概要
フェローとは
フェローは、PCと対等な立場でともに冒険する仲間NPCの事です。
その行動はPLが担当しますので、扱いを容易にするためその能力は制限されています。
フェローの目的
このルールの目的ですが、少人数卓で「手数を増やす」のが4割、「NPC運用にPLを参画できる枠組みを作ったら盛り上がるんじゃないか」という実験が3割、「ボク専用のヒロインを侍らせたい」が3割です。
なので、上記にティンとこない卓なんかではむしろ弊害が大きくなる可能性もあるので、導入してくれる有難い方がおられたら、ご一考ください。
ちなみにキャラ本人の目的はまあ色々じゃないですかね。
キャラクターの分類
オーダラー
フェローはその扱い上、データを管理するPLが必要です。
これを「注文をつける人」という意味で、オーダラー(Orderer)と呼びます。
オーダラーはフェローのデータを扱いますが、演じる部分を担当すると決まった訳ではありません。
これはフェローが一番会話する相手はオーダラーのPCであろう、という想定に基づくものです。
OC/オーダラーキャラクター
オーダラーが担当するキャラクターの事です。
FC/フェローキャラクター
フェローのキャラクターの事です。
全てのフェローは、一人のOCと紐付けられています。
フォワードFC
戦闘の際、文字通り前に出て一緒に戦うフェローです。
PCに似た(同じではない)パラメータを持ち、戦闘時にPC同様にコマとして行動します。
フォワードFCはほぼPCと同じパラメータを有しますが、基本的に加護を有さず、MPも管理しません。
FCが特技を使用したら、代償のMPはOCが支払います。
バックアップFC
後方支援をしたり、PCのモチベーションとして機能して手助けするフェローです。
特に特技等で戦闘値を持つ事が出来る場合を除き、基本的にはエキストラとして扱われ、特技等もルール上はOCが使用します(なので代償もOCが支払います)。
フェローキャラクターの作成
クラスの選択
フェローはクラスを1つしか持っていません。
フォワードにはフォワードの、バックアップにはバックアップの専用のクラスがありますので、1つ選んで取得して下さい。
■フォワードクラス一覧
■バックアップクラス一覧
フェローのレベル
フェローは紐付けられたOCの総合レベルと同様のレベルを持ちます。
能力値・戦闘値・副能力値の決定(フォワードFCのみ)
能力値
[取得したクラスの値]*2+5 の能力基本値を持ちます。
フリーポイントはありません。
能力値の算出はPCと同じです。
戦闘値/副能力値
取得したクラス毎の戦闘値表を見ながら、PCと同様に算出して下さい。
※……と思っていたのですが、クラスが一つだと戦闘値がどうしても低くなりがちな事に気がつきました。
応急処置的な対策として、フォワードFCは戦闘値に合計+3のボーナスを得られるものとします。
この数値は一つの戦闘値に集中してもいいですし、二つ/三つに分散して割り振っても構いません。
このボーナスは、プリプレイに割り振り直すことも出来ます。
特技の取得
クラス付属の自動取得特技を全て取得します。
加えて、FC用共通特技を3つ任意で選んで取得します。
フェロー用特技には、「種別:職」と「種別:種」という二つの種別が追加されています。
「種別:職」はフェローにクラスのイメージを付加する為のもので、同名クラスを取得できないレギュレーションでは基本的に取得する事が出来ません。
「種別:種」はフェローに種族のイメージを付加する為のもので、同名クラスを取得できないレギュレーションでは基本的に取得する事が出来ない他、この種別の特技を複数取得する事も出来ません。
いずれの場合も、これらの特技は「イメージを付加する」為のものであって、キャラクターの背景等でクラス/種族であるという設定をつける為の条件ではありません。
特にレギュレーションやGMの思惑等で制限されない限りは、自由に設定して下さい。
アイテムの購入
フォワードFCは、50点の購入ポイントを得て、PC同様に取得します。
バックアップFCは基本的にアイテムを持ちません(OCにアイテムを提供する事はあります)が、ベースキーパーとドライバーに限り、専用のアイテムを取得できます。
管理情報の明記
プロフィール
キャラクター名、性別は必ず決めて下さい。
人間以外の種族であるなら、それも明記します。
正確な年齢を決める必要はありませんが、大まかに周囲のキャラクターが「年上か年下か」判断できるような情報は書いておくといいでしょう。
