならぬ、警備部隊のフィクショノート達は
滂沱のあまり、朝倉の顔どころかその背後の巨大なケントすらも見ることが出来なかった。
そう、そこまでは魔法使いらしい涙無くしては聞くことが出来ない話でった。
アイドレス的には感覚を-5するだけだったであろう。しかし、それでは終わらなかった。
そして、そこから朝倉の絶対領域、警備員達がまもなく直面する地獄が広がりつつあった。
ひとしきり不幸な人生を話した朝倉は、「でも、でもですね。」とつなげると、さらりと言ってのけた。
「僕、思ったんですよ。…やっぱり、コロッケ親父に我らがヒロインを渡していいのかなぁと…」
その目にも、その声にもは純粋な愛しかなく、悪意などは欠片すらない。
後日、その場にいた警備部隊達は口を揃えて、こういったと言う。
「あそこで逃げることが出来ればあんなことにはならなかった。出来るならば過去へ戻って自分に教えてやりたい。」
そして淀みなく言葉は紡がれていく。
「それで、僕も男の子ですから、男らしくスゥさんを略奪するべきだ!と
でも、やっぱりスゥさんも手伝ってあげたいと思うんです。
だからコロッケ屋の親父をお持ち帰りしたスゥさんを
僕がお持ち帰りすることに決めたんです!」
それまでのハンカチ業界の広告塔にすらなれそうな話から、あまりの急展開に一瞬意識が空白になる警備隊達
そこに焼き付けるがごとき朝倉の言葉
「皆さんも、手伝ってくれますよね?
同じクインテットの脚立さんは二つ返事で
手伝ってくれるって言ってくれましたよ?」
答えがYesで有ることを疑わない純真な瞳。
・・・・・その眼差しには、まじりけもけがれもなかった。ただ、愛情と信頼だけがあった。
向けられる眼差しが、悪意や嫉妬、憎しみを胎んだものであれば、警備隊達は
何が相手で有ろうとも一歩も引かずに戦ったであろう。
しかし、警備隊の勇者達は、勇者故にその眼差しを踏みにじることができず、硬直してしまった。
否定しようとしてものもいた。
その勇者に向けて、朝倉は瞳を潤ませると尋ねて見せた
「だめ・・・ですか?」
否定も出来ず、かといって肯定するわけにも行かず。先にクインテットにお願いするべきだという正論すらも封じられ
硬直するしかなかった。
その話を外部モニターで聞くケントのコックピットでは、
赤い髪の青年が頭を抱えていた。
青い髪の優男はモニターと頭を抱える青年を見て大笑いをしていた。
桃色の髪の少女はいろんな物を叩きながら、人は笑い死ぬということを実証する一歩手前であった。
その頃、双樹は
「ギャグも良いがシリアスも必要だよな。せっかく時間稼いでくれてるんだからその間に整備をしておくか」
とつぶやくと、固まる警備隊と苦悶するパイロット、笑い続けるコ・パイロットを放置して整備を始めた。
さすが伏見の生んだケント良くできてるなぁ。ああ、でもやっぱりドリルは良いなぁ。
こんどレン連のI=Dの制式装備にドリルを配備するように意見具申してみようかな。
等と考えながらも、疲労した箇所の戦時整備を行い失われたARすらも回復してのけた。
そして、ケントの脚部に付いた取っ手をつかむとコックピットに
「とりあえず、警備隊が固まってる間に、朝倉さんを回収して
先に行きましょうか。今なら見逃してくれますよ。」
とギャグとシリアスを美事に取り持って見せた。
***移動>正面突破002(仮)
投稿者:双樹真@レンジャー連邦
疾駆するケントの右肩に取り付けられた取っ手を掴みながら前を見据える。
左肩の方には朝倉さんが居るはずだ。
確か魔法使いだと言っていた。
脳裏に要点が過ぎる。
…がんばろう。
思うところがあるはずだ。
と勝手に思い込み軽く涙ぐむ双樹。
―俺も色々あるからなぁ…ほら、親父さんが結婚なんてしたら…
もやもやもやもや(妄想開始)
広いお見合い会場の片隅で見つめ合う男女。
お互いに頬を朱に染めている。
「あーその…」
ぽりぽりとこめかみをかく巨躯の男性。
真面目な顔を作る。
「あんたが気に入った。あんたの為に揚げさせてくれないか…これから一生」
やもやもやもやも(妄想終了)
こんな事になってコロッケを売らなくなるに決まっているんだ!
ほら、スゥさんがくっつけば分けてもらえるかも知れないじゃないか!
