※Twitterからの引用なので専用の言い回しが存在します、ご了承ください。
【A】
(僕は教室の窓側の椅子に座り、机を挟んで向かい合わせにいる同級生の女の子と話をしていた。)
(僕は教室の窓側の椅子に座り、机を挟んで向かい合わせにいる同級生の女の子と話をしていた。)
今日は聞きたいことがあるんだったっけ。何を聞きたいの?
(そう、今日は彼女が珍しく自分を呼んで話をしようと切り出してきたのだ。)
こんな感じに最初の導入は状況説明とかで良いと思うんだけど。
【B】
むすっとした顔で彼を見る。彼はいつも、熟練者に向けた説明しかしてこない。
導入に状況の説明なんて、小説でもSSでもだいたい同じに決まってる。
むすっとした顔で彼を見る。彼はいつも、熟練者に向けた説明しかしてこない。
導入に状況の説明なんて、小説でもSSでもだいたい同じに決まってる。
「そうじゃなくて!もっとこう…分かりやすく…」
分かりやすく説明してほしい、と言いたいけど、上手く言葉に出てこない。
【A】
はいはい。今彼女がやったみたいに、相手を知ってるなら"どんな人か"を表現するのもいいね。でも───
はいはい。今彼女がやったみたいに、相手を知ってるなら"どんな人か"を表現するのもいいね。でも───
ロルが何なのか、についてまず説明しよっか。
(悔しそうに抗議する彼女をなだめて落ち着かせる。)
と言っても140字じゃ足りないし、ツイートが重なってもいいよね。文体もちゃんと分けてるし。
【B】
「何言ってんのよ。てか、文体ってバラバラでいいもんなの?そこキチッと合わせましょうよ、というかそもそも文体って何?
書き方もなんかよく分かんないし、正直話についてけないわよ?」
「何言ってんのよ。てか、文体ってバラバラでいいもんなの?そこキチッと合わせましょうよ、というかそもそも文体って何?
書き方もなんかよく分かんないし、正直話についてけないわよ?」
Twitterだと確かに140字だし足りない、他のサイトならもっと長く書けるけど…。
今は長さ以前の問題だと思う。
今は長さ以前の問題だと思う。
【A】
(彼女の疑問にうんうんと頷く。仕草があるとただ感情を描写するより分かりやすく伝わるのだ。)
(彼女の疑問にうんうんと頷く。仕草があるとただ感情を描写するより分かりやすく伝わるのだ。)
文体っていうとまぁ…僕たちは台詞と地の文の分け方の話の時、よく文体って言葉を使うね。
今とか、僕は地の文を()の中に入れて、セリフは何もつけずにおいてるでしょ?
今とか、僕は地の文を()の中に入れて、セリフは何もつけずにおいてるでしょ?
(つまりこの部分のことだ。)
でも君はセリフを「」の中に入れて、地の文を何も付けずに書いてる。
実はロルをやってる時に、相手と文体が違うことって結構あってね。セリフは[]の中、なんて人もいるし、()と「」の両方を使う人もいるんだ。
実はロルをやってる時に、相手と文体が違うことって結構あってね。セリフは[]の中、なんて人もいるし、()と「」の両方を使う人もいるんだ。
(こうして説明を重ねると、描写しなくても何となく相手が詳しそうな人だと分かる。)
【B】
「へぇ…そんなんで良いの。何か適当なのね。でも、それってどれが正解とかってあるの?いっぱい参考があるとどれ使えばいいか迷うじゃない。」
「へぇ…そんなんで良いの。何か適当なのね。でも、それってどれが正解とかってあるの?いっぱい参考があるとどれ使えばいいか迷うじゃない。」
今は仮としてこれを使ってるけど、新規があたふたするなんて分かり切ってるし…。
「というか、ロルが何なのかって話から脱線してない?」
【A】
先に文体って何?って聞いてきたのはそっちだよ。
先に文体って何?って聞いてきたのはそっちだよ。
(やれやれ、と溜息を吐く。
ちなみに心情描写はこっちに伝わらないから、きっちり伝えたいことがあるならセリフにした方がもちろん、分かりやすい。)
ちなみに心情描写はこっちに伝わらないから、きっちり伝えたいことがあるならセリフにした方がもちろん、分かりやすい。)
ロルってのは、今みたいに一対一で小説を作り上げるみたいな。リレー小説って聞いたことある?
