■■■インガオホールール■■■
これから解説するのは、このゲームにおける最もエキサイティングなルールだ。
このルールをうまく運用することで、ニンジャスレイヤー:theチャブRPGのポテンシャルは最大限に発揮される。熟読して欲しい。
■■ワザマエカウンター■■
インガオホールールの中核を為すのがこの「ワザマエカウンター」と、後述する「インガオホー値」である。
「ワザマエカウンター」はGM、PL、観客から、素晴らしい演技や、忍務に沿った演技をしたPCのPLへ配布されるチップのような物である。
巻末にはこの「ワザマエカウンター」として使用出来るチップを用意した。厚紙等にコピーして使用して欲しい。
■ワザマエカウンターの配布■
「ワザマエカウンター」は無制限に、誰もが配布出来るものではない。
「ワザマエカウンター」を配布する権利を持つのは、GMと、「ジャッジ」と呼ばれるPLのみである。
「ジャッジ」とは「そのシーンにPCを登場させていない全てのPL」と、「観客(セッションに参加はしていないが、同席して見学してる君の友人だ!)」である。
ただし常にこれを守らなければならないわけでなく、GMは臨機応変に「ジャッジ」PLを任命して良い。
また、「クライマックスチャプター」では全てのPLを「ジャッジ」として扱う。
セッション中にどれくらい「ワザマエカウンター」を配布すればいいのか、想像がつかない人もいるだろう。
その疑問への答えは、「カッコイイと思ったのなら好きなだけ投げろ。物語が盛り上がるのなら何枚でも投げろ」だ。
誰かにほめられるというのは、とても嬉しくなることだ。
いい演技をしたPLには惜しみない「ワザマエカウンター」を与えて欲しい。
また、「ジャッジ」はGMに対しても「ワザマエカウンター」を配布出来る。
敵を強化してしまう行動はしたくない? 大馬鹿者!
素晴らしい悪役には、最大限の賛辞を送るべきだ!
君がこれから倒す悪役は、小指一本で倒れてしまう程弱々しいやつなのか?
敵が強くなることを歓迎したまえ。それでこそ、君のキャラクターは輝くのだ。
■ワザマエカウンターの使用■
受け取った「ワザマエカウンター」を消費することで、様々な効果を得ることが出来る。
ただし、「ワザマエカウンター」は有利な効果を得るが、リスクも存在する。後述するのでよく読むこと。
また、以下の行為はいつでも行うことが出来る。
以下に使用方法のリストを紹介する。
▼判定ダイス操作――ダイス1個追加につき、ワザマエカウンター1枚消費▼
判定直前に宣言する。その判定一回のダイスプールを、消費したワザマエカウンターの枚数分増加することが出来る。
▼アクセラレート――イニシアティヴ値2点追加につき、ワザマエカウンター1枚消費▼
そのラウンドのクリンナップフェイズ終了まで、イニシアティヴ値を2上昇する。
▼シーンに登場する――ワザマエカウンター1枚消費▼
それが如何なるシーンであれ、即座にその場に登場することが出来る。
また、この効果を使用するよりも前からその場にいたことにしても良い。
この効果は主に「お前達の話は聞かせてもらった!」という演出の為に用意されている。
絶対に「このシーンには最初からいたんだから、10分前に行った命中判定に割り込ませろ」という最低な行為は行なってはいけない!
一度過ぎた時間を巻き戻す行為は、必要以上にダイスロールをする行為以上に物語を破壊する、唾棄すべき行いだ!
▼DLを上昇させる――ワザマエカウンター1枚消費▼
即座にDLを1上昇させる。
本来であれば、戦闘不能時、また死亡時に行える「ディセンション」を、即座に行うことが出来る。
この場合でも本来のディセンションと同じく、上昇した後のDL分、現在インガオホー値を減少させることを忘れないように。
▼"生き様"を書き換え、現在インガオホー値を1上昇する――ワザマエカウンター1枚消費▼
ワザマエカウンターを1枚消費し、"生き様"を書き換えることで、「現在インガオホー値」を1上昇することが出来る。
ひとつの"生き様"は1シナリオに一度しか書き換えることは出来無い。
"生き様"とはそのキャラクターが譲れない何か、である。それを書き換えるのだから、そこに物語を存在させるべきだ。
※例えば、「幼馴染の少女を守る」という"生き様"を持ったキャラクターがいたとする。もしその少女が、そのキャラクターを裏切ったとしても、そのキャラクターは「幼馴染の少女」を守るだろう。それが"生き様"だからだ!
