セラフィニアヌス

白銀の甲冑を纏ったクジラのような姿の外神
この外神は異空間を縄張りとしており、瞬間移動系魔術を使用した際にのみその姿を目にする事となる。
長距離の移動である程、そして移動する人数や荷物が多い程に遭遇する確率が高まると言う。

遠巻きならまだしも、運悪く接触すると問答無用で襲ってくる。
そして体当たりで異空間から弾き出され、結果として本来の移動先ではない場所に出てしまう。
出た先が魔物の目の前とかならマシな方。
遥か上空や深海に出て、どうしようもないまま死んでしまう事もありえるのだ。

この事態を避けるには座標設定の魔法が必要不可欠。
これをしてさえいれば、例えセラフィニアヌスに体当たりされてもある程度は目的地付近まで到達する事が可能だろう。

だが、この体当たりはまだ加減された攻撃である。
中途半端に反撃したりすると『空間震』と呼ばれる攻撃をくらう事になる。

これは周囲の異空間全体を揺らす攻撃であり、回避はほぼ不可能。
これをくらうと身体がバラバラになり、その状態でロクシアに弾き出されてしまう。
右目はメルグにいるのに左手はカタル、下半身はシードリアという事に。

しかしこれによって死ぬ事はない。
見た目こそはバラバラだが空間的には繋がっている。
断面から血は流れないし、心臓の血液は世界中の身体に行き渡る。
身体的には傷を負っていない状態なので回復魔法も意味がない。
右目と左目で違うものを見て、右耳と左耳で違う音を聞き、何が起こっているのかも分からぬまま全身で寒さや暖かさや痛みを感じる事になる。

何処かの部位が傷つけばそれが原因で死ねるだろう。
だがそうでなければ行きつく先は発狂である。


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最終更新:2022年06月21日 14:57