別にスゥさんに何気なく「手伝いますか?」とか言ったときに物凄く喜んでくれたのがすんごく嬉しくて、よし。この人の思いを遂げさせてあげようと思ったとか、年齢サバ読むとか物凄く可愛くない?とかアルって語尾に萌えたとかそーゆーわけじゃない。
…ないったらない。
…ないよ!!
脳内のギャラリーに生暖かい目で見られてしくしく泣きながら双樹は立ち上がる。
こうなりゃ自棄だ!
目の前にせまるお見合い会場を前に片方のステップに足をかけ、跳躍の体制をとる。
人の恋路を邪魔する奴は、片っ端からぶっ飛ばす!!
そもそもお前が妨害側だというツッコミもぶっ飛ばしつつ双樹は跳躍する。
「我は双樹!レン連文族双樹真!!」
***正面突破用SS02:勝手に双樹さん一人舞台(仮)
投稿者:脚立@愛鳴藩国
羅幻城に特設されたお見合いの為の場は、正しくはそこに通じる通路は
和やかとはかけ離れた空気に包まれていた。
黒オーマの首魁たるバロ人気のために、はずれ(賞味期限切れ)チームに
お見合い部隊/警備隊共に集中し、結果として乱戦の様相を呈してきたためである。
「我が名は双樹!レン連文族双樹真!!さぁさぁさぁさぁいざ尋常に勝負!!
レン連の一州が誇りに誓って、愛は眠る勇気の朝日たりえることを個々に示し、
迷う愛の灯火たる勇気とならん。!愛こそは!そう、愛こそは!!そして、
愛ゆえに!この道、罷り通らせて貰う!!」
朗々と口上を謳い上げたのは、涙もろい青年ではなかった。にゃんにゃん共和国の誇る
愛と芸術と学問の国を表すにふさわしい愛の戦士であった。
レンジャー連邦が誇る連邦飛行士隊、さらにその中でももっとも厳しいと言われる
第12飛行士訓練隊での訓練を思い出し、I=Dでの動きを人の戦い方に応用すると、
全てのアイドレス的制限を乗り越えて、警備隊をただの拳によるカウンターで綺麗に
吹き飛ばすと、「Love be the with you!!」と笑って見せた。
白兵能力を持たぬ名パイロットが如何にして戦ったのかと問われたならば、
彼は先人達の言葉に習い、こういうだろう。
「愛ゆえに」と
つまり彼は口上の通り、レンジャー連邦の一州たるにふさわしいことを示して見せたと
いうことであった。
そうして、双樹が稼いだ貴重な時間とお見合い会場への一筋の道を、ケントがこじ開ける。
双樹の口上に心の内のヤガミ妖精が刺激されたか、珍しく黒崎が荒げた声が外部スピーカーから発される。
「自分らっ、うち等の目的はコロッケ屋の親父やっ。関係ないんはどかんかいっ。」
ケントの乗り手達の目的が自分の思い人と異なることを聞いた警備達に一瞬の停滞が生まれる。
その隙を突くように換装されたドリルを掲げて突撃を行い、お見合い会場へとその巨体をねじ込む。
ケントの巨体によって、入り口が塞がれたことを確認するとスゥが、黒崎が、脚立からケントから離脱する。
「黒崎さん、脚立さん、アトは頼んだアルよ。」
スゥは、そう言うと黒にして黒光のバッドことコロッケ屋の親父に向かって掛けだしていく
「コロッケ屋の親父、会いたかったアルよぉぉぉ。」
それを見送った黒崎と脚立は軽く苦笑すると、ケントの方を向く。
警備側のI=Dによって、ケントが動かされるとその隙間から警備部隊が大挙してくる。
「ほな、うちらはうちらで仕事しましょか。医者を敵に回すんがどんだけ怖いか教えたろか。」
そう不敵に笑うと、懐から取り出した鋼鉄ハリセンで警備部隊を吹き飛ばし始めた。
「それじゃぁ、騎士の白兵もお見せしましょうか。」
脚立は倒れている警備兵の剣と盾を拾うと警備兵と戦い始めた。
「人の恋路を邪魔する奴は、鋼鉄ハリセンではたかれて倒れとけ」
そう言いながら警備兵に強烈な一撃を加える黒崎に、脚立が問いかける。
「ヤガミ妖精は、人の恋路の手助けもするものなか?」
それに答えるように、また一人の警備兵を鋼鉄ハリセンで吹き飛ばすと黒崎は軽く切り返した。
「ヤガミ妖精やから、愛ゆうんを他の誰よりよう知っとるにきまっとるやないけ。」
**RP
まだ何もなーい!
