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ナイトウィザード!クロスSS超☆保管庫
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ナイトウィザード!クロスSS超☆保管庫

第04話

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だれでも歓迎! 編集
 紅い月が輝く、ミルクのように濃い霧のたゆたう場所で…その少女の姿をしたものは笑みを
浮かべつつ思索を続ける。
 既に3回の「繰り返し」の中で、契約者の少女の心の拠り所はわかった。あとはもう一手を
打てば、この契約者の心は完全に堕ちるのは間違いない。

 あとは…この少女が何より大事に思っている拠り所を「喰い」、繰り返される時間の中の役
者に作り変えるのみ。

 だが油断はできない、密やかに進行しているはずのこの「繰り返される時間」の存在に気が
ついた者の存在がある。

 ひとつはあの金色の魔王ルー・サイファーをも斬った「神殺し」の魔剣使い・柊蓮司。

 そして、蒼い髪の守護霊。特にこの守護霊はウィザードでもないのに、並みのウィザードを
遥かに超える慈愛から生まれたプラーナで、契約者の「拠り所」たる少女を守護している。

 今度こそ失敗はしない。あの「神殺し」といえど、身内に剣を向けるのには躊躇が生まれる
はず。なればこそ、一刻も早く契約者の少女を堕とさねばならない…。

 紅い月の照らす虚ろな世界の中で、少女の姿をした「侵魔」は哂う。その眼窩に虚ろな闇と
紅の煮凝りのようなものを湛えて…。

 「えー、みんな席につけー。今日はみんなに転校生の紹介をするー。ほれほれ、はよぅ入ら
んかい転校生っ!」

 その日の朝の3年B組のHRにて、めでたく転校生となった柊蓮司は、担任の黒井ななこ先生
によってクラスメイトと引き合わされる羽目になった。

 控えめに見てもふて腐れている態度がありあり判るその態度。陵桜の学生服が間に合わなか
った為に着ている輝明学園のブレザー姿も合い合わさって、はっきり言ってかなり浮いている
のは否めない。まぁ、彼本人の胸中たるや…察するにあまりある所ではあるのだが。

 「というわけで!転校生の柊 蓮司くんや。色々事情があっての急な転校つーことなんで何
かと戸惑うとこも多いかも知れへんけど、みんな、仲良くしてやるんやで~」

 黒井先生が余計なことを言わなかった事に対し、胸中で最大級の感謝の言葉を述べる柊。何
せ母校の輝明学園では、よせばいいのに担任が余計なことまでベラベラ喋ったお陰でかなり悲
惨な目にあったのだ。

 黒井先生はその辺をわきまえてる人らしく、柊の悲惨な環境-高校を卒業しているはずなの
何故か高校に通う羽目になっている所など-を触れることもなく済ませてくれた。あとは余計
なことをつかさが言い出さなければ…などと思ったのが甘かった。

 背筋を貫く奇妙な悪寒…その根源を探るべく視線を巡らせた柊の目に飛び込んだのは…あの
子狐を擬人化したかのような小柄な少女、確か泉こなたとかいう名前のつかさ達の友達だった
はずだ。その目は明らかに…悪戯を思いついた子供のように爛々と輝いている!?

 「は~いせんせー!その人ってたs」
 「どぉうわぁぁぁぁぁぁぁああああああああぁぁぁぁぁぁっ!?」

 慌ててこなたの発言を大声で誤魔化す柊。傍から見てもやばいほどに脂汗を流し、露骨なま
でに表情が強張り、顔色も心なしか青ざめているような気がする。

 と、その次の瞬間。まるで瞬間移動でもしたかの勢いで柊はこなたの真横まですっ飛んで移
動していた。こなたの耳元まで顔を寄せ、何かを必死に訴える柊。意地悪そうに微笑むこなた。

