ウルトラマンオーブ THE ORIGIN SAGAの最終回

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#center(){|&br()回想。幼い日のサイキが、両親とともに仲睦まじく過ごしている。&br()&br()突然の砲撃音。両親の姿が消え、サイキだけが取り残される。&br()周囲は銃声と硝煙の嵐。サイキが激しく泣き出す。&br()その泣き声に呼応するように、クイーンベゼルブが、悲しげな声と共に現れる。&br()&br()いつしかサイキが成人の姿と化し、クイーンに手を差し伸べる。&br()&br()&br()サイキ「私は…… 君だ!」&br()&br()|} 宇宙に知恵をもたらすという「命の木」を巡る戦いは、惑星カノンから地球へと舞台を移していた。 [[ウルトラマンオーブ>ウルトラマンオーブの第1話]]ことガイたちのもとに、[[アスカ(ダイナ)>http://neoending.web.fc2.com/animeop/agyou/daina.htm]]と[[ムサシ(コスモス)>ウルトラマンコスモス2 THE BLUE PLANETのオープニング]]に加え、[[我夢(ガイア)>http://neoending.web.fc2.com/anime/agyou/eugaia.htm]]、[[藤宮(アグル)>http://neoending.web.fc2.com/anime/agyou/eugaia.htm]]も参戦。 宇宙の平和を謳って人々の自由意思を奪うことを目論むサイキは、宇宙悪魔クイーンベゼルブと合体し、サイクイーンとなった。 ガイ「おぞましい姿だ……」 #center(){|BGCOLOR(darkgray):COLOR(white):CENTER:&br()&bold(){final episode &big(){&i(){まほろば ~新世界~}}}&br()&br()|} ベゼルブのクグツ毒に操られた怪獣たちが、命の木を襲おうとしている。 我夢「命の木を破壊する気だ!」 藤宮「サイキが果実を狙っていたのは、自分だけはクグツに支配されないためだ」 我夢「けど、クイーンと一体化した今、彼にはもう解毒剤は必要ない。むしろ邪魔なんだ」 声「悲しみや戦いが消えた世界──」 アスカとムサシがやって来る。 アスカ「それは確かに、理想だけどな」 ガイ「アスカさん……」 ムサシ「愛も喜びも、消されてしまっては意味がない」 ガイ「ムサシさんも!」 アスカ「俺たちの光の力で、世界に最高の笑顔を取り戻そうぜ」 一同が力強く、頷き合う。 ガイ「皆さんの力…… お借りします!」 アスカ「ダイナ──!!」 ムサシ「コスモ──ス!!」 我夢「ガイアァ──ッ!!」 藤宮「アグル──ッ!!」 ガイ「オォ──ブ!!」 5人がウルトラマンダイナ、コスモス、ガイア、アグル、そしてウルトラマンオーブに変身する。 ガイアとアグルがサイクイーンに、ガイアとコスモスはほかの怪獣たちに挑む。 アマテが変身した巨人・&ruby(いくさがみ){戦神}はクグツ毒を受けており、苦しむ戦神をオーブが必死に止めようとする。 翔平「解毒剤が必要だ」 結衣「効かなかったじゃない。あの種より強力な解毒剤なんか、どこにあんのよ!?」 翔平「どこにもなかったら、アマテもこの世界も終わるんだ!」 命の木に実る種子は、クグツ毒の解毒剤となる。 しかし、第1話の海底神殿から回収した種でクグツ毒を解毒する試みは、失敗に終わっていた。 翔平が、命の木を見上げる。 翔平「実が成ってるかも……」 結衣「ここからじゃ見えないし、あったとしたって、どうやって採りに行くつもり? もう宇宙船だって無いんだよ!?」 命の木のそばに立っているタワーの頂上が、木の茂みまで届いている。 それに気づいた翔平が、駆け出す。 結衣「しょ、翔平!?」 翔平が無我夢中でタワー目がけて駆け、結衣もそれに続く。 シンラが果敢に刀を振るい、ベゼルブを斬りつける。 シンラ「ジャグラー、頼む!」 ジャグラー「任せろ!」 