こちらは、
http://www35.atwiki.jp/namu/pages/68.html
このページの続きとなります。
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***本番
投稿者:スゥ・アンコ@るしにゃん
油臭。
初めて乗るI=D、それも犬のものという特殊な状況で、何もかもが不慣れである筈のコパイロット席の上。
アンコが思っていたのは、そんなものだった。
基本、緊張というものには無縁の生き物だから、I=D初舞台、とか、初めて国のメンバーから離れての戦闘とか、そういうものに対する不安は皆無だった。
何故そんな事になったかといえば、結局ぎりぎりまでコロッケを揚げ続け、見合い用の化粧も特別な髪型もする事もなかった。
当然、香水などつけている事も無く、ぎりぎりまで揚げ続けていたコロッケの所為で、酷く体は油ギッシュな香で満ちていた。
一応、本日の為に用意したオリジナルの赤い参謀服を身にまとってはみたものの、とても、一人の男にマジに告白する女の姿には見えなかった。
衣装だけでも用意できただけでも奇跡である。
ここらへんは、幸い、参謀服のデザイン担当がアンコ自身であった事から、構造が掴みやすいという理由で事がさくさく進んだ訳だが。
基本、緑のジャケットに身を包む団体の中で、この真っ赤な衣装は異彩だった。
男だらけ、というこのメンバーの中でも確実に目立つ色ではあるけれども――、…同時に少し目に痛い気もした。
…いまだ、少し膨れているお腹の朝倉や、唇が少し腫れている双樹をケントの肩に乗せ。
やや青い顔をしている二人をケントのパイロット・コパイロットにして。
いざ、お見合い会場へと目線を向けた。
大丈夫。
やれる事は全てやってきた。遣り残した事はない筈。だから、後悔はない。
もし護衛部隊に邪魔をされてたどり着けない、なんて事になれば――、お見合いの相手とうまく行ってしまうだろうコロッケ屋の親父と、
そのコロッケを独占する夢のような立場に立てるその女性を想い、涙を流しながらとりあえず自国で暴れまくろう。
未婚号を乗り回して、八つ当たり気味に国とか滅ぼしてやる。
途中から段々と思考が物騒になってきて、中断した。
…とりあえず。
自分の想いを伝えよう。
徹夜で何度も作成を繰り返し、自分が作れる中で一番美味しく出来上がったコロッケを大事に紙袋に包み、抱きしめて。
油臭くとも、この気持ちが霞がかる訳でもなく。
姿形が醜いからと無碍に断るような男など、此方から願い下げだ。
だから、今のありのままの自分を出して。
「―――さあ。………派手な花火を打ち上げるアル。ワタシの愛の力、皆、思い知るがヨロシ!」
***閑話休題:広がる絶対領域、固まるトレンチコート(めんどくさい人達、その後)
投稿者:脚立@愛鳴藩国
じゅんーしん【純真】
まじりけのないこと。けがれないこと
何かを詫びる際に内臓を見せたがる国の辞典よりの引用
/*/
Trench Coatsことお見合い警備部隊との戦闘によりお見合い会場は
戦場音楽を奏でる場へと変わっていた。
アビシニアン程ではないとはいえ、未だ鮮やかに輝く緑色の機体のために
ケントは警備部隊達の目標となっていた。
一度は退けた物の、再度攻撃を加えようとする警備部隊を遮るように
ケントの左肩から白い影が舞い降りた。
真っ白な法官服をたなびかせ、抜けるように白い肌、上等の絹糸かと見まごう髪
そして純真そうな瞳、どうみても北国人の美少年であった。
無骨なI=Dを背にして純真に微笑んで見せる。ある種のおねーさん及び、
一部のおにーさんであれば、万難を排してでも守ろうとするであろう笑顔。
朝倉 景光(あさくら かげみつ)、え~藩国の人である。
-曰く、え~藩国に居座っている、何かよく分からない人。
-曰く、え~藩国の王犬であるアーサとしゃべることができる不思議な人
-曰く、スゥ・アンコ妖精、そして魔法使い
その持ち前の笑顔で永遠にも匹敵する一瞬を生み出した朝倉は、魔法使いドレスを
重ね着した法官らしく、涙無くしては聞くことのできない人生を語って見せた。
黒オーマのお見合いが発表されたと思ったら、愛しのスゥさんがお見合いにエントリーしていたこと。
正規のお見合い部隊から外れたと思ったらグリーンジャケットを羽織っていたこと。
