≪像≫
【銘】 |
ガルマ=ハド=ラジャルード(Garma="Had"=Lajarude) |
【性】 |
男 |
【齢】 |
不明 |
【種】 |
半神半人 |
【職】 |
なし(カノッサ機関と協力関係) |
【躯】 |
身長196cm/体重87kg |
【人】 |
自らを〝神〟と名乗る大男。常にある種の荘厳さのようなものが感じられる異様な雰囲気を纏っている上、単騎で六人の能力者を相手取って互角の戦いをするなど、実力だけなら恐らく六罪王にも匹敵するものがある。 神というだけあって性格の方も非常に尊大かつ傲慢で、根本的に「人間は下位、自分(神)は上位の存在」という価値観が染み付いている。ただし別段人間を蔑んでいる訳でもなく、人がペットや家畜に注ぐ程度の愛情は持っている模様。 また、彼は数ある神の中でも戦を司る神であるらしい。そのせいなのかこの世に遍く闘争そのもの、そしてその闘争に打ち勝つだけの力を持った〝強者〟に対して異常な執着を持っており、逆に〝弱者〟の存在を強く忌み嫌っている。 |
≪姿≫
【腰元までもある長い髪に褐色肌、丈の長い純白のローブを着込んで、徒手空拳に裸足という格好の――男、なのだろうか】
【それの見た目は、確かに男だ。しかしその身に纏う〝荘厳〟さすら覚える威圧感は、およそ人間のものとはかけ離れ過ぎていた――】
【ゆったりとした白銀を身に纏う大柄な体躯は、まるで雲に覆われた巨山。燃え盛る炎を思わせる朱色の長髪が、巌のように険しい顔つきを照らす】
【その火炎の髪が男の巨躯の上を流れ落ちていくさまは、さながら大自然が憤怒の声を上げ、灼熱の溶岩で山肌を焦がしていくかのようで】
【そして何より、その瞳――炎天の陽光の如き金色を宿す熾烈な双眸は、人を人とも思わぬ天からの視線で、遍くすべてを睥睨している】
≪力≫
◆千 眼 千 手 ノ 光 焔 華
ガルマ=ハド=ラジャルードという存在をまさしく神たらしめる所以、強力な光と炎の属性を併せ持つ〝後光〟を生成・操作する能力。
発動するとガルマの背後に巨大な光のリングが描き出され、そこから放射状に無数の光のラインが伸びていく。直後、そのリングの輪郭部から猛烈な紅蓮の炎が立ち上ってガルマを後ろから強く照らし出し、まるで太陽を背負っているかのような状態に。単に外見的な威圧感も相当のものがある。
この火輪はデフォルトの状態だとガルマの背後で静止しているが、自由自在に移動させられるのは勿論、輪の拡大縮小もある程度自由に行うことが可能である。
身を守る縦として使ったり、猛回転させて直接叩き付けることで攻撃したりと、使い方の幅はかなり広いといえるだろう。
更に発動中はガルマの両腕が金色に光り輝き、刃を全く通さない程の皮膚硬化と絶大な腕力強化の効能が発揮される為、単純な近接戦闘能力も上昇する。
◇「千手」の能力
この能力の真の脅威は、決して火輪やガルマ自身による直接攻撃などではなく、輪の内部から細い〝光の手〟を無数に召還できる点にこそある。
この手は触れた者を焼き焦がす強烈な灼熱を帯びており、更に射程の限界なくどこまでも伸びていく上、伸びる速度自体も高速。かつ後述する〝眼〟のお陰でガルマの視界に敵が居なくても勝手に敵を追尾してくれるとあって、攻撃性能はかなり高い。加えて手にはちゃんと握力も存在し、物を掴むことまで可能である。
ただし手一本一本の耐久度は低く破壊が容易であるという欠点も存在しているため、ガルマもそれを理解して複数本を一気に相手へ差し向けることが多い。
「千手」の名の通り一度に使える手の数も多めだが、かといって本当に千本もの数を纏めて操ることは出来ず、少なからず限度は存在する様子。その代わり大量の手を一箇所に纏めることでレーザーのように撃ち出したり、巨大な一本の腕の形に成型して攻撃したりと、強力な大規模攻撃までも行えるようだ。
◇「千眼」の能力
もう一つの特性として、「千眼」の名の通り掌に〝眼〟を作り出し、光の手を敵に自動追尾させたり周囲の索敵を行ったりといったことも可能である。
この特性のせいでガルマには死角と言うものが非常に生まれにくくなっており、単純に背後から攻撃するだけでは彼を打倒するのは難しいだろう。
更にこの眼には戦死した人間の魂を視認して具現化させるという特殊な効果があり、眼で捉えた魂を光の手で握り込むことで自在に使役することが出来る。
最近戦死したばかりの人間の魂しか具現できないので使用できる場所は限られてくるが、怨念が籠もった魂は触れるだけで軽度の〝呪い〟を受けることになり、これもまた強力な攻撃であるといえるだろう。戦死した人間の魂を操るこの特異な能力は、やはり彼が本物の〝戦神〟であるが故のものなのだろうか……?
