ダブルダッチの大会

ダブルダッチは1990年代後半に日本に紹介され、以後20年弱の間に日本で爆発的に競技人口が増加した。大学入学以降にダブルダッチを始める人がほとんどだったが、最近では日本体育大学(乱縄)のOBを中心に経験者がスクールを開いたり小中学校で教えることが増え、愛好者の年代は年々広がっている。
ダブルダッチの2大大会、Double Dutch Contest(DDC)とDouble Dutch Delight(DDD)が現在でもダブルダッチパフォーマンス界を引っ張っている。
また、ダブルダッチバトルの大会を含め、新しいスタイルのダブルダッチの大会が増えており、ダブルダッチの広がりを見せている。

  • Double Dutch Contest(DDC)とDouble Dutch Contest World(DDCW)
ダブルダッチコンテスト実行委員会が主催する世界大会。2009年の第8回大会より海外のチームも参加するようになる。世界中でDouble Dutch Contestが行われており、2012年現在では、ベルギー、香港、シンガポール、インド、アメリカ、フランスに存在する。
各コンテスト優勝チームがDDCWに参加することを目標としているが、実現には今しばらく時間が必要な模様。また、海外のDDCに日本チームが参加することもしばしばあり、そのチームが優勝することも珍しくない。
DDCWは3月下旬の土日に行われ、2日間開催となっている。1日目は体育館などで行われる予選であり、予選の上位チームが2日目のFinal出場権を得る。2日目のFinalは渋谷公会堂などで行われる。1日目の予選通過チームと、海外から各国シード1チームずつ、更にDDDJ一般部門優勝チームの合計約20チームが決勝を行う。Finalでのパフォーマンス上位4チームは、トーナメント方式でダブルダッチバトルを行い、ここで1位となったチームが優勝となる。しかし、パフォーマンス部門1位となったチームも優勝と公言しており、実質1回の大会で優勝チームが2つ出ることとなる。
2002年に行われた第1回大会、Double Dutch Contest(DDC)が2007年の第6回大会よりDouble Dutch Contest Japan(DDCJ)と名前を変え、2012年よりDouble Dutch Contest World(DDCW)に改称。なお、2011年までは第N回大会をVol.N(例: 第1回大会→DDC Vol.1)としていたが、Worldに改称したのと同時に西暦を付ける方式に変更。(DDCW 2012)

DDCJ Vol.8までは現役の大学生チームが成績上位にくることが多かった。しかし、DDCJ Vol.9、Vol.10、DDCW2012と、ここ数年は現役を引退した関西4回生のサークル横断型混合チーム、関東のサークルOB達が作るチーム、そして現役のプロチームが活躍するようになり、特にDDCW2012でFinalに出場した現役の大学生チームは片手で数えられるほどの少なさであった(16チーム中)。
更に、乱縄を中心に力のあるチームでは4回生になってもチームを維持して現役を続行するところもあり、従来の「3回生の学園祭が終われば引退」という考え方を適用すると、現役の大学生チームは更に減ることとなる。
このように、大学で数年間ダブルダッチをした経験を持つ社会人が増えてきており、大学生現役チームは上位に残ることが年を追う毎に難しくなると予想される。
なお、世界大会という名称を用いているが、DDCW2012 Finalに参加した20チームのうち16チームは日本チームであり、また、海外チームの最高順位が9位であったことを踏まえると、実質的には日本一決定戦である。これは、パフォーマンス分野でのダブルダッチで日本のレベルが他国を圧倒しているからに他ならないが、他国で十分に広まっていないとも言える。

