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DPでも書こうか その3 - (2006/12/17 (日) 21:48:49) のソース
ようやく決心が付いたのは10時を回ったときだった。 さっさと荷物をバッグにしまっていく。 すぐに目の前に在った荷物はバッグの中に入った。 僕は此処を出る前にドラえもんの部屋へと入った。 そこにはまだ昨日の冷めたハンバーグがあった。 ………流石にもう食べれないだろう。 僕はハンバーグを捨てた。何故か涙が出た。 僕は友情を捨てたのか……。 置手紙だけはバッグに入れておいた。 またドラえもんに会えると願って――― ジム戦を終え、僕は次の町へと向かおうとした。 「あら、久しぶりねのび太さん」 「……しずかちゃん」 いつもならハイテンションになる状況。 だけど今は世界が暗く見えた。 「元気無いわね……まぁ経験値稼ぎとして戦うわね」 「!?」 僕はその言葉で目が覚めた。 僕が……経験値? ---- 「何を言っているんだい?」 「何って貴方を経験値稼ぎにするだけよ、さぁ勝負よ」 ………本当に変わってしまったのか……今までのしずかちゃんじゃ無かった。 「頑張って!エンペルト!」 しずかちゃんのボールからエンペルトが繰り出される。 僕は仕方なくコダックを出した。 「あら?まだそんなマヌケなポケモンを使ってたの?笑えるわね……」 「何だと……?僕のコダックを馬鹿にしているのか? コダックとは今まで一緒だった!戦う時も!食事の時も!僕が疲れて歩け無くなった時も!」 僕は怒りが爆発した。 コダックを馬鹿にするなんて許せなかった。 ……ドラえもんと別れたあの夜もずっと励ましてくれていた。 そんなコダックを……馬鹿にするなんて! 「コダック!ねんりきだ!」 「エンペルト!……軽く遊んであげなさい」 ねんりきはエスパータイプの技。エンペルトの鋼タイプには効果があまり無かった。 もちろんそんなことは知っていた。 でも今はそんなことを気にしてない。もう怒りしか感じなかった。 少し前までは親友だったしずかちゃんを相手に…… ---- エンペルトに痛ぶられたコダックはなす術も無く倒れてしまった。 ここで僕は我に戻った。 (僕の手持ちじゃ相性が悪すぎるけど……行くしかない!) 「行け!ズガイドス!」 「貴方本当に馬鹿ね?今度はズガイドスだって!」 嘲笑するしずかを他所に僕は命令を出した。 「とっしん!」 ズガイドスはエンペルト目掛けてぶつかって行った。 しかし簡単に弾き飛ばされてしまう。 「ズガイドス!」 もうズガイドスの戦う力は僅かしか無かった。 「ズガイドス……頑張ってくれ!」 僕の声が届いたのか、ズガイドスは咆哮する。 「何この声……嫌な予感がするわ…エンペルト!トドメをさしなさい!」 エンペルトが鋼の翼をズガイドス目掛けて振り落とした。 しかしその攻撃は止められる……進化したズガイドスつまりラムパルドに。 「ズガイドスが進化した……!」 僕は感激した。 あの日雨で寂しそうに僕を見ていた眼とは違う……逞しい紅い眼だった。 「そんな……戦闘中に進化するなんて……でも体力は少ししかないはずよ! エンペルト!もう一度攻撃よ!」 「二度も同じ手には掛からないよ!ラムパルド!左に避けてがむしゃらだ!」 HPの少なかったラムパルドのがむしゃらは半端無い威力だった。 エンペルトは後一撃まで削られる。 ---- 「よし!ラムパルド!とっしんでトドメだ!」 「エンペルト……!しおみず!」 激突音がなり、辺りはその音しか聞こえなくなる。 砂煙が晴れるとそこには2体同時に倒れていた。 「引き分けか……戻れ、ラムパルド」 僕は瀕死になったラムパルドをボールに戻した。 (ホント……こいつには助けれてばかりだな) 僕が後ろを向いて去ろうとした瞬間だった。 「私のエンペルト……糞…!まだ勝負は着いてないわ」 「何?引き分けで終わりじゃ……」 「次はチリーン!絶対にアイツをぶちのめして!」 しずかちゃんの口調はもういつものじゃ無かった。 もう……勝利にしか目がいってない。 「な…、こっちはポニータだ!応戦しろ!」 「ポニータ!すぐに決着を着ける!とっしん!」 「サイコウェーブよ!チリーン!」 今度も引き分けだ……僕の手持ちは後一匹しか居ない。 「ちっ……また負けたか、今度は……ハピナス!」 しずかちゃんはハピナスだ。 僕のエイパムじゃ……勝負は見えていた。 ---- 「ありがとうね。のび太さん、いい経験値だったわ」 しずかちゃんんはそう吐くと去っていった。 