ドラえもん・のび太のポケモンストーリー@wiki

携帯獣 その5

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『ドラえもんのび太の携帯獣冒険記』
第二章 ♯第一話 「初歩」

のび太、ドラえもん、オリー、しずか、スネ夫の五人が真の仲間になってから一週間後。
彼等はジャイアン捜索がてら、ジムに挑戦したり、ポケモンの育成をしていた。
オリーはなんとなく、のび太達への態度が少し和らいだようで、地球のことにも興味をもち始めていた。
「……じゃあ、ドラえもん君は、今から100年後の地球で造られたの?」
今、のび太達はカイルンシティ、404番道路を抜け、コダマタウンに到着し、
レストランで昼食を取っている。
「そう!僕は科学文明の22世紀の英知のけっしょうなのです!」
ドラえもんが自信たっぷりに言う。
「嘘ばっかり、オリーちゃん、こいつほんとは中古なんだよ」
「おまけにネズミに耳かじられちゃってさ、ほんと猫じゃないよね」
のび太とスネ夫が冷やかす。
「言ったなあ!」
ドラえもんが割り箸を投げつける。オリーとしずかはそんな三人を微笑ましく見るのだった。


ネクロムシティポケモンセンター。
その一室に泊まっていたジャイアンは今まで集めた三つのバッジを眺めていた。
「サザン、バーナ、クレイバッジ……残り五つで俺は……」
ジャイアンは「あの日」の出来事を思い出していた。



『ドラえもんのび太の携帯獣冒険記』
第二章 ♯第二話 「回想」

「あの日」とは、ジャイアンの様子が変になった日のことだ。
ジャイアンは、スイセンに負けた悔しさをバネに、単独で特訓していた。
「よし、いいぜ!グラエナ」
ジャイアンは傷薬などをどっさり買い込んで、森の奥に潜む強いポケモンたちと戦っていた。
ゆうに十五、六匹は倒し、ポチエナはグラエナに、ズガイドスはラムパルドに進化していたのだ。
ジャイアンの戦闘センスは目を見張るものがあったのだ。
「そろそろ、いいだろう。あのスカした兄ちゃんをギャフンと言わせてやる」
ジャイアンは勇み足で森を出た。


「ん?あれはトレーナーか?」
ジャイアンは赤黒い髪で、黒い服を着た自分より少し年上の男を見つけた。
腰のホルダーにはモンスターボールがある。
「こいつはラッキーだ、あいつで俺様の力試しだ!」
ジャイアンはそう呟くと、男に近づいていった。
「おう、兄ちゃん、俺と勝負してくれよ!」
ジャイアンは気軽に声をかけた。
男はその声に振り向いた。男の顔はスラリとして色白で、目は鋭く瞳は髪と違い、鮮やかな赤で、
なにか恐怖を感じさせるものがあった。
「……いいけど」
「決まりだな!行け、グラエナ!」
ジャイアンはグラエナを繰り出した。



「お前、ごり押しタイプか」
男はニヤリと笑い、ヘルガーを繰り出した。
「グラエナ、かみつけ!」
グラエナは猛然とヘルガーに突進していく。
しかし、ヘルガーは何も動じず、ただグラエナを睨みつけていた。
グラエナの牙が、ヘルガーの首筋に食い込んだ。
「よっしゃあ!そのまま投げ飛ばせえ!」
グラエナは首を振りヘルガーを持ち上げた。
「よし、そのまま」
「かえんほうしゃ」
ヘルガーはグラエナの顔目がけ火炎を放った。
グラエナは短い悲鳴を上げ、その場に倒れ、動かなくなった。
「え?ちょっ……あれ?」
ジャイアンはグラエナが負けたことに実感を持っていないようで、混乱している。
「な、何でだよ!グラエナ押してたじゃんか!なんで負けんだよ」
ジャイアンは地団駄し、グラエナをボールに戻した。
ジャイアンは次にラムパルドを出した。
「ラムパルド、げんしのちからで吹き飛ばせ!」
ラムパルドは岩を持ち上げ、ヘルガーに向けて投げ飛ばした。
「アイアンテール」
ヘルガーはしなやかな尾を硬化させ、岩を砕いた。
「このやろお!かいりきで押しつぶせ!」
ラムパルドはヘルガーを殴りつけた。ドゴっという鈍い音がしたが、ヘルガーは全くの無傷だ。
しかも、ラムパルドの拳はヘルガーのシンボルともいえる、2本の角により挟まれている。
「カウンター」
ヘルガーはラムパルドの腕が挟まったままの状態で、前方に駆け出した。
もの凄い力で、ラムパルドは押され、倒れこんでしまった。
ヘルガーは倒れたラムパルドの腹の上に乗り、勝利の遠吠えを上げた。



