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  • プラグイン/ニュース
    ニュース @wikiのwikiモードでは #news(興味のある単語) と入力することで、あるキーワードに関連するニュース一覧を表示することができます 詳しくはこちらをご覧ください。 =>http //atwiki.jp/guide/17_174_ja.html たとえば、#news(wiki)と入力すると以下のように表示されます。 「Wiki」創設者のPC 競売に - auone.jp ドラゴンクエストけしケシ攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) 真女神転生5攻略Wiki|メガテン5 - AppMedia(アップメディア) アイプラ攻略Wiki|アイドリープライド - AppMedia(アップメディア) ポケモンBDSP(ダイパリメイク)攻略wiki - AppMedia(アップメディア) 【テイルズオブルミナリア】リセマラ当たりランキン...
  • 仁科学ライオン:【食い意地編】
    ...シー故に女子に人気のメニューだろう。案の定それを持って隣に座ったのは見知らぬ女子生徒。  かかっているソースは醤油ベースのあんかけソースだと俺の鼻が言っている。  よろしい。交渉だ。 「それちょーだい」 「へ?」 「うまそうなんで」 「てかアンタ誰……?」 「初めまして懐と言います。てか俺の事はいい。問題はその危険な豆腐ハンバーグだ。わけてくれ」 「良くないでしょそこ」 「俺のカツ丼のカツを代わりにやろう」 「カロリー高いだろ……。いらんわ」  厳しい交渉の末にハンバーグ半分ゲット。……カツ全部持ってかれた。ふざけんな。 「ごちそうさま」  至福の時は過ぎ去る。口に残る鯖の刺が気になるので速やかにペッ、と排除。よし。見られてない。  温くなったコーヒーを飲んで一息。  よし、やっぱ今日、茶々森堂行こっと。 前:後輩...
  • 先輩!七草粥です!
    ...ちゃいちゃさんたちのメニューが先輩を惑わす。  早い話、お口にあーん。だ。  そして、お返しのあーん。だ。  もひとつ、おまけのあーん。もついてくるかもしれない。  あどけない閑花の笑みに隠された、純粋過ぎる企みに先輩はいともたやすく虜となるのか。  いやいや、先輩、そんなに甘くない。  閑花が掲げた、新婚さんの為のお料理ムックをあっさりと先輩は払いのけ、厚い本を棚に返すとすたすたと去ってしまう。 頬を風船のように膨らませた閑花は、足音を立てぬように先輩の後をつけて行った。  もしかして夜の繁華街なるストリートを闊歩する、怪しいお店の客引きお兄さんよりたちが悪いかもしれない。 美味しい話に誘われて、ビール一本10万円。ってヤツだ。もっとも、健全たる先輩にとっては、想像の世界でしかない。  いけない。腹がまた鳴る。 ...
  • 先輩!紙芝居です!
    ...た。  一通りのメニューは口にした。時間が空いたときはここで過ごすのが一番。なにより、先崎が通っているのだから。  お勧めはアップルパイ。きょうは絵を描きに来たんだと閑花はアップルパイを我慢して、芳しいコーヒーを飲んでいた。 じかに豆から挽いたコーヒーはサイフォンを通じて濃厚な味わいと香りを提供してくれる。本物を味わうにはまだ早すぎる歳の 閑花だが「このお店で飲みたいんです!」と言えば、上手い言い訳となるではないか。マスターもウエイトレスも閑花がお気に入りだし。  クレパスでお絵かきをするのは、初等部での図工の時間以来だ。なのに、腕は劣っていないことに閑花は胸を張った。両手で画用紙を 持って全体を見渡す。これ以上の文句は付けようの無い出来栄えだ。  「こちら、お下げします」  ウエイトレスの『あまもと』は、閑花の側からすっとコーヒーカップを引...
  • プラグイン
    @wikiにはいくつかの便利なプラグインがあります。 アーカイブ コメント ニュース 人気商品一覧 動画(Youtube) 編集履歴 関連ブログ これ以外のプラグインについては@wikiガイドをご覧ください = http //atwiki.jp/guide/
  • 先輩と後輩
    先輩、入学式です!  入学式がようやく終わった。  仁科学園高等部二年代表として祝辞を読み上げた俺は、凝った肩を回しながら体育館を後にした。  内容はいたって無難なものだ。新入生には退屈な思いをさせたことだろうが、奇を衒うのは俺のスタイルじゃ ない。ただ、無味乾燥な挨拶に、歓迎の気持ちだけは篭めたつもりだった。  思い出す。まだ体に馴染んでいない糊の利いた制服。新一年生達の初々しい瞳には、一抹の不安と、それを隅 に追いやるほどの野望の火。今の彼らなら、きっと不可能などないに決まっていた。 (去年の俺は、どうだったっけな)  蝶々の翅のようにひらひらと踊る桜の花びらを見て、俺は柄にもなく感慨に耽る。  俺にとってこの一年は―― 「先輩!」  悪寒。  可愛らしい少女の声に脊髄が震撼する。 「あなたの愛しの後輩が、遂に高校デビュウです!」 「背...
  • 先輩、お勉強中ですか?
    先輩、お勉強中ですか? 「あれあれ先輩、お勉強中ですか? 私のステディはスタディ中、なーんて」 「使い古されすぎたネタに失望すら覚える」  出来る限り冷たく聞こえるように言い捨ててから、俺は教本を閉じた。後輩が背後から手元を覗きながら俺の 肩に顎を乗せようとしていたので、手で追い払う。ステディ(彼氏)という部分を否定する台詞を付け加えるこ とも忘れない。  今日も後輩は、俺の休み時間の邪魔をする。 「うわぁ、世界史ですかぁ」  目ざとく表紙を確かめた後輩は、いかにもイヤがっているように眉を寄せた。ただし口元は笑っている。 「あまり得意じゃないんだ、世界史は」 「意外ですね?」 「そうか?」  もちろん試験ともなれば、それなりの点は採ってみせる。  別に歴史が嫌いなわけでもない、むしろ大変に興味深いのだが、暗記科目はとにかく俺の時...