聞いたことあるなら、それに近いかな。
何となく相手のセリフを対して返事したり、質問したり、良い感じに会話になるようにつなげるんだ。
聞いたことあるなら、それに近いかな。
何となく相手のセリフを対して返事したり、質問したり、良い感じに会話になるようにつなげるんだ。
(例えば今のこれも、ちゃんと相手の質問に対して説明を重ねるという会話になっている。)
他にも、相手の動きに合わせて地の文で動きの描写をしたり…とかね。
【B】
地の文で描写をする、ってのも分かりにくい言い方に聞こえてしまう。
でも、何となく地の文は考えや動き、セリフはそのまま言いたいこととかセリフを書く、って言い方で伝わったような気がする。
地の文で描写をする、ってのも分かりにくい言い方に聞こえてしまう。
でも、何となく地の文は考えや動き、セリフはそのまま言いたいこととかセリフを書く、って言い方で伝わったような気がする。
「ふーん……」
ちょっと悔しいけど、でも感心もした。
聞けば説明を返してくれるんだから。
聞けば説明を返してくれるんだから。
【A】
(彼女の感心したような姿勢に、くすっと笑みを零す。笑ったり怒ったりの理由は相手に考えさせる、というのもロルの書き方の一つだと僕は思っている。)
(彼女の感心したような姿勢に、くすっと笑みを零す。笑ったり怒ったりの理由は相手に考えさせる、というのもロルの書き方の一つだと僕は思っている。)
でも、今のそれとか。
相槌、返事、だけで返されると、この後どう繋げようかな?って困っちゃうこともあるんだ。
状況にもよるけどね。
相槌、返事、だけで返されると、この後どう繋げようかな?って困っちゃうこともあるんだ。
状況にもよるけどね。
【B】
「む…確かにそうね。"好きなもの何?""バナナ""そっかー"って返されたんじゃ、話の進めようがないものね。
じゃあ、えっと…そうよ、今の時間とか状況とか全然分かんないんだけど、そこはどうすればいいの?
相手と二人で書くんだし、勝手に"こんな感じ"って書いて解釈違いとか、起きないの?」
「む…確かにそうね。"好きなもの何?""バナナ""そっかー"って返されたんじゃ、話の進めようがないものね。
じゃあ、えっと…そうよ、今の時間とか状況とか全然分かんないんだけど、そこはどうすればいいの?
相手と二人で書くんだし、勝手に"こんな感じ"って書いて解釈違いとか、起きないの?」
【A】
(ちなみに、余りに動きがないと今みたいにセリフだけの描写になることもある。普通の人はそうならないよう、地の文でどんな感情とかを書くもんだけどね…)
(ちなみに、余りに動きがないと今みたいにセリフだけの描写になることもある。普通の人はそうならないよう、地の文でどんな感情とかを書くもんだけどね…)
そりゃ、起きる時も起きない時もあるけど。
でも今ってそれ、重要じゃなくない?分かってるのはここが教室で僕たちが話してることだけ。
だけど何かここ気になるな、ってならないでしょ。今の状況とか、時間帯も分かんないでしょ?そんなもん、そんなもん。
もし決めたいってことがあるんだったら、そこは書く前に相手と相談しておくといいよ。
でも今ってそれ、重要じゃなくない?分かってるのはここが教室で僕たちが話してることだけ。
だけど何かここ気になるな、ってならないでしょ。今の状況とか、時間帯も分かんないでしょ?そんなもん、そんなもん。
もし決めたいってことがあるんだったら、そこは書く前に相手と相談しておくといいよ。
(たまに相談せず独断専行を重ねる人もいるが、常識の範囲内に留めるのがコツだ。)
【B】
何だか内心で小馬鹿にされたような気がした。さっきから怒ってばかりな気も、する。
何だか内心で小馬鹿にされたような気がした。さっきから怒ってばかりな気も、する。
「じゃあほら…私たちはクラスメイトだから良いけど、知り合いじゃない人とかと話す時ってどうするのよ。
困らないの?シチュエーションがどうだこうだって言っても、私たちシチュエーション作りの匠じゃないし。」
困らないの?シチュエーションがどうだこうだって言っても、私たちシチュエーション作りの匠じゃないし。」