ヘルガーは遠吠えを止めると、死なない程度の力でラムパルドの首筋に噛みつき、意識を奪った。
「そ、そんなあ……」
ジャイアンは地面にガックリと膝を落とした。
男はヘルガーの頭を軽く撫で、ジャイアンに近づいてきた。
「顔を上げろ」
「な、なんだよ……賞金か?」
男はゆっくりと首を横に振った。
「そんなもんはいらん、余るほどあるからな……それよりお前に聞きたいことがある」
「何だよ」
「『地龍の巣窟』って場所、知ってるか?」
ジャイアンははっとした。オリーがそこに近づけてはならない敵がいると言っていたのを思い出したのだ。
「そんなん知らねえよ、第一、俺は駆け出しトレーナーだし」
ジャイアンは我ながら良い嘘をついたと自分を褒めた。
しかし、男は冷たい目でジャイアンを見下ろしている。
「……嘘なら許さんぞ?」
「う、嘘じゃねって!俺は今まで正直剛で通ってきたんだ!」
この時点で正直剛ではないが、男は舌打ちし、そっぽを向いた。なんとかはぐらかせたようだ。
「そうだ、なら新米駆け出しトレーナーにアドバイスをやろう」
男は再びジャイアンを見据えた。
「お前、嫌われ者だろ?」
男はニヤリと笑い言った。



「はあ、何言ってやがる?俺は」
「それも、相当嫌われ者だな。そうだな……暴力に強奪に……クク、ゲス声で騒音の源か」
男はジャイアンの「地球」での様子を全て見抜いているようだ。
「どうしてこんなことになるか、それはすべてお前が悪いからだろ?」
「う、うるせえ!」
ジャイアンは男の顔めがけ、拳を突き出すも、軽くいなされてしまった。
「図星なら分かってんだろ?お前は友達なんて居ないんだ、いても愛想笑い浮かべてる腰巾着くらいだろう」
「う、嘘だあ!スネ夫ものび太もドラえもんもしずかちゃんも……!」
「なら!今までそいつらにやってきたことを思い出してみな!」
ジャイアンは頭の中がグルグルしてきた。
(どうして、こいつは俺のことがわかる?どうして俺が嫌われ者だって……)
ジャイアンの脳裏には、のび太やスネ夫を殴ったこと、クラスの連中からマンガやゲームを取り上げたこと、
しずかの心を傷つけ、泣かせたこと……自分が犯してきた「負」の出来事がフラッシュバックしてくる。
「俺は……俺は……」
ジャイアンは頭を抱え込んで、崩れた。
男はジャイアンの震える肩を優しく叩いた。
「お前にとっておきの方法を教えてやろう、それは『絶対的な力』だ」
「『絶対的な力』?」
「そうだ。お前が完全な支配者となるには、今の中途半端な力では駄目なのだ。
中途半端だから嫌われる。だが、『絶対的な力』を持てば、お前は完全な支配者となり、
嫌ってきた連中も、今までとは違い、尊敬いや、崇めるような目でお前を称えるだろう」
ジャイアンの理性では、そんなことは間違っている!と、いうようにわかっていた。
だが、なぜかこの男の言うことがとても心地よく聞こえたのだ。
「なら、俺はどうすればいいんです?」
男は天使のような笑みでこう言った。
「この地方での力の象徴、ジムバッジを全て集めろ」

