出木杉くんの言うとおり! ◆7RGbmc1fRg
現在、出木杉と志布志は進路を北西へと取っている。
情報交換と施設の検分のため、ひとまず温泉旅館を目指していた彼らだが、先刻聞こえた若い男の悲鳴により、その予定は変更せざるを得なくなった。
出木杉の友人ならば小学生らしくもっと泣きわめくだろうし、志布志が知る球磨川禊はあんな情けない声は出さない。
とすれば思い当たる人物は人吉善吉か。
志布志にとっては生徒会戦挙で争った相手であるが、それも今は昔。
黒神めだかの幼馴染である善吉は信用に足る男だし、そのスキルも体術も戦力として申し分ないことは志布志も知っている。
つまり過去のことを水に流し、協力することも志布志としてはヤブサカではないのだ。
情報交換と施設の検分のため、ひとまず温泉旅館を目指していた彼らだが、先刻聞こえた若い男の悲鳴により、その予定は変更せざるを得なくなった。
出木杉の友人ならば小学生らしくもっと泣きわめくだろうし、志布志が知る球磨川禊はあんな情けない声は出さない。
とすれば思い当たる人物は人吉善吉か。
志布志にとっては生徒会戦挙で争った相手であるが、それも今は昔。
黒神めだかの幼馴染である善吉は信用に足る男だし、そのスキルも体術も戦力として申し分ないことは志布志も知っている。
つまり過去のことを水に流し、協力することも志布志としてはヤブサカではないのだ。
悲鳴の聞こえた方角へと駆けながら、志布志は自分の隣を駆ける少年、出木杉を見やる。
小中と少年野球に打ち込んだ過程から、それ相応の脚力を持つ志布志に小学生の出木杉が問題なく着いてきている。
もちろん志布志も息が切れるほどの速度を出しているわけではないが、高校生の走りに小学生が着いてこれるなど、果たして『普通』だろうか?
小中と少年野球に打ち込んだ過程から、それ相応の脚力を持つ志布志に小学生の出木杉が問題なく着いてきている。
もちろん志布志も息が切れるほどの速度を出しているわけではないが、高校生の走りに小学生が着いてこれるなど、果たして『普通』だろうか?
「――っとストップ、出木杉くん。どうやらここらしいぜ」
志布志が土煙を上げながら急停止し出木杉を制止する。
彼女の過負荷の性質上、自分の臭いのように嗅ぎなれたものがここにある。
月明かり以外に照らすものはないが、余計なものがない分より志布志の五感は研ぎ澄まされていた。
臭いの発生源となっていた赤いそれは草の上に広がっており、志布志は膝をつき指にとって擦る。
彼女の過負荷の性質上、自分の臭いのように嗅ぎなれたものがここにある。
月明かり以外に照らすものはないが、余計なものがない分より志布志の五感は研ぎ澄まされていた。
臭いの発生源となっていた赤いそれは草の上に広がっており、志布志は膝をつき指にとって擦る。
(血はまだ乾いてねぇ……ってことはそう遠くまで行ってないみたいだな)
恐らくこの血痕を残したのが悲鳴の主であろう。
だが声の主が善吉であるという保証もないし、志布志にはその行く先も単純に病院くらいしか思いつけない。
だが声の主が善吉であるという保証もないし、志布志にはその行く先も単純に病院くらいしか思いつけない。
「案外こいつもうどっかで死んでたりしてな」
「いえ、志布志さんそれはありえませんよ。
出血も致死量には達していませんし、血が点々と続いているわけでもない。
多分出血後にすぐ止血したんだと思います」
「いえ、志布志さんそれはありえませんよ。
出血も致死量には達していませんし、血が点々と続いているわけでもない。
多分出血後にすぐ止血したんだと思います」
志布志が軽ーく言い放った予想に出木杉は理路整然と異論を述べる。
正直志布志にとってはこの被害者が死んでいようがいまいがどっちでもいいのだが、面白いのでもう少し出木杉に続けさせる。
正直志布志にとってはこの被害者が死んでいようがいまいがどっちでもいいのだが、面白いのでもう少し出木杉に続けさせる。
「へー、ほー。じゃあ出木杉くぅん、あたしたちはどうする?」
「襲われた人は病院に行くと思いますから、僕達もそこに行きましょう。ここから近いですし、他に怪我をした人が集まりそうですから。
ただここで負傷した人が、『加害者』であった時は少し困った事になりますね……。
加害者が思わぬ反撃を受けて負傷、病院で治療しつつ他の参加者を待ち伏せるというのがありますから……」
「襲われた人は病院に行くと思いますから、僕達もそこに行きましょう。ここから近いですし、他に怪我をした人が集まりそうですから。
ただここで負傷した人が、『加害者』であった時は少し困った事になりますね……。
加害者が思わぬ反撃を受けて負傷、病院で治療しつつ他の参加者を待ち伏せるというのがありますから……」
しかしそれでも出木杉の気持ちは病院へと傾いている。
ここで誰かが襲われ、その人は今も病院で助けを求めているかもしれないのだ。
危険は承知だが、そんな人達を見捨てることはできない。
子どもらしい純粋な正義感だが、志布志はそれを危うくも思う。
ここで誰かが襲われ、その人は今も病院で助けを求めているかもしれないのだ。
危険は承知だが、そんな人達を見捨てることはできない。
子どもらしい純粋な正義感だが、志布志はそれを危うくも思う。
「あたしも肉弾バトルは望むとこだけどさー、相手が拳銃とか持ってると流石にきちーんだわー。
それに病院って怪我人も集まるかもしれないけどそれを狙った奴らも集まりそうじゃん?
