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nhoshi

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#021 An African Millionaire / Grant Allen
アフリカの百万長者 / グラント・アレン


  1. The Episode of the Mexican Seer / メキシコの預言者
  2. The Episode of the Diamond Links / ダイヤのカフスボタン
  3. The Episode of the Old Master
  4. The Episode of the Tyrolean Castle
  5. The Episode of the Drawn Game
  6. The Episode of the German Professor
  7. The Episode of the Arrest of the Colonel
  8. The Episode of the Seldon Gold-Mine
  9. The Episode of the Japanned Dispatch-Box
  10. The Episode of the Game of Poker
  11. The Episode of the Bertillon Method
  12. The Episode of the Old Bailey

悪徳弁護士の次は職業怪盗のクレイ大佐の登場。これは最初の怪盗小説と言ってよいのではないか。1896年6月にストランド誌(まただよ)に登場したクレイ大佐は有名なアルセーヌ・ルパンより9年早く、イギリスのラッフルズよりも2年早い。怪盗、というよりも詐欺師、ですけどね。

物語はアフリカの百万長者チャールズ・ヴァンドリフト卿の秘書であり義弟でもある「私」を語り手に、変装の名人にして稀代の詐欺師クレイ大佐を追跡する、という構成。しかし語り手側が主人公ではないところがミソ。実際ヴァンドリフト卿はあまり好感を覚える人物ではないし、その点は語り手である「私」も同様。語り手がイヤな奴で語り手がやられるのを楽しむ、当時としてはちょっと珍しい小説ではなかったろうか。

1 は早川文庫『シャーロック・ホームズのライヴァルたち 1』で読める。さらに 2 が創元推理文庫『完全犯罪大百科 上』と光文社文庫『クイーンの定員 1』に収録されている。でもこれ、どれも現時点では絶版。gutenbergに原文が一冊まるごと収録されていて、私はこれを地道に訳しながら読んでいるところ。1,2,3,4の邦訳を公開しているサイトと、3,4,5,6,7の翻訳を販売しているサイトがあります。

グラント・アレンは英版Wikipediaで最初にscience writerと紹介されるように、科学関係の著作がかなりあるようです。SF作家でもあり、"The British Barbarian"というタイム・トラベルものを1895年に書いています。1895と言えばウェルズの「タイムマシン」が出版されたのと同じ年です。これ以外に、因習にとらわれない自立した女性を描いて物議をかもした"The Woman Who Did"という作品の作者と
しても知られています。




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