転送官(ワープナー)

高位の空間魔法の使い手が所属すると言われる職業。
各地の主要な都市にそれぞれ座標設定を施した祭壇施設を設置。
そこを介して複数名の術者が儀式を行い、大規模なテレポーテーションを発動する事で特定の対象を転送する事を可能としている。

移動可能な人数は負担となる荷物類を除き、最大で10人前後。
移動方法が徒歩や馬車、船舶が基本であるロクシアにおいてはこれが最も速く大陸間を移動出来る手段であろう。


しかし当然ながら誰でも気軽に利用出来る訳ではない。
これを使えるのは基本的に王族や大貴族等の特別な者のみ。
また王族と言えど個人で使用する事は出来ず、必ず複数の手続きが必要となるようだ。

特例として国からの要請を請け負った勇者候補、緊急性の高い情報を伝える為の伝令運び屋等に利用許可が出る場合も。

勿論であるが一般人の使用は確実に却下される。
なお、祭壇施設に他の者を含む障害物等が置かれていると発動は高確率で不発となるので注意。


【長距離転送のリスク】
最速の長距離移動方法でありながら、この移動法には大きなリスクが付き纏う。
その最たる理由は亜空間内に潜む外神セラフィニアヌス』の存在である。

目視範囲内での転移ならば兎も角、大陸間を跨ぐ程の長距離転移はこの外なる神に遭遇する可能性が高くなってしまう。
運が悪いと『空間震』を発動され、問答無用で体をバラバラにされてしまうのだ。

その為、使用許可が出ても実際に行使するかどうかは移動する本人の意思。
転移する道筋にセラフィニアヌスがいない事を祈るしかないだろう。


【黒羊討伐隊一斉転送計画】
バクハーン国の要請により、各地から腕利きの冒険者や勇者候補達が集結した『ブラックシープ商会討伐作戦』
要請を受けた者の大半は通常ルートでバクハーンを目指したが、数組の勇者候補は臆する事無くこの大規模転移の使用を選択。
転送官達は予め各地の転送官同士で綿密に連絡を取り合い、数日後に準備が整うとタイミングを合わせて一斉に儀式が行使された。
(これはもし運の悪い者がセラフィニアヌスに遭遇しても、その者が襲われている間に他の者達は無事に到着できると言う苦肉の策であったようだ)

結果は誰一人欠ける事も無く全員が無事に到着し、晴れて討伐軍の『オールスター』は完成されたのだった。

+ 真相
実際は転送中の「鏖金の明星」の元にセラフィニアヌスが迫っていたのだが、グザンが応戦の為に外神形態を発動。
だがその姿に“自身よりも強いモノ”とほぼ同質の神力を感じ取ったセラフィニアヌスは何もせず撤退。
暫くの間はその神力を警戒し、他の転送者達にも目を向けずに亜空間内でじっと様子見をしていたようだ。


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最終更新:2022年04月10日 11:37