チャンスもあるかもしれないけど、リスクもそれなりにデカいと思うぜー」
それに病院って怪我人も集まるかもしれないけどそれを狙った奴らも集まりそうじゃん?
チャンスもあるかもしれないけど、リスクもそれなりにデカいと思うぜー」
だからこうしてある程度の予防線は張っておく。
出木杉はよく頭の回るやつだ。運動もできる。この状況でも落ち着ける胆力もある。
こうして他人のことも考えられるんだ、きっと学校では優等生だったんだろう。
出木杉英才は異常に慣れた『特別』だ。だがその精神性は『普通』のそれに近い。
優れた能力を持ち異常な経験をしているにも関わらず、その感覚は一般と剥離していないのだ。
だから志布志を危険に晒すことで出木杉の気持ちは揺らぐ。
出木杉はよく頭の回るやつだ。運動もできる。この状況でも落ち着ける胆力もある。
こうして他人のことも考えられるんだ、きっと学校では優等生だったんだろう。
出木杉英才は異常に慣れた『特別』だ。だがその精神性は『普通』のそれに近い。
優れた能力を持ち異常な経験をしているにも関わらず、その感覚は一般と剥離していないのだ。
だから志布志を危険に晒すことで出木杉の気持ちは揺らぐ。
「例えば学校とかに行くのもありなんじゃねーの?
出木杉くんの友達ののび太くんとか来るかもしんないしさー。
あたしも学生繋がりで黒神とか球磨川さんに会えるかもしんないし。
別に当初の予定通り旅館に向かったっていいんだぜ?」
出木杉くんの友達ののび太くんとか来るかもしんないしさー。
あたしも学生繋がりで黒神とか球磨川さんに会えるかもしんないし。
別に当初の予定通り旅館に向かったっていいんだぜ?」
可能性は提示した。あとは出木杉の判断に委ねる。
志布志飛沫は、自分が頭を使うことにも、リーダーシップを取ることにも向いていないと知っている。
野球チーム時代は一度もキャプテンになったことはないし、元から頭脳労働より喧嘩やスポーツのほうが好きなのだ。
出木杉英才は『特別』かもしれないが、まだまだ子供。
『過負荷』の自分は人間がどこまで下劣で低俗で卑俗になれるかを知っている。
出木杉はそれを知らない。人間がどこまで醜くなれるのかを。
もしかしたら知識としては知り得ているのかもしれない。だが10年程度の人生しか歩んでいない出木杉には真の意味でそれを理解出来ないのだ。
だって体験しなければどうにもならないことなのだから。
志布志飛沫は、自分が頭を使うことにも、リーダーシップを取ることにも向いていないと知っている。
野球チーム時代は一度もキャプテンになったことはないし、元から頭脳労働より喧嘩やスポーツのほうが好きなのだ。
出木杉英才は『特別』かもしれないが、まだまだ子供。
『過負荷』の自分は人間がどこまで下劣で低俗で卑俗になれるかを知っている。
出木杉はそれを知らない。人間がどこまで醜くなれるのかを。
もしかしたら知識としては知り得ているのかもしれない。だが10年程度の人生しか歩んでいない出木杉には真の意味でそれを理解出来ないのだ。
だって体験しなければどうにもならないことなのだから。
「まっ、急がないからちっと考えてみな。あたしは出木杉くんの決めた通りにすっからよ」
決定権を丸投げされ思惑する出木杉を気にすることもなく、志布志飛沫はすこぶるいつも通りだ。
おお、少年少女よ大いに悩め。そして大人よ今更悩むな。
そんな誰の言葉かも忘れた句を思い出しながら、再び志布志は例の血溜まりへと目を向ける。
そこに何かあるような気がして、そしてそこに実際何かあったから。
月明かりにチラリと照らされ、血でヌメった草にこびりついていたのだ。
志布志は腰を折り、それをつまみ上げる。
おお、少年少女よ大いに悩め。そして大人よ今更悩むな。
