人体構造研究会
95 名前:創る名無しに見る名無し:2009/07/21(火) 00:49:38
「入学式……か」
目の前の喧騒が遠い。思えば入学した頃の俺には彼らの
ような覇気があった。しかし現在の俺は疲れきっている。
「彼女」によって。
「あの……勧誘しないんですか? 人体研究会」
いつの間に来たのだろう。目の前には一人の少女が立っ
ていた。その少々ぽっちゃりとした体型もあって美人とは
いえないが、言葉の端々から温厚な人柄が伝わってくる。
「まあ勧誘したってどうせ誰も入部したがらないだろうから
ね。おっと、ひょっとして君は入部希望者?」
「はい。高見坂理恵と言います。よろしくお願いします。」
まさかこんな部で活動しようなんて奴が本当にいるとは
思わなかった。俺だって事情がなければ人体構造研究会な
んてやってなかっただろう。
「なんでまたこの部に?」俺が聞いてみると、彼女は少し恥ずかしそうに答えた。
「あの……私って太ってるじゃないですか。それで人体構造
研究会は人の体重を増減させる研究をしているって聞いて
……」
俺は内心、溜め息をついた。なんとつまらないことで悩
んでいるのだろう。
「少しばかりふくよかな体つきだからって気にすることはな
い」
「でも……」
「世の中にはもっと手におえない体型の人もいる。例えば俺
の姉は君とは逆に痩せている。いや、『痩せすぎて』いる
んだよ……」
見上げれば空はどこまでも青かった。今この瞬間だけは、
視界の隅に映る飛行する棒は忘れ、晴れやかな気持ちにな
れた。
目の前の喧騒が遠い。思えば入学した頃の俺には彼らの
ような覇気があった。しかし現在の俺は疲れきっている。
「彼女」によって。
「あの……勧誘しないんですか? 人体研究会」
いつの間に来たのだろう。目の前には一人の少女が立っ
ていた。その少々ぽっちゃりとした体型もあって美人とは
いえないが、言葉の端々から温厚な人柄が伝わってくる。
「まあ勧誘したってどうせ誰も入部したがらないだろうから
ね。おっと、ひょっとして君は入部希望者?」
「はい。高見坂理恵と言います。よろしくお願いします。」
まさかこんな部で活動しようなんて奴が本当にいるとは
思わなかった。俺だって事情がなければ人体構造研究会な
んてやってなかっただろう。
「なんでまたこの部に?」俺が聞いてみると、彼女は少し恥ずかしそうに答えた。
「あの……私って太ってるじゃないですか。それで人体構造
研究会は人の体重を増減させる研究をしているって聞いて
……」
俺は内心、溜め息をついた。なんとつまらないことで悩
んでいるのだろう。
「少しばかりふくよかな体つきだからって気にすることはな
い」
「でも……」
「世の中にはもっと手におえない体型の人もいる。例えば俺
の姉は君とは逆に痩せている。いや、『痩せすぎて』いる
んだよ……」
見上げれば空はどこまでも青かった。今この瞬間だけは、
視界の隅に映る飛行する棒は忘れ、晴れやかな気持ちにな
れた。