荼吉尼天

(1)荼吉尼天は梵語で『ダーキニー』といい、日本では『稲荷神』と混じり、福をもたらす神として信仰されているが、元は人の肉を食らう悪鬼で、大黒天シヴァの妻カーリーの眷属でる。荼吉尼天は人が死ぬ六ヶ月前に、その人物の死を知ることが出来た。そのため、その人物の心臓を呪術で変りのものと取り替え盗んでしまうのだ。このような行いを見かねた大日如来は、大黒天に姿を変え、荼吉尼天を呼び集め叱りつけ、一切の肉を食うことを禁止したのだ。しかし、肉を食うことを禁止されては、荼吉尼天は飢え死にするしかなく、大日如来は死んだ者の肉を食うことを許した。これにより、荼吉尼天は人が死ぬ六ヶ月前にその死を知ると、死ぬまでその人物を法術で守り、そのものが死ぬとその肉を食らうことが出来るようになったのだ。

参考

新紀元社 密教曼荼羅

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最終更新:2006年03月02日 15:47