外見年齢と実年齢にギャップがあるなら、両方を明記しておくことをお勧めします。
OC
全てのフェローは、一人のキャラクターをオーダラーとして持ち、行動の決定等は全てオーダラーと同じプレイヤーが担当します。
フェローは特に行動内容の決定とロールを別の人間が担当することを想定しているので、明記して印象付けしておきましょう。
ロール情報
ロールプレイをする上で指針や目安となる情報です。
TRPGにおいてキャラクターをどう演じれば良いかの指針は、本来不要なものです(あれば便利という事は勿論大いにあります)。
何故ならば、そのキャラクターを生み出した人間が、そのままキャラクターを演じますし、参加者の性格や組み合わせを見ながら詰めていくスタイルを阻害する場合もあるからです。
ですが、フェローというキャラクターは基本的に、「キャラクターを生み出した人間」と「演じる人間」は別々になります。後者に至っては複数います。
ある程度「相手に任せる」という姿勢も大事でしょうが、それでもキャラクターは一つのある程度統合された人格を持ち、文字通りキャラクターとして活動します。
ですから、生き生きと演じてもらうための指針が必要になるでしょう。
以上の理由より、「ロール情報」という項目を用意し、ロール上での指針とできるようにしました。
一応、「こういうのはどうかな」というものを載せておきますが、プレイグループ毎にイメージ共有できる方法があるならそれを用いて下さい。
その他
フェローはクエスターなのか?
基本的に自由に決めて下さい。
ただし、フェローがクエスターだろうと、非クエスターだろうと、性能に変化はありません。
クエスターと設定した事でブレイク可能になったり、ゲーム中にデータとして現れる形で「加護」が追加される事はありません。
非クエスターと設定した事で《シールエリア》の影響を受けたり、hpが0になる事で即死亡する事もありません。
フェローの運用
フェローの意志決定権
「GM預かり」になっている時を除き、行動内容の最終的な決定権は、オーダラーが持っています。
パーティが一丸となって冒険したり戦闘したりする時の行動宣言やダイスロールは、全てオーダラーが決定します。
オーダラーはフェローの性格やそれまでの演技の内容を加味しつつ、フェローの行動を決めてください。
注意して欲しいのですが、オーダラーが命令している訳ではありません。勿論そういう場合もあるでしょうが、基本的にPCが自分の意志で行動するのと同様にフェローも自分の意志で行動しています。
フェローはPC達と同格ですから、捨て駒のような扱いを受ければ反発するでしょう。
同時にPCと同程度に連帯感を持ち、時には仲間の為にリスクを負う事も厭いません。(PCがフェローを無碍に扱うなら、フェローからPCの態度も“同程度”になる事でしょう)
フェローの登場
フェローの場面への登場は、基本的に「OCと同行」という形で扱われます。
ただし、特にオーダラーが望む場合には、フェローを除外する事が出来ます。
シナリオの都合やプレイヤーの思惑が絡む時には、オーダラーのPCと同様に扱うものとします。
※ヴィークルでの登場
ヴィークルに乗ったPCやフェローが登場した時、一緒に登場したキャラクターは「同乗状態」で登場する事を選択できます。
ただし、ヴィークルの搭乗者の同意が必要で、それが得られない場合には「同乗」して登場する事は出来ません。
シナリオの都合等がある場合には、GMが適宜変更して構いません。このルールがあるからといって、巨大戦艦を舞台にしたシーンは必ず乗り込むところから……とかする必要はないです。
フェローの退場/戦闘不能/死亡
フェローの退場は、基本的にPC同様の制約を受けつつ、オーダラーの任意とします。
自由に決めていい場面なら自由に退場できますが、戦闘時など退場地点が指定されているならそこまで移動しなければ退場できません。
フェローはPCと異なり、基本的に「ブレイク」する事が出来ませんが、戦闘不能になったなら、例外的に自由に退場させる事ができます。
この宣言は判定やダメージロールの最中でなければ、いつ行っても構いませんので、《イドゥン》等で復活する可能性があるなら戦闘不能のままシーンに残しておく事も出来ます。
同様に、「とどめ」を刺されてしまいそうだと判断したなら、(その宣言がなされる直前までに)割り込んで退場させる事も出来ます。
フェローが戦闘不能/死亡状態になった時の扱いもまた、PCと同様です。