なおその他にも、同じく最近死んだばかりのまだ新鮮な肉体の中へその魂を入れることで〝生きる屍〟として使役する事も可能なようだが……特に生前より筋力が強化されたりする事も無く、むしろ欠損した肉体のせいで満足に闘う事すらできない為、精神的な攻撃という意味合い以外で使われることはまずないだろう。
≪僕≫
"選定"を経て力を取り戻していくうちに、ガルマは全盛期の時代に従えたいくつかの巨大生物を召喚できるようになったようである。
これらの生物は共通して岩のような体を持ち、生物というよりは生物を模した巨大な石像が動いているような外観をしているのが特徴。
頭部を吹き飛ばされても平気で動き続けるなどの性質もあり、普通の生物と同じ感覚で戦うと非常に危険である。
また、もう一つの共通点として体内に途轍もない高エネルギーを溜め込んでおり、攻撃して傷を付けると傷口からこれらのエネルギーが噴き出す。
近接攻撃を仕掛けた者に自動的に反撃する有用な性質……に見えるが、エネルギーが強すぎるために自分の体も危険であり、時には自爆してしまうことも。
◆≪空往ク旅人≫
"巌鳥"とも。かつて
桜の国で行われた選定においてガルマが操っていたもので、初めて観測されたガルマの僕の一柱である。
途轍もない巨体であること以外の性質は普通の鳥とそこまで変わないが、
体内のエネルギーを口内に収斂して射出するという強力な技を持つ。
雲の上まででも平気で高度を取れ、かつ吐き出すレーザーの射程も非常に長いため、これによる上空からの一方的な狙撃によって"鴎森"の街を危機に陥れた。
最期は飛行艇でアドワガと同高度まで乗り付けた戦士達により撃破され、高エネルギー体である自らの体を街へ墜落させようとしたが、それも見事阻止された。
◆≪凪ギ海ノ語部≫
"巌亀"とも。
砂の国へイクストゥムを奪取しに行った際、これを阻止しようと集まってきた戦士達に対してガルマが召喚した。
見た目は巨大な海亀であり、当然だが広い水場が無ければ本来の力は発揮できない。当時は遺跡最深部の"地底湖"に陣取って戦うことになった。
体内に強力な"聖"の力を持つ塩を溜め込んでおり、これを体中の噴出孔から発射できる。聖塩は魔術の媒体として非常に優秀な性質を持ち、水と混ぜ込むことで簡単に"聖水"を作り出すことも可能。更に聖塩自体やそれが混ぜ込まれた液体は自分の意思で操作でき、巨体でありつつも非常に器用な戦いを得意とする。
特に、体内で水分と聖塩を濃縮して
"涙"の形で排出される聖水は途轍もない魔力を帯びており、水面に一粒落ちるだけで全域に力を作用させるほどであった。
本来は、巨体でありつつも水中であればそこそこ早く移動できるのだが……
ラズワルド地下遺跡で召喚された折には主を守る為に殆ど動かず戦った。
それでも聖塩・聖水による聖属性の魔術や湖水の操作により一同を苦しめたが、最期は戦士達の一斉攻撃に耐え切れず息絶え、湖中へと沈んでいった。
≪概≫
砂の国の交易都市・サフランに突如出現し、街や人を根こそぎ破壊し尽くして去っていった〝神〟を名乗る男。
神として人間のことを愛していると言う一方、これも戦神の性なのか、
