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のび太の冒険活劇 その2 - (2007/05/05 (土) 01:34:19) のソース

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暫くしてナナカマド研究所には5人が集まっていた。
呆然としているジャイアンとスネ夫。
この二人ほどでは無いがまだ信じられないような表情をしているしずかとドラえもん。
そしてこの4人の目線の先でエムリットをナナカマドを見せているのび太の5人だ。

「感情の神!そんなに凄いポケモンだったんだね、君は」
のび太の言葉を聞いてエムリットが嬉しそうに研究所内を飛び回る。
「うむ、これは間違いなくエムリットだ・・・!生きている内にこのポケモンを見れるとは!」
ナナカマド博士が興奮しながらエムリットを観察している。
「しかしのび太くんが伝説ポケモンを捕まえるなんてなんでまた・・・」
ドラえもんが不思議そうに呟く。
「本当だぜ!おい、のび太どうやって捕まえたんだ?俺様にも教えろ!」
余程、のび太に伝説ポケモンを手に入れられたのが悔しいのだろう。
ジャイアンがのび太の胸倉をつかんで詰め寄る。
「そ、そんな事言われたって・・・ただ突然現れて僕にまとわり付いてきただけだよ!」
慌てふためきながらのび太が必死に説明しようとする。
「馬鹿言うなよ!理由も無く伝説のポケモンが仲間になる訳が――」
「ああ、その通りだ」
その重みのある声に思わずジャイアンがのび太を離す。
声の主は当然ナナカマド博士だ。

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「野比のび太と言ったか・・・このエムリットに会う前に本当に何も無かったのか?」
目は飛び回るエムリットを観察しながらものび太に問いかける。
「えっと、あの湖で昼寝してたらムックルに襲われてその時に何かが光ってそしたらエムリットが出てきたんだ」
(のび太くん、草むらで眠るなんてすごい度胸だな・・・)
ドラえもんが妙な関心をする。
「その前は何をした?」
あまりこの件には興味が無いらしい。
「ドラえもん達と逸れて草むらの中を歩いてて・・・そこで湖に行って綺麗な湖だなぁって言って――」
「それだ!」
突然目を見開き鋭い声を出すナナカマド博士・・・怖すぎる。
「エムリットは感情ポケモン、人々に感情を伝えたと言われるポケモン・・・ということは知っているな?」
ナナカマドの言葉に全員が頷く。
「つまり、エムリットには信用できる人間かどうかを見分ける位は容易いことなのだ」
そこまでいえば分かるだろう、とナナカマド博士が口を閉じる。
・・・もちろん、そんな説明で把握できるほどのび太の頭は柔軟ではない。
「ねぇドラえもん、どういう意味?」
いつもの様に困ったときのドラえもん頼りだ。
「あのねぇ、のび太くん。せっかく褒められてるのに・・・」
呆れたような表情で言うドラえもん。
「僕が褒められてる?」
まだ意味が分かっていない彼を見かねたのかしずかが一歩前に出た。
「博士、のび太さんは伝説のポケモンに信頼できると認められたってことですよね?」
しずかの問いにナナカマド博士が大きく頷く。
「・・・君」
「は、はい!」
突然ナナカマドにしっかり見据えられて思わず焦るのび太。

――暫くの沈黙、そして・・・

「伝説のポケモンに認められたトレーナーか・・・行く末が楽しみだな」
そう言ったナナカマド博士の目から僅かに笑みがこぼれていた。

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その後、ナナカマド研究所を出た5人は一旦集合していた.

「それじゃあ色々とあったけど・・・そろそろ旅に出ようか」
「ああ、さっさと解散しようよ!のび太のせいでただでさえ出遅れてるんだから」
スネ夫お得意の辛辣な言葉が炸裂するが当ののび太は余裕な表情をしていた。
「悪いね、スネ夫。待たせた上に僕だけ伝説のポケモンを手に入れちゃって」
そう言ってさりげなくエムリットを入れたモンスターボールをチラつかせる。
こっちもスネ夫に負けず劣らず嫌な奴だ。

「それにしても・・・出木杉さんは何処に行ったのかしら?」
しずかがまだ帰ってこない天才を心配する。
「確かに心配だね、まさかのび太くんみたいにポケモンに襲われてるんじゃ・・・」
ドラえもんも不安顔だ。
だが、その二人にジャイアンとスネ夫が反論する。
「出木杉はもうポケモンを持ってるし襲われても大丈夫だろ、それにのび太じゃねぇんだから」
ジャイアンにしてはまともな意見だ。
そこにスネ夫が追い討ちをかける。
「僕は出木杉がのび太を探すとき次の街の方へ行ったのを見たんだ、どっちにしろ僕達もその方向へ向かうだろ?」
そして最後のダメ押し。
「出木杉なんて気にしないでさっさと旅に出ようよドラえもん!」
物凄く個人的な意見をのび太が述べた。
「う~ん、みんながそこまで言うならしょうがないか・・・分かった、旅に出よう」
遂にドラえもんから旅に出る宣言が出された。
「よっしゃ、俺様のチャンピオンへの伝説の幕開けだぜ!行くぞスネ夫!」
「あっ、待ってよジャイアン!」
一目散に駆け出したジャイアンをスネ夫が追いかける。
「じゃあねドラちゃんとのび太さん、私も行くわね!」
しずかが続いて走り出す。
「みんな行っちゃったね・・・それじゃあ僕らも行こうか」
そう言ってのび太の方を振り向くドラえもん。
だが、その少年からは予想外の答えが返ってきた。
「ドラえもん・・・僕は一人だけで冒険するよ!」

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~102番道路~
「ムックル!体当たりだ!」
短パン小僧の声でムックルが勢いを付けて急降下をしていく。
――だが、次の瞬間
「竜の怒り!」
激しく燃える炎の玉が灰色のポケモンの口から放たれた。
それが急降下するムックルを飲み込み・・・地面に墜落した
「はあ・・・戻れムックル」
短パン小僧が焼き鳥となったムックルをボールに戻す。
「完敗だよ、はい賞金」
「ありがとう、機会があったらまた勝負しよう」
そう言って短パン小僧のなけなしの賞金を貰っているのは・・・出木杉英才だ。

(フカマルのレベルも上がったしそろそろ行くか・・・)
次の街、コトブキシティを目指そうとしている出木杉。
そう、彼は元々のび太を探すつもりは無かったのだ。
「野比くんには悪いが僕は出木杉・・・勝負事には負けられないな」
爽やかそうに見えてなかなかの野心家だ。
そんな事を考えながら歩いているうちに巨大な街が見えて来た。
「あれがコトブキシティか、フラゲ人の話ではポケッチが手に入れるんだっけ」
・・・どうやら情報収集もバッチリらしい。
(そういえば、ドラえもんと野比君はどんなポケモンを貰ったんだろう・・・まぁいっか)
のび太が伝説のポケモンを持っている事も知らず出木杉はコトブキシティに一番早く足を踏み入れるのだった。

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