ジャイアンは「あの日」のことを思い出すのをやめた。
なんだかのび太達が今まで猫をかぶっていたようでムカついてくるからだ。
ジャイアンは次のジムを目指し、再び孤独な旅路に出た。



手持ち
のび太 モウカザルLv32 マスキッパLv33 ヤミカラスLv29
ドラえもん カメールLv34 ペルシアンLv35 パッチールLv30
しずか ピカチュウLv33 マリルリLv35 チェリムLv27 ガラガラLv29
ジャイアン グラエナLv40 ラムパルドLv42 キングラーLv38 ドードリオLv36
スネ夫 ニャルマーLv31 ブラッキーLv35 オオスバメLv30
オリー ミミロップLv50 エアームドLv44



『ドラえもんのび太の携帯獣冒険記』
第二章 ♯第三話 「破音」

時間は巻き戻り、朝の八時。
ここは何処かの街の何処かの建物の一室。
ベッドの上には一人の、のび太達よりも少し年上の女性が寝転んでいた。
シャワーを浴びてきたばかりだろうか?バスタオルを体に巻きつけている。
「8時間後にはネクロムシティを占拠……か」
彼女はそう呟くと、起き上がり、着替えを始めた。
彼女は明るめのブルーのバイクスーツに着替えた。
そして、テーブルに置いてある、眼鏡を掛け、化粧を始めた。
化粧をしていると、誰かが外から部屋の戸を叩いた。
「どうぞー」
彼女の声で一人の少女が入ってきた。
少女は彼女の妹なのだろうか?女性と同じような水色の髪をしている。
「ねえ、あたし……ちゃんとやれるかな?」
少女は不安そうに女性に尋ねた。
女性は柔らかな笑みを浮かべ、少女の小さな頭を撫でた。
「レイン?そんなに緊張しなくたっていいじゃない。
あんたの力はお姉ちゃんが一番分かってるもん」
レインと呼ばれた少女は照れたような笑顔を浮かべ、頷いた。
「さ、行きましょ、そろそろ作戦会議よ」
『エルド』の幹部、ミストは妹のレインと共に部屋を出た。
その目にある決意を浮かべて。



『ドラえもんのび太の携帯獣冒険記』
第二章 ♯第四話 「ジャイアンVS『エルド』」

時間は戻り、昼の一時。
昼飯を済ませたジャイアンは次のジムを目指し、405番道路で特訓をしていた。
「よし、こんだけ強くなりゃあ、十分だろう」
ジャイアンはポケモン達をボールに戻した。
「なんかまた腹減ってきたな……しゃあねえ、街に戻ろう」
育ち盛りのジャイアンは、腹ごしらえにネクロムに戻った。


ハンバーガーを5個、ペロリとたいらげたジャイアンは、公園のベンチで昼寝をしていた。
ジャイアンのいびきはうるさいようで、近くのオバタリアン共がグチグチ文句を言っている。
一見何事も無い平和なこの街。しかし、悪夢は訪れる。


公園の噴水が突然破裂し、そこから大量の水ポケモンが飛び出してきた。
飛び出してきたポケモン達は老若男女問わず、人々を地面に押さえつけた。
ジャイアンはこの事態に気づくと、急いで手持ちのポケモン達を繰り出し、
水ポケモン達を退け、茂みの中に飛び込んで、身を隠した。
「なんだよ……いきなり!」
ジャイアンが悪態をつくと、頭上から無数のポケモン達が落下してきた。
それと同時にスピーカーを通した声も聞こえた。



『ネクロムシティの市民共!この街は我ら、『エルド』の占拠地となる!
抵抗する者は容赦なく抹殺する!死にたくなければ、おとなしく投降しろ!』
強い口調で男が言う。
この言葉にビビった市民達は地面に伏せたまま、両手を挙げた。
中には、抵抗しようとしてポケモンを繰り出す者もいたが、
数匹のニョロボン達に捕まり、首の骨を折られ殺されてしまった。
「げっ!マジかよ」
ジャイアンは見える限りでは、一番身を隠してくれそうな草むらの中に入り、
反撃のチャンスを伺うことにした。