そして、妨害だけかと思いきやコロッケ屋の親父への愛を語っていたこと。
必死に語る白皙の美少年の言葉に、アラダならぬ、警備部隊のフィクショノート達は
滂沱のあまり、朝倉の顔どころかその背後の巨大なケントすらも見ることが出来なかった。
そう、そこまでは魔法使いらしい涙無くしては聞くことが出来ない話でった。
アイドレス的には感覚を-5するだけだったであろう。しかし、それでは終わらなかった。
そして、そこから朝倉の絶対領域、警備員達がまもなく直面する地獄が広がりつつあった。
ひとしきり不幸な人生を話した朝倉は、「でも、でもですね。」とつなげると、さらりと言ってのけた。
「僕、思ったんですよ。…やっぱり、コロッケ親父に我らがヒロインを渡していいのかなぁと…」
その目にも、その声にもは純粋な愛しかなく、悪意などは欠片すらない。
後日、その場にいた警備部隊達は口を揃えて、こういったと言う。
「あそこで逃げることが出来ればあんなことにはならなかった。出来るならば過去へ戻って自分に教えてやりたい。」
そして淀みなく言葉は紡がれていく。
「それで、僕も男の子ですから、男らしくスゥさんを略奪するべきだ!と
でも、やっぱりスゥさんも手伝ってあげたいと思うんです。
だからコロッケ屋の親父をお持ち帰りしたスゥさんを
僕がお持ち帰りすることに決めたんです!」
それまでのハンカチ業界の広告塔にすらなれそうな話から、あまりの急展開に一瞬意識が空白になる警備隊達
そこに焼き付けるがごとき朝倉の言葉
「皆さんも、手伝ってくれますよね?
同じクインテットの脚立さんは二つ返事で
手伝ってくれるって言ってくれましたよ?」
答えがYesで有ることを疑わない純真な瞳。
・・・・・その眼差しには、まじりけもけがれもなかった。ただ、愛情と信頼だけがあった。
向けられる眼差しが、悪意や嫉妬、憎しみを胎んだものであれば、警備隊達は
何が相手で有ろうとも一歩も引かずに戦ったであろう。
しかし、警備隊の勇者達は、勇者故にその眼差しを踏みにじることができず、硬直してしまった。
否定しようとしてものもいた。
その勇者に向けて、朝倉は瞳を潤ませると尋ねて見せた
「だめ・・・ですか?」
否定も出来ず、かといって肯定するわけにも行かず。先にクインテットにお願いするべきだという正論すらも封じられ
硬直するしかなかった。
その話を外部モニターで聞くケントのコックピットでは、
赤い髪の青年が頭を抱えていた。
青い髪の優男はモニターと頭を抱える青年を見て大笑いをしていた。
桃色の髪の少女はいろんな物を叩きながら、人は笑い死ぬということを実証する一歩手前であった。
その頃、双樹は
「ギャグも良いがシリアスも必要だよな。せっかく時間稼いでくれてるんだからその間に整備をしておくか」
とつぶやくと、固まる警備隊と苦悶するパイロット、笑い続けるコ・パイロットを放置して整備を始めた。
さすが伏見の生んだケント良くできてるなぁ。ああ、でもやっぱりドリルは良いなぁ。
こんどレン連のI=Dの制式装備にドリルを配備するように意見具申してみようかな。
等と考えながらも、疲労した箇所の戦時整備を行い失われたARすらも回復してのけた。
そして、ケントの脚部に付いた取っ手をつかむとコックピットに
「とりあえず、警備隊が固まってる間に、朝倉さんを回収して
先に行きましょうか。今なら見逃してくれますよ。」
とギャグとシリアスを美事に取り持って見せた。
***移動>正面突破002(仮)
投稿者:双樹真@レンジャー連邦
疾駆するケントの右肩に取り付けられた取っ手を掴みながら前を見据える。
左肩の方には朝倉さんが居るはずだ。
確か魔法使いだと言っていた。
脳裏に要点が過ぎる。
…がんばろう。
思うところがあるはずだ。
と勝手に思い込み軽く涙ぐむ双樹。
―俺も色々あるからなぁ…ほら、親父さんが結婚なんてしたら…
もやもやもやもや(妄想開始)
広いお見合い会場の片隅で見つめ合う男女。
お互いに頬を朱に染めている。
「あーその…」
ぽりぽりとこめかみをかく巨躯の男性。
真面目な顔を作る。
「あんたが気に入った。あんたの為に揚げさせてくれないか…これから一生」
やもやもやもやも(妄想終了)
こんな事になってコロッケを売らなくなるに決まっているんだ!
ほら、スゥさんがくっつけば分けてもらえるかも知れないじゃないか!