 「いいからっ!とりあえず静かにしててくれ泉っ!?色々バレると体裁とかまずい事なんだ
からっ!?本気で洒落にならない笑い話になるんだぞっ!?」
 「ふーむぅ~…んじゃ、だまっててあげましょー『パーカー』?」

 一瞬の沈黙…の後、怒涛の勢いでまくし立て始める柊。

 「だぁれがパーカーだ誰がっ!?お前まさか俺を使用人宜しくこき使うつもりじゃないだろ
うなっ!?」
 「別にそんな事かんがえてないよぉ?ねぇ?パーカー?(にまにま)」
 「だからそれはやめろってぇっ!? 」

 「は~いせんせー!その人ってたs」
 「どぉうわぁぁぁぁぁぁぁああああああああぁぁぁぁぁぁっ!?わかったっ!?わかったか
ら静かにしてくれぇぇぇっ!?」
 「静かにして「ください」でしょ?パーカー?」

 明らかに声と顔が笑っているこなた。その表情にははっきりと「面白いおもちゃをげっと!」
という文字が透けて見える気がする…だが、背に腹は変えられない…。

 「どうか静かにしてください…こなた様…っ!」

 苦渋の表情で頭を下げる柊蓮司19歳。

 こうしてここに、泉こなたの専属おもちゃ兼使い走り・柊蓮司が爆誕した。もう音速で立場
まで下がった訳である…合掌。

 あっという間に昼休み。この所どうも頭がはっきりしない、風邪でも引いたのかなと思うけ
ど、別に熱があるわけじゃないし…こなた達に妙な心配をさせる訳には行かないよね。

 あたしは気持ちを切り替えて3年B組の教室へ向かう。蓮司兄さんの分のお弁当の包みも持っ
て。まさか卒業したはずの蓮司兄さんまで陵桜にくることになるとは思わなかったなぁ…など
と思いながら。

 「こなたー、つかさー、みゆきー」

 軽く声をかけながら手を振って見せると、ぐったりした表情の蓮司兄さんと、その傍でにや
にや笑いをしているこなた。あとその光景を困ったような笑顔を浮かべつつ眺めているつかさ
やみゆきの姿が見えた…また、こなたが何かやったのかな。溜息ひとつ胸中でついてからあた
しはみんなの所に歩いていった。

 「やぁかがみーん♪やっぱかがみんのツッコミ属性といぢられ属性って血で継承されてたん
だねぇ~♪」
 「はぁ!?あんたいきなり何言ってんのよ?」

 開口一番がこれだ。あたしは軽くあきれ返りつつこなたに言葉を返す。

 「いやだってもう、かがみんもパーカーも弄るのが面白いの何のっ!」
 「「いぢって楽しむなぁぁぁぁぁっ!?」」

 思わず綺麗に、蓮司兄さんと声がハモる。パーカーってのは…またこなたが妙なあだ名を勝
手につけたんだなと納得する。

 何はともあれ、お昼休みもそう長い時間ってわけじゃない。あたしはとっとと手近な机を寄
せて、みんなでご飯を食べられる状態を作る。あと、蓮司兄さんにお弁当のつつみを手渡した
ら…何故か、こなたの顔が悪戯娘モードのにんまり笑顔になった。無視よ無視無視。

 「あ、そーいや今日はかがみんが弁当当番の日かぁ…パーカー、胃薬の準備はいいかね?」
 「胃薬って何よ!?そりゃあたしはあんま料理とか家事とか得意じゃないけど…!?」

 という問答を尻目に、蓮司兄さんは普通に弁当箱をあけ、中身を見て感心して見せた。

 「何だ、普通に旨そうじゃないか。別に弁当の中身が混沌(カオス)になってブクブク泡を
吹いてるわけでもなけりゃ、弁当が叫び声上げて箸に噛み付いたりしねぇし」

 …何か今、さらっととんでもない発言を聞いたような気がする。まぁ、細かい事は気にしな
い方がいいのかな…ともかく、普通に蓮司兄さんは勢い良くお弁当を食べ進めている。