ジャイアンの見える範囲では、上空からヘリが数機降りてきて、
その中から出てきた黒い服を着た人達が、投降してきた市民達を次々に
護送用のヘリに入れていた。その中にこの街のジムリーダー、マングの姿もあった。
「情けねえジムリーダーだぜ。さて、これからどうするか?
見る限りでは、『エルド』とかいうやつらのポケモンも減ってきてるし……。
よし、突攻だ」
流石ジャイアン。



ジャイアンはとりあえず、孤立している団員を狙うことにした。
まあ、この時点で特攻とは言わないが。
ジャイアンはのんきに欠伸をしながら歩いている団員を見つけた。
「よしあいつだ、ラムパルドよ、やれ」
ラムパルドはこっそりと男の背後に回りこみ、後頭部に鉄拳を与えた。
男は悲鳴も上げずにその場に倒れた。
「よし、よくやった」
ジャイアンはラムパルドをボールに戻すと、男の団服を奪い取り、
自分に着せた。
「少しキツイけど、なんとかなるだろ」
ジャイアンはスパイ活動にでた。
……特攻はどうした。



『ドラえもんのび太の携帯獣冒険記』
第二章 ♯第五話 「行動開始」

スパイとなったジャイアンは、仲間面で『エルド』の団員に近づき、
不意打ちをして少しずつ倒していった。
「これで五人目か……疲れてきたぜ」
ジャイアンは気絶した団員を木に縛り付けた。
そして、少し休もうと、さっきの茂みの中に隠れると、
腰にある、『エルド』団員の通信機が振動した。
ジャイアンはこれに出なければ怪しまれると思い、
通信機を手に取った。
「は、はい!なんでございましょ?」
ジャイアンは緊張のあまり、スネ夫のママのような口調になった。
『お前そんな口調だったか?……まあいい、これから第2段階に移行する。
ヘリに集まれ』
「イ、イエッサー!」
ジャイアンは第2段階というのが何かわからなかったが、
取りあえずヘリに向かった。



ジャイアンがヘリの場所に着いたときには、
ざっと五十人程の団員達がいた。
「(こりゃ俺一人で倒すのは無理だな)」
ジャイアンは何かいい作戦はないかと考えながら、団員の中に混じった。


5分位経つと、一人の男がマイクを片手に現れた。
灰色の髪にサングラス、黒いバイクスーツの男だ。
読者の皆様ならおわかりになると思いますが。
クラウドです。
「え~本日はお日柄も良く……ちゃうわ。
これから第2段階、『地龍』捕獲装置の製造および、『地龍』捕獲本部の設置を始めようと思います」
団員達が拍手をする。
「おおきに、ほな、自分の番号覚えとるよな?その番号で奇数のやつらが、装置のほうに、
偶数のほうが、本部設置に回って。はい、始め!」
団員達は、自分の胸にある、番号を見ている。
ジャイアンもつられて番号を見た。
「67か……あれ?グースウってなんだっけ?」
ジャイアンは懸命に考え、自分と同じく、7が一の位にある団員を見つけ、
ついていった。



「お~い待ってくれよ!」
ジャイアンは番号27番の男を呼び止めた。
「はい?」
27番も男は振り返った。ジャイアンより少し背が高く、細身で繊細そうな若い男だ。
「どこ行くんだ?」
「え?『地龍』捕獲装置の製造に……」
「俺も一緒に行くぜ」
ジャイアンは若い男と共に現場に向かった。


現場に着くまで、ジャイアンと若い男、ユウマとすっかり仲良くなっていた。
「……なら、ユウマはバトルのセンスが良いからこの隊に入ったのか?」
「うん、こう見えても小さいころからバトルだけは得意でね……。
いつかはクラウドさんの側近になりたいと思ってるんだよ」
ジャイアンとユウマは工具を運びながら雑談している。
「クラウド?誰だそいつ?」
ジャイアンの言葉にユウマは目を丸くした。
「武、なに言ってるんだ?クラウドさんは『エルド』の幹部で僕らの上司だよ!」
「え?」
ジャイアンは自分がスパイだと怪しまれるのでは?
と思ったが、ユウマは、覚えなきゃ駄目だよ。と
一言言っただけだった。