  • カップルウォッチャーととろ/新たなる力
    カップルウォッチャーととろ/新たなる力 「おうおうそこのバカップルよォ!」 「黙って見てりゃあイチャイチャベタベタ! ムカつくぜェ! ああムッカつくんだよォ! ブッ殺してやっか ら歯ァ食い縛れや! ああんッ!?」 「ナンとかいえやコラ!」 「た、たーくん……こ、この人達は……」 「まさか、……噂の不良なのか!?」  噂がある。仁科学園を震撼させる恐怖の噂。  幸せの撲滅を野望に抱き、カップルの仲を裂こうと示威行為に及ぶ、度し難き者達がいる。  それは懐かしのバンカラスタイル、“リーゼント”、“モヒカン”、そして“ハゲ”をリスペクトしてやまな いズッコケ三人組であるらしい。  嘘か真か、そいつらは幸せ絶頂のカップルを発見するや、秘境マダガスカルに棲息するある種のキツネザルを 思わせる奇声を上げつつ跳びはね、身の毛もよだつ手つきで襲い掛かってくるという。そして...
  • 幸せ撲滅運動監視編その一、みたいな?
    幸せ撲滅運動監視編その一、みたいな?      591 名前:幸せ撲滅運動監視編その一、みたいな? ◆G9YgWqpN7Y [sage] 投稿日:2009/07/24(金) 13 38 08 俺、小型省は最近一人の男の監視を指示された。 同級生であり、最近、台さんの指示により危険度C-からB-に格上げされた男。 ちなみに俺にはなぜ格上げされたのか理由がまだ分からない。 台さんに聞いても、 「監視を続ければわかるようになる」 との一言で終わらされてしまった。 台さんの言葉は絶対なのできっと今回もわかるようになるのだろう。 ともかくもうすぐ昼休み。尾行の準備を始めなければならない。 監視対象の男は特に特徴がないのが特徴な感じの男だ。 成績普通、運動普通。 「……普通っていいっすねぇ。 俺、ちゃんと授業受けてるのに前回も全教科赤点と...
  • 先輩、先輩の秋です!
    先輩、先輩の秋です!  暦の上では、秋である。  日中はまだ残暑が厳しい。夕方になってようやく、体温を奪われているのが分かるくらいの風が吹く。  弄んでいたコーヒーの空き缶を、道端に見掛けた自販機のゴミ箱にぶちこんだ。  季節の変わり目にはコーヒー牛乳だ。タタカイノアトト、フロアガリニハ、ホロニガクテアマイコイツガ、ヨ クニアウ――  二学期のスタートから数日、俺も夏休みボケからようやくいつもの調子を取り戻した頃だった。……取り戻せ てないかも。  ……夏休み中のしっちゃかめっちゃかな事件のかれこれについては、またの機会に語りたいと思う。海水浴に 出掛ければ後輩に付き纏われ、花火大会でも後輩に付き纏われ、山にキャンプに行けば後輩に付き纏われ、学園 の夏期補習に出席すれば後輩に付き纏われ、喫茶店の茶々森堂では後輩に付き纏われていたばっかりにあまもと さんの機嫌が悪化し...
  • ダブルストップ・あなざー
    ダブルストップ・あなざー 「ここのシュークリーム、美味しいんだよ」と、ニシトちゃんが幼な子にも似た輝きをした目で言うから、 わたしは寄り道というものをやってみた。二人並んで目当ての三瀬の前に立つと、わたしの心臓がごくりとつばを飲む音が聞こえてくる。 「ナギちゃんとこんなお店に行けるのって、うれしいな」 ニシトちゃんはきらきらと光る。 ニシトちゃんはけらけら笑う。 紅茶色のショートカットの髪型は、ニシトちゃんにおあつらえ。 古びた煉瓦造りの店は、見るからに時代に取り残された香りが漂っていた。 店の名は『茶々森堂』。 わたしたちが通う学校から程近い場所に店舗を構える喫茶店だ。ご近所なのに存在すら知らなかったわたしは、 まるで幸せの青い鳥を肩に乗せたまま、青い鳥を探しているようなものだ。 「先崎くんもよく来るらしいよ」 お互いに知った生...
  • 中部伸
    中部伸(ナカベシン) アゲルと同学年。チューブトレによる強烈なパンプ感に心酔している。 アゲルや部長と異なりボディビル思考であり、その節制生活は苦行そのもの。 登場話 NO. タイトル 作者 登場人物 052 無題05 創る名無しに見る名無し 重利挙、上糸命、中部伸 055 パワーリフターアゲル 創る名無しに見る名無し 重利挙、上糸命、中部伸、ロニコ 074 ウエイトリフターミコト【センスと努力とリハビリ生活】 ◆wHsYL8cZC 重利挙、上糸命、中部伸、ロニコ
  • 霧崎
    霧崎(きりさき) 下の名前は不明。普通科三年。文芸部部長。背を覆うほど長い黒髪に切れ長の目をした切れ味抜群のクールビューティ。 尊大な男言葉で話し、人をからかって楽しむ悪癖がある。 登場話 NO. タイトル 作者 登場人物 028 先輩、部活動見学です!(3) ◆46YdzwwxxU 先輩、後輩、霧崎 050 文藝青春 ◆46YdzwwxxU 松戸白秋、霧崎、村上健 065 仁科学ライオン 第一話【バカですが何か?】 ◆wHsYL8cZC 黒鉄懐、秋月 京、霧崎、久遠荵、あかね、迫先輩
  • 仁科学ライオン【鷲は自由に飛んじゃってもいい】
    仁科学ライオン【鷲は自由に飛んじゃってもいい】 「Eagle fry F○○~ let people see~♪」  誰かが歌っている。小さく息を漏らしながら、器用に高音域を軽々と出している。本気で声を出せばどうなる事やら。  後ろで縛り上げた金髪の長い髪が一定のリズムで揺れている。この学園広しといえど、こんな髪型をしている男は数少ない。ましてやヘヴィメタルを口ずさむ輩など一人に絞られる。  懐は一人、昇降口前の廊下をモップ掛けしていた。別に何か悪さをしたペナルティとか、単なる綺麗好きとかではなく、ただの掃除当番である。  掃除の時に長い髪は邪魔になる。安っぽいヘアゴムでまとめた髪は相当気を使っているのか、無駄に光沢を放ち、結構なブリーチ攻めを受けているはずだがダメージ等も見当たらない。  それもそのはず。メタルファンにとってロングヘアはギターやツーバスのドラムセ...