フェローの演技
フェローを演じる権利は、そのセッションに参加している全員が有していますが、基本的にオーダラー以外が演じることを想定しています。
オーダラーには、フェローの行動を決定する役目と、フェローと会話する役目があるからです。
フェローのデータや性格はオーダラーが決定しますので、演じるGMやプレイヤーはそれを元にして下さい。
オーダラーは周囲が演じやすいように、過不足なく分かりやすい資料を用意しましょう。
担当者が複数いる以上、発言が互いに矛盾してしまう事もあるでしょうが、そのような場合には下記の優先順位で「実際どう振舞ったか」を決定して下さい。
フェローの演技の優先順位:オーダラー以外のPL>GM>オーダラー(PL同士で食い違ったら、GMから見て発言が早い方が優先します)
フェローを演じる際の注意
フェローを演じるのは、多くの場合「作ったのとは別の人」です。
そんなものを演じるのは難しく、ついつい抑えがちになってしまう場合と、作り手の意図を度外視して自分に面白おかしく暴走させてしまう場合が多くあるでしょう。
拒否権とGM預かり
フェローの行動・ロールについてGMは「拒否権」を有しています。
GMはフェローがあまりに「性格」を無視した扱いや、捨て駒のような不条理な扱いを受けていたら、それらの行動を「拒否」し、一時的に「GM預かり」とする事が出来ます。
あるいは掛け合いや話の流れでフェローが一時的にPCと利害を共有できなくなった等の時も、「GM預かり」を宣言できます。
GM預かりになったフェローは、演技も行動宣言も全てGMだけが行います。
GMは適当と判断したタイミングで任意に「GM預かり」を解除し、演技を全員に、行動宣言をオーダラーに返す事が出来ます。
ただし、フェローはあくまで「オーダラーの為のNPC」です。
ある程度愛着や思い入れを持つのはいい事ですが、GMは「うちの子が~」とか過剰に入れ込まないよう自戒して下さい。
特別な運用
シーン登場の都合手持ち無沙汰なプレイヤーがいる等、特別な状況では、フェローの行動を全て誰かに任せるような運用をしても構いません。
テクニック的な話
ルールではないけど有効だよって話。考え中。
- 確定事項は明記/キャラシに追記していく
- 「充分な情報を与えたら後は自由」が理想なので、その為にどういう方法があるか?
追記・特殊ルール
ベースの登場について
ベースキーパーはバックアップFCですが、ベースをヴィークルとして搭乗したゲストキャラクターとして戦闘値を持ち、シーンに登場する事が出来ます。
GMが要請した場合にはノーコストで登場でき、反対に禁止した場合はどうやっても登場できません。
それ以外の場合は、特技を使用することで登場できます。
ベースには同乗できる人数には(ゲーム内で常識的な範疇では)上限がありません。
ベース装備は、基本的に搭乗者が装備しているものとして扱いますが、武器としてのデータを持つものは、搭乗者が許可した場合には同乗者が装備しても構いません。
ベース装備には装備部位はありませんが、武器としてのデータを持つものは武器として扱い、装備変更できます。ベース装備をベースから持ち出す事は出来ません。
※このルールは、シナリオのギミックなどで、敵に奪われたり、反対に敵のベース装備をPCが奪ったりする状況をGMが用意する事を禁止するものではありません。
ベースの登場に関する指針
※これはルールではありませんが、実際運用する際の一助として利用して下さい。
ベースは(その分類の中では小型ですが)非常に大きなヴィークルあるいは施設です。
例えば学校の教室が舞台になるのに、教室より大きな飛空艇が乗り込んできて縦横に飛び回るのはおかしいですから、登場に関してはそれなりに制約が掛かるのはおかしな事ではないでしょう。
そのような前提の下、ヴィークルとしての「ベース」は登場に制限を受ける代わりに非常に強力なものとして設定されています。
せっかく作ったデータがあまりにも活躍の機会を得られないのは寂しいですから、GMはそれなりに配慮した方がいいですが、PLも当然の権利として毎度活用できると妄信しない方がいいです。
ドライバーの登場について
ドライバーは基本的に、ヴィークルを装備でき、特定の特技を使用できる以外はエキストラとして扱います。
ドライバーはOCを同乗状態で乗せる事を想定していますが、オーダラーの同意がある場合には、別PCを同乗させても構いません。
特にシナリオギミック等で例外処理を設ける場合を除き、ドライバーは攻撃や特技の対象とはなりません。