作業を始めてから1時間後。
『地龍』捕獲装置は着々と完成に近づいていた。
見た目は2階建ての家と同じくらいの大きさの戦車のような形で、
中は様々な機械が取り付けられている。
「いや~疲れたぜ。汗を流した後の一杯は最高だな」
ジャイアンは休憩所でコーラーをガブ飲みしていた。
「ん?俺はこんなことしてる暇はねえんだよ!」
自分の目的を思い出したジャイアンは、空き缶を握りつぶし、辺りを見回した。
休憩中の団員ばかりで、今ならジャイアンでも十分に倒せる程だ。
「(こいつらを倒せば俺は……『絶対的な力』にまた一歩近づける!)」
ジャイアンは心の中でそう叫ぶと、手持ちのポケモンを全て出し、
今まで共に汗水流し働いてきた団員達を奇襲した。
「とにかく暴れろお!」
団員達は突然のクーデターに慌てふためき、なすすべも無く気を失っていった。
中には正気を取り戻し、ジャイアンに向かってくる者もいたが、
還付無きまでに叩きのめした。


5分もすれば、ジャイアンの周りには団員達の悲惨な姿があった。
「連絡できねえようにアンテナも叩き折ったし、これでいいだろう」
ジャイアンは本部建設現場に向かおうと、立ち上がった。
すると、後ろでガランガランと何か、缶が落ちたような音がした。
ジャイアンが不思議に思い振り向くと、その先には真っ青な顔をして立ち尽くしている
ユウマの姿があった。ユウマはジャイアンが休憩する少し前に飲み物を調達しに行っていたのだ。
「た、武……これは一体……?」
「あのな……ユウマよ、これは」
「裏切り者ォ!!!」
ユウマは顔を真っ赤にしてポケモンを繰り出した。
フライゴンだ!



『ドラえもんのび太の携帯獣冒険記』
第二章 ♯第六話 「ユウマ」

「フライゴン、かえんほうしゃ!」
ユウマのフライゴンは宙に舞い、火炎を吹いた。
「ちいっ!キングラーよ、しおみずだ!」
キングラーは素早くジャイアンの隣に立ち、小さいほうのハサミから、
火炎目がけ水を放った。
両者の力は互角で、お互いの攻撃は相殺してしまった。
「くそ……だったらソニックブームだ!」
フライゴンは翼を大きく羽ばたかせた。
その瞬間、キングラーは見えない何かによって吹き飛ばされてしまった。
「あっ?どうやらゲームとは違うみてえだぜ!」
ジャイアンが見たのは、空気のわずかなブレであった。
これがソニックブームの正体のようだ。
「キングラー、まだいけるか?」
ジャイアンの呼びかけで、
瓦礫の山に突き刺さっていたキングラーは起き上がり、すぐに戦闘態勢に入った。
「よし、ラムパルドはいわなだれでソニックブームの位置を特定しろ、
キングラーはソニックブームをかわしつつ、しおみずをフライゴンに発射だ!」
ラムパルドは作戦を聞き終えると、大きな尻尾で瓦礫を叩きつけた。
その衝撃で瓦礫達は宙を舞い、フライゴンにおそいかかる。
「ふん、ソニックブームで裏切り者ごと岩を切り裂け!」
フライゴンは再び羽ばたく、それと同時に真空の刃が岩を切り裂いた。
キングラーはさっきの作戦通り、ソニックブームの位置を把握し、それを避け、
フライゴンにしおみずを連射した。



「甘いよ、フライゴンにはそんなものは当たらない!」
ユウマの言うとおり、フライゴンは身軽にキングラーの攻撃をかわした。
「裏切り者にはふさわしい攻撃を食らわせてやる!
はかいこうせん!」
「なぬ?」
フライゴンは大きく口を開ける、口の中にはどんどんエネルギーが溜まっていく。
「やべえ、ドードリオ……」
「遅いっ!」
フライゴンの口から強力なエネルギー波が放たれた。
そして一瞬のうちにジャイアンがいたところを粉砕してしまった。