  • 先輩、土曜日の午後です!
    先輩、土曜日の午後です! 「先輩、うなぎ食べに行きましょうようなぎ!」 「いきなり何だお前」  ボクらのクラスに小さな台風がやって来た!  心の中だけでもそんなふうにおどけてみないと気力がもたない土曜日の午後だった。今週は何だかやたら忙し く、木曜日あたりから精も根も枯れ果てている。  やっと休めると思ったら、この後輩だ。 「思うに、先輩はもっと精をつけるべきです! そしてケダモノへと先祖返りして私を襲うべきなのです!」 「思うに、お前こそもっと学生らしい節度を身につけるべきだろ」  後輩はサタデーアフタヌーンフィーバーとでもいおうか、テンション最高潮だ。うなぎの食いすぎじゃないの かと思う。  というか、そもそも何故このタイミングでうなぎなのか。  などと考えてみると、そういえばと思い当たる節がある。  昨日の昼休みに校内放送された番外授...
  • チョlココロネと続かない夏
    チョlココロネと続かない夏  評判のパン屋で最後に残った誉高きチョココロネが奪われて近森ととろは不機嫌になった。  次の焼きたてが並ぶ時間はしばらくかかるし、悠長に待っているひまなどない。  ほんの迷った隙だった。チョココロネ狙いだったととろ、隣に並んだ明太子パンについ気を取られ、「あ」と言う差で アイツのトングに挟まれてしまった。奪ったアイツはぞんざいな扱いでトレーにチョココロネを滑らせる。学校帰りに極上の生地を 口一杯頬張りながら味わおうと考えていた矢先だった。ラスイチのチョココロネを買って帰る男子高校生の面倒くさそうにしている 素振りをととろは心底憎んだ。食べ物と恋の恨みはなんとやら。  「激おこぷんぷん丸なんだから!くーっ」  どうせならもっとうれしそうな顔をしろと奥歯を噛み締めるもの、敵はすでに店から姿を消して、パンの甘い香りだけが漂ってい...
  • 後輩とトラソルテオトルと焔のチョコ
    後輩とトラソルテオトルと焔のチョコ  ※ ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■  料理部からのお知らせ 20XX/2/1 【恋する乙女】やもり先生と☆手作り☆バレンタインチョコ教室【集まれー!!】  もうすぐ2月14日、そう、“バレンタインデー”! 「今年こそは、ずっと気になってたカレに本命チョコを渡して、誰もが羨むラブラブスクールライフを実現しち ゃうんだ~っ!」  ……な~んてベッドの中で都合のいい未来を妄想しながら胸を熱くしている、恋するおんなのこの諸君! せ っかくのバレンタインチョコ、手作りだったらもっと想いが伝わると思わない!? 「でもどうやって……? アタシお料理なんてできないし……いじいじ」  そんなイマイチ自信の持てないあなたに朗報アリ!  なん...
  • 幸せ撲滅運動放送編って誰得?
    幸せ撲滅運動放送編って誰得? 442 ◆G9YgWqpN7Y [sage] 投稿日:2009/10/04(日) 23 57 06 ID /heucr7n 「はい! 今日はお越しいただくのは、泣く子も黙るおバカ集団!  その実態は、カップル狩りと称して縁結びを行っていると噂の3人組です!」 二年の女子報道部部員(B72)はそうマイクに向かって話し、手を広げる。 その先からリーゼント、モヒカン、そして丸坊主の3人組が現れた。 「大型台だ。別に縁結びを行っているわけではない。単純に失敗してるだけだ!」 「中型那賀だ。カップルとは強敵。ゆえに挑む価値がある……」 「小型省っす。台さんがいうことは間違いないっす!」 そう自己紹介し、パイプ椅子に座る3人組 女子報道部部員(B72)はその言葉をにこやかに封殺し、先に進める。 「はい、以前から多かったおバ...
  • 発表会後の放課後に
    発表会後の放課後に 「みなさん、お疲れさまでした。カンパーイ!」 「カンパーイ!!」 演劇が終わって、片づけ終わり、後は皆でお祝い会。 ホールには茶々森堂等々からの差し入れや、近所のレストランから買ってきた料理や飲み物が所狭しと並べられている。 全員手にはジュースを持ち、代表として脚本も書いたあかねが乾杯の音頭を取っていた。 先生も参加では流石にお酒はでない……はずなのだが実は混ざっていたりする。 しかもそれが大里巧先生の仕業だったりするので、性質が悪い。 他の先生が気付いた時には後の祭り。 今回は黙っていることで解決とすると決めていた。 ついでに後で巧先生には説教すると真田先生が言っていたが、速効巧は逃げていたようだ。 それはともかく、お祝いの会はお互い大いに健闘を称え、非常に盛り上がっている。 そんな中、ある一角では、ぶちぶちと...