そんな誰の言葉かも忘れた句を思い出しながら、再び志布志は例の血溜まりへと目を向ける。
そこに何かあるような気がして、そしてそこに実際何かあったから。
月明かりにチラリと照らされ、血でヌメった草にこびりついていたのだ。
志布志は腰を折り、それをつまみ上げる。
(黒髪……か。この長さだと多分女か。ちゃんと手入れしてるっぽいし)
この髪の持ち主は誰だろう? 志布志の知る長髪の女性は江迎怒江と黒神めだかの二人だが、江迎とは髪質と髪の色が違う。
癖のない綺麗な黒髪。
思い当たるのは黒神めだかだ。しかし黒神が殺し合いに乗るとも、不覚を取るとも思えない。
ならばこれはまだ見ぬ参加者のものということになる。
長髪の、癖のない、黒髪の女。
この髪の毛の持ち主が被害者か、加害者かはまだ分からないが警戒しておくに越したことはないだろう。
拾った髪の毛をデイパックにしまうと、志布志は振り返る。
癖のない綺麗な黒髪。
思い当たるのは黒神めだかだ。しかし黒神が殺し合いに乗るとも、不覚を取るとも思えない。
ならばこれはまだ見ぬ参加者のものということになる。
長髪の、癖のない、黒髪の女。
この髪の毛の持ち主が被害者か、加害者かはまだ分からないが警戒しておくに越したことはないだろう。
拾った髪の毛をデイパックにしまうと、志布志は振り返る。
「そろそろ決まったか、出木杉くん?」
「……はい、志布志さん。僕は――――」
「……はい、志布志さん。僕は――――」
【B-7 西部/1日目・黎明】
【天才と過負荷】
【出木杉英才@ドラえもん】
【状態】健康
【装備】普段着
【持ち物】支給品一式、ランダム支給品1~3
【思考】
基本:殺し合いには乗らない
1:僕が選ぶ行く先は――――。
2:まずは情報がほしい
3:ドラえもんたちと合流
【備考】
※めだかボックスの世界の事をおおまかに理解してます
※ドラえもんがなんらかの形で関わってるかもしれないと思っています
※出木杉の選ぶ行く先は次の書き手に任せます。
【状態】健康
【装備】普段着
【持ち物】支給品一式、ランダム支給品1~3
【思考】
基本:殺し合いには乗らない
1:僕が選ぶ行く先は――――。
2:まずは情報がほしい
3:ドラえもんたちと合流
【備考】
※めだかボックスの世界の事をおおまかに理解してます
※ドラえもんがなんらかの形で関わってるかもしれないと思っています
※出木杉の選ぶ行く先は次の書き手に任せます。
【志布志飛沫@めだかボックス】
【状態】健康
【装備】普段着
【持ち物】支給品一式、ストッキングの髪の毛、ランダム支給品1~3
【思考】
基本:殺し合いには今の所は乗らない
1:出木杉くんの決めた通りにしてやんよ。
2:球磨川さんたちと合流したい。黒神でもいいや
3:黒髪(多分女)の参加者は警戒しておく。
4:平戸?だっけ?ぶっ飛ばす
「備考」
※ドラえもんの世界の事を聞いたけど理解に対しては曖昧です
【状態】健康
【装備】普段着
【持ち物】支給品一式、ストッキングの髪の毛、ランダム支給品1~3
【思考】
基本:殺し合いには今の所は乗らない
1:出木杉くんの決めた通りにしてやんよ。
2:球磨川さんたちと合流したい。黒神でもいいや
3:黒髪(多分女)の参加者は警戒しておく。
4:平戸?だっけ?ぶっ飛ばす
「備考」
※ドラえもんの世界の事を聞いたけど理解に対しては曖昧です
【ストッキングの髪の毛】
ストッキングとパンティが交戦した際に抜け落ちたか斬られたと思われるもの。
キューティクルの施された癖のない一本の長い黒髪。
ストッキングとパンティが交戦した際に抜け落ちたか斬られたと思われるもの。
キューティクルの施された癖のない一本の長い黒髪。
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