鵺(ぬえ)
ぬえとは、頭は猿、手足は虎、胴が狸、尻尾が蛇の
妖怪。複数の生物の混成と言う点では
ギリシア神話の
キマイラと似ている。
伝承によれば、平安時代に源頼政(みなもとのよりまさ)と言う人物が猪早太に命じて鵺を仕留めたという。
えーと、このなんぞの鳴き声「ヒョー」が鵺に似てるので、厳密にはこれは「鳴き声が鵺っぽい生き物」なのだが略称として使われている。また吉田兼好『徒然草』に、「呼子鳥」が出ると魂呼びをしなきゃいかんが、それは鵺だとある。
文献により胴体は語られないか虎縞があるとされ、また『源平盛衰記』では背が虎で足がタヌキ、尾はキツネと一定していない。
寅が北東、巳は南東、申が南西、戌系は北西なので、そういうアレなんではないかという説がある。
別の話では、やはり紫宸殿に、「鵺」っぽく鳴くなんぞが出たので、武家出身の平清盛さんが対処を命じられ、対峙したところ、すっごくちっちゃいもふもふが袖の中に入った。
彼がそれを捕まえ、識者にそれを見てもらったところ、毛朱という平たく言うとモモンガで、吉祥だと言われたというのがある。
柳田國男『獅子舞考』によれば、源三位頼政(こっちは「げんさんみよりまさ」)が射殺した怪獣は、ばらばらにされ堺の海へ流された後、各地方へ漂着して、犬神蛇神猿神の根本をなしたとする「近世に成立した俗説」があるという。
主な参考文献
最終更新:2021年05月29日 08:20