ジャグラーが魔人態に変身して跳躍し、サイクイーンの脳天に刀を突き立てる。 だが逆に振り落とされ、変身が解けて地面に叩きつけられてしまう。 シンラ「ジャグラー!?」 ジャグラー「はぁ、はぁ…… く、くそぉっ!」 翔平と結衣は、タワーの麓に辿り着く。 タワーの頂上が命の木の茂みに接触していることを確かめ、頂上へと続く階段を駆け昇り始める。 結衣が息を切らし、足がもつれ、階段の途中で転倒する。 翔平「結衣! 大丈夫か!?」 結衣「はぁ、はぁ…… わ、私のことはいいから……」 翔平「いいわけない!」 ようやく2人が、頂上に辿り着く。茂みの中に、いくつもの実が成っている。 翔平「あった……! あった!」 翔平が、茂みから実の一つをもぎ取る。実の皮を剥ぎ、中から現れた種子を見て、ガックリと膝をつく。 結衣「何してんの!?」 翔平「光ってない……」 結衣「えっ?」 翔平「光ってなきゃ、駄目なんだ…… 輝く種じゃなきゃ、海底の種と同じ結果になる!」 悲嘆にくれる翔平に、結衣が真剣な顔で訴える。 結衣「今さら、そんな顔しないでくれる! 星の向こうのお姫様と、直接心が繋がるなんて奇蹟を起こしといて、今さら絶望しないでよ!」 翔平「……」 結衣「女王様のために、ここまで駆け上がって来たんでしょうが! 女王様だって、あんたのために7万光年も飛び越えて来たんだよ!? なのに、種が光ってるの光ってないのって、んなもん、あんたが自分で光らせなさいよ!!」 翔平「……!?」 結衣「翔平は、進化したんだよね!? だったら、進化した人間のもの凄さを教えてよ!!」 翔平「結衣……!」 結衣の眼差しに心を打たれた翔平が、種子を抱き、思念を集中する。 結衣「女王様のことだけ考えて。『絶対に助けるんだ』って! 強く、強くそう想って……」 パーテル「いよいよだよ。クグツが全宇宙に散らばるよ!」 リッカ「世界が変わっちゃう……!?」 翔平が種子を抱きしめ、必死に思念を込める。唯も翔平と共に手を添え、目を閉じる。 (アマテ『翔平──!!』) (翔平『アマテ──!!』) 翔平の胸の中で、種子がまばゆく光り出す。 結衣「はっ…… やった!」 翔平「あぁっ…… 光った…… 光ったぁぁ──っっ!!」 頭上の茂みの中にいくつも実った実も、次々に光り始める。 ウルトラマンたちの戦いの余波で、四方に火の手が上がる。 余波が翔平と結衣のいるタワーにもおよび、翔平たちが外へ投げ出され、眼下へと落ちてゆく。 結衣「いやぁ──っ!!」 オーブが宙を舞い、翔平たちを受け止める。 翔平「これを戦神に。アマテを救ってくれ!」 翔平の放り投げた種子を、オーブが受け止め、戦神目がけて投げつける。 苦しみ喘いでいた戦神が、額に種子を受けるや、次第に鎮まってゆく。 結衣「見て!」 翔平「効いてる。効果があるんだ! アマテを救える!」 パーテル「あぁっ、戦神が解毒されちゃうよ! マ~イフレンド!」 シンラ「アマテ様!」 リッカ「2人が、あの地球人の想いが!」 命の木からあふれる実の光を、オーブが受け止め、コスモスがそれを戦神や怪獣たちへ放つ。 怪獣たちがクグツ毒から解放され、空へ還ってゆく。 それを見たサイクイーンが、自らも空高く舞い上がる。 シンラ「何をする気だ!?」 パーテル「戦神と一つになるんだよ。そうしたら、クグツを放出できる!」 アグル、ガイア、ガイア、コスモス、オーブが同時に必殺光線の構えをとる。 アグルストリーム、クァンタムストリーム、ソルジェント光線、ムーンライトスマッシュ。そしてオリジウム光線。 5大必殺光線がサイクイーンに炸裂──! サイキ「うぅっ! うぅぅっ!」 サイクイーンの体内で、サイキが苦悶の声を張り上げる。 それに気づいたオーブが、光線の奔流が満ちるサイクイーンの中へと飛び込む。 その直後、サイクイーンが大爆発──!! 破片の一つが、シンラとリッカのもとにも飛んでくる。 あわやというとき、パーテルがとっさに自身を盾とする。 爆発の中から飛び立ったオーブが地上に降り立ち、変身を解く。 瓦礫の中、変身を解いたガイが息を切らす。 