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E98射撃 - (2007/07/16 (月) 19:58:35) のソース

*弓兵(射撃)

**作戦
○魔法使い経験者が多く、弓矢に付与された魔力を最大限に活かすことができる。


**参戦RP


**応援RP
ちゃき@るしにゃん王国「いいぞ!おれのハートも打ち抜いてくれ!」

**SS


**射撃支援
#ref(http://www.kotonet.com/~gamechaki/bbsl/data/IMG_000311.jpg)
絵:南無@るしにゃん王国

***当たりますように
 クレールとテルはただ弓兵部隊について歩いている訳ではない。皆が弓に弦を張り、準備をしているその間、つがえられる一矢一矢に祝福を与えるのも、大事なお役目である。

──魔の力 理の力 世界を統べる数多の法則よ
森に住まう汝らの鏡像 森妖精の末裔たる我らは
りの森をよびよせて世界の守りとせんことを冀う──

「……」
「どうしましたか?」
 手元の一矢に祝福をかけていた、クレールが首を傾げる。
「いえ」
 もにもにと一緒に真似して唱えながら、テルはもう1つの矢を手に取った。
「きっと勝てますよね」
 テルの小さな声に、クレールはいつもの笑顔でにっこりと頷いた。
「矢筒に詰める準備はできたアルよ〜! いつでも準備万端アル」
「ちょ! アンコ! それ俺の矢筒だぞ!」
 駆け寄って来たスゥ・アンコの後ろから、はやてが追いかけてくるのが見えて、クレールとテルは顔を見合わせて少しだけ笑った。

#ref(http://gamechaki.kotonet.com/tellur/98yumi.jpg)
絵と文 テル@るしにゃん王国


***断腸の思い。決意。

それは、戦争への準備中の話。

職業4の参謀に着替えるべく、南無とスゥ・アンコが指定された参謀服に着替えている時であった。

「あ、アンコちゃん。……その、あの………っ。」

何かに気づいた南無が、それはもう、とても言い辛そうにアンコの方を見つめる。
弱弱しい態度、小さな声はいつもの事故に、それはそれは慣れた様子で、アンコは首を傾げた。

「何アルか。相変わらずはっきりしない男アルな。」
「こ、心は女の子だもの! …そ、そうじゃなくてね。あのね。…その……胸が――。」

それはもう、遠慮がちに、そ、と胸の方をちらりと見る。
基本的にナイス・バディで通っているスゥ・アンコではあるが、真実は胸パッドでサイズを誤魔化している。
欠かさず、寝る時にも身に着けている筈のそのパッドが、今はなく、実に慎ましいものだった。

「そんな訳ないアルよー。胸が縮むなんて、そんな事ある訳ないアル。嫌アルなー。南無ってば頭までおかしくなっちゃったアルか?」

にっこり。目を細め、唇の端を上げて可愛らしく笑うアンコではあるが、その影には明らかに殺意のオーラが滲み出ていた。
そう、これについては一切触れるな、という意思が強く、強く、南無には感じられた。

(せ、折角教えてあげたのに……っ。)

そう思いながらも、その殺意の波動に目覚めたアンコから逃げ出す為に、着替えも途中に早々と部屋から出て行く南無。
かるく涙目だった彼を見送った後、一人、溜息を付く。

「今回だけアルよ。うちの国が最初で最後の活躍のチャンス。和弓の弦を引くには、でかい乳はただの邪魔アル。」
「それに、戦闘中は皆、勝つ事に集中して乳なんか見てないアル。…この戦い、るしにゃん王国の威信にかけて、絶対絶対、負けられないアルよ。大丈夫、乳はきっと誤魔化せる筈アルよ。」

そう、一人呟きながら、至急されたるしにゃん国特製の弓を、ぎゅ、と握り締めた。


――るしにゃんが目立つ、という事は、それはつまり、自分の乳の無さが露呈される事になる、というのは、その時のアンコには予想外のものだった。
#ref(http://www.kotonet.com/~gamechaki/bbsl/data/IMG_000313.jpg)


絵と文:スゥ・アンコ@るしにゃん王国


***緊張と不安。

敵が、視界の中に入る。ぐ、と緊張感が高まる。空気があきらかに変わった事が、隊全体に伝わった。

こくん。唾を飲み込む。
ぐ。弓を握り締めるその手に汗が滲むのがわかる。

弓兵、という、その存在そのものを得たばかりのるしにゃん王国部隊は、初陣、そして初の活躍の可能性に緊張していた。
(うまく出来るだろうか。)
(どうせ我が国の事。肝心なところでトチってしまうのではないか。)
基本的にネガティブが売りのるしにゃん王国国民は、長年の地味生活にすっかり内気になりきってしまっていた。
嫌な空気というものは連鎖するもので、あっという間に、部隊全体にそのネガティブオーラは広まってしまった。


「てめーら、何暗い事考えてやがる! むずかしい事考える暇があったら、さっさとその手に持ってるもんを敵に向けろッ!」

しかし、その空気を、勇ましい声で打ち破った人間が、いた。
長い間、世界忍者で日の目をみない生活が続いていた、はやて、その人物だった。

「失敗する事考えたって、どーにかなるわけじゃねーだろ! だったら今は!ただ!撃ちまくるしかねーだろ!」

そう、少年故の、よく通る声は隊全体に響き渡る。
まだ、隊の中では幼い部類に入るその少年に叱咤された事で、ぐ、と気合が篭る。

そう。悩んでいる暇はないのだ。敵はもう目の前にまで迫っている。
何もしなければ、ただ己の命が費えるのを見つめるだけになってしまうのだ。

だから。今は。るしにゃん王国民、魔法使いも、技族も、皆の知恵を込めたその弓を握ろう。矢を構えよう。
そう決意した隊の皆は、次々に攻撃に備え、配置に付き、弓を構えていく。

「そうそう。それでいいアルよー。さあ。敵はワタシたちの間合いに入ったアル。一世一代の大部隊、皆で輝いてみせるアル!」

そう笑顔で皆に告げた、スゥ・アンコに向けて、

「今まで呑気に黙ってたてめーが指揮んじゃねーよ!!」

思わず怒りマークも頭につけて、怒鳴り散らかすはやてであった。

#ref(http://www.kotonet.com/~gamechaki/bbsl/data/IMG_000310.jpg)

絵と文:スゥ・アンコ@るしにゃん王国
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