  • カップルウォッチャーととろ/夏の大三角形(後編)
    カップルウォッチャーととろ/夏の大三角形(後編)」 「そろそろか」  夜が来る。  腹ごしらえに握り飯を平らげた大型台は、親指を嘗めながら重たげに腰を上げる。  神柚鈴絵は呆れ果てて、とうにこの場を去ってしまっていた。今はたったひとり、神社の境内で許されざる者 どもを待ち続けている。 (いや、ひとりではないか)  頼もしい仲間たちもまた、この性の乱れ甚だしい街のどこかで戦っているに違いないのだから!  大型台は妙な感慨に浸りながら、空を眺めた。  天はあまりに高く、星はあまりに遠い。  西の夕陽に光のおよそすべてを浚われてしまったかのように、天幕は深海めいて青かった。魚たちの銀の鱗そ っくりに、小さな星がちらちらと瞬きだす。 「――」  あるいはそれは、芸術家肌と言われる彼の豊かな感受性のためだったかもしれない。大型台は、その荘厳...
  • 先輩、もし先輩が
    先輩、もし先輩が 「先輩! お昼にします? お風呂にします? それとも、わっ、わ・た、わ、たわし……?」 「恥ずかしがってどもっているフリで自分が混乱してどうする」  さて。  仁科学園は昼休みだが、俺の心はどうにも安らぎそうにない。  チャイムから十数秒、いつもの後輩が影より密やかに俺の背後に出現していたからだ。……この世に暗殺者業 界なんてものがあるとして、もし後継者不足に悩んでいるんだったら、この女あたりを強くお薦めしたい。  それでもそんな女の不意打ちのハグだかキスだかを躱せるあたり、俺も何だか何なんだろ……。  教室から石もて逐われる前に中庭に自主避難した俺は、ベンチの端に腰掛けて午後の鋭気を養う。もうすぐ夏 休みという時期で、暑気がひどかった。まだしも涼しげな木陰に移動しようかとも思ったが、季節的にカレハガ やマイマイガの毛虫がいないとも限らない。ド...
  •  後輩とアイスと最も単純な電気回路
    後輩とアイスと最も単純な電気回路  放課後の学生食堂は、太陽から昼下がりとそう変わらぬだけの光を得ていた。  夕陽に濃い赤が射すのを見るには、これからひと夏ぶんの時間を越えねばならない。 (んえ)  後鬼閑花は、ストローを口元から離して、ピンクの舌先をちろと出した。  パック入りのブラックコーヒーだ。酸味で口の中が縮み上がるかと思った。なんか納豆のような匂いまでする 気がする。猛烈にうがいと歯磨きがしたくなる後味だった。 (……ハズレを引きました)  もしこのとき隣に文芸部を仕切る“本棚の魔女”がいたなら、「安物だからさ」と笑ったかもしれない。愛し の“先輩”なら「酸味もコーヒーの味のうちらしいぞ」と言うだろう。  自動販売機のボタンを一列押し間違えたのだった。“先輩”の前でわざとスキを作るのとは違う、素では珍し い正真正銘のドジだ。 ...
  • 創作発表板避難所進出記念
    創作発表板避難所進出記念 「先輩、お待ちしておりました! まさに一日千秋の思いでした!」  斜陽の死角となる校舎裏に俺の姿を認めるや、腐れ縁の後輩は輝かんばかりの笑顔を浮かべた。  そんな彼女に俺は、じっとりと冷たい半眼で心の底からの呆れを、大股歩きで不機嫌さを演出しながら近づい ていった。 「……そんなことより何なんだよこれは……」  鼻先にA4サイズの紙切れを突きつけてやる。帰宅しようと思ったら下駄箱に入っていた、タチの悪い“ラブ レター”。乾いた糊でパリパリになったそれは、そよ風ていどではびくと もしない。  文面はこうだ。 『おまぇの工口カワィイ後輩は預かった。かェしてホしくば放か後ふつ―科こウしや裏まで1りで来られタし。 しやわせ撲滅運動』  新聞や雑誌を文字単位で切り貼りした怪文書だった。「輩」は大きさの違う「非」と「...
  • 小鳥遊さんの日常-1-
    小鳥遊さんの日常-1- 458 名前: ◆JOjO5CPwM2 [sage] 投稿日:2009/10/18(日) 11 59 21 ID 1TB4EwMM 「ただいまー」 静まりかえった一室に一つ、声が響いた。 けれどもそれに返事は無く、ただ若干響いた後、すぐその音は消え去る。 「…一日目…色んな事があったよな、うん」 彼、小鳥遊総一郎という男からしたら、今日一日はとんでもない事ばかりだった。 それは鷲ヶ谷和穂という少女との出会いである。 すぐに出会い、すぐに別れ、すぐにまた会う。 それが続く、本当に鷲の様な、でも見た目は小さな少女。 小鳥遊からしたら、無論あり得ないと言える。 あんなんは漫画や小説だけのキャラだと思っていた程の強烈な個性の持ち主だからだ。 「…ってか、あんな個性強いのと居ると俺、ネームバリューだけになっちまうんじゃ…いや...
  • 先輩、部活動見学です!(3)
    先輩、部活動見学です!(3) 400 名前:◆46YdzwwxxU [sage] 投稿日:2009/09/08(火) 17 50 23 ID HTfQE6R+  文芸部の部室は、文化系の部室棟ではなく、図書館からほど近い場所にあった。  書庫と役割を兼ねているようで、並立するスライド式の書棚が敷地のほとんどを占拠している。生き物のよう に歳をとって色褪せたハードカバーの谷間に、古い紙が発する梨にも似た甘い香りが漂う。  開かれた本棚の間。木製の脚立に腰を下ろし、少女がひとり本を眺めていた。評判に聞いた黒髪の艶やかさと 背を覆うほどの長さから、彼女が霧崎文芸部部長だと当たりをつける。 「ふむ」  ページの合わさる乾いた音がした。  読書を中断した少女は、入室者に切れ長の目を流し、余裕ありげに細めてみせる。 「我らが栄えある文芸部にようこそ。私が部長の...