隣には、気を失ったサイキが横たわっている。 パーテル「バイバイ…… マ~イフレンド……」 破片の直撃を受けたパーテルが、煙を吹いて動かなくなる。 戦神も変身を解く。 シンラ「アマテ様!」 サイキ「はぁっ! はぁ、はぁ……」 サイキが意識を取戻し、隣にガイが大の字で息を切らしているのに気づく。 ガイ「はぁ…… はぁ……」 サイキ「……なぜ、私を助けた?」 ガイ「誰1人、犠牲にしたくないんだ…… 俺は……」 サイキ「救う価値があるのか? 犠牲ばかり強いる、この宇宙に」 ガイ「知恵を与える命の木は、それを護る戦神と、その知恵を消し去る毒を持ったベゼルブを生み出したんだよな」 サイキ「そうだ。クグツは、暴走した知恵が宇宙を乱したとき、それを消し去るための、安全装置だったんだ」 ガイ「なら、なんで命の木は、そのクグツを解毒する果実を実らせる!?」 サイキ「……?」 ガイ「あの果実こそが、知恵ある世界を護る、最後の安全装置だったんじゃないのか!?」 サイキ「!?」 翔平「ガイさぁん!」 翔平と結衣が駆けて来る。 アマテ、シンラ、リッカもやって来る。 翔平「アマテ!」 翔平とアマテが互いの安堵を喜び、抱き合う。 ガイがサイキを助け起こす。 アスカ、ムサシ、我夢、藤宮もやって来る。 ガイ「だから、命の木に果実が輝く限り、この宇宙は救う価値があるんだ。違うか? ドクター・サイキ」 サイキ「……」 リッカの手に、パーテルが抱かれている。 サイキ「パーテル!?」 リッカ「この子が、私たちを助けてくれたの」 サイキ「パーテル……」 動かなくなったパーテルを、サイキが抱きしめて泣き崩れる。 アマテが優しく、サイキの肩に触れる。 アマテ「この宇宙で、争いのない世界を望むことは、確かに難しい。不可能のように思える。けれど、あきらめずに想い続ければ、いつかきっと──」 サイキが、泣き笑いのような顔を返す。 アマテ「翔平と結衣さんのおかげで、命の木も輝き始めました。知恵ある限り、愛ある世界は終わらないのです。それを2人が証明してくれました」 翔平と結衣が、照れ笑いするように見つめ合う。 ガイが翔平と結衣の手を取り、穏やかに頷き合う。 アマテも笑顔で、一同の手に自分の手を重ねる。 その様子を彼方で、ジャグラーが複雑な面持ちで見つめている。 視線に気づいたガイが彼方を見ると、ジャグラーはすでに消えている。 日が暮れてゆく。 夕陽に照らされた命の木を、ガイ、アスカ、ムサシ、我夢、藤宮が見つめている。 我夢「君の冒険は、これから始まるんだ」 ガイ「次はどの宇宙に行くのかな…… 一体、宇宙っていくつあるんですか?」 ムサシ「可能性の分だけ。そして宇宙の数だけ、冒険と素晴しい出逢いが君を待っている」 アスカ「初陣にしては、いい動きだったぜ。ルーキー」 ガイ「いや…… 先輩たちに頼りっきりで、お恥ずかしいです」 藤宮「恥じる必要なんか、一つもない」 我夢「逆だよ。助け合える仲間がいることは、僕らの誇りだし」 アスカ「じゃあ、行くか」 ムサシ「一つの星に、干渉しすぎちゃいけない」 我夢「だから…… さよなら」 藤宮「またいつか、どこかで」 アスカ「行こう。それぞれの、明日へ」 アスカ、ムサシ、我夢、藤宮が、ダイナ、コスモス、ガイア、アグルに変身。 空の彼方へと飛び去る。 惑星&ruby(オーフィフティ){O-50} 戦士の頂。 ガイがオーブカリバーをじっと見つめる。 声「やっぱりここに戻って来たんだな、ガイ」 声に気づいたガイが顔を上げると、ジャグラーが笑顔を携えている。 ガイが笑顔を返そうとするが、ジャグラーの姿は虚空に消える。 幻だったことに気づき、ガイの顔が曇る。 突如、オーブカリバーが光り始め、その光が空中に文字を描き出す。 ガイ「次のミッション……!」 その光が環となり、ガイの胸に同化する。 ガイ「う!? うぅ、うぅおおぉ──っっ!!」 ガイがウルトラマンオーブに変身。 さらに最初期形態であるオリジン・ザ・ファーストの姿から、テレビ版に登場したオーブオリジンへと変わってゆく。 新たな姿を得たウルトラマンオーブが、次のミッションに向かって飛び立つ──! #center(){|BGCOLOR(black):COLOR(white):CENTER:&br()&big(){THE END&br()OF&br()THE ORIGIN SAGA}&br()&br()|}