  • Double Dutch Delight(DDD)とDouble Dutch Delight Japan(DDDJ)
日本学生ダブルダッチ連盟(JSDDL)主催の大会。DDDJ以外は9月、DDDJは10月中旬に行われることが多い。中学生以下のキッズ部門、年齢や人数に参加制限のあるオープン部門と、参加制限のない一般部門とに分かれる。キッズ部門は独立した日程で行われ、Double Dutch Delight Kids(DDDK)と呼ばれる。オープン部門、一般部門では、日本を4つの地区(North, East, West, South)に分けて予選を行う(予選はそれぞれ、下記のように呼ばれる)。
Double Dutch Delight North (DDDN)
Double Dutch Delight East (DDDE)
Double Dutch Delight West (DDDW)
Double Dutch Delight South (DDDS)
成績が上位のチームが本戦のDouble Dutch Delight Japan(DDDJ)を戦うこととなる。成績が上位のチームとは、
DDDE、DDDWから各上位5チーム
DDDN、DDDSから各上位1チーム
敗者復活で選ばれたチーム
の合計13チームのことである(敗者復活で2チームが同点の場合はどちらも出場し、合計14チーム)。
敗者復活はDDDE、DDDWの各6位~8位、DDDN、DDDSの各2位の合計8チームによって行われる。各地区予選での観戦チケットに印字されている固有番号でWEBにて投票する仕組みである。
関東(East)、関西(West)がその他の地域(North、South)より優遇されているのは、チーム数とレベルの差によるものと思われる。チーム数の差とは、前者が50チーム前後で競われるのに対し、後者が10チーム前後で競われていることを指す。また、NorthやSouthで大会が行われるようになったのは比較的最近であり、チーム数の少なさも相まってEastやWestとのレベルの差は歴然としたものがある。しかしながら、歴史の浅いダブルダッチ界における変化の早さを考えると、いつまでこれが継続するのか予想するのは難しい。

オープン部門では、チームの過半数が学生という制限のため、しばしば学生日本一を決める戦いと称される。DDDJの上位3チームとDDDKの優勝チームはHoliday Classic(別項参照)の出場権を得る。
一般部門では、各地区予選優勝チームがDDDJを戦い、その優勝チームは約半年後に行われるDDCW(別項参照)Finalのシード権を得る。無所属のチーム、社会人チーム、大学生の1回生チーム、大学のOBチームなどが出場することが多く、近年はOBチームを中心にハイレベルな戦いが繰り広げられている。

DDDJの開催場所は、HPに明記はされていないが、前年度のDDDJオープン部門優勝チームがいる地区で行われることになっており、2013年は関東で行われる予定。

注:括弧()内はサークル名

○DDDE
ダブルダッチ黎明期から日本のダブルダッチ普及に貢献している日本体育大学(乱縄)が大きな力を維持し続けている。例年、敗者復活の可能性のある上位8チームのうち、5、6チームは乱縄のチームであることが多い。東京大学(D-act)、日本大学(DSP)などが残りの2、3枠に入る。

○DDDW
関西四大サークルと言われる、立命館大学衣笠キャンパス(Dig Up Treasure, DUT)、立命館大学琵琶湖草津キャンパス(Fusion Of Gambit, FOG)、同志社大学(S'il Vous Plaît, SVP)、京都産業大学(ダッチゃ)を筆頭に、佛教大学(佛跳)、神戸大学(Dutch Days')、京都大学(MTTR)などから、多様なチームが上位進出し、百花繚乱の様相を呈している。


  • Holiday Classic
アメリカのダブルダッチ組織の一つ、NDDL(National Double Dutch League)主催の国際大会。12月上旬に行われることが多い。日本からはDDDJ(別項参照)での上位3チームとDDDK(別項参照)の優勝チームが参加している。
「Best of Show」と呼ばれるパフォーマンス部門において、日本が参加を始めて10年以上、ほぼ毎年日本チームが優勝しており、ここ数年は1-3位を日本チームが独占する状態が続いている。優勝者は日本でテレビに取り上げられたり、新聞に載ったりすることがしばしばある。

  • We Love Double Dutch(WLDD)
関西でダブルダッチを広める基となった4つのサークルにおいて、その年の4回生達が主催する大会。大会がDouble Dutch ContestとDouble Dutch Delightの2つしかなかった時代、もっと多くの人がダブルダッチを楽しんで欲しいという願いを込めて作られた。参加費の安さや、大会の暖かい雰囲気により、例年多様なチームが出場する。
近年、チーム数の増大から参加チーム数に制限がかけられるようになり、申し込み開始後1日も経たないうちに上限チーム数に達するようになった(2012年は10分程度と言われている)。ゆえに、参加競争がもっとも激しい大会と思われる。

  • Brilliant Night, The Gold
alt-type主催のダブルダッチバトルの大会。ダブルダッチバトルの間には、ショーケースと呼ばれるパフォーマンス披露が行われる。クラブを貸し切って会場としており、もともとは深夜から夜通しで開催されていた大会だったが、最近では開始時間が早まり、日付が変わる前に終わることも多い。関西と関東で開かれており、年末のThe Goldのシード権がかかっていることもある。

  • Double Dutch Night
Over thumpz主催のダブルダッチバトルの大会。

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このページの最終更新日:2012年12月20日


最終更新:2012年12月20日 06:59