【A】
困る時もあるよ?上手いことシチュが思い浮かばなくて、これどう続けようかなってなることもある。
だから、予めキッチリ決めておくといいんだ。安心して、最初は優しい人がちゃんと"こういう風にしよっか~"って指南してくれるよ。
困る時もあるよ?上手いことシチュが思い浮かばなくて、これどう続けようかなってなることもある。
だから、予めキッチリ決めておくといいんだ。安心して、最初は優しい人がちゃんと"こういう風にしよっか~"って指南してくれるよ。
(してくれなかったらなるようにしかならない、とも言う。)
【B】
「えぇ…そんなんで良いの…で、でもシチュ決めの時に話すのは導入のことだけでしょ?こんな風に話を終わらせよう、ってのは相談しないでしょ。
そういう時はどうするの?」
「えぇ…そんなんで良いの…で、でもシチュ決めの時に話すのは導入のことだけでしょ?こんな風に話を終わらせよう、ってのは相談しないでしょ。
そういう時はどうするの?」
延々と話を続けるのか、なんて考えるとゾッとする。
良い感じに話を終わらせないと他の人と絡めないけど…どうするんだろう。
良い感じに話を終わらせないと他の人と絡めないけど…どうするんだろう。
【A】
(それも中々初心者らしい質問だ。ふふ、と笑いながら僕は立ち上がり、鞄を手に取った。)
(それも中々初心者らしい質問だ。ふふ、と笑いながら僕は立ち上がり、鞄を手に取った。)
良い塩梅を見極める。これに尽きるね。
ここらへんで区切れるかな、ってとこが見つかればそれが一番だよ?でもそう上手く行かないこともあるし、そこは状況次第。
ここらへんで区切れるかな、ってとこが見つかればそれが一番だよ?でもそう上手く行かないこともあるし、そこは状況次第。
(リレー小説と表現した理由はそこにもある。)
相手と上手く噛み合わせながら自分のキャラクターを動かし、一個の作品として成り立たせる意欲が大切なのだ。)
こんな風に後付けで説明を重ねるとそれっぽかったりもするね。
さぁて、僕は君と違って帰宅部だ、早く帰らせてもらうとするよ。
さぁて、僕は君と違って帰宅部だ、早く帰らせてもらうとするよ。
(相手のキャラクターの情報を読み込んでおくのも大切だ。)
【B】
「え、ちょ、そんな適当でいいの…?」
「え、ちょ、そんな適当でいいの…?」
塩梅を見極めるとか、状況次第とか。
そんなの"臨機応変に対応しろ"と言われているようなものだ。厳密にこうしろっていう概案書とか…無いの…?
そんなの"臨機応変に対応しろ"と言われているようなものだ。厳密にこうしろっていう概案書とか…無いの…?
「ってか、ちょっとちょっと。まだ話は終わってないわよ!何勝手に話終わらせようとしてるの!」
【A】
えぇ?だって君が終わらせ方の話をしてくるから、話長かったかなって。
えぇ?だって君が終わらせ方の話をしてくるから、話長かったかなって。
(専用サイトなら一枚に収まるものをTwitterでこんな長々と書いてるんだ、彼女はもちろん見ている第三者もなげーなこれって思い始めるだろう。
そういうのを見計らって強制的に畳む戦法もある。)
そういうのを見計らって強制的に畳む戦法もある。)
大体、ロルなんて最初は見て盗み、やって学ぶものなんだよ。
これが正解って書き方もなければ、こうしろって書き方も最低限しかない。そこはほら、自分で後々オリジナルの手法とか、やりやすいものを見つけていけばいい。
これが正解って書き方もなければ、こうしろって書き方も最低限しかない。そこはほら、自分で後々オリジナルの手法とか、やりやすいものを見つけていけばいい。
───というわけで、じゃあねっ!
(鞄を抱え、逃げ出すように教室を去る。)
【B】
「…い、いやいや……」
「…い、いやいや……」
何だかそれっぽく説明を重ねたけど、ようは"やってみろ"ってことにしかならない。
いくら何でも説明が滅茶苦茶すぎる……。
いくら何でも説明が滅茶苦茶すぎる……。
「……に、逃げるなぁあああああ!!!」
彼のいなくなった教室で、私は叫ぶしかなかった。
…あぁ、これが動きの描写ってやつか…。
…あぁ、これが動きの描写ってやつか…。