#center(){|&br()回想。幼い日のサイキが、両親とともに仲睦まじく過ごしている。&br()&br()突然の砲撃音。両親の姿が消え、サイキだけが取り残される。&br()周囲は銃声と硝煙の嵐。サイキが激しく泣き出す。&br()その泣き声に呼応するように、クイーンベゼルブが、悲しげな声と共に現れる。&br()&br()いつしかサイキが成人の姿と化し、クイーンに手を差し伸べる。&br()&br()&br()サイキ「私は…… 君だ!」&br()&br()|} 宇宙に知恵をもたらすという「命の木」を巡る戦いは、惑星カノンから地球へと舞台を移していた。 [[ウルトラマンオーブ>ウルトラマンオーブの第1話]]ことガイたちのもとに、[[アスカ(ダイナ)>http://neoending.web.fc2.com/animeop/agyou/daina.htm]]と[[ムサシ(コスモス)>ウルトラマンコスモス2 THE BLUE PLANETのオープニング]]に加え、[[我夢(ガイア)>http://neoending.web.fc2.com/anime/agyou/eugaia.htm]]、[[藤宮(アグル)>http://neoending.web.fc2.com/anime/agyou/eugaia.htm]]も参戦。 宇宙の平和を謳って人々の自由意思を奪うことを目論むサイキは、宇宙悪魔クイーンベゼルブと合体し、サイクイーンとなった。 ガイ「おぞましい姿だ……」 #center(){|BGCOLOR(darkgray):COLOR(white):CENTER:&br()&bold(){final episode &big(){&i(){まほろば ~新世界~}}}&br()&br()|} ベゼルブのクグツ毒に操られた怪獣たちが、命の木を襲おうとしている。 我夢「命の木を破壊する気だ!」 藤宮「サイキが果実を狙っていたのは、自分だけはクグツに支配されないためだ」 我夢「けど、クイーンと一体化した今、彼にはもう解毒剤は必要ない。むしろ邪魔なんだ」 声「悲しみや戦いが消えた世界──」 アスカとムサシがやって来る。 アスカ「それは確かに、理想だけどな」 ガイ「アスカさん……」 ムサシ「愛も喜びも、消されてしまっては意味がない」 ガイ「ムサシさんも!」 アスカ「俺たちの光の力で、世界に最高の笑顔を取り戻そうぜ」 一同が力強く、頷き合う。 ガイ「皆さんの力…… お借りします!」 アスカ「ダイナ──!!」 ムサシ「コスモ──ス!!」 我夢「ガイアァ──ッ!!」 藤宮「アグル──ッ!!」 ガイ「オォ──ブ!!」 5人がウルトラマンダイナ、コスモス、ガイア、アグル、そしてウルトラマンオーブに変身する。 ガイアとアグルがサイクイーンに、ガイアとコスモスは他の怪獣たちに挑む。 アマテが変身した巨人・&ruby(いくさがみ){戦神}はクグツ毒を受けており、苦しむ戦神をオーブが必死に止めようとする。 翔平「解毒剤が必要だ」 結衣「効かなかったじゃない。あの種より強力な解毒剤なんか、どこにあんのよ!?」 翔平「どこにもなかったら、アマテもこの世界も終わるんだ!」 命の木に実る種子は、クグツ毒の解毒剤となる。 しかし、第1話の海底神殿から回収した種でクグツ毒を解毒する試みは、失敗に終わっていた。 翔平が、命の木を見上げる。 翔平「実が成ってるかも……」 結衣「ここからじゃ見えないし、あったとしたって、どうやって採りに行くつもり? もう宇宙船だって無いんだよ!?」 命の木のそばに立っているタワーの頂上が、木の茂みまで届いている。 それに気づいた翔平が、駆け出す。 結衣「しょ、翔平!?」 翔平が無我夢中でタワー目がけて駆け、結衣もそれに続く。 