竜哭く - VP@wiki

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あらすじ

　三国の会談で、近隣国アルハ゛ノルムが見せる妙な動きと、ラッヘ辺境で多発している竜の襲撃についてカール王が話を出す。そこに現れた団長達と、竜の呪いで視力を失ったジさんは、アルバの動きも竜の襲撃も、結社が関わっている可能性を示唆する。
　竜の件の調査のため、ヴェとランの出身である二ムエ村にやってきた団長達とヴェ・ラン・ジさん。ランと団長達は怪しい廃村に向かい、ヴェとジさんはジさんが竜種の気配を感じたという村を調べることにする。廃村組は古井戸の底に破棄された研究施設を発見し、村組はヴェの旧知の村人マイルズとランの父親バンに不信感を覚える。その怪しい二人について、そして村周辺の歴史を村長から聞き、この地には何か大きな秘密が隠されているのではないかと怪しむジさん。
　廃村組は竜に変じる人間に襲われるが、これを撃退。一方その頃、村ではメレア力゛ンスによって解き放たれた、地下に封印されていた無数の竜が村を襲い、村は燃え盛っていた。本性を表し、双頭の竜と化したバンとマイルズと相対する一行。一行は情から攻めあぐねるも、バンは妻を助けるために同胞に手をかけてしまい、バンとマイルズは自責の念から自死を選ぶ。
　そこに救援に駆けつけたパが現れ、事態を収めて一行と村人を町へ護送。ランはジさんと話し、ヴェはパと話し、それぞれ心の整理に努める。
　この国に何が起こっているのか知るため、一行はファフニ一ルの元へ。ラッヘの過去と烈人ガンスについて教わる。
　数日後、王都は竜に襲われ、住人に紛れ込んでいた烈人達も次々竜に変じていく。ガンスは「烈人は国による非道な人体実験の結果であり、それを隠すために虐げられた」と主張し国家転覆を果たそうとする。それを団長達と騎士達は力を合わせて撃退し、烈人達は国で保護することに。ここに今回の騒動はひとまずの決着をみた。
　その後、アルバがラッヘに進軍したとの報せが入った。裏では、モ一ガンという妖精が暗躍していたのだった。

べぱしポイント

• ヴェの空元気を察するパ(4-2)
• 様子を見にくるパ(4-2)

...

　すっかり夜も更け皆が寝静まった頃、物見櫓の中で体を震わせる影がひとつ。
ヴェ「……うぐっ……ぐっ……バンおじさん……マイﾉﾚズおじさん……」
パ　「……駄犬か。こんなところで何をしていた。」
ヴェ「うわっ！　パーさん！？　いや……何って……警備だよ警備！　ランちゃんもジ…さんもまだ本調子じゃないし、なら一番元気な俺が、ってな！」
パ　「ふん……まぁいい。この場所は俺が担当する。お前は休め。」
ヴェ「もしかして……見たのか？」
パ　「お前が泣いていたことか？」
ヴェ「……見てたんだな。」
パ　「ああ。」
ヴェ「ランちゃんが涙をこらえてるのに、俺が泣くわけにはいかないだろ。」
　うっすらと涙に濡れる瞳をこするヴェは、しみじみと語り始める。
ヴェ「……ランちゃんのお父さんのバンおじさんはさ、俺にとっても父親みたいな存在だったんだ。だから……バンおじさんと戦うことになった時、俺は何もできなかった。ランちゃんは、ふがいない俺の分まで必死に戦ってくれたんだ。もし、次に身近な誰かが敵になった時、俺は、ランちゃんのように戦うって決断できる自信がない……」
パ　「身近な誰かが敵に……か。それは葛藤するのも当然だろう。だが、何もできなかったわけではなく、お前は戦わないということを選択しただけだろう。ラ…にはラ…の信念があったように、お前にもお前の信念があった。ラ…の信念に従う必要はない。お前はお前が信じた信念を貫くべきだ。」
ヴェ「俺の信じた信念、か……」
パ　「決して容易い道ではないだろうが、賭けてみる価値はある。正しい答えがない以上、あまり考えすぎても行き詰まるだけだ。ここは俺に任せて、お前は早く床につけ。」
ヴェ「ああ……ありがとな、パ一シウ゛ァル」
パ　「分かったら早く行け。」

解説

　リ三ヴェに繋がる重要な分岐点。

補足

• この時点でのウェは、結社の動きを警戒して旅行者に制限をかけている。国境の町は特に厳しく、住人や行商人以外受け入れていない。
• 幼い頃、幼馴染組は森で大人向けの本を拾ったことがある。