その寵愛が向けられるのは常に強者のみ。弱者には存在価値がないとまで豪語する。
本人の言によれば、彼はまだ世界に戦乱の風潮が色濃かった太古の時代を全盛とする神の一柱であり、ごく最近まで眠りについていたらしいが……目覚めた世界は既に殆ど平定されていて、そこで暮らす人間達も自分の時代に比べて圧倒的に弱くなっていた。ガルマは戦神として、この現状に強い憤慨を覚えたのだろう。
結果としてガルマは「この世に必要なのは真に強い人間のみ、その足を引っ張る弱者は必要ない」という過激な思想の元に
カノッサ機関と協力関係を結び、
〝選定〟と称した世界全体への破壊活動を開始。神の名の下に弱者の殲滅と強者の選別を行い、世界をかつての戦乱の時代にまで引き戻すことを目論んでいる。
本人はこれらの行動は全て人間のためだと言って憚らず、あくまで
自分は〝善〟であると主張しており、機関入りをするつもりはない様子。
それどころか利用するだけ利用して、いざ選定が果たされたとなれば、次に機関を初めとするこの世の〝悪〟は自分が全て滅ぼすとまで述べている。
「世界を混沌に導く」という目的が一致しているのは確かだが、将来的に自分達の敵になることは目に見えている筈……だというのに彼に手を貸すことを選んだ
カノッサ機関員についての詳細もまた、現状では謎のままとなっている。
……しかし。闘争という概念そのものであり、人間の畏怖を喰わねば消滅してしまうガルマは、この時代に馴染めず
全盛期の力を殆ど全て喪失している。
現状では複数名の能力者が揃えば互角に戦える程度の力しか有しておらず、更に
風の国での選定の際に
『天限』という人間を護ろうとするもう一柱の神から強力な呪刻を全身に刻まれ弱体化してしまう。この為、ガルマは〝選定〟をより確実に遂行する手段として
イクストゥムの復活を狙っている模様。
風の国にて起きた
三度目の選定において、同じ神にして思想を異とする癒しの神・
天限によって、彼の本当の正体が暴露された。
ガルマ=ハド=ラジャルードという男は歴とした人間で、同時に被害者だった。〝戦神〟とは
彼の胸部に寄生している宝玉そのものであり、数千年の時の中で朽ち果てて力を失った神の魂の成れの果てが、ガルマに取り憑いて操っている……というのが、事の真相であった。
全ての元凶はこの
『戦神の宝玉』。胸部にあるそれは戦神の決定的な弱点である。これを破壊さえしてしまえば、全ては終わる――――。
……のであるが、同時に。戦神の無茶に付き合わされたガルマという人間の肉体はとうの昔に限界を迎えており、
宝玉が破壊された瞬間、被害者であるガルマも死んでしまうらしい。ガルマの娘である
ミドナは、たった一人の父親を守るため苦汁の決断としてSCARLETを裏切ることを選んだようだ。
なお天限の分析によれば、ガルマ本人の人格は残っているかどうか怪しい状態のよう。少なくとも
戦神の支配に抵抗する素振りがないとのことだが……?
≪録≫
我の威光に惹かれし者が、 - 度ここを訪れたか。果たしてその内の如何程の人間が、真なる〝強者〟足り得るのか……。
最終更新:2015年07月05日 16:13