シンラが果敢に刀を振るい、ベゼルブを斬りつける。 シンラ「ジャグラー、頼む!」 ジャグラー「任せろ!」 ジャグラーが魔人態に変身して跳躍し、サイクイーンの脳天に刀を突き立てる。 だが逆に振り落とされ、変身が解けて地面に叩きつけられてしまう。 シンラ「ジャグラー!?」 ジャグラー「はぁ、はぁ…… く、くそぉっ!」 翔平と結衣は、タワーの麓に辿り着く。 タワーの頂上が命の木の茂みに接触していることを確かめ、頂上へと続く階段を駆け昇り始める。 結衣が息を切らし、足がもつれ、階段の途中で転倒する。 翔平「結衣! 大丈夫か!?」 結衣「はぁ、はぁ…… わ、私のことはいいから……」 翔平「いいわけない!」 ようやく2人が、頂上に辿り着く。茂みの中に、いくつもの実が成っている。 翔平「あった……! あった!」 翔平が、茂みから実の一つをもぎ取る。実の皮を剥ぎ、中から現れた種子を見て、ガックリと膝をつく。 結衣「何してんの!?」 翔平「光ってない……」 結衣「えっ?」 翔平「光ってなきゃ、駄目なんだ…… 輝く種じゃなきゃ、海底の種と同じ結果になる!」 悲嘆にくれる翔平に、結衣が真剣な顔で訴える。 結衣「今さら、そんな顔しないでくれる! 星の向こうのお姫様と、直接心が繋がるなんて奇蹟を起こしといて、今さら絶望しないでよ!」 翔平「……」 結衣「女王様のために、ここまで駆け上がって来たんでしょうが! 女王様だって、あんたのために7万光年も飛び越えて来たんだよ!? なのに、種が光ってるの光ってないのって、んなもん、あんたが自分で光らせなさいよ!!」 翔平「……!?」 結衣「翔平は、進化したんだよね!? だったら、進化した人間のもの凄さを教えてよ!!」 翔平「結衣……!」 結衣の眼差しに心を打たれた翔平が、種子を抱き、思念を集中する。 結衣「女王様のことだけ考えて。『絶対に助けるんだ』って! 強く、強くそう想って……」 パーテル「いよいよだよ。クグツが全宇宙に散らばるよ!」 リッカ「世界が変わっちゃう……!?」 翔平が種子を抱きしめ、必死に思念を込める。唯も翔平と共に手を添え、目を閉じる。 (アマテ『翔平──!!』) (翔平『アマテ──!!』) 翔平の胸の中で、種子がまばゆく光り出す。 結衣「はっ…… やった!」 翔平「あぁっ…… 光った…… 光ったぁぁ──っっ!!」 頭上の茂みの中にいくつも実った実も、次々に光り始める。 ウルトラマンたちの戦いの余波で、四方に火の手が上がる。 余波が翔平と結衣のいるタワーにもおよび、翔平たちが外へ投げ出され、眼下へと落ちてゆく。 結衣「いやぁ──っ!!」 オーブが宙を舞い、翔平たちを受け止める。 翔平「これを戦神に。アマテを救ってくれ!」 翔平の放り投げた種子を、オーブが受け止め、戦神目がけて投げつける。 苦しみ喘いでいた戦神が、額に種子を受けるや、次第に鎮まってゆく。 結衣「見て!」 翔平「効いてる。効果があるんだ! アマテを救える!」 パーテル「あぁっ、戦神が解毒されちゃうよ! マ~イフレンド!」 シンラ「アマテ様!」 リッカ「2人が、あの地球人の想いが!」 命の木からあふれる実の光を、オーブが受け止め、コスモスがそれを戦神や怪獣たちへ放つ。 怪獣たちがクグツ毒から解放され、空へ還ってゆく。 それを見たサイクイーンが、自らも空高く舞い上がる。 シンラ「何をする気だ!?」 パーテル「戦神と一つになるんだよ。そうしたら、クグツを放出できる!」 アグル、ガイア、ガイア、コスモス、オーブが同時に必殺光線の構えをとる。 アグルストリーム、クァンタムストリーム、ソルジェント光線、ムーンライトスマッシュ。そしてオリジウム光線。 5大必殺光線がサイクイーンに炸裂──! サイキ「うぅっ! うぅぅっ!」 サイクイーンの体内で、サイキが苦悶の声を張り上げる。 それに気づいたオーブが、光線の奔流が満ちるサイクイーンの中へと飛び込む。 その直後、サイクイーンが大爆発──!! 破片の一つが、シンラとリッカのもとにも飛んでくる。 あわやというとき、パーテルがとっさに自身を盾とする。 