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school life

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school life

     141 名前:school life ◆NN1orQGDus [] 投稿日:2009/07/21(火) 20:56:10 ID:Cx0dd9RJ

“入学式前夜”


 自然と頬が緩む。
 新しい制服に袖を通すと中学生になったんだなあ、と実感する。
 まだ着慣れていないせいか制服を着ると言うよりは着られている感じがするけれども、それはこの際気にしない。
 鏡に映る私は今までよりもちょっぴり大人びて見えて、それがなんだか嬉しい。
 部屋を見回すとテディベアが十二人ほどいるけれども、それはそれ。
 テディベアは可愛いけれど、決して子供っぽい訳ではないはずだ。
 多分、左から四番目に座っている昔気質の頑固者のパットンさんもそう言ってくれるのではなかろうか。

「へえ、見違えたよ。可愛いね、良く似合ってる」

 よく知っている声に振り向けば、テディベアをプレゼントしてくれた人が眼鏡越しに柔和な瞳で私を見ていた。

「ちょっと! 勝手に入らないでよっ!いつからそこにいたの?」

「勝手に入った訳じゃないよ。ノックしたけど返事がないから心配したんだ」

 悪びれもなくニコニコ笑う彼がちょっと恨めしい。

「そんなの理由になりません。返事をまってから入るのがマナーでしょう?」

 キットと睨みつけるけれど、私の歳よりも半分年上の彼は年の功なのか余裕綽々と受け流した。

「そうかもね。でも僕は自然体の君が見たかったんだよ。背伸びしない年相応の君がね」

「背伸びなんかしてません! 私はいつも自然体です!」

「そんな事ないよね、ヤマシタさん」

 相好を崩しながら左から五番目のテディベアの頭を撫でるけれど、それは一本気なヤマシタさんではなくて無駄口ばかりのムタグチさんだ。
 でも、そんな事は関係ない。彼のペースに巻き込まれているのが問題だ。

「とにかく! 出てってよ! 明日入学式で準備が忙しいんだから!」

 彼を部屋から追い出すと階段を下るリズミカルな足音と、母親と親しげに話をする彼の声が聞こえた。
 全く、女の子の気持ちが解らないんだから、と一人ごちて本物のヤマシタさんの頭を撫でた。

 誉め言葉なら可愛いよりも綺麗だよね。 ヤマシタさんは答えてくれないけれど、年頃の女の子の答えは一つに決まっている。

 鏡の前に立ってターンを決めて髪を頭の両サイドで握ってツインテールを作ってみた。

 髪型を変えれば彼も解ってくれるだろうか。
 絶えない気苦労、揺れる乙女心。
 ホントにもう、馬鹿なんだから。


 ――to be continued.


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