─どうしても超えられない壁がある。
兄弟という上下立場。
兄弟の力の差
兄弟それぞれの関連人物との関係の差
全てにおいてその弟は兄に劣る。
全てにおいて兄に先を越され、その弟は一人取り残される。
そして弟という立場の男は言う。
なぜ僕だけ取り残されないといけない?
なぜ僕は兄さんみたいなヒーローになれない?
なぜ僕の出番はすべて兄さんにとられないといけない?
なぜ…?
─────
気がついたら目の前の景色が太陽の照りつける空に変わった。
そうか、夢を見ていたのか。
ルイージは気絶から目覚めた。いつもより早い目覚めだった。
傷はというとかすり傷程度であり、さほど問題ではない。
大きく変わったことといえば武器を取られてしまったのか今もっていない、ということくらいか。
なるほど、あのブタにとられたわけか。
ルイージはそう確信した。
傷はというとかすり傷程度であり、さほど問題ではない。
大きく変わったことといえば武器を取られてしまったのか今もっていない、ということくらいか。
なるほど、あのブタにとられたわけか。
ルイージはそう確信した。
どうする?
言うまでもない。殺す。
ルイージの答えは決まっていた。
ルイージの答えは決まっていた。
だが、今は武器を持っていない身。正面から挑んだって勝てる相手ではない。それでも奴は殺したい。
そういった感情がルイージの脳内で激しく回転していた。
しかし、いい答えが見つからない。いつの間にか自分の足で道を適当に歩いている。
ルイージはさっきから憎きブタ、ピグマ・デンガーを殺す方法を考えていたが、その時、ルイージの頭の中に気絶時に見た夢が流れてきた。
その瞬間、ルイージは酷い劣等感に襲われた。
兄さんにおいていかれ、ピーチ姫やヨッシー、ワリオにも先を越され、クッパにも緑のヒゲ呼ばわりされ…
すべての人が僕を馬鹿にしている。
兄さんと違って何もできない弱虫だと思われている。
そもそもほぼ全てに劣っている僕が兄さんを殺すことなどできるのだろうか。
それどころか他の人にかなうのだろうか。
その瞬間、ルイージは酷い劣等感に襲われた。
兄さんにおいていかれ、ピーチ姫やヨッシー、ワリオにも先を越され、クッパにも緑のヒゲ呼ばわりされ…
すべての人が僕を馬鹿にしている。
兄さんと違って何もできない弱虫だと思われている。
そもそもほぼ全てに劣っている僕が兄さんを殺すことなどできるのだろうか。
それどころか他の人にかなうのだろうか。
ルイージは完全にネガティブ思考に入ってしまった。惨めな自分を責め立て続けた。
そして、ある思考がルイージの頭をよぎった。
このままだとデイジー姫を生き返らせることができない。
その瞬間ルイージの思考回路が一気に吹っ飛んだ。
ただ「殺す」という感情を残して……
ただ「殺す」という感情を残して……
そしてルイージは何も考えず歩いきつづけた。
すぐに見えた。あのブタはほかの何者でもないピグマの後ろ姿だった。
ピグマは誰かが後ろにいることに気がつき、振り向いた。
「誰や!…なんや、まだ生きてたんかいな」
ピグマは誰かが後ろにいることに気がつき、振り向いた。
「誰や!…なんや、まだ生きてたんかいな」
ルイージは無言のままピグマに手のひらを向けた。
「また殺る気か。お前、自分の立場分かっとるんか?武器一つ持っていないお前にワイがやられると思うてんのか?」
ルイージは何の返答もせず、手のひらから一つの緑の火の玉を作り出した。
「何する気や。そんな物騒なもん撃たれちゃワイの身がもたへん。悪いが、これでおしまいにして貰うで」
ピグマはレイガンをルイージに向けて放った。
ピグマはレイガンをルイージに向けて放った。
ビームはルイージの左肩を貫通した。
だが、ルイージは後退り一つせず手のひらの火の玉を大きくしていく。
だが、ルイージは後退り一つせず手のひらの火の玉を大きくしていく。
