濫読者の羅針盤 @ ウィキ
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nhoshi
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#001 Tales / Edgar Allan Poe (1845)
物語 / エドガー・アラン・ポー
- The Gold-Bug 黄金虫
- The Black Cat 黒猫
- Mesmeric Revelation 催眠術の啓示
- Lionizing 名士の群れ
- The Fall of the House of Usher アッシャー家の崩壊
- A Descent into the Maelstrom メールストロムの旋渦
- The Colloquy of Monos and Una
- The Conversation of Eiros and Charmion
- The Murders in the Rue Morgue モルグ街の殺人事件
- The Mystery of Marie Roget マリー・ロジェの怪事件
- The Purloined Letter 盗まれた手紙
- The Man of the Crowd 群集の人
探偵小説の祖(あるいは父)とされるポーの小説集。この中で「クイーンの定員」として重要なのは 1,9,10,11 の4編だろう。この4作に絞れば中公文庫版
ポー名作集
が1冊でカバー(2,5も含む)していてお得だ。さらに Tales には含まれていない「お前が犯人だ」も含まれる。(この5作がポーの推理小説とされている。)幸いまだ現役だし、探偵小説史の開幕をおさえるという意味であればこれを選択するのがベストだろう。まぁ個人的な評価を述べれば 11 は読むべき、9 と 1 は教養(ミステリのね。)としてはおさえておくべき、10 は個人的意見としては別に読んでなくても問題ない。
ポーは現代でも人気のある作家なので、子供向けの本もたくさん出ているし、中公文庫以外の選択肢も豊富だ。新潮文庫版なら2冊(
『モルグ街の殺人事件』
と
『黒猫・黄金虫』
)で 1,2,5,6,9,10,11の7作を含む全10編が読める。岩波文庫版(
『黒猫・モルグ街の殺人事件 他5編』
と
『黄金虫・アッシャー家の崩壊 他九篇』
)なら2冊で 1,2,5,9,10,11,12 の7作を含む全18編が入っている。Tales には入っていない「陥穽と振り子」「早過ぎる埋葬」「ウィリアム・ウィルソン」なんかも読んでみるのも悪くないだろう。
Tales に入っているのを全部読みたい?まぁ「ミステリの短編小説の小史」としてはあまり重要ではないとは思うが、ポーの小説が気に入ったという人ならそれも良いでしょう。一応追跡すると、創元社から文庫で小説全集が出ている(4分冊)のだが、この中に実は 7,8 が入っていない(単行本にはあったのだが...)。98年に新装版が出た春秋社の全集には 7,8 も入っているが、こちらは既に絶版だ。創元推理文庫の小説全集を読み、後は 7,8 だけという場合は講談社文庫の
『ポオのSF〈2〉』
に入っている。えぇ、もちろん絶版ですけど。