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ナイトウィザード!クロスSS超☆保管庫
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ナイトウィザード!クロスSS超☆保管庫

第13話

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nwxss

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静といのり、そしてサフィーが暮らすアパートの、すぐそばの空き地。
そこで、静とサフィーは互いに向き合っていた。その顔はお互い真剣そのもの。
ひりつくような乾いた空気が辺りには漂う。
当然だ。油断したら大惨事になりかねない。
そして、そのまま時間が流れ…2人は同時に動く!
「《リブレイド》!」
静の魔法がサフィーに向かって放たれる。迫りくる光の刃。だが、サフィーは慌てずに右手をつきだす。
「《ダークバリア》!」
漆黒の壁がサフィーの前に現れて静の魔法にぶつかる。
魔法と魔法のぶつかり合い。そして、光の刃が闇の盾に受け流される。サフィーは無傷だ。
2人の間に沈黙が訪れる。
「…やるじゃないか。発動魔法をこんなに早く使いこなせるようになるなんて」
最初に口を開いたのは静の方だった。不敵に笑う。サフィーに冥の魔法を記した魔導書を渡して1時間。
本職の魔術師でももう少し覚えるには苦戦するところだと言うのに。
「当然よ。そこいらの連中とは年期がちがうもの」
サフィーもまた、不敵に笑い返す。魔法の基本は不可視の力と一緒。サフィーならば、魔法を使いこなすことくらい造作も無いことなのだ。
2人の間の空気が緩む。
ひょんなことから協力し合うようになって、はや2週間。
わずか2週間で、2人の息は驚くほどぴったり合うようになっていた。
まるで、長年行動を共にしてきたかのように。

ところで。

そのすぐ後ろでは流れリブレイドで前髪が焦げた少年が埴輪になっていた。

 *

「し、死ぬかと思った…」
3人の暮らすアパートで、涙目になりながらガタガタ震える少年の名は、駒犬銀之介。
何の因果か異世界のウィザードに協力することになった少年である。
「やあごめんごめん。銀之介君は月匣に入れるってことを忘れてたよ」
朗らかに笑いながら静があやまり、事情を説明する。
「ロンギヌスから払われた謝礼で購入した荷物にサフィーちゃんのための冥の魔導書があってね。
それを渡したら、サフィーちゃんがもう覚えたって言うからつい、ね」
あの後、銀之介から聞いて病院に向かった2人は、ボロボロながらも生きている行方不明だった調査隊を見つけた。
そこでその事を報告したところ、助けだしたと言う事で謝礼が支払われることとなったのだ。
…もっとも報告した瞬間、嘘っ!?と返ってきた辺り、彼らの扱いも分かるというものだが。
「でもさ~」
いのりが、テーブルにお茶とお菓子を置きながら、首をかしげる。
「銀之介君なら、別に食らってもだいじょ~ぶじゃないの?せんせいの魔法で治してもらえば」
いのりが自らの疑問を吐き出した。
銀之介のクラスは、ファー・ジ・アース風に言えば人狼。バリバリの前衛クラスである。
いくら獣化してないからってダークバリアで弾き切れる程度に威力を絞った魔法の1発や2発でど~にかなるとも思えなかった。
実際に悪魔の攻撃を食らっても平気なほど丈夫なんだし。
だが、そんないのりの言葉に銀之介は悲鳴気味に答えた。
「無茶だよ!この姿であんなのが当たったら死ぬよ!?」
「この姿?どういうことだい?」
興味深げに静が銀之介に尋ねる。
人狼と狼人間。字面はそっくりだがこの2つは大きく違う。
そりゃ~変身してれば大概のことは平気だし、とんでもね~力もあるが、それも変身してればのお話。
変身してなければ普通の人間なのだ。
いやむしろ銀之介の場合一般的な男の子よりも貧弱なくらいなのだ。
魔物使いとか本物の魔術師とか本物の吸血鬼とかと一緒にされては命がいくつあっても足りない。
銀之介はまだ自らの意思で変身を制御できないのだ。
なんてなことを銀之介が説明する。
「なるほど。こちらの世界の人狼は僕らの世界の人狼とはずいぶん違うんだね」
銀之介の説明に、静は納得したように頷く。
考えて見ればファー・ジ・アースの人狼はあくまで“人間の姿になれる動物”に近い種族である。
“狼の姿になれる人間”とは全く別物でもおかしくは無いのだろう。
「あれ?じゃあ好きな時に獣化できないんなら普段はど~してんの?満月なんていっつも出てるわけじゃないっしょ?」
銀之介の説明を聞いて、いのりが当然と言えば当然の質問をする。
それに銀之介は少し照れくさそうにしながら答えた。
「ああ、それは…これで」
そう言いながら銀之介はポケットからそれを取り出す。
最近はいつ必要になるか分からないから持ち歩いているのだ。
白くて卵型のそれはもちろん。
「これって…たまご?」
見たまんまである。
「うん。いつもはたまごの黄身で変身してる、と言うより変身しちゃうんだけど」
「変身しちゃう?」
「ああ、止められないんだ。たまごの黄身を見たら。これが原因で何回引っ越したことか…」
しみじみと遠くを見て言う銀之介。
「そ、そうなの?」
「うん。普通は見つかったら騒がれて、保健所か警察を呼ばれてね、あっという間にいられなくなっちゃうんだ」
駒犬銀之介。若い割に苦労人である。

「ああ、そう言えば」
おも~い空気になったのを誤魔化すように静が懐からそれを取り出す。
「これ。銀之介君用に購入しておいたよ」
そう言って静は小さな袋を渡す。中には小さな宝石が2つ入っていた。
「えっと、これは?」
意図がつかめず銀之介が静に尋ねる。
「幸運の宝石と死活の石。不幸と死から君を守ってくれるはずだ」
「不幸はともかく、死ですか?」
聞き返す銀之介に静が頷く。
「うん。多分、これからの戦いで必ず必要になる。あの2人と戦うってだけでも危険なくらいだからね」
あの2人、と言う言葉にギクッと身を震わせる。
銀之介は両方と戦ってその強さを肌で実感している。どちらも1人ではどうしようもないくらい、強かった。
「…分りました。ありがたくもらっておきます」
「ああ。そのために買ったものだ。大事にしてくれ。あ、それと…」
静がにっこりとほほ笑んで、銀之介に言う。
「敬語じゃなくていい。一応僕は君より年下だよ?先輩」
「ええっ!?」
予想外の年下発言にナチュラルに年上だと思っていた銀之介が目を丸くする。
静=ヴァンスタイン。教師やってるのとその大人びた雰囲気で忘れられがちだが、彼はまだ17歳なのである。

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