 「そう言えば柊さんはかがみさんとつかささんの従兄弟に当たられるのですね?」

 などと言いながらちまちま自分のお弁当をつつくみゆき。その時、ふと蓮司兄さんの目がみ
ゆきのお弁当を見て…蓮司兄さんはこう言った。

 「高良の弁当って晩飯の残りをおかずに使ってるとか、言ってたよな…」
 「あ、はい。お恥ずかしながら…」
 「…普通、鰻とかあまんねぇよなぁ…」

 どこか遠くを見る目の蓮司兄さん。あたしも同感。みゆきの家ってあたし達とは生活のレベ
ル、違うんだろうなぁと思ったりしつつ、あたしもお弁当に箸をつける。鮭の切り身、少し焦
がしてたりとかするのが恥ずかしいかなと思ってたら。

 「ごっそさん!普通に喰えるし問題ねぇよ。…もしかがみがそれでも不満なら、焦らずチマ
チマ、時折台所に立ってやってみな。

 食材に包丁入れた片端から、食材が化け物に転生するような様子もないし、案外普通に旨い
飯作れるようになるんじゃねぇか?」

 ニヤリと笑って親指を軽く立てる蓮司兄さん。ニコニコしつつその様子を見てるつかさ。

 …よし、時々料理もやってみよう。あたしは内心でそう決意しつつ、賑やかなお昼のひと時
を過ごして行く…こんな日々がずっと続けばいいのに、と願いを込めながら。

 (どうなってるんだ、こりゃあ…)
 柊蓮司は、表情には出さないままその胸中で肝を冷やしていた。

 時間の巻き戻り現象に関して、学校の外では殆ど何も影響は出ていなかったのだが…それが
この陵桜学園の中では、まるっきり様子が違っているのだ。

 具体的に言えば、この学校内の人々の大半からは「生きた人間」の存在感が感じられない。

 まるで舞台の書き割りとか背景のような希薄な存在感。もっと端的に言えば「人間のフリを
している木偶人形」としか言いようのない生徒や教師達。

 柊の目で見る限りでは、陵桜学園の中にいる生徒の中でまともに「存在している」人間の数
は多くても30人に満たない程度しかない。しかも、その「存在している」人間達もこの異常事
態をまるで認識していないのである。

 学園の外に影響が出ていないのは幸いといえる。こんな異常事態が学園の外にまで及んだり
した日には、世界結界にどんな悪影響が及ぶか知れたものではない。

 事態の収拾の為に、最悪アンゼロットが強攻策を取りかねないなと思いつつ、柊は放課後の
学園の屋上にて、0-Phoneを使って律儀に調査内容を報告しようとしていた。

 報告を手短に済ませられりゃいいなと思いつつ、0-Phoneに登録されていたアンゼロットの
番号を呼び出そうとしたとき…。

 世界から、一切の色彩と音・時間が停止したような感覚が柊を襲った。

 「助けて…!娘を、助けて!!!」

 あの時に見た守護霊の女性の悲痛な叫びが、屋上のフェンスの向こうから聞こえる。それに
反射的に反応して柊が見たものは…。

 満天を支配せんがばかりの勢いで照り輝く、血のように禍々しく光る紅い月。
 そして、はるか眼下で。人の影法師のような姿をした異形の影に追われるこなたの姿。

 考えるより遥かに早く、柊は虚空から愛剣を一挙動で引き抜く!

 屋上のフェンスを一閃で叩き斬り、その隙間から身を躍らせ、柊蓮司は風を切り裂き一気に
襲撃者達の元まで飛び降りた!