僕は急いでポケモンセンターに向かっていた。 一刻も早く回復させたいがために。 ポケモンを回復させている間、僕はあのソファーに座って考えていた。 (もう……皆が皆じゃ無くなってる) (スネオも……出来杉も……しずかちゃんも!) ジャイアンはこの世界に来てからまだ会ってないので知らなかった。 ドラえもんは……この世界でも一番優しかったなぁ――― 「のび太さ~ん、もう終わってますよ?」 ジョーイさんの声が不意に聞こえ、僕は立ち上がった。 ポケモンを受け取り僕は次の町へと向かう。 しかし途中でリンチを受けてしまうのはそれから30分後のこと…… ---- みんなのてもち(もう書かないわ、ここの略の部分) のび太 コダックLv31 ラムパルドLv30 エイパムLv30 ポニータLv30 ジャイアン 不明 スネオ 不明 しずか エンペルトLv40 チリーンLv38 ハピナスLv36 出来杉 不明 ドラえもん 不明 ---- ふらふらと歩き続ける僕。 夏の日差しが容赦なく僕を攻撃する。 流石に朝食に続いて昼食も取らなかったのが不味かったのか…… 今にも倒れそうな感じだ……も、もう限界…… 僕の倒れた先は物凄く運の悪いところだった。 ――――地元でも有名な高校生のグループだった。 数分ほどたってボコボコにされた僕は地に横たわっていた。 (……僕ってホントついてないよな……) 僅かに残る意識でそんなことを考えていた。 そして僕の意識はそこから飛ぶ。 気が付くと僕は地面ではなく、豪華なベッドに横たわっていた。 「あれ……?此処は?」 「おや、気が付きましたか」 僕の視界の外から声が聞こえた。 ……優しそうなお爺さんの声だ。 「此処はポケモン屋敷、ウラヤマ様の屋敷で御座います」 「……はぁ……そうなんですか」 ---- どうやら僕はリンチを受けた後、この屋敷の執事に拾われたそうだ。 この1~2週間はウラヤマとか言う人が別荘に出掛けてるみたいで、 屋敷には執事と数人のメイドしかいないい。 ……医者に見てもらったところ全治1週間だそうだ。 しかし怪我が治るのを待ってちゃ皆とかなりの間が開いてしまう…… そんな事を考えながら、ベッドの上で1日は終わりを告げた。 2日目の朝、僕は執事からモンスターボールを貰った。 僕が倒れていた周りに落ちていたそうだ。 「……ん?これ……コダックのだろ、ラムパルドのだろ、エイパムのだろ、 ポニ……!」 良く数えてみると、僕のボールは3つしか無かった。 ポニータのが無い………僕はショックを受けた。 執事にもう一度確認してみた所、周りには本当に3つしか無かったそうだ。 もう一度ポニータに会いたいなぁ………もう一度ポニータと一緒に…… ---- 3日目、朝食を取った後屋敷の中が急に騒がしくなった。 (…?どうしたんだろう?) 僕は中々上手く動かない体を無理やり動かし、騒がしい方へと向かった。 何故か手にはモンスターボールが握り締められていた。 これから起こる事を予知でもしたのか……今思うと不思議だった。 玄関の辺りに着くともうそこは屋敷の中じゃない……戦場だ。 ポケモンが暴れ回り、屋敷内を壊していく。 「!何なんだこの有様は……」 僕が声を出すと騒ぎの中心に居た人物達は僕に向かって喋り始めた。 「我々はギンガ団、ウラヤマ氏の所有する金を奪いに来た!」 …………ギンガ団?まさか……ロストタワーで聞いたあの…… 僕の手は勝手に動いた。 今までの僕だったらこの状況では逃げ出しただろう。 だが今は昔の僕じゃない、弱虫ののび太じゃない。 ドラえもんの居なくなったあの日に誓ったことだった。 「行け!ラムパルド!」 ---- 僕とギンガ団と名乗る変な格好の奴らと交戦状態になった。 こっちのポケモンは3匹。相手は70……いや、100匹以上はいた。 「コダックは左のズバットにねんりき、ラムパルドは右側にズバット達を蹴散らせ!エイパムは後ろだ!」 僕が戦った中でも一番の奮闘だった。 何しろ……相手が「ギンガ団」だからだ。 戦いは僕の方が優勢に見えた……しかしそれは最初だけである。 今は完全に押され気味だ。コダック達も僕の周りに追い詰められていた。 「糞……どうすれば……!」 僕が舌打ちをした時だった。急にコダックの体が光り始めた。 ―――進化だ! 僕のコダック……いや、ゴルダックは予想以上の強さを発揮した。 ゴルダックを先頭にラムパルド、エイパムも相手を次々に倒していく。 しかしそれもまたすぐに終わってしまう。 むしろさっきより押されている……幹部の登場のためだ。 ---- ギンガ団幹部と名乗る女は僕のポケモン達をじわりじわりと押していく。 (やばい……このままじゃ負ける!) 僕達は遂に壁に追い詰められた。 もう……終わりだ。 「スカタンク!かえんほうしゃ!」 幹部の命令で強力な炎が僕達目掛けて放たれた。 僕の脳裏に微かに浮かんだ。 (し……死ぬ!) この世界で死ぬとは思わなかった。 僕は手で頭を押さえ、しゃがみこんだ。 一つだけ思った事がある。……ドラえもん、ごめんね。 「イワーク!炎を受け止めろ!」 ……僕が目を開けると目の前には巨体で炎を受け止めているイワークだった。 (だ…誰だ?) 「のび太!大丈夫か!?」 僕のもとへと走り寄ってきたのは……ジャイアンだった。 「ジャ……ジャイアン!どうして此処に!?」 「……心の友は放っておけないからな」 ジャイアンがもの凄く格好良く見えた。 「ジャイアン!」 ギンガ団との戦闘にジャイアンが加わってくれた。 これなら……勝てるかもしれない! ---- みんなのてもち のび太 ゴルダックLv33 ラムパルドLv32 エイパムLv31 ポニータ(行方不明) ジャイアン ハヤシガメLv32 ドンカラスLv32 イワークLv31 スネオ 不明 しずか 不明 出来杉 不明 ドラえもん 不明 ---- ジャイアンが戦いに参加してくれたお陰でこっちも押し返せるようになった。 大量のポケモンを次々と倒していく。 最後には屋敷の中に1匹もポケモンが居なくなった。 「お…覚えてろよ!」 良く聞く台詞を吐き、ギンガ団は撤退した。 ――僕は壊れた屋敷をどうしようか考えていた。 此処の執事さんにもお世話になったし…… そんな事を考えているとジャイアンが話しかけてきた。 「のび太、お前中々やるな……一緒に行かないか?」 仲間を失った僕には心強い味方だ。 僕は頷いた。 「ジャイアンこそ……僕も付いて行くよ」 「なら決まりだな、早速出発だ」 僕達は半壊しているポケモン屋敷を出て行った。 また雨だ…… この間も雨といいここ数日は雨が多い。 今もジャイアンと一緒に雨の降り続く道をひたすら歩いていた。 「ジャイアン、次のジムは何所だっけ?」 「えーと……確かノモセだ、水タイプのジムらしいな」 「水タイプ?」 僕の手持ちは良く見ると水タイプに強いポケモンがいない。 新しいポケモンをゲットすることになるだろうな…… ---- いつの間にか僕達は大きな水溜りの前に居た。 「此処を抜けたらノモセシティだ、頑張るぞのび太」 「うん……」 水溜りと言うよりもう沼に近かった。 流石に抵抗があるが、此処を抜けるとノモセと聞き思い切って水溜りに飛び込んだ。 ポケモンセンターに着く頃は濡れている場所が無いほど濡れていた。 「ジャイアン……僕はお風呂に行ってくるね」 「俺もだ」 (…え…) とりあえず体を暖めた後、僕達はジムに行くことにした。 「ジャイアン、実は僕の手持ちじゃ負けそうなんだ……」 「確かにお前の手持ちじゃ即死だな」 ちょっと酷い。 「だから僕はサファリパークに寄ってから行くよ」 「俺もだ」 (…え…) ---- 「500円になりまーす」 僕達は500円(僕のお小遣いと同じ値段だ)を払い、サファリパークに入った。 中は広大な湿原だ……ここなら良いポケモンが手に入るかもしれない。 僕はサファリボールを握り締め、またまた水溜りに飛び込んだ。 「のび太、そろそろ帰るぞ」 かれこれ20分はかかっている。 僕はまだポケモンにすら会ってなかった。 「待ってよ…後10分待ってくれ!」 僕は今までに無いほど集中していた。 「あ!野生の……何だあれ」 僕がようやく見つけたポケモンは緑色で空中に浮いているポケモンだった。 「…仕方ないな……捕まってくれ!」 ボールは上手くポケモンに当たり、地面に落ちた。 しかも一発で捕まえてしまった。 「やったー!」 僕は喜びのあまり、沼に顔から飛び込んでしまった。 もう一度ポケモンセンターに寄ったのは言うまでも無い。 「此処がジムだよね?」 「あぁ……俺が先に行くぜ」 「いってらっしゃーい」 30分ほどするとジャイアンは帰ってきた。 ドダイドスのはっぱカッターで楽勝だったそうだ。 僕は新しいポケモンのタイプが草とあって、自信満々でジムの中に入った。 ---- みんなのてもち のび太 ゴルダックLv33 ラムパルドLv32 エイパムLv31 マスキッパLv27 ジャイアン ドダイドスLv34 ドンカラスLv32 イワークLv32 スネオ 不明 しずか 不明 出来杉 不明 ドラえもん 不明