しかし、"生き様"の書き換えによってこの内容を書き換える場合は別だ。「幼馴染の少女を守る」という忍務を、「幼馴染の少女を殺す」に書き換えたのなら、彼のあり方はその瞬間に切り替わるのだ。
■■インガオホー値■■
インガオホールールのもうひとつの柱、それが「インガオホー値」だ。
「インガオホー値」には二種類存在する。
「最大インガオホー値」と「現在インガオホー値」だ。
「最大インガオホー値」とはセッション開始時の「現在インガオホー値」となる値のことである。
「現在インガオホー値」とは、即ち現在の「インガオホー値」の値だ。
このインガオホー値が示すもの、それは、あらゆる物事が自分へ返ってくるまでのタイムリミットである。
■DLが増減するタイミング■
以下にDLが変化する要素を解説する。これらのルールを使いこなすことで、このゲームのポテンシャルは何倍にも跳ね上がる。
▼ディセンションする▼
DLを1上昇し、戦闘不能を解除する。この時HPも最大値まで回復する。
同時に上昇後のDLの数値分、「現在インガオホー値」を減少する。
DLの上昇によって、追加でひとつ、ディセンションクラスを取得することが出来る。即座に選択すること。
この時の目安は一分以内である。それを超えたのなら、DLは上昇したが、ディセンションクラスは得られなかったとすること。
例外として、DL0のキャラクターが、DL1となった時(つまりニンジャに覚醒した時)には、ドラマティックな覚醒シーンを演出してあげるべきだ。
その間にディセンションクラスを手早く選ぶと良い。
▼因果の過積載(オーバーロード)▼
あらゆる判定において、達成数が10を超えた時、即座に「現在インガオホー値」を1減少すること。
対抗判定においては、達成数の差し引きをする前の値を参照する。
▼ニンジャリアリティショック▼
DL0のキャラクターは、ニンジャと遭遇した時(その相手があからさまにニンジャだとわかる状況の時)【冷静】+≪拒絶≫をダイスプールとした判定を行う。
これに失敗した場合、即座に「現在インガオホー値」を1減少する。
またDL0であっても、スタイルクラス「ニンジャ耐性」、もしくはマニューバクラス「リアルニンジャ」を取得している場合に限り、ニンジャリアリティショック判定を行わなくても良い。
▼アーツのコスト▼
マニューバアーツ、ディセンションアーツのコストとして消費されることがある。
■因果を焼き付かせる■
判定を行った直後に、「最大インガオホー値」を1減少することによって、その判定の間、「目標値」を1減少することが出来る。
これによって「最大インガオホー値」が「現在インガオホー値」を下回った場合は、「現在インガオホー値」も同時に減少する。注意すること。
また、最大インガオホー値の減少は永続する。永遠に回復することはない。
■現在インガオホー値が0以下になった■
これはまずい! 現在インガオホー値が0以下になった瞬間に、DL0のキャラクターは「死亡」し、DL1以上のキャラクターは爆発四散する!
この時点でそのキャラクターの物語は終わりだ!
■ゴウランガ状態■
……しかし、これには抜け道がある。
東洋の神秘……梵我一如……悟り……ゴルコンダ……とてもスピリチュアルな、言葉では言い表せない一種の超人状態。
これをこのゲームでは「ゴウランガ状態」と呼称する。
「現在インガオホー値」が0以下になった瞬間に、そのキャラクターのPLはみっつの選択肢を迫られる。
- しめやかにキャラクターをロストする
- "生き様"を書き換え、現在インガオホー値を1以上にする
- ゴウランガ状態になる
前者ふたつは既に説明した通りだ。
それでは三番目の選択肢の説明をしよう。
ゴウランガ状態となったキャラクターは、以下の恩恵とペナルティを得る。
・「ゴウランガ状態」となったキャラクターは、即座に「戦闘不能」「死亡」を解除し、DLの5倍の個数のダイスを振り、合計値に20を加えた分、現在のHPを上昇する。これによって「最大HP」を超えても良い。
・「ゴウランガ状態」となった直後に、未行動、行動完了に関わらず、一度メインフェイズを行える。未行動であった場合、これによっては行動完了にならない
・「インガオホー値」を上昇することが出来無い
・「現在インガオホー値」が0以下になることで戦闘不能、死亡になることはない
・そのセッションが終了するまでの間に必ず「死亡」する
お分かりいただけただろうか。
必ず死亡、つまりキャラクターをロストする代わりに、ほんの少しの悪あがきが可能になるのだ。
死亡するタイミングはPLとGMでよく相談すること。
また、インガオホー値が0以下となった時だけでなく、どのタイミングでも任意に「ゴウランガ状態」となる宣言を行うことが出来る。
さらに、ゴウランガ状態であっても、再びHPが0になった場合は戦闘不能になることに注意すること。
最終更新:2013年03月04日 12:30