 「おや?」

 泉こなたがそれを見たのは、ほんの偶然の出来事だった。
 放課後になって、つかさとみゆきが掃除当番になってた為に一人で先に歩いていたこなたは、
渡り廊下をフラフラと歩くかがみの姿を見かけた。

 そう言えばここ数日、かがみの様子がおかしかった。具体的に言えばかなり重い貧血のよう
に見える。

 「おーい!かがみーん!」

 声をかけて手を振ってみるものの、まるで返事も反応もない。ただフラフラと歩くかがみの
姿に不安を覚え、こなたは小走りにかがみの後を追って駆け出す。

 いつもならもっと早い段階で声に反応するはずのかがみは、まるで夢遊病の患者のように歩
く。フラフラと渡り廊下を超え、中庭から校舎裏へ…こなたも小走りに駆けるが、何故かまる
で追いつけない。

 そして、校舎裏までこなたが駆けつけた時。

 一瞬の耳鳴り。

 その後…唐突に深紅に染まる世界。
 真昼の空は何処かへと消え去り、満天を支配するのは血の様に紅い満月。

 そして、こなたの目の前で浮腫み上がり、ゆっくりかがみの面影を壊して姿を変えていく影
法師のような『何か』。校舎裏に居合わせていた他の数人の生徒達の姿もかがみのように内側
から浮腫み、人ではない『何か』に変わっていく!?

 「か…。かがみ…ん?」

 声がかすれるのがはっきり判る。ともすれば思考がとまりそうになるが……誰かが背中から
優しく抱きとめてくれるような感覚が、こなたをギリギリの線で踏みとどまらせる。

 ただ、脳裏に響く警鐘だけは鳴り止まない。まるで起きたまま悪夢の世界に迷い込んだよう
な感覚が離れない。

 次の瞬間、こなたの身体が反射的に動けたのは彼女が昔習った格闘技の経験故か。

 一番傍に居合わせた『何か』の振りかぶった手が、影を磨いて作った鉈のような何かに変質
して、轟音とともに一瞬前までこなたが居た大地を木っ端に打ち砕く。

 考える前に身体が反応し、必殺の一撃を見切ってかわすこなた。地面を抉りぬいた影の刃が
ごぞりと音を立ててアスファルトを削り、引き抜かれるまでの間隔を狙い、彼女は迷わず走り
出す!

 だが、幾ら走っても走っても。まるでこの悪夢からは逃げられない。こなたの後を追って例
の影法師たちが走り、追ってくるのがはっきり判る。

 足を止めたら命はない。本能的にそう判る。だからこなたは懸命に走る。背後から支えてく
れる気配に、ともすれば凍りつきそうな勇気と身体を支えてもらいつつ必死に走る。

 そして、こなたが校庭まで駆け出したとき…はるか頭上で金属が引き裂かれるような轟音が
響き…頭上すれすれを掠めるように降って来た人影!

 轟音とともに、一番先頭を駆けていた影法師がまるで砲弾のように真横に吹き飛び、途中で
蒼い輝きに内側から侵食されるようにしてバラバラに爆ぜて散っていくのが見える。

 そして、その影法師を真横に吹き飛ばしたのは…。

 「おっしゃあっ!無事か!泉っ!?」

 グラウンドをスニーカーで抉り、手にした古風な直剣を真横に振り切った姿勢で佇む柊蓮司
の姿だった!

 文字通りの最短距離。すなわち屋上のフェンスを魔剣で破壊してそこから虚空を舞いこなた
の前に飛び出すという無茶な移動をした柊は、虚空で『力ある言葉』を解き放つ。

 『疾く来たれ!嵐の乗り手!』

 魔力の疾風を呼び込み身体能力を引き上げ、移動を補助する魔法『エア・ダンス』を使い虚
空での姿勢制御という無茶を、魔法の疾風を使って難なくこなし、着地ざまに目の前に居合わ
せた『影法師』めがけ、一気に魔剣を横薙ぎ一閃、叩き付ける!