  • 上原梢のミステイク!?
    上原梢のミステイク!?  放課後特有の心躍るざわめきが、仁科学園の廊下に満ちている。  温かな日光の差し込む窓は綺麗に磨かれており、リノリウムの床には埃一つ見当たらない。  この廊下を担当する掃除当番は、ずいぶん丁寧な人物なのだろう。  そんな気持ちの良い廊下の真ん中を、背の低い女子が部活へと向かっていた。 「うーん……」  両側で結んだツインテールが印象的な彼女はふと、その活発そうな顔立ちには似合わないような唸り声を上げる。 「どったの梢? 足が長くなる魔法でも考え中?」 「ちーがーうー。そんなの考えなくていーの! これから伸びるんだから!」  彼女――上原梢は頬を膨らませ、隣を歩く部活仲間をじっとりと睨む。  その様はハムスターのようで愛らしく、けらけらと笑われてしまうだけだった。  笑い声を溜息で流してやると、友人は笑みを呑み込んで梢を...
  • 上原梢のおせっかい
    上原梢のおせっかい  おいしっ!おいしい!  缶詰みかんがおいしい!ジューシーさと控え目な酸味がお口の中で見事に溶け合う奇跡だよ!  部活の後の疲れた体にあんまいフルーツは格別だよね!  あっ!わたし、上原梢だよ!仁科学園高等部一年生!薄茶のツインテールがきれいだねってよく言われるよ! あっ。自慢しちゃった!恋の相談があったらなんでも乗るよ!お金以外だったらね!  だーけーど、このみかん、まじ美味だし、これ教えてくれた閑花ちゃんぐっじょぶだし!  学校に来る途中に寄ったコンビニで偶然見つけて、迷ってる暇ないし、思わず買っちゃたんだよね。 でも、後先考えずに買っちゃたから、缶切りないのに気付いてとほほってたら、先輩さんが貸してくれたんだ!  真面目で公務員ちっくで、眼鏡がきっと似合いそうな男子だよ!そんな先輩さん……白馬の王子様が手を差し延べてくれたんだよ...
  • ダブルストップ
    ダブルストップ ――また、いる。  気配で分かる。分かり易すぎる。  後を、ぴったりとついてきている。 だんだんと慣れてきてはいるけれど、やっぱり気持ちが悪い。 “つけられている”という感覚。 ――いい加減にしてほしい。今日こそ、言おう。  心に固く決めて、電車に乗る。  電車の車内は、中途半端に混んでいた。 シートに掛けている人と人の間に、座れそうで座れない程度の隙間が目立つ。 ――少し詰めれば、もっと座れるのに……。 そう思っても、しょうが無い。そこに尻をねじ込むほどオバサンでもない。 けれど、車内には杖をついたお爺さんや子供を抱えた若いお母さんだっている。 ――どうして、想像力を働かせないんだろう? 詰めてスペースを作れば、彼らが座れる場所ができる。  一方で、別の可能性を考える。 ...
  • ネーミング
    ネーミング ●1 後鬼閑花対先崎俊輔 「先輩は昔は名無しも同然だったのに、先輩キャラがたくさんになってきて紛らわしいからって名前ついたんで すよね」 「メタ発言やめろ。ここでそんなんしてるのお前だけだぞ」 「でも安心してください。どんなになっても私の先輩は先輩だけです。そして私の将来の苗字も先崎以外ありえ ないです。先崎閑花ちゃん爆誕のお知らせ」 「お前それハンドルネームにして購買コムのレビューでやりたい放題やるのそろそろやめろよ」 ●2 近森ととろ対大型台 「大型台? あの木工やる部屋?にあるんじゃない?」 ●3 霧崎対黒鉄懐 「黒の一字のわりに、髪は金色なのだな」 「またまたぁ。霧崎様にしては抜けてるなぁ。黒が懐かしいって書いてるでしょ?」 「染髪代で懐の金を失うということじゃないのか」 「国テツ(かねへんに矢)ネタかよ」 ●...
  • ハロウィンの三人
    ハロウィンの三人 サイトウの場合; オレンジ色のケープを翻して、ネコ耳をつけた小学生くらいの女の子が走って行く。 今日はハロウィンだ。いつの間にか、クリスマスやバレンタインと同じくらいメジャーなイベントになったと思う。 本来は仮装するものだけど、一般の人はとんがり帽子をかぶるくらいがせいぜいだろう。コスプレイヤーじゃあるまいし。 子供は無邪気でいいなと思う。Trick or Treatの、TreatばかりでTrickが無い気がするけど、はた迷惑なイタズラは 勘弁だから良しとする。 その一方で、誰かが派手なイタズラをかましてくれないかな、とも思う。ふだんエラそうにしている連中に 一泡吹かせるような、痛快なやつを。 それを自分がするわけじゃない。誰かが大きなことをするのを期待して、それを見ている側にいる。 大きなイタズラって、なんだろう。 ...
  • 仁科学ライオン 第一話【バカですが何か?】
    仁科学ライオン 第一話【バカですが何か?】  カタカタとミシンの音がする。  狭い部室の床には型紙と細かい布切れがそこかしこに散乱している。この部屋の主は掃除をする暇も無い程忙しいのだろう。  ギシギシと椅子が軋む音がミシンの音に混じる。その椅子に座る人物はすっかり飽きてしまっていたのか、無意味に椅子を傾けバランスを取って遊びながら、缶コーヒーをずるずると下品に啜っている。  背中まで伸びる金髪のロンングヘアーが椅子と一緒に揺れている。その人物の人間性を表しているような着崩した制服のシャツと無駄に太い腕がプラプラと自由に動いて遊び回っている。  本来はこの部屋とは関係無いはずだが、その振る舞いはもはやそんな事は意にも介さない様子だった。  カタカタと音を立てるミシンを操る正規の部屋の主は、その態度にイラ付きを覚え、ついに重い口を開いた。 「アンタねぇ……」 ...