「急所は外しちまったか。だがな、次は外さへんで」
ピグマは再びレイガンをルイージに向けて放った。
ピグマは再びレイガンをルイージに向けて放った。
だが、火の玉の大きさはすでにルイージの身長を越える巨大な火の玉になっていた。
緑のビームはその巨大な火の玉に吸収され、さらに巨大化した。
「バカな!ありえへん!そんなもん撃たれちゃ死んじまうで!勘弁してくれ!」
すでに彼はいつもの気弱で優しいルイージではない。
このゲームが始まってから歪み始めた感情がとうとう限界まで達してしまったのだろうか。
このゲームは彼を感情を持たない殺戮マシーンへと変えてしまったのである。
ルイージは背を向けて逃げるピグマに容赦なく巨大な火の玉、ファイアボールを放った。
このゲームが始まってから歪み始めた感情がとうとう限界まで達してしまったのだろうか。
このゲームは彼を感情を持たない殺戮マシーンへと変えてしまったのである。
ルイージは背を向けて逃げるピグマに容赦なく巨大な火の玉、ファイアボールを放った。
ファイアボールが通り過ぎた跡にはほぼ何も残らなかった。
ルイージの目の前に残っていたのはかつてピグマだった焼き豚と武器であるレイガン、キラーランスだけだった。
ルイージはまだ微かに生きているピグマには目も向けずレイガンとキラーランスを拾い上げるとそれをデイパックにいれ、あとは興味をなくしたかのように歩き始めた。
「…待てや」
ルイージは脚を止めた。
「お前にな…き…聞きたいことが…あるんや…て…」
うつ伏せに倒れたままピグマは僅かな意識を保ちつつルイージに話しかける
「…お前は…なぜ…ゲームに…このゲームに乗ったんや…」
ルイージは無言のままピグマに背を向けて立っているままだった。
ピグマはルイージの態度に感づいたかのように言葉を続ける。
ピグマはルイージの態度に感づいたかのように言葉を続ける。
「お前は…誰も…誰も信じられなくなっちまったんか…」
ルイージの返答はなかった。だが、ルイージのその目からは一滴の涙がこぼれ落ちていた。
ピグマは気づいていた。自分はかつての仲間、ワリオを利用しようと考えていた裏では、ワリオと本当の意味で仲間でいたかったと。
ピグマは気づいていた。自分はかつての仲間、ワリオを利用しようと考えていた裏では、ワリオと本当の意味で仲間でいたかったと。
ピグマはルイージに対してワリオへの謝罪の意味も込めてかすれた声で話し続けた。
─────
「ワイみたいな…人を利用する輩のせいで誰も…ガッ!」
ルイージはいい加減聞き飽きたと言わんばかりにキラーランスをピグマの大きな腹に突き刺した。
そしてピグマの腹からキラーランスを引き抜き、ルイージは再び背を向けて歩き始めた。
そしてピグマの腹からキラーランスを引き抜き、ルイージは再び背を向けて歩き始めた。
ピグマは薄れゆく意識の中、まだ何かを語るように話しかけたが、すでに声は誰にも聞こえなかった。
─これがワイの罪滅ぼしや…
ピグマは誰にも聞こえない声でそう言い、息を引き取った。
[1日目/昼]
【名前:ルイージ・マリオ@マリオシリーズ】
健康状態:精神崩壊
武装:キラーランス@FEシリーズ
所持品:支給品一式、レイガン@スマブラシリーズ(残り8発)
現在位置:J-6
第一行動方針:ただ「殺す」のみ
最終行動方針:デイジーを生き返らせる?
備考:感情の大半を失っており、余程のことがない限り感情は戻らないと思います。
【名前:ルイージ・マリオ@マリオシリーズ】
健康状態:精神崩壊
武装:キラーランス@FEシリーズ
所持品:支給品一式、レイガン@スマブラシリーズ(残り8発)
現在位置:J-6
第一行動方針:ただ「殺す」のみ
最終行動方針:デイジーを生き返らせる?
備考:感情の大半を失っており、余程のことがない限り感情は戻らないと思います。
【ピグマ・デンガー@スターフォックスシリーズ 死亡】
【残り39人】
【残り39人】