別にスゥさんに何気なく「手伝いますか?」とか言ったときに物凄く喜んでくれたのがすんごく嬉しくて、よし。この人の思いを遂げさせてあげようと思ったとか、年齢サバ読むとか物凄く可愛くない?とかアルって語尾に萌えたとかそーゆーわけじゃない。
…ないったらない。
…ないよ!!
脳内のギャラリーに生暖かい目で見られてしくしく泣きながら双樹は立ち上がる。
こうなりゃ自棄だ!
目の前にせまるお見合い会場を前に片方のステップに足をかけ、跳躍の体制をとる。
人の恋路を邪魔する奴は、片っ端からぶっ飛ばす!!
そもそもお前が妨害側だというツッコミもぶっ飛ばしつつ双樹は跳躍する。
「我は双樹!レン連文族双樹真!!」
***正面突破用SS02:勝手に双樹さん一人舞台(仮)
投稿者:脚立@愛鳴藩国
羅幻城に特設されたお見合いの為の場は、正しくはそこに通じる通路は
和やかとはかけ離れた空気に包まれていた。
黒オーマの首魁たるバロ人気のために、はずれ(賞味期限切れ)チームに
お見合い部隊/警備隊共に集中し、結果として乱戦の様相を呈してきたためである。
「我が名は双樹!レン連文族双樹真!!さぁさぁさぁさぁいざ尋常に勝負!!
レン連の一州が誇りに誓って、愛は眠る勇気の朝日たりえることを個々に示し、
迷う愛の灯火たる勇気とならん。!愛こそは!そう、愛こそは!!そして、
愛ゆえに!この道、罷り通らせて貰う!!」
朗々と口上を謳い上げたのは、涙もろい青年ではなかった。にゃんにゃん共和国の誇る
愛と芸術と学問の国を表すにふさわしい愛の戦士であった。
レンジャー連邦が誇る連邦飛行士隊、さらにその中でももっとも厳しいと言われる
第12飛行士訓練隊での訓練を思い出し、I=Dでの動きを人の戦い方に応用すると、
全てのアイドレス的制限を乗り越えて、警備隊をただの拳によるカウンターで綺麗に
吹き飛ばすと、「Love be the with you!!」と笑って見せた。
白兵能力を持たぬ名パイロットが如何にして戦ったのかと問われたならば、
彼は先人達の言葉に習い、こういうだろう。
「愛ゆえに」と
つまり彼は口上の通り、レンジャー連邦の一州たるにふさわしいことを示して見せたと
いうことであった。
そうして、双樹が稼いだ貴重な時間とお見合い会場への一筋の道を、ケントがこじ開ける。
双樹の口上に心の内のヤガミ妖精が刺激されたか、珍しく黒崎が荒げた声が外部スピーカーから発される。
「自分らっ、うち等の目的はコロッケ屋の親父やっ。関係ないんはどかんかいっ。」
ケントの乗り手達の目的が自分の思い人と異なることを聞いた警備達に一瞬の停滞が生まれる。
その隙を突くように換装されたドリルを掲げて突撃を行い、お見合い会場へとその巨体をねじ込む。
ケントの巨体によって、入り口が塞がれたことを確認するとスゥが、黒崎が、脚立からケントから離脱する。
「黒崎さん、脚立さん、アトは頼んだアルよ。」
スゥは、そう言うと黒にして黒光のバッドことコロッケ屋の親父に向かって掛けだしていく
「コロッケ屋の親父、会いたかったアルよぉぉぉ。」
それを見送った黒崎と脚立は軽く苦笑すると、ケントの方を向く。
警備側のI=Dによって、ケントが動かされるとその隙間から警備部隊が大挙してくる。
「ほな、うちらはうちらで仕事しましょか。医者を敵に回すんがどんだけ怖いか教えたろか。」
そう不敵に笑うと、懐から取り出した鋼鉄ハリセンで警備部隊を吹き飛ばし始めた。
「それじゃぁ、騎士の白兵もお見せしましょうか。」
脚立は倒れている警備兵の剣と盾を拾うと警備兵と戦い始めた。
「人の恋路を邪魔する奴は、鋼鉄ハリセンではたかれて倒れとけ」
そう言いながら警備兵に強烈な一撃を加える黒崎に、脚立が問いかける。
「ヤガミ妖精は、人の恋路の手助けもするものなか?」
それに答えるように、また一人の警備兵を鋼鉄ハリセンで吹き飛ばすと黒崎は軽く切り返した。
「ヤガミ妖精やから、愛ゆうんを他の誰よりよう知っとるにきまっとるやないけ。」
**RP
まだ何もなーい!
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