  • 先輩!わたし、妬いてますから!
    先輩!わたし、妬いてますから!  「先輩!水着です!夏です!え?夏なんて残すところもあと二週間?まだ二週間もあるんですよ!   ほら!見て下さい!わたし、閑花ちゃんの華麗なるビキニ姿を!黄色いフリルが胸元をキュートに演出してます!」  先輩こと先崎俊輔は困惑した。後輩こと後鬼閑花のビキニ姿が見えないのだ。  それもそのはず、閑花はきっちりと制服を身につけていたからだ。ただ、ブラウスの隙間からちらほらと見える 黄色い布切れが先崎を大いに不安の泥海へと陥れた。なのにも関わらず閑花は紺碧の海の輝きで先崎の腕に絡み付く。  ただでさえ暑い夏、目に入るものがゆらゆらと見える。それに加えて閑花の元気だ。むしろ……いらない。  「先輩!見えないんですか?おかしいですねー。はっ!分かりました!わたし、制服着てました!   だからですね!なるほどなるほど!じゃ...
  • 創作部日常風景3
    創作部日常風景3 「崇人、部室先いっちょってー。飲みもんこうてくるき」 創作部の部室を士乃と二人で目指していたが、士乃はそう言って食堂のほうへと走って行った。確かに「何か飲みたい」とは言ってみたが、性格上こんなに早く食いつくとは思わなかった。何か少し怪しい。 人の好意にいちいち難癖をつけるのは良くないと、自分を心の中で叱咤し一人で創作部部室に向かう事にした。 その創作部部室の前にたどり着き、秀逸な動きで部室のドアを開けた。 とたん、部室内には何かが蔓延しているかのような匂いがした。良く嗅いでみる。 「ん・・・これは・・・」 誰でも嗅いだ事のあるような、原始的な甘味の・・・・ 「わかった、芋だ」 「崇君正解~」 緩そうな声が聞こえた瞬間、口の中に何かを突っ込まれた。 一瞬、拍子に吐き出しそうになったが、堪えて良く噛んでみた。口に広がる芋...
  • 合宿わん!
    合宿わん!  「よっしゃ!わおー!絵皿できたよ!」  初めてだから不格好なのは承知だ。いきなり上手いヤツなどいない。  へりの曲がった絵皿の前で久遠荵はいっぱつ遠吠えをかましてみた。その傍らで出来の悪い妹を愛でるように荵を眺める 少女がニコニコと微笑んでいた。彼女は荵からして一つ上の浅野士乃。南国の訛りの効いた温かみのある労いの言葉をかける。  イヌの絵が描かれた未完成の絵皿は輝きの魔法をかけられるのを待つだけだった。  「上出来、上出来。あとは焼くだけやねや」   侘び寂びだらけにつくされる焼き物の世界も彼女らのて手に掛かれば、華やかなティータイムへと返信する不思議。  泥だらけの手を洗面器の水で洗いながら荵は「わんっ」と鼻を鳴らした。  「わたし、上手いですか?」  「焼いてみないと分からんけど、わたしのモンより上手に作ったら『めっ』や...
  • 無題05
    無題05 俺の名前は重利 挙(おもりあげる) 二科学重量挙げ部二年だ。 今日はトレーニーにとって一種の到達点であるベンチプレス100kgに挑戦する。 100kg‥‥なんていい響きだ。ようやく人に自慢出来る重量にたどり着いた。なんつっても言葉でも重さが解りやすいのがいい。うん。いい。 「お、ついにやるのかアゲル?」 「あ、上糸部長。お疲れ様です」 今話し掛けてきたのは重量挙げ部部長の上糸 命(うえいと みこと)。クリーン&ジャークでは全国レベルの実力を誇る。 「あんま無理すんなよ。ていうか失敗しろケケケ」 ‥‥この口の悪いのは同じく二年の中部伸「なかべしん) チューブトレーニングの達人にしてアゲルのライバル。 かくして、仲間達に見守られながら俺のベンチプレス100kgへの挑戦が始まった。 「よし、アップはこれくらいでいいか」 ...
  • 屋上のふたり
    屋上のふたり 532 名前: 屋上のあいつ ◆FhLepFtlNE [sage] 投稿日: 2009/07/23(木) 22 25 58 ID bXVSDaBG いつもの焼きそばパンとイチゴ牛乳(紙パック)を手に持ち、溜息を吐きながら俺は屋上への続く階段を昇る。 たくっ、この学校の連中は個性が強すぎるんだよ。ちょっとした連絡事項を伝えるだけでも疲れる。 職員室は何故か毎回騒がしいし、クラスメイトの奴らは漫画みたいに性格が濃い奴らばっかだ。俺みたいな特徴が薄い奴にはきついっつーの。 そんな存在感が空気の様な俺がゆったりと羽を休める場所。それが屋上だ。青い空と空気の間で俺は俺を保てる。 ドアノブに手を掛けると、いつもの「歌」が聞こえてきた。ガラスみたいに透き通った、それでいて芯の強さを感じさせる綺麗な歌声。 その歌声を邪魔する事無く、心地良い音色を響かせるアコース...