丁度ジャイアンにはかいこうせんが放たれたころ、
とうとうのび太達がネクロムシティに到着した。
「こ、これは一体?」
しずかは壊された建物、街に鳴り響く轟音に、驚きの声を上げる。
「……とうとう侵攻を開始したか……皆、『エルド』を食い止めるわよ!」
のび太達はオリーに続いて走り出した。


―本部建設現場―
「クラウドさん、街に侵入者が!」
クラウドは街の入り口を望遠鏡で監視していた部下に呼ばれた。
「どれどれ……ほほう……こりゃあこりゃあ……」
クラウドは街に侵入したオリー達を見て、邪悪な笑みを浮かべる。
「お前ら、一旦作業中止や!コラッタが入り込んだ。今から駆除しに行くでえ!」
クラウドは十指にマイクを取り付け、部下を引き連れ、狩りに出た。



『ドラえもんのび太の携帯獣冒険記』
第二章 ♯第七話 「接戦」

のび太達はオリーを先頭に街の中心部を目指していた。
「オリーちゃん、この街では何が起こったことになってるの?」
のび太がオリーに聞く。
「この街は『地龍の巣窟』に一番近い街なの、
『エルド』の連中はここを拠点にして『地龍』の捕獲本部の設置。
捕獲装置の製造を行ったのよ」
「そして、『地龍』が捕まった……と?」
スネ夫の言葉にオリーは頷く。
「ここには多数の幹部がいるはず。前戦った『毒雲のクラウド』とかね」
のび太はクラウドとの戦いを思い出し、ごくりと生唾を飲んだ。
「他に、幹部はいないんですか?」
しずかがおそるおそる尋ねる。
「私の知っている限りでは……そうね、
『魔霧乙女 ミスト』、『炎雷の破皇 シデン』、ぐらいかしら」
「やっぱりそいつらって……」
のび太が何か言おうとした時、一行の目の前に部下を引き連れたクラウドが現れた。



「ひっさしぶりやねえ」
クラウドは敵であるのび太達に対し、気軽に声をかけてくる。
幹部であるが故の余裕か。
「なんでおまえらがここにいるかは知らへんけど、
あん時の借りはきっちりつけさしてもらうでえ!」
クラウドが腰に手を伸ばす、今回は最初から本気のようだ。
クラウドが繰り出したポケモンはドラピオンだ。
クラウドに続き、部下たちもポケモンを繰り出す。
「ここは私と、のび太君が戦うわ、ドラえもん君、しずかちゃん、スネ夫は、
本部と装置の破壊を!」
オリーの命令で三人はこの場を離れた。
残ったオリーとのび太はそれぞれポケモンを繰り出す。
オリーはエアームド、のび太はモウカザルだ。
「いいんかい?仲間を行かせて?」
「ハッ!あんたが思ってる程、あたしの仲間は弱くないわ!」
そう言うとオリーは左腕を掴み、皮膚を引き剥がした。
前にのび太達に見せた、機械の腕があらわになる。
その光景を見て、クラウドは、はっと息を呑んだ。
「行くわよ、のび太君!」
「うん!」
二人はクラウド達に向かっていった。



『ドラえもんのび太の携帯獣冒険記』
第二章 ♯第八話 「魔霧乙女」

オリー、のび太と別れたドラえもん達は、別ルートを通って中心部に向かっていた。
既に五分位走り回り、ランニングシューズで走っても、三人に限界がきていたとき、
「! あそこにヘリがあるわ」
しずかは数台、ヘリが着陸していうのを発見した。
ドラえもんたちは、警戒しつつ、ヘリに近づいていった。
「……『エルド・カンパニー』って書かれてあるところを見ても、間違いはなさそうだね」
ヘリを調査し終えたドラえもんが言う。
「じゃあ、この近くに本部が設置されているの?」
「おそらくね。もう少し探してみよう」
ドラえもんたちは虱潰しに近くを探してみることにした。