また、当たり前の事ですが、ヴィークルはそれなりの大きさを備えたものですから、(ベース程ではないにせよ)登場に何らかの制約を受けるという状況はありえます。
登場できない場合、ドライバー専用特技や移動に関連した特技は使えませんが、それ以外のFC共通特技はOCが取得しているものとして使用する事が出来ます。
ロールプレイ評価(選択ルール)
考え中。ロールプレイが盛り上がるように、ロールすると得な仕組みがあるといいね。
フェローの成長
リビルド
フェローは単機能特化のパラメータを持っていますが、これはフェローが持つ側面の一つであると考える事も出来ます。
ベースキーパーをやっているフェローは実はガンナーとしても見事な腕前を持っているかもしれません。
あるいはずっとバーデンとしてヒーローの心の支えでしかなかった少女は、ある時覚醒して戦う力を手に入れるかもしれません。
まぁぶっちゃけてしまうとそんなものは単なるこじつけで、面子の都合や、単純に飽きたとかで、フェローのデータを変更したいという時はあるはずです。
キャラクターが成長する事が出来るタイミングで、フェローはデータを変更する事が出来ます。
同じフェローがリビルドで変更出来るのは、パーソナリティ以外の全てです。
クラスから変更して構いません。
レベル
フェローの総合レベルは、OCのそれと同じです。
フェローはクラスを1つしか持ちませんので、フェローのクラスレベルは総合レベルと同じになります。
OCが成長するたびに、フェローの総合レベルもあわせて変更して下さい。
経験点
フェローはそれ以外に、([総合レベル-3]*3)点の経験点を持っています。
この点数を自由に割り振って、汎用特技やアイテムを取得して下さい。
フェローは基本的に、PCと同条件でアイテムや汎用特技を取得できます。
ロール情報の変更
いわゆる成長とは違いますが、一度決めたロール情報を後から変更する事も出来ます。
付加情報や台詞口調は自由に追加したり削ったり変更したりしても構いませんが、行動原理の個数だけは3つから増やしても減らしてもいけません。
変更するタイミングや変更の指針については、変更理由によって異なるでしょうから、下記にそれぞれ別記しておきます。
失敗したなーって時
設定したロール情報が意図とずれていてうまく伝わらなかった時、あるいはよりイメージに合っていてそれを共有しやすい設定が見つかった時に、ロール情報を変更する事が出来ます。
少なくない人が「解釈で何とかしよう」と考えがちな事ですが、ロール情報の意義は「不特定多数が同じキャラクターを演じやすくする事」ですから、どんどん変更してしまう事を推奨します。
同様に、設定したキャラクター性自体が演じにくかったり、プレイの邪魔になったりする事が実際に動かしてから発覚するというのもよくある話です。
そのような場合も、無理に通すよりはキャラクター性自体を変更し、同時にロール情報も変更してしまう方がいいでしょう。
このような場合の変更は、あまりにプレイを阻害している場合にはシーンの合間にでも適用して構いませんが、基本的にはアフタープレイやプリプレイに行います。
どのようにしたらよりよくなるのか、話し合いながら決めていって下さい。
キャラ自体が変化した時
冷徹一辺倒だったフェローが、OCの優しさに触れて感情を取り戻したとか、ツンツンだったヒロインにデレ要素が入ったとか、メインプレイ中のロールがツボったのでちょっと変えたくなったとか。
そういう事ってあると思います。
これはほぼほぼオーダラーが提案し、GMが承認する形で適用されます。
変更内容に関しても、オーダラーが作成し、GMの承認を受けて下さい。
タイミングは、例外はあってもいいですが、アフタープレイやプリプレイが良いでしょう。
懲罰
あまりあって欲しくないですが、あまりに不快なプレイをしたとかで、フェローのロール情報が変更されるという事も時にはあるでしょう(「嫌われる」と言い換えてもいいかもしれません)。
そのような時は、GMが宣言し、即座に変更がなされます。
……が、そうするよりも、いっそセッションを中断して話し合いでもした方がいいんじゃないかと思います。
フェローのサンプル
フェローの作成自体はPLの領分で、デザイナー側がその楽しみを奪うべきではないと思うのですが、手っ取り早く使いたい場合や「別に楽しくねーけどまあ付き合いで」というような場合の為にサンプルを用意しました。
最終更新:2018年05月05日 13:14