  • 先輩、部活動見学です!(2)
    先輩、部活動見学です!(2) 311 ◆46YdzwwxxU [sage] 投稿日:2009/07/29(水) 10 44 51 ID QBze2kp3 ――後輩の魂胆は分かっている。  部活動見学のついでに彼女気取りで俺を連れ回し、二人の関係を恋人同士だと周囲に誤認させること。ゆくゆく は既成事実化させることだ。  これまでにも幾度か、後輩の巧妙な誘導によって、俺達だけで出歩くという状況に陥ったことはあったが、そ れが油断も隙もない。この娘ときたら、これ見よがしに腕を組もうとするわ抱き着こうとするわ、挙句の果てに 首筋や耳……いやこれは忘れたい。 (忘れさせてくれ……)  落ちこむわー。  まあ、あれだ。多感な時期だ。そういう関係だと印象づけるには、いっしょに歩いていたとか、喋っていたと かいう事実だけでも充分すぎる。そこにスキンシップを織り交ぜら...
  • SENPAI,STAND‐BY!
    SENPAI,STAND‐BY! 「YO! YO!」 「!?」  放課後になるや、いつもの後輩がやって来た。そこまでなら、まあ、いつも通りなのだが。  異様だった。  ……ここまでもいつも通りか。思えば、この娘は毎回登場の度に一味違う異様さを提供してくれているような 気がする。  毎度のことなのでそれはもうだいぶん慣れたと思っていたのだが、そんな俺でも今日の後輩にはさすがに動揺 を禁じ得なかった。  劇伴音楽とダンス付きだったのだ。  彼女が肩に担いでいるのは、ラジオカセットレコーダー、いわゆる“ラジカセ”。カラーは高級感のある光沢 のワインレッド、なかなかのコンパクトさに、丸みを帯びた優美なフォルム。スピーカーからは心臓を突き上げ るようなサウンドが迸る。  内心で調子に乗りまくっていることが一目でわかる陶酔の表情。卸したて同然に綺麗な上履きのカカト...
  • ウエイトリフターミコト【センスと努力とリハビリ生活】
    ウエイトリフターミコト【センスと努力とリハビリ生活】 「フッッッ………!」  一人しか居ない部屋に声が響く。  改装されプラットフォームとゴムマットで覆われた床と、全身を映せる壁一面を支配する大きな鏡。  映るのは、パワーラックとその中で汗を流す一人の男だ。  上糸命は一人、重量挙げ部の部室でトレーニングをしている。  今は部活動全体の活動が演劇発表への協力という名目で少し自粛気味ではあるが、運動系はそうでは無い。ミコトもまたそうだった。  もっとも、部員であるアゲルや中部は大道具に駆り出され、マネージャーのロニコに至っては舞台へ立つというのだから、部として活動していうのは現在、ミコト一人である。 「ッッがっ……!!」  苦悶の声が漏れる。百五十kgに設定されたバネ鋼のバーベルはレップを重ねる度にしなり、知識が無い者が見れば折れてしまうのでは無...
  • 仁科学園の愉快な仲間たち
    仁科学園の愉快な仲間たち (※活躍中の学友たちの評判まとめてみた。ただし誇張表現をミスリードと見抜けないとテストでいい点を採ることは難しい) #カテゴリ(カテゴリの説明) #【人物の名前】……………人物の説明 #+ #【カテゴリの関係者】……関係者の説明 卓上同好会(卓上ゲームで生涯学習) 【加藤&田中】……………部長が加藤で副部長が田中。いつでも新入部員募集中。部じゃねーけどッ! お幸せに(ご愁傷さま先輩くん!) 【先輩(先崎俊輔)】……雑用万能のお人好し。掃除とかプリント運びとか、あとツッコミとか。 【後輩(後鬼閑花)】……放課後ストーカー。先輩に熱烈アプローチ中。名字はマジでシャレにならない。 カップル撲滅運動!(幸せカップルの心胆を寒からしめる恐怖の噂) 【大型台】…………………リーゼント。三人組のリーダー格...
  • 仁科学タイガー【魔女とコルク抜き】
    仁科学タイガー【魔女とコルク抜き】  いつも通りのはずだった。  お気に入りの窓際の席で、差し込む日の光を背中にし、器用に椅子に体育座りをして本を読んでいた。  このまま、下校のチャイムが鳴るまで、静かに本を読んでいる。そのはずだった。  黒金亜子は、目の前に立つ人物に気づいて、本を読み進めるのをぴたりと止めた。  誰だろうと思い、視線を上にずらして顔を覗くと、そのまま固まってしまった。  魔女の一撃。  一瞬で動きは封ぜられ、もはや視線をそらす事すら許されない。ただ、じっと目の前の魔女を見るほか出来ない。  向こうは亜子の目をじっと見て、腰に手を当て、反対の手で自分の顎をさすりながら、しげしげと亜子を観察していた。  おそらく背中を覆い尽くしているであろう、長い黒髪は、窓から差し込む光を反射し、僅かに動くたびにきらきらと輝いてみせた...
  • ととろと若葉
    ととろと若葉 近森ととろは普通科の小柄な少女が、仁科学園・中庭の植え込みに頭から突き刺さっているのを目撃した。 文字通り『蔭ながら』男女の色恋を観察しつつ、幸せを祈り、そしてちょっぴりお裾分けを頂く近森ととろ。 きょうもオペラグラス片手に、青くて淡い春を謳歌する若人たちが集まる学園の中庭に、一人でひっそりと潜んで いつものように校内のカップルをときめきながら、楽しくウォッチングしているときの出来事であった。 「だ、大丈夫?……ああ!ベンチの二人がいないっ!!こんな良いカップル、滅多にいやしないのに!ちくしょー」 ととろが地団駄踏んで悔しがる側では、少女は植え込みに刺さったまま、足をじたばたと動かしていた。 小さな枝を折りながら少女を救い出すと、ととろはその場から駆け出した学園の男女を惜しそうに見つめる。 『カップルウォッチング』に夢中になっているところに、通りかか...