 まるで砲弾を喰らったかのような勢いで真横にすっとび、爆ぜながら砕け散る影法師。

 背後に居るこなたが無事であることを気配だけで感じ、言葉を掛けてから返事を待たずに剣
を構えなおして意識を剣闘にむけてシフトしていく。

 後を追って駆け込んでくる影法師は合計でいつつ。意識を研ぎ澄まし、身体の奥に眠るプラ
ーナを覚醒させ、心身にそれを巡らせて行く。

 「動くなよ!泉っ!!」

 それだけを言うや否や。柊は蒼い熱風と化して地を蹴って飛び出した!

 先頭にある影法師の刃を刹那で見切って擦れ擦れでかわし、真横を駆け抜ける直前に胴を刈
る一閃で吹き飛ばす。横方向の回転を殺さぬよう、地を這うような低い姿勢のままで剣を振り
抜き、さらに前に踏み込む!

 逆袈裟に振り抜いた一閃で大空に向けて影法師を打ち上げて吹き飛ばし、そのすぐ後ろに居
た影法師に向けて、振り抜いた剣閃を斬り返しての袈裟斬りの一太刀を叩き込む。

 後続の影法師がその手を槍のように変質させ、突きの弾幕を張って柊の接近を阻むが…。

 なんと、魔法とプラーナで身体を活性化させた柊はその槍の弾幕を『前進しながら』全てか
わし、そのまま間合いの内側に易々飛び込んで…。両腕を掬い上げる一閃で影法師の槍を根元
から斬り飛ばした!

 腕を失い武器を無くした影法師の胸板を、返す刀で放つ平突刺の一発で打ち貫く。

 内側から蒼い熱風-柊のプラーナ、すなわち風と火の魔力の象徴である-に蝕まれ、無音の
まま破裂する影法師。

 「逃がすかよっ!!」

 最後に控えていた影法師が慌てて転進しようとするのを見て、柊は即座に『力ある言葉』を
胸中で解き放った。

 『蒼き疾風よ 刃に纏え!』

 今では遺失された魔法のひとつ『エア・ブレード』の影響を受け、柊の魔剣が蒼く輝く燐光
を伴い、つむじ風を纏い始める。

 常識では絶対に届かない間合いの外での剣閃を、今まさに柊が打ち放とうとした矢先!

 「ま、まってっ!!」

 こなたの声に気勢を挫かれ、必殺の気合を込めた斬線が僅かにずれる。

 無形の真空刃は影法師の左の二の腕を掠めて舞い、その奥にあった駐輪場の屋根ごと自転車
の群れを木っ端に砕きつつ直進。挙句その奥の校舎の壁に轟音とともに横一文字の傷跡を刻み
爆音が辺りに響き渡った!

 文字通り紙一重で破滅から逃れた最後の影法師が虚空に消えるのを見届けた後、柊は一息を
ついて手にした魔剣を下ろした。

 背後に居るこなたが、震える指で柊の剣を指差して、小刻みに震えているのを見て溜息ひと
つ。本来、イノセントと言われる一般人がこうした異常事態に巻き込まれると、最悪の場合は
その存在自体が抹消されるような事になるのだが、どうもこなたはその気配がない。

 おそらく、柊の目でわずかに見て取れる暖かいプラーナが、こなたを非日常の侵食から護っ
ているのだろうと判断し、心から安堵の溜息をつく。

 そして…こなたがやっとの思いでつむいだ言葉は…。

 「そ…」
 「と?どうした?泉?」

 「それって。その剣ってもしかして、トレイター・・・・?」

 柊の魔剣を指差し、意味不明の単語をつぶやくこなた。

 「ってぇ!?何の話をしてやがるんだお前はよぉぉぉぉぉぉぉっ!!?」

 などと言いつつ、魔剣を『月衣』の奥に収める柊。そのタイミングで満天を支配していた紅
い月も甲高い音とともに砕け散り、風景が一気に現実感を取り戻す。

 さて、どう説明したものか…厄介な案件がまたひとつ増え、柊蓮司は胸の中でため息をついた。 

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