爆発の中から飛び立ったオーブが地上に降り立ち、変身を解く。 瓦礫の中、変身を解いたガイが息を切らす。 隣には、気を失ったサイキが横たわっている。 パーテル「バイバイ…… マ~イフレンド……」 破片の直撃を受けたパーテルが、煙を吹いて動かなくなる。 戦神も変身を解く。 シンラ「アマテ様!」 サイキ「はぁっ! はぁ、はぁ……」 サイキが意識を取戻し、隣にガイが大の字で息を切らしているのに気づく。 ガイ「はぁ…… はぁ……」 サイキ「……なぜ、私を助けた?」 ガイ「誰1人、犠牲にしたくないんだ…… 俺は……」 サイキ「救う価値があるのか? 犠牲ばかり強いる、この宇宙に」 ガイ「知恵を与える命の木は、それを護る戦神と、その知恵を消し去る毒を持ったベゼルブを生み出したんだよな」 サイキ「そうだ。クグツは、暴走した知恵が宇宙を乱したとき、それを消し去るための、安全装置だったんだ」 ガイ「なら、なんで命の木は、そのクグツを解毒する果実を実らせる!?」 サイキ「……?」 ガイ「あの果実こそが、知恵ある世界を護る、最後の安全装置だったんじゃないのか!?」 サイキ「!?」 翔平「ガイさぁん!」 翔平と結衣が駆けて来る。 アマテ、シンラ、リッカもやって来る。 翔平「アマテ!」 翔平とアマテが互いの安堵を喜び、抱き合う。 ガイがサイキを助け起こす。 アスカ、ムサシ、我夢、藤宮もやって来る。 ガイ「だから、命の木に果実が輝く限り、この宇宙は救う価値があるんだ。違うか? ドクター・サイキ」 サイキ「……」 リッカの手に、パーテルが抱かれている。 サイキ「パーテル!?」 リッカ「この子が、私たちを助けてくれたの」 サイキ「パーテル……」 動かなくなったパーテルを、サイキが抱きしめて泣き崩れる。 アマテが優しく、サイキの肩に触れる。 アマテ「この宇宙で、争いのない世界を望むことは、確かに難しい。不可能のように思える。けれど、あきらめずに想い続ければ、いつかきっと──」 サイキが、泣き笑いのような顔を返す。 アマテ「翔平と結衣さんのおかげで、命の木も輝き始めました。知恵ある限り、愛ある世界は終わらないのです。それを2人が証明してくれました」 翔平と結衣が、照れ笑いするように見つめ合う。 ガイが翔平と結衣の手を取り、穏やかに頷き合う。 アマテも笑顔で、一同の手に自分の手を重ねる。 その様子を彼方で、ジャグラーが複雑な面持ちで見つめている。 視線に気づいたガイが彼方を見ると、ジャグラーはすでに消えている。 日が暮れてゆく。 夕陽に照らされた命の木を、ガイ、アスカ、ムサシ、我夢、藤宮が見つめている。 我夢「君の冒険は、これから始まるんだ」 ガイ「次はどの宇宙に行くのかな…… 一体、宇宙っていくつあるんですか?」 ムサシ「可能性の分だけ。そして宇宙の数だけ、冒険と素晴しい出逢いが君を待っている」 アスカ「初陣にしては、いい動きだったぜ。ルーキー」 ガイ「いや…… 先輩たちに頼りっきりで、お恥ずかしいです」 藤宮「恥じる必要なんか、一つもない」 我夢「逆だよ。助け合える仲間がいることは、僕らの誇りだし」 アスカ「じゃあ、行くか」 ムサシ「一つの星に、干渉しすぎちゃいけない」 我夢「だから…… さよなら」 藤宮「またいつか、どこかで」 アスカ「行こう。それぞれの、明日へ」 アスカ、ムサシ、我夢、藤宮が、ダイナ、コスモス、ガイア、アグルに変身。 空の彼方へと飛び去る。 惑星&ruby(オーフィフティ){O-50} 戦士の頂。 ガイがオーブカリバーをじっと見つめる。 声「やっぱりここに戻って来たんだな、ガイ」 声に気づいたガイが顔を上げると、ジャグラーが笑顔を携えている。 ガイが笑顔を返そうとするが、ジャグラーの姿は虚空に消える。 幻だったことに気づき、ガイの顔が曇る。 突如、オーブカリバーが光り始め、その光が空中に文字を描き出す。 ガイ「次のミッション……!」 その光が環となり、ガイの胸に同化する。 ガイ「う!? 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