ネグロウィン王国

リクレシア大陸、ヴォルゲン神主国の南西方向に存在していた小国。

国土は狭いながらも宝石類を産出する鉱山を幾つも領有。
更に第一次魔族侵攻後から鉱山付近に小さな瘴気溜まりが発生した事でダークジュエル等の魔界系鉱物も採取出来ていたようだ。

一般的に魔界由来の鉱物は瘴気のせいで人間が扱うには危険とされている。
だが此処で採掘されるダークジュエルの危険度はかなり低く、かつネグロウィンの持つ加工技術によって安定性の高い代物へと仕上げられていたとの事。

その影響か闇魔法の素質を持つ者が多く生まれるようになり、他の国では忌み嫌われている魔物使い死霊魔術師にも寛大であったとも。
そもそも国王自身が大陸でも指折りの怨霊魔術の使い手で、高位悪魔と契約していた程である。

王宮に仕える闇魔法使いの精鋭で構成された兵団も闇の装飾品で身を固め、魔界鉱物で増幅した攻撃魔法は驚異的であったと云う。



そんなネグロウィン王国であるが、この地の魔界資源に目を付けた一人の魔王候補によって侵攻される事となる。

王国は全軍を持って立ち向かったものの、流石の兵団も圧倒的な力を持つ魔王候補を前に徐々に戦線を後退。
やがて都にまで攻め込まれた事で、遂に国王は契約していた悪魔を召喚して魔王候補へとぶつけたのだった。

…が、なにやら様子がおかしい。
実はこの悪魔、大昔に魔界で魔王候補と一度戦い痛み分けとなっていたのである。
国王は街や城に攻撃を向けない様に指示するも、悪魔の怒りの前には契約も何もかもが吹き飛んだ。

―――結果、王国のあった地は無数のクレーターが広がる荒野と化したのであった。


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最終更新:2024年08月16日 23:51