  • あかねと百合
    あかねと百合 図書館の勉強机にて、演劇部所属の1年生・黒咲あかねは真っ白なノートを目の前にして、自分の才能に疑問を感じていた。 「久遠はどうしてあんなにきれいな脚本が書けるんだろう」 机の端に重ねられた資料は未だ乱れることなくきっちりと並び、買ったばかりの消しゴムも角を保ったまま、ノートと同じように眩しかった。 プロットを迫先輩から任された。こんなに嬉しいことはない。迫先輩のためなら、部員みんなのためなら、劇を見てくれる人のためなら、 誰もが劇を見た後にちょっと幸せになれるような、ささやかなストーリーが書きたい。だけど、幸せの糸を紡ぐことは苦しいこと。 言葉の糸車の針があかねの指にずきりと突き刺さる。痛いと言っていても、無情にも糸は何も織り成すことはない。 あかねの前の真っ白なノートにみんなの笑顔が浮かんでは消えてゆく。『期待』という言葉から耳を塞ぎたくなる。 放課後の...
  • 仁科学ライオン五話
    仁科学ライオン五話【最後の戦士】 「学校に来るなんてずいぶん久しぶりなんじゃない?」 「はい。すっかりオッサンです」 「あら、私から見ればまだ子供だけどね」 「大人の女性は好きですよ?」 「そーいう所が無ければ可愛いげあるんだけどねぇ?」  職員室。白壁やもりのデスクの前でやもりと話し込む男が居た。  身長は裕に二メートルはあろうかというその男は、どうやらやもりとは知った仲のようだ。 「……さて、とりあえず手続きは済ませたけど、復学は明日から?」 「はい」 「どうしてまた復学しようなんて思ったの? あなたならそのまま別の所に進学出来たはずよ。そうじゃなくてもやって行けたかもしれないのに」 「どうせ大学に行くなら仁科にしたいと思ってます。知った所ですから。でもそれなら仁科の高等部の卒業資格が要りますから」 「あらそう。でも夏休み前なんておかしな時期を選...
  • 仁科学ライオン第八話
    仁科学ライオン 【これも青春って事で】  台と懐は睨み合っていた。だが、お互いの目線は合っていない。それぞれがお互いの肩や腰の動きを注視していた。  片や現役のヤンキー、相対するのはプロレス愛好家。お互い戦い方はある程度心得ている。もっとも、お互い素人の域は脱していないのだが。  僅か数秒、動きの無い攻防の後。先制攻撃を仕掛けたのは台だった。  一歩だけ前に進み、長い脚を使っての前蹴り。台のリーチはやたらと長い。一歩進んだだけで爪先が懐の鳩尾まで届いた。  だが、一歩進むというモーション故か、予測されていた。  懐はそれをあえて受ける。受けて、その脚を両手でホールドした。  懐はそのまま前に倒れる。倒れつつ、身体を脚にまとわり付けるように回転させて行く。そして、地面に寝転ぶ。台を道連れに。  台の膝と股関節はその派手な間接投げによって捩り上げられダメージを受ける。...
  • 仁科学ライオン第九話
    仁科学ライオン第九話  第九話:【fate is driving hard】  太陽光線。ギラギラ光るアスファルト。  音。蝉の大合唱。  遥か彼方。にょきにょき伸びるでっかい入道雲。  夏でした。ただ生きるのも辛い程の気温の高さ。アイスクリームは買った側から液状化。冷たいジュースは駆け足で生温く。  夏真っ盛り。そして、青春ど真ん中の少年少女がわくわくする季節。  屋上。人っ気無し。否。二人組だけ。  一人は額に絆創膏。顔は青アザ。敗れ去った後。  もう一人は珍しいリボンの結び方した女の子。 「……元気だせよ」 「……」 「なんか言え」 「……。ひ~ほえほえ」 「言うに事欠いて何言ってんだ」  懐とととろは相変わらずのデバガメ行為の真っ最中だった。  約一名が珍しく大人しいのでいつも通りとは行かないが、オペラグラスは変わらず幼い愛...
  • 幸せ撲滅運動解散編?
    幸せ撲滅運動解散編? 485 名前: ◆G9YgWqpN7Y [sage] 投稿日:2009/11/07(土) 10 22 44 ID eIjF7iw6 夕暮れの放課後、人気のない校舎裏に一組の男女が向き合っていた。 少年の方は極めて真剣な顔をして少女に向い、 少女は手を胸元で組み合わせ、少年を見つめている。 少年はごくりと唾を飲み込み、緊張で若干震える口を開く。 「俺……君の事が好きなんだ……!  この気持ちを言葉で伝えようと思ってもうまく言えない……  だから、ストレートに言うよ。……俺と付き合ってください」 その言葉に少女は顔を真っ赤にし、うつむき――そして顔をあげ少年を見る。 少女の唇が動く。 「はい……私もあなたが好きで――」 「ちょっと待ったああああああああ!!」 突如、複数の足音が聞こえたと思うと、怒号とともに...
  • カップルウォッチャーととろvs.幸せ撲滅計画(2)
    カップルウォッチャーととろvs.幸せ撲滅計画(2)  ※  前回のあらすじ!  カップル狩りが好きなごく不良の高校生、大型台、中型那賀、小型省。彼らを取り巻く暗黒学園生活。だがそ れはデバガメ少女の心に生まれた小さな歪みによって一変してしまう。  学園を襲う突然の異変。俺達が目覚めたそこは、見知らぬ戦乱の異世界だった。 「お前嘘つけよ」  ※ 「謎の美少女戦士、カップルウォッチャーここにあり!」 「近森さんか。今は危ないから――」 「謎の美少女戦士ッ!!」  訂正とともに足が出た。止せばいいのに余計なことを口にした先輩の脇腹を、不意打ち気味の一撃が抉る。今 更恥や外聞を思い出したらしく、照れ隠しこみのその破壊力は凶悪だった。 「げふー!?」  冗談のように吹き飛ばされる先輩。校舎の壁に強かに後頭部を打ちつけて静...
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