あっつ!
そう、熱いのである。
時は遡り、卒業の記念として踏んだ旅路の日々へ。我らは長野県下高井郡山ノ内町、湯田中渋温泉郷を訪れるべく、一泊二日の温泉旅に乗り出したのである。
渋温泉といえば、その名高き熱湯。我らには耐え難き熱さが訪れるだろうことを知りつつ、胸に秘めた覚悟を決して忘れず。(これほどの熱さを言い表す言葉はあるまい)
さらに、時は二月の幕開け。極寒の空気が漂い、震える心を隠し切れぬ。 ここから導かれる答えは...
さっぶ!?
そう、寒いのである。
然しながら、外湯めぐりは進む。九つの湯船に身を沈めることで、厄難を清めるという古の言い伝えに、意気込みを込めて挑む。何より、この恩恵を受けずして去ることは、惜しきこと。寮の風呂に泊まりきれぬ心を許さぬものなり。
入浴の詩
あっつ!!!
皮膚に触れるや否や、痛みとともに熱さが伝わる。
我らは昼過ぎに温泉に足を踏み入れたが、まだ訪れる客も少なく、湯温調整の水はほとんど注がれぬままであった。つまり、恐るべき温度は約50℃。焼け焦げるような熱さ、痛みに耐え難き状況である。
熱さに身を沈めることも叶わず、薄衣の浴衣と丹前しか身にまとわぬ故、湯冷めすることは必至となる。
彼方に見える楽園
雪景色の対比
熱き湯に慄く心を抑え、我らは外の世界へ足を踏み出す。白銀に包まれた風景が広がり、温泉郷の美しさに目を奪われる。雪が積もる道を進む我らは、あたかも夢幻の如く、刻々と移り変わる情景を愛でる。
四番湯以降の湯船には、心地よい温度の湯が溢れていた。心と体の疲れを癒す神秘の力が、染み渡り全ての重荷が解かれるかのように感じられる。ここはまさに、我らが求めた楽園なり。
友情の絆
湯めぐりの途中、我らは互いに助け合い、時に励まし合う。この旅の中で、友情の絆は一層深まり、永遠に刻まれる思い出となる。卒業を前に、かけがえのない仲間と共に過ごす最後のひとときが、まことに尊いのである。
旅の終わり、そして新たな幕開け
旅立ちの刻
やがて我らの湯めぐりも終わりを告げ、心身ともに癒された我らは、渋の地を後にする。熱き湯と冷たい雪、そして友情という名の宝物を胸に、次なる未来への扉を開けるのである。
新たな道、雪山への挑戦
我らは雪山へと足を踏み入れる。新たな道として、スキー場での冒険を選ぶ。これまでの温泉で鍛えられた心と体を持って、雪の世界で新たな挑戦に立ち向かう。
スキーを通じて、我らは雪山の風を感じ、滑り降りる瞬間の歓びを噛み締める。勢いよく滑る姿は、まるで新たな人生の道を突き進むかのように、力強くそして美しく輝いている。
雪上の試練、友の苦難
突如訪れる憂い
我らのスキーの冒険は、突如として試練に見舞われる。友は雪の舞台で舞い踊るが如く滑走していたが、運命の一瞬にして頭を激しく打つ。その痛みは、まるで雷鳴のように響き渡る。
友の苦悩が心に突き刺さる。医師の診断によれば、脳震盪が疑われるという。幸いなことに、症状は軽微であり、重大な事態は回避された。だが、我らは慎重を期すべく、この冒険を終えることを決意する。
新たな道への挑戦
卒業を迎え、我らはそれぞれの道を歩み始める。遥か彼方の未来に輝く夢を追い求め、時には試練に立ち向かいながら、成長を遂げるであろう。渋温泉での湯めぐりの記憶は、永遠に心の支えとなり、新たな道への勇気を与えてくれることだろう。