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ナイトウィザード!クロスSS超☆保管庫
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ナイトウィザード!クロスSS超☆保管庫

第06話

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nwxss

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 「遅いわね、蓮司くん…」

 母さんが困ったような顔でそう言った。下校時間なんかとっくに過ぎて、外はす
っかり日が暮れきっている。

 「もしかして、迷子になってるとかかも…?」
 「つかさじゃあるまいし、そりゃないでしょ?」

 不安げに呟くつかさにツッコミをいれるいのり姉さん。けどまぁ、確かに遅すぎ
るかも知れない…ちょっとその辺を探してみようかな?と思った矢先。

 「ただいまー、すんませんちっと遅れましたっ!」
 「おじゃましまーっす♪」

 などという声が、玄関先から聞こえてきたりした。片方は間違いなく蓮司兄さん
として…もう一方は!?

 「ってこなたっ!?何でアンタまでこっちに来るの!?」
 「いやぁ…今日出された古文の課題が、まるで未知の怪文書のよーにしか見えな
くてだねぇ、と、途方に暮れて救いを求めにきたと言うことだよ、かがみん」
 「…丸写し目当てかいっ!?ったくもぅ…何時までも丸写しばっかじゃなくてチ
ャンとしないと受験の時に困るわよ本当にもう…」

 突然の来訪の理由はそれか…内心で呆れ7割、諦め2割のため息を盛大についた
上でとりあえず、玄関先に来ている二人を居間まで案内する。見ればこなたに至っ
てはしっかり宿泊用意まで済ませてるし…わざわざ一回家まで荷物取ってきてから
こっちに来たのかぁ…。
 などとこなたの行動力に呆れるやら何なのやらという思いで夕飯の席に着く。
 …どうも、蓮司兄さんとつかさからも何かを期待するような視線を感じるのは気
のせい…じゃないよね。間違いなく。

 「い、いやぁ…さすが陵桜。輝明学園とはレベルが違うっていうか何ていうか…
あ、あはははは…」
 「そだよねー、難しいよね古文とかー…あ、あははははー」

 盛大に溜息。まぁ、一人面倒見るのも三人面倒見るのも同じことかと納得させて
あたしはとりあえずこなたと蓮司兄さんの分のお茶碗を取りに立ち上がった。

 その時。

 ズキリ、と左の肩口あたりが鈍く傷んだ。別に今日、そんな所に怪我をした覚え
は全くないのに、何で痛むんだろう…?
 疑問は後で、今はお腹をすかせてる二人の分のお茶碗を…などと思いつつ、あた
しはみんなの所に戻ることにした。

 一瞬だけ、あたしのほうを険しい顔で蓮司兄さんが見ていたような気がしたけど
…たぶん、気のせいだと思う。

 普段でもあたしの家は食事時が賑やかだけど、今日はいつもに増して賑やかだ。

 特に賑やかな要因は…間違いなく蓮司兄さんとこなた。

 もう何年も前からの友人同士じゃないのかと思うくらいに息ピッタリで様々な
ボケとツッコミを交わしてる。
 あまりに面白すぎて危うく口に含んだお味噌汁を噴き出しそうになったりした
けど、こういう賑やかなのも悪くないなぁ…。

 ずっと、こんな日が続かないかなぁ…あたしは漫然とそう願っていた。

 食事時の風景もあっという間に過ぎ去って、母さんたちが片付けをはじめるのを
尻目にあたしは自室に戻り、古文のノートを取り出すついでに、ふと気になって自
分の左の肩口に目をやった。


 …そこには、何時の間についたのかわからないけど。はっきりわかる程度に赤く
伸びる『まるで刀傷の痕のように見える』赤い痣があった。
 けど、こんなの何処で付けたんだろう…今日、別に肩を怪我するような事はなか
ったはずなんだけど…?

 『キニシナイデ イイヨ? 怪我ノ 事ハ 全部忘レテ』

 …なんだろ、頭の芯がぼーっとしてる。さっきまで何考えてたのかな?あたしは
少し頭を振って気をシャンとさせてから、こなたたちが待っている居間まで取って
返すことにした。

 「…つ、疲れ…た」

 魂が抜け落ちたかのような顔で、だらしなく卓袱台に突っ伏す柊。手にしたシャ
ーペンも乾いた音を立てて転がり、その体からは欠片の生気も感じられない。
 同じような体たらくで柊の向かいの席で突っ伏すのはこなた。目が空ろでその挙
動には欠片一片の気力も見受けられない。

 「ま、まさか…かがみんが古文の家庭教師モードに入るとは…。不覚っ(がく)」

 何故に二人が憔悴しきっているのか。その理由はこれである。

 古文の課題を丸写しする(だけが理由ではないのだが)為にかがみに頼ってみた
所、「丸写しはみんなの為にならないから」という理由で、古文の課題の出た近辺
のあたりをまるで家庭教師のような熱意で教えだしたのである。

 まるっきり学校の授業のような小一時間が経過しきった後、この場に残ったのは
気力体力尽き果てた体たらくのこなたと柊の姿であった。

 「だいたい、パーカーって高校卒業してるんだったらもうやった内容じゃないの~?なんで全くわかんないかなぁ…?」
 「っせぇよ!俺は色々あって在学中ロクに授業に出られなかったんだっ!というか陵桜と輝明学園を比べるなっ!レベルが根本から違うんだっ!?」

 気力がほぼ尽きかけているのにも関わらず、相も変わらずのノリで掛け合いを交
わすふたり。その向かいですまし顔でノートと教科書を片付けるかがみと、奥から
焼き菓子にミルクティーを用意してくるつかさ。

 「…お、もしかしてマドレーヌか?」

 ひょこっと顔をあげる柊に、満面の笑みで答えるつかさ。

 「そだよー、お茶請けに相性いいし。頭いっぱい使ったあとは甘いものがいいか
らもってきたんだー♪」

 満面の笑顔で皿を卓袱台の真ん中に置くつかさ。マドレーヌを一個手にとってか
ら頬張り、その味を確かめるように味わう柊。
 その数秒後に柊の顔が笑顔になったのを見て、同じようにほにゃっと笑顔になる
つかさ。

 「知り合いのマドレーヌに負けず劣らずだなこりゃ。本職狙えるんじゃないのか
つかさ?いや、真面目にうめぇわこれ!」
 「そ、そっかな?」
 「つかさのお菓子はいつも絶品だからねー♪」

 などと会話しつつ、机の下でこなたに一片の紙片を渡す柊。
 軽く中身を確認して、さりげに頷きを返すこなた。

 平和な時間は過ぎていく。今夜、二人はひとつの苦難に立ち向かう事になるのだ
が…今だけは、この暖かな時間を大事にしたいと、柊は心の底からそう思った。

 ダイエットに纏わる様々な事柄で盛り上がるかがみとこなたの笑顔を眺めつつ。

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