「あっ、ドラえもん!」
スネ夫が何かを見つけたらしい。
ドラえもんとしずかは急いでスネ夫の元に向かった。
「どうしたの、スネ夫君?」
ドラえもんがスネ夫に尋ねる。
「いや、別に本部を見つけたわけじゃないけど……これ見てよ」
スネ夫が指差す方には、もの凄く濃い霧がかかっていたのだ。
「気味が悪いわ」
「うん、とりあえずここから離れよう」
ドラえもんは引き返そうと振り向いた。すると、彼の目の前にもとても濃い霧がかかっていたのだ。
「ド、ドラちゃん……」
「だ、誰だ姿を見せろ!」
ドラえもんの要求に応じたのか、霧の向こう側から、何かが迫ってきた。



「カメール、とにかく、みずでっぽう!」
ドラえもんはカメールを繰り出し、姿を見せない敵に向かって、
やみくもにみずでっぽうを連射させた。
『駄目ね、相手にならない』
霧の向こうから女の声が聞こえた。
その瞬間、霧を突き破り、ライボルトが飛び出してきた。
ライボルトはカメールに突撃した。
「何だこいつ、反撃だ!カメール!」
カメールはライボルトに向かって、みずでっぽうを放った。
ライボルトはそれをさっと避け、霧の中に身を隠した。
『どうしたの?慣れない環境が怖いかしら?』
また女の声がする。
スネ夫は無言でオオスバメを繰り出した。
しずかもそれと同時にガラガラを繰り出す。
スネ夫は小声でドラえもんに囁いた。
「敵は上にいるかもしれない、僕が様子を見てくる」
スネ夫は言い終えると、オオスバメに自分の肩を掴ませ、空に舞い上がった。
『逃がさないわ、かみなり!』
スネ夫が霧から脱出したとたん、ライボルトのかみなりがスネ夫を襲った。
このままでは直撃してしまう、スネ夫は笑っていた。
「甘いよ」
ライボルトのかみなりは目標を大きくそれ、地に落ちた。
かみなりの落ちた地点には、ガラガラが仁王立ちしていた。
『……ひらいしんね……』
「そういうこと」
しずかが自信満々に言う。



霧の内部は、異様な静けさに包まれていた。
「……ライボルトは襲ってこないのかしら?」
「しずかちゃんのガラガラには厄介な敵だからね、うかつにはこないと思うよ」
『ご名答』
いきなり女の声がする。
ドラえもんとしずかはさっと身構える。
『私の「今つかえる手持ち」はライボルトのみ、
うかつに近づいたら、そこの狸君の言うとおり成す術もなくやられてしまう』
「僕は狸じゃない!」
ドラえもんが激怒する。
『ウフフ、知ってるわ、地球の未来から来た、優秀な猫型ロボットでしょ?』
ドラえもんとしずかは凍りついた。
「なぜそんなことを?」
『いちいち話す暇なんてないわ。
そんなことより、あのトゲトゲ頭。今ごろどうなってるでしょう?』
女の声が途絶えた。その直後、ドラえもん達の後ろに、ドサっと音をたて、何かが落ちてきた。
「ひっ……!」
しずかが見たのは、スネ夫の無残な姿だった。
スネ夫は体中に切り傷があり、すっかり体が冷え切っていた。
「しっかりしろ!スネ夫君!」
ドラえもんは慌てて、オリーからもらった「ヒトデマン軟膏」をスネ夫の傷口に塗りたくった。
スネ夫はうっと小さな悲鳴を上げた。そして、ドラえもんに囁いた。
「ド……ドラえもん……あいつは……コータスと…オニゴーリを使って霧を……」
スネ夫は言い終えないうちに気を失ってしまった。
しずかは、小刻みに震えている。
「その子、私の霧の秘密を教えたようね」
今度は霧の向こうからではなく、ドラえもんたちの真後ろで女の声がした。